【宅建過去問】(平成26年問08)不法行為
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- 不法行為による損害賠償請求権の消滅時効を定める民法第724条における、被害者が損害を知った時とは、被害者が損害の発生を現実に認識した時をいう。
- 不法行為による損害賠償債務の不履行に基づく遅延損害金債権は、当該債権が発生した時から10年間行使しないことにより、時効によって消滅する。
- 不法占拠により日々発生する損害については、加害行為が終わった時から一括して消滅時効が進行し、日々発生する損害を知った時から別個に消滅時効が進行することはない。
- 不法行為の加害者が海外に在住している間は、民法第724条後段の20年の時効期間は進行しない。
正解:1
■参照項目&類似過去問(全選択肢合わせて)
内容を見る
不法行為による損害賠償請求権の消滅時効(民法[30]5(2))
不法行為による損害賠償請求権の消滅時効(民法[06]3(2))
不法行為による損害賠償請求権の消滅時効(民法[06]3(2))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R03-08-3 | Aが1人で居住する甲建物の保存に瑕疵があったため、甲建物の壁が崩れて通行人Bがケガをした。本件事故について、AのBに対する不法行為責任が成立する場合、BのAに対する損害賠償請求権は、B又はBの法定代理人が損害又は加害者を知らないときでも、本件事故の時から20年間行使しないときには時効により消滅する。 | ◯ |
2 | R03-08-4 | Aが1人で居住する甲建物の保存に瑕疵があったため、甲建物の壁が崩れて通行人Bがケガをした。本件事故について、AのBに対する不法行為責任が成立する場合、BのAに対する損害賠償請求権は、B又はBの法定代理人が損害及び加害者を知った時から5年間行使しないときには時効により消滅する。 | ◯ |
3 | R02s-01-4 | 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から5年間行使しない場合、時効によって消滅する。 | ◯ |
4 | H28-09-1 | 信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を買主に提供しなかった売主に対する買主の損害賠償請求権(人の生命又は身体の侵害によるものではない。)は、買主が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効により消滅する。 | ◯ |
5 | H28-09-2 | 信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を買主に提供しなかった売主に対する買主の損害賠償請求権は、損害を被っていることを買主が知らない場合でも、売買契約から10年間行使しないときは、時効により消滅する。 | × |
6 | H26-06-3 | Aは、Bに建物の建築を注文し、完成して引渡しを受けた建物をCに対して売却した。本件建物の主要な構造部分に欠陥があった。CがBに対して本件建物の瑕疵に関して不法行為責任に基づく損害賠償を請求する場合、当該請求ができる期間は、Cが瑕疵の存在に気付いてから1年以内である。 | × |
7 | H26-08-1 | 不法行為による損害賠償請求権の期間の制限を定める民法第724条における、被害者が損害を知った時とは、被害者が損害の発生を現実に認識した時をいう。 | ◯ |
8 | H26-08-2 | 不法行為による損害賠償債務の不履行に基づく遅延損害金債権は、当該債権が発生した時から10年間行使しないことにより、時効によって消滅する。 | × |
9 | H26-08-3 | 不法占拠により日々発生する損害については、加害行為が終わった時から一括して消滅時効が進行し、日々発生する損害を知った時から別個に消滅時効が進行することはない。 | × |
10 | H26-08-4 | 不法行為の加害者が海外に在住している間は、民法第724条後段の20年の時効期間は進行しない。 | × |
11 | H19-05-4 | 不法行為による損害賠償の請求権の消滅時効の期間は、権利を行使することができることとなった時から10年である。 | × |
12 | H17-11-4 | 交通事故の被害者が、車の破損による損害賠償請求権を、損害及び加害者を知った時から3年間行使しなかったときは、この請求権は時効により消滅する。 | ◯ |
13 | H12-08-3 | 不法行為の被害者が、不法行為による損害と加害者を知った時から1年間、損害賠償請求権を行使しなければ、当該請求権は消滅時効により消滅する。 | × |
1 正しい
不法行為による損害賠償の請求権は、以下のいずれかに達したとき、時効によって消滅します(民法724条)。
そして、「被害者が損害を知った時」を「 被害者が損害の発生を現実に認識した時」と解釈するのが、判例です(最判平14.01.29)。
2 誤り
(肢1参照。)
遅延損害金債権についても、不法行為に関する期間制限の規定(民法724条)が適用されます(大判昭11.07.15)。つまり、時効期間は「不法行為の時から20年」です。
本肢は、時効期間を「債権が発生した時から10年間」とする点が誤りです。
3 誤り
不法占拠により日々発生する損害については、被害者がそのそれぞれを知った時から、別個に消滅時効が進行します(下図。大判昭15.12.14)。
本肢は、「加害行為が終わった時から一括して消滅時効が進行」(上図)とする点が誤りです。
4 誤り
債務者が海外に在住していることを理由に、民法上の消滅時効が停止することはありません。
※刑事訴訟法では、犯人が国外にいる期間、公訴時効の進行が停止します(同法255条1項)。しかし、民法には、このような規定が存在しません。債務者が国外にいる間でも、時効は、淡々と進行します。
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