【宅建過去問】(平成23年問31)媒介契約

宅地取引業者A社が、Bから自己所有の宅地の売買の媒介を依頼された場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. A社は、Bとの間で締結した媒介契約が専任媒介契約であるか否かにかかわらず、所定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。
  2. A社は、Bとの間で専任媒介契約を締結したときは、Bからの申出があれば、所定の事項を指定流通機構に登録しない旨の特約を定めることができる。
  3. A社は、Bとの間で専任媒介契約を締結し、所定の事項を指定流通機構に登録したときは、その登録を証する書面を遅滞なくBに引き渡さなければならない。
  4. A社は、Bとの間で専任媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買契約が成立したとしても、その旨を指定流通機構に通知する必要はない。

正解:3

はじめに

最初に、一般媒介契約と専任媒介契約、さらに専属専任媒介契約について、共通点と相違点をまとめておきます。

1 誤り

専任媒介契約の場合には、媒介契約の日から休業日数を除き7日以内専属専任媒介契約の場合は5日以内)に、物件に関する所定事項について、指定流通機構に登録する必要があります(宅建業法34条の2第5項、同法施行規則15条の10)。
しかし、一般媒介契約の場合には、指定流通機構への登録は、任意です。登録することはできますが、登録する義務はありません。
本肢は、「専任媒介契約であるか否かにかかわらず…登録しなければならない」とする点が誤っています。

■類似過去問
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指定流通機構への登録(登録義務)(宅建業法[10]4(3))
 年-問-肢内容正誤
[共通の設定]
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地又は建物の売却に係る媒介を依頼された。
専任媒介契約
129-28-イ宅建業者Aは、宅地の売却を希望するBと専任代理契約を締結した。Aは、Bの要望を踏まえ、当該代理契約に指定流通機構に登録しない旨の特約を付したため、その登録をしなかった。×
227-30-イ専任媒介契約で、依頼者の要望により、指定流通機構に登録しない旨の特約をし、指定流通機構に登録しなかった。×
327-30-ウ専任媒介契約で、短期間で売買契約を成立させることができると判断したので指定流通機構に登録せず、専任媒介契約締結の日の9日後に当該売買契約を成立させた。×
426-32-ア専任媒介契約で、依頼者の申出があった場合、登録しなくても宅建業法に違反しない。×
523-31-2専任媒介契約で、「登録しない」という特約が可能。×
615-43-2専任媒介契約でも、依頼者の承諾を受けていれば、指定流通機構に登録しなくてもよい。×
専属専任媒介契約
111-37-2買主の探索が容易で、指定流通機構への登録期間経過後短期間で売買契約を成立させることができる場合、指定流通機構に登録する必要はない。×
211-39-4専属専任媒介契約である場合、所定期間内に指定流通機構に登録をしなかったとき、直ちに罰則の適用を受けることがある。×
306-47-1専属専任媒介契約である場合、必ず指定流通機構に登録しなければならない。
404-39-4専属専任媒介契約である場合、契約の相手方の探索については、指定流通機構に登録することにより、行わなければならない。
503-44-4専属専任媒介契約である場合、指定流通機構に登録しなくてもよい旨の特約は、無効となる。
一般媒介契約
1R02-38-3Aは、一般媒介契約を締結した場合、指定流通機構に甲住宅の所在等を登録しなければならない。×
223-31-1一般媒介契約でも、登録義務がある。×
320-35-アAが、Bとの間に一般媒介契約を締結したときは、当該宅地に関する所定の事項を必ずしも指定流通機構へ登録しなくてもよいため、当該媒介契約の内容を記載した書面に、指定流通機構への登録に関する事項を記載する必要はない。×
411-39-1専任媒介契約でない場合、指定流通機構に登録することはできない。×

2 誤り

(肢1参照。)
指定流通機構への登録に関し、宅建業法の規定に反する特約は、無効です(宅建業法34条の2第10項)。
顧客Bからの申出があったとしても、登録義務を免れることはできません。

■類似過去問
内容を見る
指定流通機構への登録(登録義務)(宅建業法[10]4(3))
 年-問-肢内容正誤
[共通の設定]
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地又は建物の売却に係る媒介を依頼された。
専任媒介契約
129-28-イ宅建業者Aは、宅地の売却を希望するBと専任代理契約を締結した。Aは、Bの要望を踏まえ、当該代理契約に指定流通機構に登録しない旨の特約を付したため、その登録をしなかった。×
227-30-イ専任媒介契約で、依頼者の要望により、指定流通機構に登録しない旨の特約をし、指定流通機構に登録しなかった。×
327-30-ウ専任媒介契約で、短期間で売買契約を成立させることができると判断したので指定流通機構に登録せず、専任媒介契約締結の日の9日後に当該売買契約を成立させた。×
426-32-ア専任媒介契約で、依頼者の申出があった場合、登録しなくても宅建業法に違反しない。×
523-31-2専任媒介契約で、「登録しない」という特約が可能。×
615-43-2専任媒介契約でも、依頼者の承諾を受けていれば、指定流通機構に登録しなくてもよい。×
専属専任媒介契約
111-37-2買主の探索が容易で、指定流通機構への登録期間経過後短期間で売買契約を成立させることができる場合、指定流通機構に登録する必要はない。×
211-39-4専属専任媒介契約である場合、所定期間内に指定流通機構に登録をしなかったとき、直ちに罰則の適用を受けることがある。×
306-47-1専属専任媒介契約である場合、必ず指定流通機構に登録しなければならない。
404-39-4専属専任媒介契約である場合、契約の相手方の探索については、指定流通機構に登録することにより、行わなければならない。
503-44-4専属専任媒介契約である場合、指定流通機構に登録しなくてもよい旨の特約は、無効となる。
一般媒介契約
1R02-38-3Aは、一般媒介契約を締結した場合、指定流通機構に甲住宅の所在等を登録しなければならない。×
223-31-1一般媒介契約でも、登録義務がある。×
320-35-アAが、Bとの間に一般媒介契約を締結したときは、当該宅地に関する所定の事項を必ずしも指定流通機構へ登録しなくてもよいため、当該媒介契約の内容を記載した書面に、指定流通機構への登録に関する事項を記載する必要はない。×
411-39-1専任媒介契約でない場合、指定流通機構に登録することはできない。×

3 正しい

指定流通機構に物件を登録すると、登録を証する書面が発行されます。宅建業者は、この書面を遅滞なく依頼者に引き渡す必要があります(宅建業法34条の2第6項)。

■類似過去問
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指定流通機構への登録(登録を証する書面)(宅建業法[10]4(3)③)
 年-問-肢内容正誤
[共通の設定]
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地又は建物の売却に係る媒介を依頼された。
1R02-29-アAは、Bとの間で専任媒介契約を締結し、所定の事項を指定流通機構に登録したときは、その登録を証する書面を遅滞なくBに引き渡さなければならない。
229-43-ウAは、当該専任媒介契約の締結の日から7日(ただし、Aの休業日は含まない。)以内に所定の事項を指定流通機構に登録しなければならず、また、法第50条の6に規定する登録を証する書面を遅滞なくBに提示しなければならない。×
323-31-3登録を証する書面の引渡義務あり。
421-32-2書面を引き渡さない場合、指示処分の対象になる。
520-35-イ宅建業者が書面を作成し交付しなければならない。×
611-39-3登録を証する書面を遅滞なく引渡す義務あり。

4 誤り

専任媒介契約に基づき売買契約が成立したとき、宅建業者は、以下の事項を指定流通機構に通知する必要があります(宅建業法34条の2第7項、同法施行規則15条の13)。

■類似過去問
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指定流通機構への登録(契約成立時の通知)(宅建業法[10]4(3)④)
 年-問-肢内容正誤
128-27-2
専任媒介契約を締結した場合、売買契約が成立しても、引渡しが完了していなければ、指定流通機構に通知する必要はない。
×
225-28-ア専任媒介契約の場合、契約成立後、遅滞なく、登録番号、取引価格、契約成立日、売主・買主の氏名の通知が必要。×
324-29-1専任媒介契約の場合、契約成立後、遅滞なく、指定流通機構に対し、登録番号・取引価格・契約年月日の通知が必要。
423-31-4専任媒介契約の場合、契約成立後、指定流通機構に対する通知義務なし。×
521-32-4専任媒介契約の場合、売買契約が成立し物件の引渡しを完了した後、遅滞なく、指定流通機構に通知。×
620-35-ウ通知事項は、宅地の所在・取引価格・契約年月日。×
716-45-1指定流通機構に通知しないと指示処分の対象。
815-43-1報酬を受領するまでは、指定流通機構への通知義務なし。×
910-45-3専任媒介契約の場合、契約成立後、遅滞なく、指定流通機構に対し、登録番号・取引価格・契約年月日の通知が必要。

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【宅建過去問】(平成23年問31)媒介契約” に対して4件のコメントがあります。

  1. ムライ より:

    ありがとうございます!!!

    1. 家坂 圭一 より:

      どういたしまして!

  2. ムライ より:

    いつもお世話になっております。
    契約が成立した場合、遅滞なくその旨を指定流通機構に通知する義務があると思うのですが、
    一般媒介の場合もこの通知義務はあるのでしょうか?
    登録義務もなければ通知義務もない感じですか…?

    1. 家坂 圭一 より:

      指定流通機構との関係について、宅建業法で規定されているのは、「専任媒介契約」についてのみです。
      これに関しては、

      1. 指定流通機構への登録義務
      2. 登録を証する書面の交付義務
      3. 契約成立時の指定流通機構への通知義務

      など詳細な定めがあります。
      しかし、これらの規定は、「一般媒介契約」を対象にしていません。

      もちろん、一般媒介契約についても、指定流通機構に登録したっきり契約が成立しても放置、というのでは困ります。何らかの手立てがあるはずですが、それは、「宅建業法」上のものではないわけです。

      宅建試験は、「宅地建物取引業法の規定によれば、正しい(誤っている)ものはどれか。」を答える試験です。もしも、出題された場合は、「宅建業法上の義務はない。」と答えることになります。
      (過去の出題例はありませんし、将来の出題可能性も乏しいと思います。)

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