【宅建過去問】(平成28年問07)賃貸借・使用者責任(個数問題)

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AがBから賃借する甲建物に、運送会社Cに雇用されているDが居眠り運転するトラックが突っ込んで甲建物の一部が損壊した場合(以下「本件事故」という。)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。なお、DはCの業務として運転をしていたものとする。

  • ア AがBに対して支払う賃料は、甲建物の滅失した部分の割合に応じて減額される。
  • イ Aは、甲建物の残りの部分だけでは賃借した目的を達することができない場合、Bとの賃貸借契約を解除することができる。
  • ウ Cは、使用者責任に基づき、Bに対して本件事故から生じた損害を賠償した場合、Dに対して求償することができるが、その範囲が信義則上相当と認められる限度に制限される場合がある。
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし

正解:3

設定の確認

28-07-0

ア 正しい

賃借物の一部が賃借人の帰責事由によらないで滅失した場合、賃料は、その滅失した部分の割合に応じて、減額されます(民法611条1項)。
本問で、甲建物の一部が損壊した原因は、Dの居眠り運転です。Aには過失がありません。したがって、Aが支払う賃料は、甲建物の滅失した部分の割合に応じて、減額されます。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
賃借物の一部滅失等による賃料の減額等(民法[26]4(3))
年-問-肢内容正誤
[共通の設定]
BがAから賃借する甲建物が第三者の不法行為により一部損壊した。
128-07-ア
BがAに対して支払う賃料は、Bからの請求がない場合であっても、甲建物の滅失した部分の割合に応じて当然に減額される。

228-07-イ
Bは、甲建物の残りの部分だけでは賃借した目的を達することができない場合、Aとの賃貸借契約を解除することができる。

イ 正しい

(肢ア参照。)
賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失した場合で、残存部分のみでは賃借人が賃借の目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができます(民法611条2項)。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
賃借物の一部滅失等による賃料の減額等(民法[26]4(3))
年-問-肢内容正誤
[共通の設定]
BがAから賃借する甲建物が第三者の不法行為により一部損壊した。
128-07-ア
BがAに対して支払う賃料は、Bからの請求がない場合であっても、甲建物の滅失した部分の割合に応じて当然に減額される。

228-07-イ
Bは、甲建物の残りの部分だけでは賃借した目的を達することができない場合、Aとの賃貸借契約を解除することができる。

ウ 正しい

運送会社Cに雇用されているDの居眠り運転事故によって甲建物は損壊しました。この場合、被害者Bは、Dの使用者であるCの使用者責任を追及することができます。
使用者責任に基づき、使用者が被害者に対して損害を賠償した場合、使用者は被用者に対して求償権を行使することができます(民法715条3項)。求償できる範囲は、損害の公平な分担という見地から信義則上認められる限度とされています(最判昭51.07.08)。

28-07-u

■参照項目&類似過去問
内容を見る
使用者の被用者に対する求償(民法[30]2(4))

[共通の設定]
Cの被用者Aが、Bとの間で行った行為により、Bに損害が発生した。
年-問-肢内容正誤
1H28-07-ウ
Cは、使用者責任に基づき、Bに対して本件事故から生じた損害を賠償した場合、Aに対して求償することができるが、その範囲が信義則上相当と認められる限度に制限される場合がある。
2H25-09-1Cに雇用されているAが、勤務中にC所有の乗用車を運転し、営業活動のため顧客Bを同乗させている途中で、Dが運転していたD所有の乗用車と正面衝突した(なお、事故についてはAとDに過失がある。)。Cは、Bに対して事故によって受けたBの損害の全額を賠償した。この場合、Cは、BとDの過失割合に従って、Dに対して求償権を行使することができる。
3H25-09-2Cは、Bに対して事故によって受けたBの損害の全額を賠償した。この場合、Cは、被用者であるAに対して求償権を行使することはできない。×
4H24-09-3Cの使用者責任が認められてBに対して損害を賠償した場合には、CはAに対して求償することができるので、Aに資力があれば、最終的にはCはBに対して賠償した損害額の全額を常にAから回収することができる。×
5H20-11-3AがCに雇用されており、AがCの事業の執行につきBに加害行為を行った場合には、CがBに対する損害賠償責任を負うのであって、CはAに対して求償することもできない。×
6H18-11-4Aの不法行為がCの事業の執行につき行われたものであり、Cが使用者としての損害賠償責任を負担した場合、C自身は不法行為を行っていない以上、Cは負担した損害額の2分の1をAに対して求償できる。×
7H14-11-3C、Bに対し損害賠償債務を負担したことに基づき損害を被った場合は、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において、Aに対し、損害の賠償又は求償の請求をすることができる。
8H14-11-4Aが、自己の負担部分を超えて、Bに対し損害を賠償したときは、その超える部分につき、Cに対し、Cの負担部分の限度で求償することができる。
9H11-09-4CがAの行為につきBに対して使用者責任を負う場合で、CがBに損害賠償金を支払ったときでも、Aに故意又は重大な過失があったときでなければ、Cは、Aに対して求償権を行使することができない。×
10H06-07-4Aは、Bに対して損害の賠償をした場合、Cに求償することはできない。×
11H04-09-4従業員Aが宅地建物取引業者Cの業務を遂行中に第三者Bに不法行為による損害を与えた場合、Cは、その損害を賠償しなければならないが、Aに対してその求償をすることはできない。×

まとめ

正しいものは、ア、イ、ウの全てです。正解は、肢3。


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【宅建過去問】(平成28年問07)賃貸借・使用者責任(個数問題)” に対して2件のコメントがあります。

  1. ムラカミ より:

    お世話になります。
    質問です。
    【宅建過去問】(平成25年問09)不法行為
    1.Aは、Cに対して事故によって受けたCの損害の全額を賠償した。この場合、Aは、BとDの過失割合に従って、Dに対して求償権を行使することができる。

    回答先行で無理やりつじつま合わせで解説されているのでしょうか?
    BとDの過失・・・と宣わっている時点でおんどれ社員への求償に全く触れないのは×のはず!!!
    Bの求償部分 が欠如と判断可能で、× では!!!ないでしょうか?

    解説画像では Bの求償 のいついては 2 で触れていると仰せですが、
    1と2は 話は分けずに繋げて解釈し解くのでしょうか?

    以下に校正しない限り○になる余地は皆無なのではないでしょうか?
    1.Aは、Cに対して事故によって受けたCの損害の全額を賠償した。この場合、Aは、BとDの過失割合に従って、Dに対して求償権を行使したが、Bには会社判断で求償しなかった。
    又は
    1.Aは、Cに対して事故によって受けたCの損害の全額を賠償した。この場合、Aは、BとDの過失割合に従って、BとDに対して求償権を行使することができる。

    以上、よろしくお願いします。

    1. 家坂 圭一 より:

      ムラカミ様

      講師の家坂です。
      御質問ありがとうございます。
      年末までの勉強、お疲れ様です。

      いただいた御質問は、
      【宅建過去問】(平成25年問09)不法行為
      に関するものです。
      この位置にあると、ムラカミさん以外のかたに分かりにくくなるので、そちらに場所を移してお答えします。
      https://e-takken.tv/25-09/

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