【宅建過去問】(平成30年問11)借地借家法(借地)

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AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結する場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。

  1. 本件契約が専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合には、公正証書によらなければ無効となる。
  2. 本件契約が居住用の建物の所有を目的とする場合には、借地権の存続期間を20年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨を定めても、これらの規定は無効となる。
  3. 本件契約において借地権の存続期間を60年と定めても、公正証書によらなければ、その期間は30年となる。
  4. Bは、甲土地につき借地権登記を備えなくても、Bと同姓でかつ同居している未成年の長男名義で保存登記をした建物を甲土地上に所有していれば、甲土地の所有者が替わっても、甲土地の新所有者に対し借地権を対抗することができる。

正解:2

設定の確認

1 誤り

賃貸借契約は、諾成契約です(民法601条)。つまり、賃貸人の「貸す」という意思表示と賃借人の「借りる」という意思表示が合致すれば、その時点で契約が成立します。公正証書どころか、書面で契約する必要すらありません。


例外は、一般定期借地権と事業用定期借地権です。一般定期借地権は、書面で締結しなければなりません(借地借家法22条1項。電磁的記録による特約は、書面によるものとみなされます)。また、事業用定期借地権の設定契約は、公正証書で締結する必要があります(同法23条3項)。
本肢は、「専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする」賃貸借契約というだけで、事業用定期借地権を設定するわけではありません。公正証書によらなくても、本件契約は、有効です。

■参照項目&類似過去問
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賃貸借:契約の成立(民法[26]1)
年-問-肢内容正誤
130-11-1[AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約を締結する。]本件契約が専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合には、公正証書によらなければ無効となる。
×
227-03-3貸主と借主との間の契約は、賃貸借では諾成契約であり、使用貸借でも諾成契約である。
317-15-1動産の賃貸借契約は、当事者の合意のみで効力を生じるが、建物の賃貸借契約は、要式契約である。×
事業用定期借地権(借地借家法[04]1(2)③)
年-問-肢内容正誤
1R05-11-2本件契約が甲土地上で専ら賃貸アパート事業用の建物を所有する目的である場合、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を定めるためには、公正証書で合意しなければならない。×
2R03-11-1事業の用に供する建物を所有する目的とし、期間を60年と定める場合には、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を書面で合意すれば、公正証書で合意しなくても、その旨を借地契約に定めることができる。
3R03-11-2事業の用に供する建物を所有する目的とし、期間を60年と定める場合には、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を書面で合意すれば、公正証書で合意しなくても、その旨を借地契約に定めることができる。
4R01-11-4
賃貸借契約が専ら工場の用に供する建物の所有を目的とする場合、期間を50年と定めたときは契約の更新がないことを公正証書で定めた場合に限りその特約は有効であるが、期間を15年と定めたときは契約の更新がないことを公正証書で定めても無効である。×
5H30-11-1
[AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約を締結する。]本件契約が専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合には、公正証書によらなければ無効となる。×
6H30-11-2
[AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約を締結する。]本件契約が居住用の建物の所有を目的とする場合には、借地権の存続期間を20年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨を定めても、これらの規定は無効となる。
7H29-11-4
賃貸借契約が建物所有を目的としている場合、契約の更新がなく、建物の買取りの請求をしないこととする旨を定めるには、賃貸人はあらかじめ賃借人に対してその旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。×
8H28-11-3
[Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借]AB間の賃貸借契約を公正証書で行えば、当該契約の更新がなく期間満了により終了し、終了時にはAが甲建物を収去すべき旨を有効に規定することができる。
×
9H22-11-1社宅も事業用定期借地権の対象になる。×
10H22-11-2事業用定期借地権設定契約は公正証書以外の書面で締結することができる。×
11H18-13-2居住用賃貸マンションは、事業用定期借地権の対象にならない。
12H18-13-3小売業を行う目的の土地賃貸借は、期間20年の事業用定期借地権とすることができる。
13H14-13-1事業用定期借地権を設定した場合、借主は建物買取請求権を有しない。
14H07-12-3賃貸マンションも、事業用定期借地権の対象になる。×

2 正しい

定期借地権の設定

「契約の更新請求をしない旨」を定めるというのですから、定期借地権を設定する必要があります。さらに、「存続期間を20年」とするためには、事業用定期借地権を利用する他ありません。しかし、事業用定期借地権を設定することができるのは、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合に限られます(同法23条2項)。本肢は、「居住用建物の所有」を目的とするわけですから、事業用定期借地権を設定するのは不可能です。本肢の特約は、無効です。

借地権の存続期間

定期借地権に関する特約が無効であれば、本肢で設定されるのは、定期借地権ではない借地権(普通借地権)ということになります。この場合、借地権の存続期間は、最短でも30年です(借地借家法3条本文)。本肢では、「存続期間を20年」と定めていますが、この規定は無効です(同法9条)。

借地権の存続期間

以上より、本肢の借地権の存続期間は、30年ということになります。普通借地権ですから、30年経過時には、契約を更新することが可能です。

■参照項目&類似過去問
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事業用定期借地権(借地借家法[04]1(2)③)
年-問-肢内容正誤
1R05-11-2本件契約が甲土地上で専ら賃貸アパート事業用の建物を所有する目的である場合、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を定めるためには、公正証書で合意しなければならない。×
2R03-11-1事業の用に供する建物を所有する目的とし、期間を60年と定める場合には、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を書面で合意すれば、公正証書で合意しなくても、その旨を借地契約に定めることができる。
3R03-11-2事業の用に供する建物を所有する目的とし、期間を60年と定める場合には、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を書面で合意すれば、公正証書で合意しなくても、その旨を借地契約に定めることができる。
4R01-11-4
賃貸借契約が専ら工場の用に供する建物の所有を目的とする場合、期間を50年と定めたときは契約の更新がないことを公正証書で定めた場合に限りその特約は有効であるが、期間を15年と定めたときは契約の更新がないことを公正証書で定めても無効である。×
5H30-11-1
[AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約を締結する。]本件契約が専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合には、公正証書によらなければ無効となる。×
6H30-11-2
[AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約を締結する。]本件契約が居住用の建物の所有を目的とする場合には、借地権の存続期間を20年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨を定めても、これらの規定は無効となる。
7H29-11-4
賃貸借契約が建物所有を目的としている場合、契約の更新がなく、建物の買取りの請求をしないこととする旨を定めるには、賃貸人はあらかじめ賃借人に対してその旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。×
8H28-11-3
[Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借]AB間の賃貸借契約を公正証書で行えば、当該契約の更新がなく期間満了により終了し、終了時にはAが甲建物を収去すべき旨を有効に規定することができる。
×
9H22-11-1社宅も事業用定期借地権の対象になる。×
10H22-11-2事業用定期借地権設定契約は公正証書以外の書面で締結することができる。×
11H18-13-2居住用賃貸マンションは、事業用定期借地権の対象にならない。
12H18-13-3小売業を行う目的の土地賃貸借は、期間20年の事業用定期借地権とすることができる。
13H14-13-1事業用定期借地権を設定した場合、借主は建物買取請求権を有しない。
14H07-12-3賃貸マンションも、事業用定期借地権の対象になる。×
借地権の存続期間(当初の存続期間)(借地借家法[01]2(1))
年-問-肢内容正誤
1R01-11-2賃貸借契約が建物の所有を目的とする場合、公正証書で契約を締結しなければ、ケース①(期間50年)の期間は30年となり、ケース②(期間15年)の期間は15年となる。
×
2H30-11-2[AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約を締結する。]本件契約が居住用の建物の所有を目的とする場合には、借地権の存続期間を20年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨を定めても、これらの規定は無効となる。
3H30-11-3[AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約を締結する。]本件契約において借地権の存続期間を60年と定めても、公正証書によらなければ、その期間は30年となる。
×
4H29-11-2賃借権の存続期間を10年と定めた場合、賃貸借契約が居住の用に供する建物を所有することを目的とするものであるときは存続期間が30年となる。
5H26-11-1存続期間40年と定めた場合、書面で契約を締結しなければ期間が30年となる。×
6H26-11-3期間を定めない契約を締結した場合、賃貸人が解約の申入れをしても合意がなければ契約は終了しない。
7H20-13-1建物所有目的の賃貸借契約において、賃貸借契約の期間の上限は50年である。×
8H20-13-3期間の定めがない場合、貸主は、契約開始から30年過ぎなければ、解約の申入れができない。
9H19-13-4期間の定めがない場合、貸主は、正当事由があればいつでも解約申入れできる。×
10H18-13-1小売業を行う目的で公正証書によらず賃貸借契約を締結した場合、存続期間35年という約定は有効である。
11H07-12-1期間の定めがない場合、堅固な建物については30年、非堅固な建物は20年となる。×
12H05-11-1存続期間を25年・35年のいずれと定めようと、契約期間は30年となる。×
13H01-12-1存続期間を10年と定めた場合、その約定はなかったものとみなされ、契約期間は20年となる。×

3 誤り

借地権の存続期間については、最短期間が30年とされていますが(肢2の表。借地借家法3条本文)、最長期間について制限はありません。当事者間で60年と定めれば、その規定が有効となります(同条ただし書き)。
※公正証書で契約してもしなくても、結論は同じです。

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借地権の存続期間(当初の存続期間)(借地借家法[01]2(1))
年-問-肢内容正誤
1R01-11-2賃貸借契約が建物の所有を目的とする場合、公正証書で契約を締結しなければ、ケース①(期間50年)の期間は30年となり、ケース②(期間15年)の期間は15年となる。
×
2H30-11-2[AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約を締結する。]本件契約が居住用の建物の所有を目的とする場合には、借地権の存続期間を20年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨を定めても、これらの規定は無効となる。
3H30-11-3[AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約を締結する。]本件契約において借地権の存続期間を60年と定めても、公正証書によらなければ、その期間は30年となる。
×
4H29-11-2賃借権の存続期間を10年と定めた場合、賃貸借契約が居住の用に供する建物を所有することを目的とするものであるときは存続期間が30年となる。
5H26-11-1存続期間40年と定めた場合、書面で契約を締結しなければ期間が30年となる。×
6H26-11-3期間を定めない契約を締結した場合、賃貸人が解約の申入れをしても合意がなければ契約は終了しない。
7H20-13-1建物所有目的の賃貸借契約において、賃貸借契約の期間の上限は50年である。×
8H20-13-3期間の定めがない場合、貸主は、契約開始から30年過ぎなければ、解約の申入れができない。
9H19-13-4期間の定めがない場合、貸主は、正当事由があればいつでも解約申入れできる。×
10H18-13-1小売業を行う目的で公正証書によらず賃貸借契約を締結した場合、存続期間35年という約定は有効である。
11H07-12-1期間の定めがない場合、堅固な建物については30年、非堅固な建物は20年となる。×
12H05-11-1存続期間を25年・35年のいずれと定めようと、契約期間は30年となる。×
13H01-12-1存続期間を10年と定めた場合、その約定はなかったものとみなされ、契約期間は20年となる。×

4 誤り

借地権自体の登記を備えなくても、借地上に借地権者が登記されている建物を所有していれば、これが対抗要件となります(借地借家法10条1項)。ここでいう登記には、保存登記(所有権の保存の登記)が含まれます。

しかし、登記は、借地権者本人の名義で行う必要があります。借地権者の長男名義で登記をしたとしても、対抗要件として認められません(最判昭41.04.27)。
※「同姓」「同居している」「未成年」は、結論と無関係です。

■参照項目&類似過去問
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借地権の対抗要件(借地借家法[02]1(1)(2))
年-問-肢内容正誤
1R03s-06-2
土地の賃借人として当該土地上に登記ある建物を所有する者は、当該土地の所有権を新たに取得した者と対抗関係にある第三者に該当する。

2R03s-11-3
借地権者が借地上の建物にのみ登記をしている場合、当該借地権を第三者に対抗することができるのは、当該建物の敷地の表示として記載されている土地のみである。

3R02s-11-1
借地権者が借地権の登記をしておらず、当該土地上に所有権の登記がされている建物を所有しているときは、これをもって借地権を第三者に対抗することができるが、建物の表示の登記によっては対抗することができない。×
4R02s-11-3土地の賃借人が登記ある建物を所有している場合であっても、その賃借人から当該土地建物を賃借した転借人が対抗力を備えていなければ、当該転借人は転借権を第三者に対抗することができない。×
5R02s-11-4借地権者が所有する数棟の建物が一筆の土地上にある場合は、そのうちの一棟について登記があれば、借地権の対抗力が当該土地全部に及ぶ。
6R02-11-1
A所有の甲土地につき、Bとの間で居住の用に供する建物の所有を目的として存続期間30年の約定で賃貸借契約が締結された。Bは、借地権の登記をしていなくても、甲土地の引渡しを受けていれば、本件契約締結後に甲土地を購入したCに対して借地権を主張することができる。×
7H30-11-4
[AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約を締結する。]Bは、甲土地につき借地権登記を備えなくても、Bと同姓でかつ同居している未成年の長男名義で保存登記をした建物を甲土地上に所有していれば、甲土地の所有者が替わっても、甲土地の新所有者に対し借地権を対抗することができる。×
8H29-11-1
(A所有の甲土地につき、平成29年10月1日にBとの間で賃貸借契約(本件契約)が締結された。)Aが甲土地につき、本件契約とは別に、平成29年9月1日にCとの間で建物所有を目的として賃貸借契約を締結していた場合、本件契約が資材置場として更地で利用することを目的とするものであるときは、本件契約よりもCとの契約が優先する。
×
9H28-11-1
[Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借]Aが甲建物を所有していても、建物保存登記をAの子C名義で備えている場合には、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたDに対して、Aは借地権を対抗することができない。

10H28-11-2
[Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借]Aが甲建物を所有していても、登記上の建物の所在地番、床面積等が少しでも実際のものと相違している場合には、建物の同一性が否定されるようなものでなくても、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたEに対して、Aは借地権を対抗することができない。
×
11H26-07-2借地権者が借地上の建物につき自己名義で保存登記をしている場合、借地の不法占拠者に対し、賃借権に基づいて妨害排除を求めることができる。
12H26-11-2借地上の建物の登記があれば、土地が第三者に売却されても、借地権を対抗可。
13H25-12-3二筆ある土地の借地権者が、一筆の土地上に登記ある建物を所有し、他方の土地は庭として使用している場合、後者の土地には対抗力が及ばない。
14H24-11-1建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約において、借地権の登記がなくても、その土地上の建物に借地人が自己を所有者と記載した表示の登記をしていれば、借地権を第三者に対抗することができる。
15H24-11-3土地の転借人は、転貸人たる賃借人が対抗力ある建物を所有していれば、賃借権を対抗可。
16H20-13-4口頭の借地契約でも、借地上の建物の登記があれば、借地権を対抗可。
17H18-13-4公正証書で借地契約をしても、対抗力が認められない場合がある。
18H15-13-1借地上の建物の保存登記があれば、借地権を対抗可。
19H11-13-1自己名義の保存登記があっても、居住していなければ対抗不可。×
20H11-13-2配偶者名義の保存登記があっても、対抗不可。
21H11-13-3一筆の土地上にある2棟の建物のうち1棟について自己名義の保存登記があれば、全体について借地権を対抗可。
22H11-13-4所在地番が多少相違しても同一性が認識できれば対抗可。
23H08-13-1長男名義の保存登記があれば、対抗可。×
24H08-13-2自己名義の保存登記があれば、強制競売の競落者にも対抗可。
25H08-13-4定期借地権の場合、公正証書で契約締結していれば、建物の登記がなくても対抗可。×

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【宅建過去問】(平成30年問11)借地借家法(借地)” に対して6件のコメントがあります。

  1. はやしみえこ より:

    特約の事に気づきませんでした。
    発展論点までコメントいただきよく理解できました。
    ありがとうございました。

    1. 家坂 圭一 より:

      疑問が解消できて何よりです。
      「問題文を正確に読むこと」がすべてのスタート。ここで気を抜くと正解が見付かりません。

  2. はやしみえこ より:

    お世話になります。
    肢2について質問です。
    無効ではなく、30年(借地借家法)になるのでは考えました。
    問題文の読みが足りないのでしょうか。

    1. 家坂 圭一 より:

      はやし様

      ご質問ありがとうございます。

      無効ではなく、30年(借地借家法)になるのでは考えました。

      問題文をよく読み、以下2つの論点をきちんと区別しましょう。

      • (1)特約が有効か無効か
      • (2)無効だとすれば、契約期間は何年になるか
      (1)特約が有効か無効か

      「存続期間20年」という「定期借地権」が設定できるのは、「事業用定期借地権」に限られます。
      「居住用の建物」について、存続期間20年という借地権を設定することは許されません。
      したがって、このような規定を定めても、「無効」ということになります。

      この問題で、問われているのは、ここまでです。
      「これらの規定は無効」なのですから、肢2は「正しい」選択肢です。

      (2)無効だとすれば、契約期間は何年になるか

      発展論点として、これが出題されることも考えられます。
      しかし、本問の肢2では、この論点について全く問われていません。

      もちろん、結論は、はやしさんのおっしゃる通りです。
      「存続期間20年」も「定期借地権の設定」も無効なのですから、原則通り、「存続期間30年」「更新あり」という借地契約になります。
      しかし、このことは、肢2の正誤と何の関係もありません。

  3. ムライ より:

    お世話になっております。
    肢の2についてなのですが、「一時使用目的の借地権」とみなすことは不可能なのでしょうか?

    1. 家坂 圭一 より:

      不可能です。
      一時使用目的とは、「臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合」をいいます。
      「居住用の建物の所有を目的」とする「存続期間を20年」の借地権を「一時使用」と考えるのは無理です。

      また、「みなす」とおっしゃいますが、その根拠となる規定が、民法にも借地借家法にも存在しません。

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