【宅建過去問】(平成27年問08)同時履行の抗弁権


同時履行の抗弁権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。

  • ア マンションの賃貸借契約終了に伴う賃貸人の敷金返還債務と、賃借人の明渡債務は、特別の約定のない限り、同時履行の関係に立つ。
  • イ マンションの売買契約がマンション引渡し後に債務不履行を理由に解除された場合、契約は遡及的に消滅するため、売主の代金返還債務と、買主の目的物返還債務は、同時履行の関係に立たない。
  • ウ マンションの売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は、特別の事情のない限り、同時履行の関係に立つ。
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし

正解:1

ア 誤り

敷金は、建物明渡義務を履行するまでの賃貸人の賃借人に対する全ての債権を担保するものです。したがって、明渡義務が先履行義務であり、明け渡すまでは敷金の返還請求権が発生しません(最判昭48.02.02)。
言い換えれば、建物明渡しと敷金返還とは、同時履行の関係には立ちません(最判昭49.09.02)。

■類似過去問
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同時履行の抗弁権:建物明渡しと敷金の返還民法[24]2(3)①
 年-問-肢内容正誤
127-08-アマンションの賃貸借契約終了に伴う賃貸人の敷金返還債務と、賃借人の明渡債務は、特別の約定のない限り、同時履行の関係に立つ 。×
215-11-1賃貸借契約が終了した場合、建物明渡しと敷金返還とは同時履行の関係に立たず、借主の建物明渡しは貸主から敷金の返還された後に行えばよい。×
313-09-3賃貸借契約が終了した場合、建物明渡債務と敷金返還債務とは常に同時履行の関係にあり、借主は、敷金の支払と引換えにのみ建物を明け渡すと主張できる。×

イ 誤り

売買契約が債務不履行を理由に解除された場合、売主の代金返還義務と買主の目的物返還債務という両者の原状回復義務は同時履行の関係に立ちます(民法546条、533条)。

■類似過去問
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同時履行の抗弁権:解除による原状回復義務(民法[24]2(1))
 年-問-肢内容正誤
127-08-イマンションの売買契約がマンション引渡し後に債務不履行を理由に解除された場合、契約は遡及的に消滅するため、売主の代金返還債務と、買主の目的物返還債務は、同時履行の関係に立たない 。×
221-08-3債務不履行による解除の場合、債務不履行をした側の原状回復義務が先履行となり、同時履行の抗弁権を主張できない。×
311-08-2解除の際、一方当事者が原状回復義務の履行を提供しないとき、相手方は原状回復義務の履行を拒むことができる。

ウ 正しい

売買契約は双務契約であり、各当事者の債務履行は同時履行の関係にあります(民法533条)。
具体的にいえば、買主の売買代金支払債務と売主の目的物引渡債務や所有権移転登記に協力する債務は、同時履行の関係に立ちます。

■類似過去問
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同時履行の抗弁権とは(民法[24]1)
 年-問-肢内容正誤
129-05-1Aは、中古自動車を売却するため、Bに売買の媒介を依頼し、報酬として売買代金の3%を支払うことを約した。Bの媒介によりAは当該自動車をCに100万円で売却した。Bが報酬を得て売買の媒介を行っているので、CはAから当該自動車の引渡しを受ける前に、100万円をAに支払わなければならない。×
227-08-ウマンションの売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は、特別の事情のない限り、同時履行の関係に立つ。
318-08-3(AはBとの間で、土地の売買契約を締結し、Aの所有権移転登記手続とBの代金の支払を同時に履行することとした。決済約定日に、Aは所有権移転登記手続を行う債務の履行の提供をしたが、Bが代金債務につき弁済の提供をしなかったので、Aは履行を拒否した。)Aは、一旦履行の提供をしているので、Bに対して代金の支払を求める訴えを提起した場合、引換給付判決ではなく、無条件の給付判決がなされる。×
415-09-1動産売買契約における目的物引渡債務と代金支払債務とは、同時履行の関係に立つ。
511-08-1宅地の売買契約における買主が、弁済期の到来後も、代金支払債務の履行の提供をしない場合、売主は、宅地の引渡しと登記を拒むことができる。
608-09-2売主が、履行期に所有権移転登記はしたが、引渡しをしない場合、買主は、少なくとも残金の半額を支払わなければならない。×

まとめ

以上より、正しいものはウのみです。正解は、肢1。


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【宅建過去問】(平成27年問08)同時履行の抗弁権” に対して1件のコメントがあります。

  1. より:

    昨年家坂先生の動画にもお世話になり合格しました。
    どうもありがとうございました。
    今拝見していて気づきましたが、動画の肢イの解説の図で、
    売主の代金返還債務と買主の目的物返還債務の矢印の向きが逆みたいです。
    (下の図の各返還請求権と同じ矢印の向きになっています)
    ご確認のほどよろしくお願いいたします。

  2. 来年受験 より:

    細かくて済みません。。。

    >まとめ
    >以上より、正しいものはアのみである。正解は、肢1。

    ウのみ、ですよね

    動画わかりやすいです
    いつもありがとうございます。

    1. 家坂 圭一 より:

      来年受験さま

      ご指摘ありがとうございます。
      訂正を完了しました。

      今後とも当サイトを御活用いただければ幸いです。
      よろしくお願い申し上げます。

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