【宅建過去問】(平成24年問03)民法に規定されているもの

【注意】

「民法の条文に規定されているかどうか」を問う問題は、民法改正を控えた平成24年~29年の6年間に渡り出題されました。令和2年に改正民法が施行されたため、今後この形式で出題される可能性は低いです。ここでは、改正後の民法に合うように問題を修正して掲載しています。


次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはいくつあるか。

  • ア 意思能力を欠く状態でなされた意思表示が無効である旨
  • イ 契約締結に当たって当事者が基礎とした事情に変更が生じた場合に、当事者は契約の再交渉を求めることができる旨
  • ウ 保証契約は、書面でしなければその効力を生じない旨
  • エ 物の瑕疵とは、目的物が備えるべき性質、品質を備えていないことである旨
  1. なし
  2. 一つ
  3. 二つ
  4. 三つ

正解:3

ア 条文に規定されている

意思能力とは、自己の行為の結果を判断することができる精神的能力のことをいいます。例えば、精神上の障害や泥酔により、意思能力を欠く状態で意思表示を行った場合、その意思表示は、当初から無効と扱うわけです(民法3条の2)。

■類似過去問
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意思能力(民法[01]1(2))
 年-問-肢内容正誤
130-03-4[AとBとの間で、5か月後に実施される試験にBが合格したときにはA所有の甲建物をBに贈与する旨を書面で約した。]本件約定の時点でAに意思能力がなかった場合、Bは、本件試験に合格しても、本件約定に基づき甲建物の所有権を取得することはできない。
224-03-1意思能力を欠く状態での意思表示が無効であることは、民法の条文で規定されている。×
320-01-1成年被後見人が行った法律行為は、事理を弁識する能力がある状態で行われたものであっても、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りではない。
419-01-4意思無能力者の法律行為は取消可能。×
517-01-2意思無能力者の法律行為は取消可能。×
615-01-1意思無能力者の法律行為は親族が取消可能。×
702-04-1成年被後見人は、契約の際完全な意思能力を有していても契約を取り消すことができる。

イ 条文に規定されていない

本肢の考え方を事情変更の原則といいます。このことにつき、民法に明文の規定はありません。信義誠実の原則(同法1条2項)を根拠に、判例により導かれた原則です。

ウ 条文に規定されている

保証契約については、「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。」と定められています(民法446条2項)。これを「保証契約の要式性」といいます。

■類似過去問
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保証契約の成立(民法[18]1(2))
 年-問-肢内容正誤
契約当事者
122-08-1保証人となるべき者が、主たる債務者と連絡を取らず、同人からの委託を受けないまま債権者に対して保証したとしても、その保証契約は有効に成立する。
要式契約
1R02-02-1ケース①(個人Aが金融機関Bから事業資金として1,000万円を借り入れ、CがBとの間で当該債務に係る保証契約を締結した場合)の保証契約は、口頭による合意でも有効であるが、ケース②(個人Aが建物所有者Dと居住目的の建物賃貸借契約を締結し、EがDとの間で当該賃貸借契約に基づくAの一切の債務に係る保証契約を締結した場合)の保証契約は、書面でしなければ効力を生じない。×
227-01-2事業のために負担した貸金債務を主たる債務とする保証契約は、保証人になろうとする個人が、契約締結の日の前1か月以内に作成された公正証書で保証債務を履行する意思を表示していなければ無効となる旨は、民法の条文に規定されている。
324-03-3保証契約が要式契約であることは明文で規定されている。
422-08-2口頭での意思表示で保証契約が成立する。×
保証人の責任
125-07判決文の読み取り問題

エ 条文に規定されていない

令和2年施行の改正民法では、それまでの「瑕疵担保責任」というアプローチではなく、「契約不適合担保責任」という考えかたを採用しています(同法562条、563条など)。このため「瑕疵」に関する定義は不要であり、民法上の規定も存在しません。


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