【宅建過去問】(平成29年問05)売買契約
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- Bが報酬を得て売買の媒介を行っているので、CはAから当該自動車の引渡しを受ける前に、100万円をAに支払わなければならない。
- 当該自動車が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合には、CはAに対しても、Bに対しても、担保責任を追及することができる。
- 売買契約が締結された際に、Cが解約手付として手付金10万円をAに支払っている場合には、Aはいつでも20万円を償還して売買契約を解除することができる。
- 売買契約締結時には当該自動車がAの所有物ではなく、Aの父親の所有物であったとしても、AC間の売買契約は有効に成立する。
正解:4
1 誤り
売買契約は、双務契約です。売主Aは、買主Cに対して代金請求権を有しています。一方、買主Cは売主Aに対して自動車の引渡請求権を持っています。双務契約において、当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができます(民法533条)。これを同時履行の抗弁権といいます。
したがって、CはAから引渡しを受けるまで、代金をAに支払う義務を負いません。Bが報酬を得て売買を媒介しているからといって、結論は異なりません。
■参照項目&類似過去問
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同時履行の抗弁権とは(民法[22]1)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R01-07-4 | [Aを売主、Bを買主として甲建物の売買契約が締結された。]Bは、本件代金債務の履行期が過ぎた場合であっても、特段の事情がない限り、甲建物の引渡しに係る履行の提供を受けていないことを理由として、Aに対して代金の支払を拒むことができる。 | ◯ |
2 | 29-05-1 | Aは、中古自動車を売却するため、Bに売買の媒介を依頼し、報酬として売買代金の3%を支払うことを約した。Bの媒介によりAは当該自動車をCに100万円で売却した。Bが報酬を得て売買の媒介を行っているので、CはAから当該自動車の引渡しを受ける前に、100万円をAに支払わなければならない。 | × |
3 | 27-08-ウ | マンションの売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は、特別の事情のない限り、同時履行の関係に立つ。 | ◯ |
4 | 18-08-3 | (AはBとの間で、土地の売買契約を締結し、Aの所有権移転登記手続とBの代金の支払を同時に履行することとした。決済約定日に、Aは所有権移転登記手続を行う債務の履行の提供をしたが、Bが代金債務につき弁済の提供をしなかったので、Aは履行を拒否した。)Aは、一旦履行の提供をしているので、Bに対して代金の支払を求める訴えを提起した場合、引換給付判決ではなく、無条件の給付判決がなされる。 | × |
5 | 15-09-1 | 動産売買契約における目的物引渡債務と代金支払債務とは、同時履行の関係に立つ。 | ◯ |
6 | 11-08-1 | 宅地の売買契約における買主が、弁済期の到来後も、代金支払債務の履行の提供をしない場合、売主は、宅地の引渡しと登記を拒むことができる。 | ◯ |
7 | 08-09-2 | 売主が、履行期に所有権移転登記はしたが、引渡しをしない場合、買主は、少なくとも残金の半額を支払わなければならない。 | × |
2 誤り
契約不適合担保責任を負うのは、あくまで売主Aです(民法570条本文、566条1項)。Bが契約を媒介した場合であっても、Bに対して担保責任を追及することはできません。
■参照項目&類似過去問
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契約不適合担保責任:追及の相手方(民法[24]3(1)①)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R01-03-4 | Aを売主、Bを買主とする建物の売買契約をBと媒介契約を締結した宅地建物取引業者Cが媒介していた場合、当該建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないときには、BはCに対して担保責任を追及することができる。 | × |
2 | 29-05-2 | Aは、中古自動車を売却するため、Bに売買の媒介を依頼し、報酬として売買代金の3%を支払うことを約した。Bの媒介によりAは当該自動車をCに100万円で売却した。当該白動車が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合には、CはAに対しても、Bに対しても、担保責任を追及することができる。 | × |
3 | 15-10-4 | 土地付中古建物の売買契約が、宅建業者の媒介により契約締結に至ったものである場合、売主に対して担保責任が追及できるのであれば、買主は宅建業者に対しても担保責任を追及できる。 | × |
3 誤り
解約手付が交付されている場合、買主はその手付金を放棄し、売主はその倍額を現実に提供すれば、契約を解除することができます。ただし、相手方が契約の履行に着手した後は、この方法による解除は不可能です(民法557条1項)。
以上より、Aが手付の倍額償還によって契約を解除することができるのは、「Cが契約の履行に着手するまで」の間に限られます。「いつでも」解除ができるわけではありません。
■参照項目&類似過去問
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手付解除ができる期間・当事者(民法[24]2(2)②)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R03s-04-1 | 売主Aと買主Bとの間で締結した売買契約に関し、BがAに対して手付を交付した場合、Aは、目的物を引き渡すまではいつでも、手付の倍額を現実に提供して売買契約を解除することができる。 | × |
2 | R02-09-1 | Aがその所有する甲建物について、Bとの間で、Aを売主、Bを買主とする売買契約を締結した。Bが手付を交付し、履行期の到来後に代金支払の準備をしてAに履行の催告をした場合、Aは、手付の倍額を現実に提供して契約の解除をすることができる。 | × |
3 | 29-05-3 | Aは、中古自動車を売却するため、Bに売買の媒介を依頼し、報酬として売買代金の3%を支払うことを約した。Bの媒介によりAは当該自動車をCに100万円で売却した。売買契約が締結された際に、Cが解約手付として手付金10万円をAに支払っている場合には、Aはいつでも20万円を償還して売買契約を解除することができる。 | × |
4 | 21-10-2 | 売主が履行に着手していなくても、買主が履行に着手していれば、買主は契約を解除できない。 | × |
5 | 17-09-4 | 売主は、自らが履行に着手するまでは、買主が履行に着手していても、契約を解除できる。 | × |
6 | 16-04-2 | 売主が履行に着手した場合、買主が履行に着手したかどうかにかかわらず、売主は契約を解除できない。 | × |
7 | 12-07-2 | 買主が履行に着手した場合、売主が履行に着手していないときでも、買主は契約を解除できない。 | × |
8 | 06-06-2 | 買主は、売主が履行に着手するまでは、自らが履行に着手していても、契約を解除できる。 | ◯ |
9 | 04-07-3 | 買主は、自らが履行に着手していても、売主が履行に着手していなければ、契約を解除できる。 | ◯ |
4 正しい
Aの父親の所有物を、AがCに売却するようなケースを他人物売買といいます。民法は、このような契約も契約として有効と扱っています(同法561条)。
※この契約に基づき、Aは、父親から自動車を取得し、これをCに移転する義務を負います(同法561条)。
☆「他人物売買:有効性」というテーマは、問02肢2でも出題されています。
■参照項目&類似過去問
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他人物売買:有効性(民法[24]1(3)①)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 29-02-2 | Aを売主、Bを買主としてCの所有する乙建物の売買契約が締結された場合、BがAの無権利について善意無過失であれば、AB間で売買契約が成立した時点で、Bは乙建物の所有権を取得する。 | × |
2 | 29-05-4 | Aは、中古自動車を売却するため、Bに売買の媒介を依頼し、報酬として売買代金の3%を支払うことを約した。Bの媒介によりAは当該自動車をCに100万円で売却した。売買契約締結時には当該自動車がAの所有物ではなく、Aの父親の所有物であったとしても、AC間の売買契約は有効に成立する。 | ◯ |
3 | 21-10-3 | 他人の所有物を目的物とした場合、売買契約は無効である。 | × |
4 | 13-01-1 | 共有者の一人が共有物全体を売却した場合、売買契約は有効である。 | ◯ |
5 | 11-10-1 | 所有者に売却意思がなくても、他人物の売買契約は有効に成立する。 | ◯ |
6 | 01-04-1 | 売買契約の目的物である土地が第三者の所有であって、当該第三者に譲渡の意思がないときは、契約は無効となる。 | × |