【宅建過去問】(平成25年問01)民法に規定されているもの

【注意】

「民法の条文に規定されているかどうか」を問う問題は、民法改正を控えた平成24年~29年の6年間に渡り出題されました。令和2年に改正民法が施行されたため、今後この形式で出題される可能性は低いです。ここでは、改正後の民法に合うように問題を修正して掲載しています。


次の記述のうち、民法の条文に規定されていないものはどれか。

  1. 意思表示が錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである場合は、表意者は、その意思表示を取り消すことができる旨
  2. 贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかった場合は、その物又は権利の瑕疵又は不存在の責任を負う旨
  3. 売買契約の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない場合には、買主は、その程度に応じて代金の減額を請求することができる旨
  4. 多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的とするものを約款と定義する旨

正解:2

1 条文に規定されている

意思表示が錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである場合(要素の錯誤)、表意者は、その意思表示を取り消すことができます(民法95条1項)。

■類似過去問
内容を見る
錯誤:効果(民法[02]4(2)①)
 年-問-肢内容正誤
128-03-4
売主Aと買主Bとの間の売買契約が、Bの意思表示の動機に錯誤があって締結されたものである場合、Bが所有権移転登記を備えていても、AはBの錯誤を理由にAB間の売買契約を取り消すことができる。
×
225-01-1意思表示に要素の錯誤があった場合、表意者は取り消すことができる旨は、民法の条文に規定されている。
323-01-1土地の買主がその土地は将来地価が高騰すると勝手に思い込んで売買契約を締結したところ、実際には高騰しなかった場合、動機の錯誤を理由に本件売買契約を取り消すことができる。×

2 条文に規定されていない

贈与者は、原則として契約不適合担保責任を負います(民法559条、562条、563条など)。ただし、その責任は、軽減されています。贈与者は、贈与の目的である物や権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定されているからです(同法551条1項)。贈与者が実際に担保責任を負うのは、この推定が破られた場合に限られます。

※本肢の内容は、令和2年以前の民法に関する記述です。

■類似過去問
内容を見る
贈与者の担保責任(民法[25]4)
 年-問-肢内容正誤
[共通の設定]
Bは、Aから甲建物を贈与する旨の意思表示を受け、これを承諾した。
125-01-2「贈与者は、知りながら受贈者に告げなかった瑕疵について責任を負う」旨が民法に規定されている。×
221-09-3Aが、Bに対し、Aの生活の面倒をみることという負担を課して、甲建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないものであるときは、Aは、その不具合については、Aはその負担の限度において、売主と同じく担保責任を負う。
310-09-3贈与契約締結後に、甲建物にしろありの被害のあることが判明したが、その被害が贈与契約締結当時に存在したものである場合、Aは、しろありの被害による建物の減価分についてBに対し担保責任を負わない。
403-10-2その贈与が書面によるか否かを問わず、その土地に欠陥があっても、その欠陥が贈与契約締結以前から存在するものであったときは、Aは、Bに対してその欠陥を担保する責任を負わない。

3 条文に規定されている

売買契約の目的物に契約不適合がある場合、買主は、以下の4つの方法で売主の担保責任を追及することができます(民法562条、563条、564条、415条、541条、542条)。

■類似過去問
内容を見る
契約不適合担保責任:代金減額請求(民法[24]3(1)②)
 年-問-肢内容正誤
125-01-3売買契約の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない場合には、買主は、その程度に応じて代金の減額を請求することができる。

4 条文に規定されている

民法では、定型取引、定型約款を以下のように定義しています(同法548条の2第1項)。

  • 定型取引=ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なもの
  • 定型約款=定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体

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【宅建過去問】(平成25年問01)民法に規定されているもの” に対して3件のコメントがあります。

  1. みほ より:

    いつも先生の教材で勉強させてもらっています。

    質問なのですが、
    ②が民法の改正で条文に規定されなくなった事はわかったのですが、実際にこのように贈与者が瑕疵を知りながら受贈者に告げなかったら、この推定が破られているので、贈与者は瑕疵担保責任を負うという理解でよろしいでしょうか?
    そして、使用貸借の場合も同じ状況ならこの考えと同じでいいのでしょうか?

    お忙しいところすみませんが宜しくお願い致します。

    0
  2. 熊八郎 より:

    宅建では、改正が予定されている法律の、現行法規定の出題は少なく、それにヤマを張る必要は無い、と聞いたことが有ります。
    しかしながら、本問の肢4は、モロに、改正民法に入りそうな内容ですよね。
    どんなものなのでしょう?

    0
  3. 岡本 安幸 より:

    解説が分かり易くて非常に参考になります。

    1+

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