【宅建過去問】(平成25年問20)土地区画整理法

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土地区画整理法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 個人施行者は、規準又は規約に別段の定めがある場合においては、換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事が完了する以前においても換地処分をすることができる。
  2. 換地処分は、施行者が換地計画において定められた関係事項を公告して行うものとする。
  3. 個人施行者は、換地計画において、保留地を定めようとする場合においては、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。
  4. 個人施行者は、仮換地を指定しようとする場合においては、あらかじめ、その指定について、従前の宅地の所有者の同意を得なければならないが、仮換地となるべき宅地の所有者の同意を得る必要はない。

正解:1

1 正しい

換地処分は、原則として、土地区画整理事業の工事が全て完了した後に行います(土地区画整理法103条2項本文)。ただし、規準や規約などに別段の定めがある場合には、全部の工事が完了する前に部分的な換地処分をすることが可能です(同条ただし書)。

■参照項目&類似過去問
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換地処分のタイミング(区画整理法[05]2(1))
年-問-肢内容正誤
1R04-20-2土地区画整理組合は、定款に別段の定めがある場合においては、換地計画に係る区域の全部について工事が完了する以前においても換地処分をすることができる。
2H25-20-1個人施行者は、規準又は規約に別段の定めがある場合においては、換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事が完了する以前においても換地処分をすることができる。
3H18-24-3換地処分は、換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事がすべて完了した後でなければすることができない。×
4H10-23-1換地処分は、換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事がすべて完了した場合でなければ、することができない。×
5H03-26-2換地処分は、原則として換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事が完了した後において行わなければならない。
6H01-26-3換地処分は、換地計画に係る区域の全部についてしなければならない。

2 誤り

換地処分は、施行者が関係権利者に通知するという方法で行います(土地区画整理法103条1項)。
「公告」ではありません。

■参照項目&類似過去問
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換地処分の方法(区画整理法[05]2(2))
年-問-肢内容正誤
1H25-20-2換地処分は、施行者が換地計画において定められた関係事項を公告して行うものとする。×
2H15-22-1換地処分は、施行者が換地計画において定められた関係事項を公告してするものとされている。×
3H03-26-1換地処分は、換地計画において定められた関係事項を公告することにより行われる。×

3 誤り

土地区画整理事業の費用に充てるなどの目的で、一定の土地について換地を定めず、保留地とすることができます(土地区画整理法96条)。これを売却することで、事業費用を捻出するわけです。

個人施行の場合、保留地を定めるにあたり、土地区画整理審議会の同意を得る必要はありません。

※土地区画整理審議会の同意が必要になるのは、公的施行の場合です(土地区画整理法96条3項)。民間施行の場合、そもそも土地区画整理審議会が設置されません。

■参照項目&類似過去問
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保留地(区画整理法[03]1(3)①②)
年-問-肢内容正誤
①保留地とは
1H24-21-3土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業の換地計画においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、一定の土地を換地として定めないで、その土地を保留地として定めることができる。
2H23-21-3区画整理会社が施行する土地区画整理事業の換地計画においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、一定の土地を換地として定めないで、その土地を保留地として定めることができる。
3H02-27-3保留地を購入した者は、土地区画整理事業の施行者の承諾を得ることなく、当該保留地において建築物の新築を行うことができる。
②保留地の定め
1H25-20-3個人施行者は、換地計画において、保留地を定めようとする場合においては、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。×
換地計画を定める手続(区画整理法[03]2)
年-問-肢内容正誤
1R03s-20-4市町村が施行する土地区画整理事業では、事業ごとに、市町村に土地区画整理審議会が設置され、換地計画、仮換地の指定及び減価補償金の交付に関する事項について法に定める権限を行使する。
2R01-20-2施行者が個人施行者、土地区画整理組合、区画整理会社、市町村、独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社であるときは、その換地計画について都道府県知事の認可を受けなければならない。
3R01-20-3個人施行者以外の施行者は、換地計画を定めようとする場合においては、その換地計画を2週間公衆の縦覧に供しなければならない。
4H26-20-2施行者は、施行地区内の宅地について換地処分を行うため、換地計画を定めなければならない。この場合において、当該施行者が土地区画整理組合であるときは、その換地計画について市町村長の認可を受けなければならない。×
5H25-20-3個人施行者は、換地計画において、保留地を定めようとする場合においては、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。×
6H21-21-3土地区画整理事業の施行者は、施行地区内の宅地について換地処分を行うため、換地計画を定めなければならない。この場合において、当該施行者が土地区画整理組合であるときは、その換地計画について都道府県知事及び市町村長の認可を受けなければならない。×
7H11-23-2個人施行者が換地計画を定めようとする場合において、その内容が事業計画の内容と抵触するときは、当該個人施行者は、換地計画の認可を受けることができない。
8H07-27-4地方公共団体施行の場合、施行者は、縦覧に供すべき換地計画を作成しようとするとき及び縦覧に供した換地計画に対する意見書の内容を審査するときは土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。
土地区画整理審議会(区画整理法[01]2)
年-問-肢内容正誤
1R05-20-4土地区画整理組合は、仮換地を指定しようとする場合においては、あらかじめ、その指定について、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。×
2R03s-20-4市町村が施行する土地区画整理事業では、事業ごとに、市町村に土地区画整理審議会が設置され、換地計画、仮換地の指定及び減価補償金の交付に関する事項について法に定める権限を行使する。
3H25-20-3個人施行者は、換地計画において、保留地を定めようとする場合においては、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。×
4H20-23-1土地区画整理事業の施行者である土地区画整理組合が、施行地区内の宅地について仮換地を指定する場合、あらかじめ、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。×
5H14-22-4土地区画整理組合は、仮換地を指定しようとする場合においては、あらかじめ、その指定について、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。×
6H12-21-3市町村が施行する土地区画整理事業については、事業ごとに土地区画整理審議会が置かれる。
7H09-22-2都道府県知事は、建築行為等の許可をしようとするときに、土地区画整理審議会の意見を聞かなければならないことがある。×
8H07-27-3地方公共団体施行の場合、施行者が仮換地を指定して、従前地に存する建築物等を移転し、又は除却するときは、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。×
9H07-27-4地方公共団体施行の場合、施行者は、縦覧に供すべき換地計画を作成しようとするとき及び縦覧に供した換地計画に対する意見書の内容を審査するときは土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。

4 誤り

個人施行者が仮換地を指定しようとする場合、あらかじめ、従前の宅地の所有者と仮換地となるべき宅地の所有者の同意を得る必要があります(土地区画整理法98条3項)。
本肢は、「仮換地となるべき宅地の所有者の同意を得る必要はない」とする点が誤りです。

■参照項目&類似過去問
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仮換地の指定(手続)(区画整理法[04]2(1))
年-問-肢内容正誤
1R05-20-4土地区画整理組合は、仮換地を指定しようとする場合においては、あらかじめ、その指定について、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。×
2R03s-20-4市町村が施行する土地区画整理事業では、事業ごとに、市町村に土地区画整理審議会が設置され、換地計画、仮換地の指定及び減価補償金の交付に関する事項について法に定める権限を行使する。
3H25-20-4個人施行者は、仮換地を指定しようとする場合においては、あらかじめ、その指定について、従前の宅地の所有者の同意を得なければならないが、仮換地となるべき宅地の所有者の同意を得る必要はない。×
4H20-23-1土地区画整理事業の施行者である土地区画整理組合が、施行地区内の宅地について仮換地を指定する場合、あらかじめ、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。×
5H14-22-4土地区画整理組合は、仮換地を指定しようとする場合においては、あらかじめ、その指定について、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。×
6H07-27-2土地区画整理組合施行の場合、施行者が公共施設の変更に係る工事のため仮換地を指定しようとするときは、あらかじめ総会の意見を聴かなければならない。×

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【宅建過去問】(平成25年問20)土地区画整理法” に対して6件のコメントがあります。

  1. 23卒就活生 より:

    お世話になっております。
    問3に関して、質問があります。
    問3の表にある知事の認可というのは、事業を行うに際して認可が必要ということで合っていますか?
    問3は保留地の関しての問題だったので、保留地を定めるにあたり、民間施行の場合、許可権者の認可などが必要になるということではないですか?

    1. 家坂 圭一 より:

      23卒就活生様

      試験勉強、就職活動、お疲れ様です。
      ご質問にお答えします。

      肢3の表は、「換地計画を定める手続き」をまとめたものです。
      そして、保留地は、換地計画で定めます。
      したがって、この表は、「保留地を定める手続き」に関するものともいえるわけです。

      本問の肢3は、「個人施行者」による土地区画整理事業に関する出題です。
      したがって、「換地計画」について、「都道府県知事の認可」を受ける必要があります。

      以上について、この機会に基本習得編の講義を確認するようオススメします。
      参照箇所は、以下のところです。

      ■区画整理法[03]換地計画
      1.定める内容
      (3).保留地
      2.定める手続

      1. 23卒終活生 より:

        家坂様

        ご返信ありがとうございます。
        私が受講している通信講座では、土地区画整理事業の大枠しか学習していなかったので、細かいところも理解できました。
        今後も活用させていただきます。

        1. 家坂 圭一 より:

          ご返信ありがとうございます。
          質問のときとお名前が変わっていますが、「就活生」に訂正しておきましょうか?

          今回ご質問をいただいた点は、

          • 「換地計画を定める知識」が過去8回
          • 「保留地」が過去9回

          出題されています。

          決して「細かいところ」ではありません。出題傾向からすれば、必ずマスターすべき知識です。
          上でご案内した[Step.1]基本習得編をぜひ確認しておきましょう。

  2. ロヒモト より:

    いつもお世話になっております。
    肢1について教えて下さい。
    問題文では、「全部について」とありますが、解説では「部分的な換地処分」となっております。部分は全部も包含するという理解で宜しいでしょうか?

    1. 家坂 圭一 より:

      部分は全部も包含するという理解で宜しいでしょうか?


      おっしゃる意味がよく分かりませんが、「部分が全部を包含する」ということは、論理的にあり得ないと思います。
      そして、この選択肢を解くのに、そのような論理的考察は必要ありません。
      以下の原則と例外を押さえておけば十分です。

      この選択肢は、【例外】をそのまま書いているだけです。
      したがって、「正しい」と判断することができます。

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