【宅建過去問】(平成30年問06)法定地上権


Aが所有する甲土地上にBが乙建物を建築して所有権を登記していたところ、AがBから乙建物を買い取り、その後、Aが甲土地にCのために抵当権を設定し登記した。この場合の法定地上権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. Aが乙建物の登記をA名義に移転する前に甲土地に抵当権を設定登記していた場合、甲土地の抵当権が実行されたとしても、乙建物のために法定地上権は成立しない。
  2. Aが乙建物を取り壊して更地にしてから甲土地に抵当権を設定登記し、その後にAが甲土地上に丙建物を建築していた場合、甲土地の抵当権が実行されたとしても、丙建物のために法定地上権は成立しない。
  3. Aが甲土地に抵当権を設定登記するのと同時に乙建物にもCのために共同抵当権を設定登記した後、乙建物を取り壊して丙建物を建築し、丙建物にCのために抵当権を設定しないまま甲土地の抵当権が実行された場合、丙建物のために法定地上権は成立しない。
  4. Aが甲土地に抵当権を設定登記した後、乙建物をDに譲渡した場合、甲土地の抵当権が実行されると、乙建物のために法定地上権が成立する。

正解:1

設定の確認

法定地上権の成立要件

★必要知識(講義編)

法定地上権(民法[13]9)

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民法[13]9
法定地上権

 年-問-肢内容正誤
128-04-1
[Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定]Aが甲土地に抵当権を設定した当時、甲土地上にA所有の建物があり、当該建物をAがCに売却した後、Bの抵当権が実行されてDが甲土地を競落した場合、DはCに対して、甲土地の明渡しを求めることはできない。
221-07-1土地及びその地上建物の所有者が同一である状態で、土地に1番抵当権が設定され、その実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。
321-07-2更地である土地の抵当権者が抵当権設定後に地上建物が建築されることを承認した場合であっても、土地の抵当権設定時に土地と所有者を同じくする地上建物が存在していない以上、地上建物について法定地上権は成立しない。
421-07-3土地に1番抵当権が設定された当時、土地と地上建物の所有者が異なっていたとしても、2番抵当権設定時に土地と地上建物の所有者が同一人となれば、土地の抵当権の実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。×
521-07-4土地の所有者が、当該土地の借地人から抵当権が設定されていない地上建物を購入した後、建物の所有権移転登記をする前に土地に抵当権を設定した場合、当該抵当権の実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。
618-05-3更地に一番抵当権設定後、二番抵当権設定前に土地上に建物が建築され、二番抵当権者が抵当権を実行した場合には、建物について法定地上権が成立する。×
714-06-2更地にAが抵当権を設定した後、建物が築造され、その後、Cが土地・建物の双方に抵当権を設定した場合、Aが抵当権を実行すると、建物につき法定地上権が成立する。×
814-06-3更地に一番抵当権設定後、二番抵当権設定前に土地上に建物が建築され、二番抵当権者が抵当権を実行した場合には、建物について法定地上権が成立する。×
910-05-1(Aは、Bから借金をし、Bの債権を担保するためにA所有の土地及びその上の建物に抵当権を設定した。)Bの抵当権の実行により、Cが建物、Dが土地を競落した場合、Dは、Cに対して土地の明渡しを請求することはできない。

1 誤り

要件2「抵当権設定当時、土地と建物が同一所有者に属していたこと」に関する問題です。
「同一所有者」かどうかは、所有権の実質に基づいて判断します(民法388条。最判昭48.09.18)。登記名義を基準とするわけではありません。
本問では、AがBから乙建物を買い取っていますから、実質的な所有権は、Aにあります。つまり、抵当権設定当時において、土地と建物の所有権は、いずれもAに属していたわけです。したがって、抵当権実行の際、乙建物のために法定地上権が成立します。

2 正しい

要件1「抵当権設定当時、土地の上に建物が存在していたこと」に関する問題です。
抵当権設定当時の状況を考えると、Cは、更地に対して抵当権を設定しています。この時点で「土地上の建物」は存在しませんから、要件1を満たしていません。したがって、法定地上権は、成立しません(民法388条。最判昭36.02.10)。
その後Aは、丙建物を再築していますが、抵当権設定後の後の話ですから法定地上権の成否とは無関係です。抵当権実行の際、丙建物のために法定地上権は成立しません。
※Cは、甲土地と丙建物を一括競売することができます(民法389条、民法[13]10)。

3 正しい

抵当権設定当時 抵当権実行時

建物と土地に共同抵当権が設定された後に、建物を取り壊して再築した事例です。
判例は、この場合について、法定地上権の成立を認めません(民法388条。最判平09.02.14)。これは、抵当権者Cの立場を重視し、そのためであれば、建物の取り壊しもやむを得ない、という判断です。
法定地上権を認めたらどうなるでしょう。
Cは、再築された丙建物について抵当権を設定していません。この状況で甲土地の抵当権を実行されて、丙建物のために法定地上権が成立すると、甲土地は法定地上権付の土地として評価されることになります。地上権付きの土地というのでは、更地の半額にもなりません。Cは、大損です。
このような事態を防ぐため、判例は、法定地上権の成立を否定しているのです。ただし、再築後の丙建物についてCが甲土地と同順位の抵当権を設定している場合は、例外です。このような場合、Cの不利益は生じないからです。

4 正しい

要件2「抵当権設定当時、土地と建物が同一所有者に属していたこと」に関する問題です。
「同一所有者」かどうかは、抵当権設定当時を基準に判断します(民法388条。大連判大12.12.14)。この時点で土地と建物の所有者が同一であれば法定地上権は成立します。その後に建物譲渡があっても、法定地上権が成立しなくなるわけではありません。
本肢では、抵当権設定当時、甲土地と乙建物の両方をAが所有しています。したがって、抵当権実行の際、乙建物のために法定地上権が成立します。


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