【宅建過去問】(平成26年問20)土地区画整理法

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土地区画整理法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 施行者は、宅地の所有者の申出又は同意があった場合においては、その宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者に補償をすれば、換地計画において、その宅地の全部又は一部について換地を定めないことができる。
  2. 施行者は、施行地区内の宅地について換地処分を行うため、換地計画を定めなければならない。この場合において、当該施行者が土地区画整理組合であるときは、その換地計画について市町村長の認可を受けなければならない。
  3. 関係権利者は、換地処分があった旨の公告があった日以降いつでも、施行地区内の土地及び建物に関する登記を行うことができる。
  4. 土地区画整理事業の施行により公共施設が設置された場合においては、その公共施設は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、原則としてその公共施設の所在する市町村の管理に属することになる。

正解:4

1 誤り

宅地の所有者の申出又は同意があった場合、換地計画において、換地を定めないことができます(土地区画整理法90条前段)。その宅地に使用・収益権者がいるときは、これらの同意を得なければなりません(同条後段)。
本肢は、「同意」が必要であるにもかかわらず、「補償」を条件とする点が誤りです。

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所有者の同意により換地を定めない場合(区画整理法[03]1(1)②)
年-問-肢内容正誤
1H26-20-1施行者は、宅地の所有者の申出又は同意があった場合においては、その宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者に補償をすれば、換地計画において、その宅地の全部又は一部について換地を定めないことができる。×

2 誤り

施行者は、換地処分を行うために換地計画を定める必要があります。施行者の種類によっては、換地計画について知事の認可が必要です(土地区画整理法86条1項)。
本肢は、「市町村長の認可」としている点が誤っています。

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換地計画を定める手続(区画整理法[03]2)
年-問-肢内容正誤
1R03s-20-4市町村が施行する土地区画整理事業では、事業ごとに、市町村に土地区画整理審議会が設置され、換地計画、仮換地の指定及び減価補償金の交付に関する事項について法に定める権限を行使する。
2R01-20-2施行者が個人施行者、土地区画整理組合、区画整理会社、市町村、独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社であるときは、その換地計画について都道府県知事の認可を受けなければならない。
3R01-20-3個人施行者以外の施行者は、換地計画を定めようとする場合においては、その換地計画を2週間公衆の縦覧に供しなければならない。
4H26-20-2施行者は、施行地区内の宅地について換地処分を行うため、換地計画を定めなければならない。この場合において、当該施行者が土地区画整理組合であるときは、その換地計画について市町村長の認可を受けなければならない。×
5H25-20-3個人施行者は、換地計画において、保留地を定めようとする場合においては、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。×
6H21-21-3土地区画整理事業の施行者は、施行地区内の宅地について換地処分を行うため、換地計画を定めなければならない。この場合において、当該施行者が土地区画整理組合であるときは、その換地計画について都道府県知事及び市町村長の認可を受けなければならない。×
7H11-23-2個人施行者が換地計画を定めようとする場合において、その内容が事業計画の内容と抵触するときは、当該個人施行者は、換地計画の認可を受けることができない。
8H07-27-4地方公共団体施行の場合、施行者は、縦覧に供すべき換地計画を作成しようとするとき及び縦覧に供した換地計画に対する意見書の内容を審査するときは土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。

3 誤り

換地処分の公告があった場合、施行者は、遅滞なく、その変動に係る登記を申請し、又は嘱託する必要があります(土地区画整理法107条2項)。この登記がされるまでの間、原則として、他の登記をすることはできません(同条3項本文)。
つまり、換地処分後の登記は、まず施行者がすることになります。所有者など関係権利者は、その登記を前提として、その後に登記を行うことしかできないわけです。
本肢は、「関係権利者が、いつでも登記を行うことができる」とする点が誤っています。

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換地処分に伴う登記等(区画整理法[05]3)
年-問-肢内容正誤
1R05-20-3施行者は、換地処分の公告があった場合において、施行地区内の土地及び建物について土地区画整理事業の施行により変動があったときは、遅滞なく、その変動に係る登記を申請し、又は嘱託しなければならない。
2R03s-20-3施行者は、換地処分の公告があった場合においては、直ちに、その旨を換地計画に係る区域を管轄する登記所に通知しなければならない。
3R01-20-1仮換地の指定があった日後、土地区画整理事業の施行による施行地区内の土地及び建物の変動に係る登記がされるまでの間は、登記の申請人が確定日付のある書類によりその指定前に登記原因が生じたことを証明した場合を除き、施行地区内の土地及び建物に関しては他の登記をすることができない。×
4H26-20-3関係権利者は、換地処分があった旨の公告があった日以降いつでも、施行地区内の土地及び建物に関する登記を行うことができる。×
5H10-23-3換地処分の公告があった日後においては、施行地区内の土地及び建物に関して、土地区画整理事業の施行による変動に係る登記が行われるまで、他の登記をすることは一切できない。×
6H06-26-1換地処分に伴う登記は、換地を取得した者が行う。×
7H04-27-3組合施行事業の施行地区内の宅地については、換地処分の公告のある日までの間、売買をすることができるが、その登記をすることはできない。×
8H02-27-4換地処分の公告があった日後においては、土地区画整理事業の施行による変動に係る登記がされるまでは、施行地区内の土地について他の登記をすることは、原則としてできない。
9H01-26-2換地処分の公告があった場合において、施行地区内の土地について事業の施行により変動があったときは、当該土地の所有者は、遅滞なく、当該変動に係る登記を申請しなければならない。×

4 正しい

土地区画整理事業の施行により公共施設が設置された場合、その公共施設は、換地処分の公告のあった日の翌日に、原則として、公共施設の所在する市町村の管理に属します(土地区画整理法106条1項)。

公告日翌日に発生する効果

■参照項目&類似過去問
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換地処分の効果(新設された公共施設の管理 )(区画整理法[05]2(3)①)
年-問-肢内容正誤
1H26-20-4土地区画整理事業の施行により公共施設が設置された場合においては、その公共施設は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、原則としてその公共施設の所在する市町村の管理に属することになる。
2H10-23-4土地区画整理事業の施行により公共施設が設置された場合、施行者は、換地処分の公告のあった日の翌日以降に限り、公共施設を管理する者となるべき者にその管理を引き継ぐことができる。×
3H06-26-2土地区画整理事業の施行より設置された公共施設は、換地処分の公告があった日の翌日において、原則として施行者の管理に属する。×

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【宅建過去問】(平成26年問20)土地区画整理法” に対して2件のコメントがあります。

  1. 裸ノ大将 より:

    選択肢 4.
    について質問させていただきます。

    公共施設の管理=原則市町村
    その土地=管理すべき者に帰属

    管理が原則市町村なら土地の帰属は理屈でいえば原則市町村なはずだと考えました。
    そういった解釈は誤りでしょうか。

    例えば「公共施設の用に供する土地は原則として市町村に帰属する」
    なんていう問題が出たとしたらそれは誤りでしょうか。

    理屈で言えば正解だとは思うのですが、わざわざ管理するものに帰属すると言い方を変える以上そうではないということでしょうか。

    1. 家坂 圭一 より:

      「新設された公共施設の管理者は、原則として市町村」

      「公共施設の用に供する土地は、公共施設を管理すべきものに帰属」
      という情報をつないで
      「公共施設の用に供する土地は、原則として市町村に帰属」
      と考えるのは、三段論法の帰結であり、当然正しい理解です。
      実際の過去問でも、以下のように出題されています。

      平成27年問20肢4

      土地区画整理事業の施行により生じた公共施設の用に供する土地は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、すべて市町村に帰属する。
      https://e-takken.tv/27-20/

      平成15年問22肢4

      土地区画整理事業の施行により生じた公共施設の用に供する土地は、換地処分に係る公告があった日の翌日において、すべて市町村の管理に属する。
      https://e-takken.tv/15-22/

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