【宅建過去問】(平成24年問04)無権代理

A所有の甲土地につき、Aから売却に関する代理権を与えられていないBが、Aの代理人として、Cとの間で売買契約を締結した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、表見代理は成立しないものとする。

  1. Bの無権代理行為をAが追認した場合には、AC間の売買契約は有効となる。
  2. Aの死亡により、BがAの唯一の相続人として相続した場合、Bは、Aの追認拒絶権を相続するので、自らの無権代理行為の追認を拒絶することができる。
  3. Bの死亡により、AがBの唯一の相続人として相続した場合、AがBの無権代理行為の追認を拒絶しても信義則には反せず、AC間の売買契約が当然に有効になるわけではない。
  4. Aの死亡により、BがDとともにAを相続した場合、DがBの無権代理行為を追認しない限り、Bの相続分に相当する部分においても、AC間の売買契約が当然に有効になるわけではない。

正解:2

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1 正しい

無権代理による契約の効果は、原則として、本人に帰属しません(民法113条1項)。
しかし、無権代理行為を本人が追認した場合、その効力は契約のときにさかのぼります(同法116条)。つまり、契約は、当初から有効だったことになるわけです。

※本人による追認は、相手方に対してするのが原則です。ただし、無権代理人に対してした場合でも、相手方が追認の事実を知っていれば、追認の効果を対抗することができます(同法113条2項)。

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無権代理:本人の権限(追認権・追認拒絶権)(民法[04]2(1))
 年-問-肢内容正誤
1R01-05-1本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合、その後は本人であっても無権代理行為を追認して有効な行為とすることはできない。
2R01-05-3無権代理行為の追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
326-02-ア無権代理行為を本人が追認する場合、契約の効力は、追認をした時から将来に向かって生ずる。×
424-04-1無権代理行為を本人が追認した場合、売買契約は有効となる。
517-03-ウ無権代理行為を本人が追認した場合、売買契約は有効となる。
614-02-4[Aが、Bの代理人としてCとの間で、B所有の土地の売買契約を締結する。]AがBに無断でCと売買契約をしたが、Bがそれを知らないでDに売却して移転登記をした後でも、BがAの行為を追認すれば、DはCに所有権取得を対抗できなくなる。×
711-07-1本人は無権代理行為を相手方に対して追認することができる。
809-01-1無権代理行為を本人または相手方が追認した場合、売買契約は有効となる。×
906-04-3本人の追認により契約は有効となるが、その追認は相手方に対して直接行うことを要し、無権代理人に対して行ったときは、相手方がその事実を知ったとしても、契約の効力を生じない。×
1004-03-4無権代理行為は無効であるが、本人が追認すれば、新たな契約がなされたとみなされる。×

2 誤り

無権代理において、本人が死亡して無権代理人が単独でこれを相続した場合、その無権代理行為は、相続によって当然に有効となります。無権代理人は、本人の立場を主張して、追認を拒絶することができません(最判昭40.06.18)。

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無権代理と相続(民法[04]4)
 年-問-肢内容正誤
無権代理人が本人を単独相続した場合
1R01-05-2本人が追認拒絶をした後に無権代理人が本人を相続した場合と、本人が追認拒絶をする前に無権代理人が本人を相続した場合とで、法律効果は同じである。
×
230-10-1無権代理人が本人に無断で本人の不動産を売却した後に、単独で本人を相続した場合、本人が自ら当該不動産を売却したのと同様な法律上の効果が生じる。
324-04-2本人が死亡し無権代理人が単独で相続した場合、無権代理人は追認拒絶が可能。×
420-03-3本人が死亡し無権代理人が単独で相続した場合、無権代理行為は当然有効となる。
505-02-4本人が死亡し無権代理人が単独で相続した場合、無権代理行為は当然有効となる。
無権代理人が本人を共同相続した場合
124-04-4本人が死亡し無権代理人が共同で相続した場合、他の相続人が追認しない限り、無権代理人の相続分についても当然有効にはならない。
216-02-3本人が死亡し無権代理人が共同相続した場合、無権代理人の相続分については当然有効となる。×
本人が無権代理人を単独相続した場合
1R01-05-4本人が無権代理人を相続した場合、当該無権代理行為は、その相続により当然には有効とならない。
224-04-3無権代理人が死亡し本人が単独で相続した場合、本人は追認拒絶が可能。
320-03-4無権代理人が死亡し本人が単独で相続した場合、無権代理行為は当然有効となる。×
416-02-4無権代理人が死亡し本人が単独で相続した場合、本人は追認拒絶が可能。相手方は善意無過失であれば、本人に対し損害賠償請求が可能。

3 正しい

無権代理において、無権代理人が死亡して本人が単独でこれを相続した場合、その無権代理行為は、相続によって当然に有効となるわけではありません。本人が追認を拒絶しても信義則に反しないのです(最判昭37.04.20。肢2の事例と違って、相続人自身は、無権代理行為に直接関与していない点に注意してください)。
したがって、AC間の売買契約が当然に有効となるわけではありません。

※本人(A)は、無権代理人(B)の責任をも相続しています。相手方(C)が善意無過失の場合には、損害賠償の義務を負うことになります(民法117条)。

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無権代理と相続(民法[04]4)
 年-問-肢内容正誤
無権代理人が本人を単独相続した場合
1R01-05-2本人が追認拒絶をした後に無権代理人が本人を相続した場合と、本人が追認拒絶をする前に無権代理人が本人を相続した場合とで、法律効果は同じである。
×
230-10-1無権代理人が本人に無断で本人の不動産を売却した後に、単独で本人を相続した場合、本人が自ら当該不動産を売却したのと同様な法律上の効果が生じる。
324-04-2本人が死亡し無権代理人が単独で相続した場合、無権代理人は追認拒絶が可能。×
420-03-3本人が死亡し無権代理人が単独で相続した場合、無権代理行為は当然有効となる。
505-02-4本人が死亡し無権代理人が単独で相続した場合、無権代理行為は当然有効となる。
無権代理人が本人を共同相続した場合
124-04-4本人が死亡し無権代理人が共同で相続した場合、他の相続人が追認しない限り、無権代理人の相続分についても当然有効にはならない。
216-02-3本人が死亡し無権代理人が共同相続した場合、無権代理人の相続分については当然有効となる。×
本人が無権代理人を単独相続した場合
1R01-05-4本人が無権代理人を相続した場合、当該無権代理行為は、その相続により当然には有効とならない。
224-04-3無権代理人が死亡し本人が単独で相続した場合、本人は追認拒絶が可能。
320-03-4無権代理人が死亡し本人が単独で相続した場合、無権代理行為は当然有効となる。×
416-02-4無権代理人が死亡し本人が単独で相続した場合、本人は追認拒絶が可能。相手方は善意無過失であれば、本人に対し損害賠償請求が可能。

4 正しい

無権代理において、本人が死亡して無権代理人が相続した場合で、この相続が共同相続というケースです。この場合、共同相続人全員が共同して無権代理行為を追認しない限り、無権代理人の相続分に相当する部分においても、無権代理行為が当然に有効となるわけではありません(最判平05.01.21)。
したがって、Dが追認しない限り、Bの相続分についても、売買契約は無効です。

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 年-問-肢内容正誤
無権代理人が本人を単独相続した場合
1R01-05-2本人が追認拒絶をした後に無権代理人が本人を相続した場合と、本人が追認拒絶をする前に無権代理人が本人を相続した場合とで、法律効果は同じである。
×
230-10-1無権代理人が本人に無断で本人の不動産を売却した後に、単独で本人を相続した場合、本人が自ら当該不動産を売却したのと同様な法律上の効果が生じる。
324-04-2本人が死亡し無権代理人が単独で相続した場合、無権代理人は追認拒絶が可能。×
420-03-3本人が死亡し無権代理人が単独で相続した場合、無権代理行為は当然有効となる。
505-02-4本人が死亡し無権代理人が単独で相続した場合、無権代理行為は当然有効となる。
無権代理人が本人を共同相続した場合
124-04-4本人が死亡し無権代理人が共同で相続した場合、他の相続人が追認しない限り、無権代理人の相続分についても当然有効にはならない。
216-02-3本人が死亡し無権代理人が共同相続した場合、無権代理人の相続分については当然有効となる。×
本人が無権代理人を単独相続した場合
1R01-05-4本人が無権代理人を相続した場合、当該無権代理行為は、その相続により当然には有効とならない。
224-04-3無権代理人が死亡し本人が単独で相続した場合、本人は追認拒絶が可能。
320-03-4無権代理人が死亡し本人が単独で相続した場合、無権代理行為は当然有効となる。×
416-02-4無権代理人が死亡し本人が単独で相続した場合、本人は追認拒絶が可能。相手方は善意無過失であれば、本人に対し損害賠償請求が可能。

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