【宅建過去問】(平成30年問21)土地区画整理法

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土地区画整理法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 土地区画整理事業とは、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため、土地区画整理法で定めるところに従って行われる、都市計画区域内及び都市計画区域外の土地の区画形質の変更に関する事業をいう。
  2. 土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日以後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある建築物その他の工作物の新築を行おうとする者は、都道府県知事及び市町村長の許可を受けなければならない。
  3. 土地区画整理事業の施行者は、仮換地を指定した場合において、従前の宅地に存する建築物を移転し、又は除却することが必要となったときは、当該建築物を移転し、又は除却することができる。
  4. 土地区画整理事業の施行者は、仮換地を指定した場合において、当該仮換地について使用又は収益を開始することができる日を当該仮換地の効力発生の日と同一の日として定めなければならない。

正解:3

1 誤り

「土地区画整理事業」とは、都市計画区域内の土地について、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るために行われる土地の区画形質の変更及び公共施設の新設又は変更に関する事業をいいます(土地区画整理法2条1項)。定義に「都市計画区域内」と入っていますから、都市計画区域外で実施することはできません。

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土地区画整理事業とは(区画整理法[01]1(1))
年-問-肢内容正誤
1R03s-20-2土地区画整理法において、「公共施設」とは、道路、公園、広場、河川その他政令で定める公共の用に供する施設をいう。
2H30-21-1土地区画整理事業とは、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため、土地区画整理法で定めるところに従って行われる、都市計画区域内及び都市計画区域外の土地の区画形質の変更に関する事業をいう。×
土地区画整理事業を施行できるエリア(区画整理法[01]2)
年-問-肢内容正誤
1H30-21-1土地区画整理事業とは、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため、土地区画整理法で定めるところに従って行われる、都市計画区域内及び都市計画区域外の土地の区画形質の変更に関する事業をいう。×
2H24-21-2土地区画整理組合は、土地区画整理事業について都市計画に定められた施行区域外において、土地区画整理事業を施行することはできない。×
3H12-21-2土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業は、市街化調整区域内において施行されることはない。×
4H12-21-4都道府県が施行する土地区画整理事業は、すべて都市計画事業として施行される。

2 誤り

施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更や建築物その他の工作物の建築を行おうとする者は、知事等の許可を受けなければなりません(土地区画整理法76条1項)。ここでいう「知事等」には、知事の他に「市の区域内における市長」を含みます(同条1項柱書)。つまり、市の区域内では市長、町村の区域内では知事が許可権者です。本肢のいうような「都道府県知事及び市町村長」という両方の許可が必要になることはありません。

※ヒッカケの典型パターンは、「土地区画整理組合の許可が必要」というものです。これにも注意してください。

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建築行為等の制限(区画整理法[02]2(1)(2))
年-問-肢内容正誤
1R04-20-1土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日以後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある建築物の新築を行おうとする者は、土地区画整理組合の許可を受けなければならない。×
2R03-20-3土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、当該土地区画整理組合の許可を受けなければならない。×
3H30-21-2
土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日以後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある建築物その他の工作物の新築を行おうとする者は、都道府県知事及び市町村長の許可を受けなければならない。×
4H28-21-4
土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、当該土地区画整理組合の許可を受けなければならない。×
5H23-21-1土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、当該土地区画整理組合の許可を受けなければならない。×
6H19-24-4土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日から当該組合が行う土地区画整理事業に係る換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更や建築物の新築等を行おうとする者は、当該組合の許可を受けなければならない。×
7H16-22-1土地区画整理事業の施行地区内においては、土地区画整理法第76条の規定により、一定の建築行為等について、国土交通大臣又は都道府県知事等の許可を必要とする規制がなされるが、仮換地における当該建築行為等については、仮換地の換地予定地的な性格にかんがみ、当該規制の対象外となっている。×
8H09-22-1土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業にあっては、事業の完成による解散についての認可の公告の日までは、施行地区内における建築物の新築について都道府県知事等の許可を受けなければならない。×
9H09-22-2都道府県知事は、建築行為等の許可をしようとするときに、土地区画整理審議会の意見を聞かなければならないことがある。×
10H09-22-3階数が2以下で、かつ、地階を有しない木造建築物の改築については、都道府県知事は、必ず建築行為等の許可をしなければならない。×
11H08-27-1仮換地の指定を受けて、その使用収益をすることができる者が、当該仮換地上で行う建築物の新築については、都道府県知事等の許可が必要となる場合はない。×
12H04-27-2組合施行事業の施行地区内において、当該事業の施行の障害となるおそれのある建築物の新築を行おうとする者は、土地区画整理組合の許可を受けなければ、行うことができない。×

3 正しい

仮換地を指定した場合において、従前の宅地に存する建築物の移転又は除却が必要となった場合、施行者は、建築物を移転又は除却することができます(土地区画整理法77条1項)。

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建築物の移転及び除却(区画整理法[04]2(4))
年-問-肢内容正誤
1H30-21-3土地区画整理事業の施行者は、仮換地を指定した場合において、従前の宅地に存する建築物を移転し、又は除却することが必要となったときは、当該建築物を移転し、又は除却することができる。
2H07-27-3地方公共団体施行の場合、施行者が仮換地を指定して、従前地に存する建築物等を移転し、又は除却するときは、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。×
3H05-25-2仮換地の指定に伴い、従前の宅地に存する建築物を移転する必要がある場合、当該建築物の所有者が、自らこれを移転しなければならない。×

4 誤り

仮換地に使用又は収益の障害となる物件が存するなど特別の事情がある場合、施行者は、仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生日と別に定めることができます(土地区画整理法99条2項)。

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仮換地の指定の効果(区画整理法[04]2(3))
年-問-肢内容正誤
仮換地とは
1H05-25-4仮換地が指定されても、従前の宅地を権原に基づき使用することができる者は、換地処分の公告のある日までの間、従前の宅地を使用することができる。×
仮換地指定後の従前の土地の売却等
1H08-27-2従前の宅地の所有者は、仮換地の指定により従前の宅地に抵当権を設定することはできなくなり、当該仮換地について抵当権を設定することができる。×
2H08-27-3従前の宅地の所有者は、換地処分の公告がある日までの間において、当該宅地を売却することができ、その場合の所有権移転登記は、従前の宅地について行うこととなる。
3H05-25-3仮換地が指定されても、土地区画整理事業の施行地区内の宅地を売買により取得した者は、その仮換地を使用することができない。×
仮換地の使用収益開始日(原則)
1H28-21-2仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができる。
2H21-21-2仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができる。
3H20-23-3仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができる。
4H02-27-2仮換地の指定があった場合、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、従前の宅地の使用又は収益を行うことができない。
仮換地の使用収益開始日(例外)
1H30-21-4土地区画整理事業の施行者は、仮換地を指定した場合において、当該仮換地について使用又は収益を開始することができる日を当該仮換地の効力発生の日と同一の日として定めなければならない。×
2H28-21-3施行者は、仮換地を指定した場合において、特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生日と別に定めることができる。
3H14-22-1施行者は、仮換地を指定した場合において、特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生日と別に定めることができる。
4H08-27-4仮換地の指定を受けた者は、その使用収益を開始できる日が仮換地指定の効力発生日と別に定められている場合、その使用収益を開始できる日まで従前の宅地を使用収益することができる。×

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【宅建過去問】(平成30年問21)土地区画整理法” に対して4件のコメントがあります。

  1. じゅん より:

    ありがとうございます。

    これからもよろしくお願いします。

    1. 家坂 圭一 より:

      こちらこそ、よろしくお願いします。

  2. じゅん より:

    いつも拝見しております。
    肢1 「土地区画整理事業」とは、都市計画区域外で実施することはできません、とのことなのですが、平成24-21の解説では、土地区画整理組合は、施行区域外においても、土地区画整理事業を施行することができますとあります。私としましては、都市計画区域=施工区域
    と理解しております、肢1でも、土地区画整理組合の場合は実施できると考えてしまいます。
    すみませんが、教えて下さい。

    1. 家坂 圭一 より:

      じゅん様

      ご質問ありがとうございます。
      「都市計画区域」「施行区域」という言葉がこんがらがっているようですね。
      ゆっくり考えていきましょう。

      肢1 「土地区画整理事業」とは、都市計画区域外で実施することはできません、とのことなのですが、

      はい、その通りです。
      上の解説に書いた通り、「土地区画整理事業」は、「都市計画区域内の土地について、…に関する事業」というのがその定義です。
      「都市計画区域内の土地について」が定義ですから、都市計画区域外で土地区画整理事業を行うことはできません。

      平成24-21の解説では、土地区画整理組合は、施行区域外においても、土地区画整理事業を施行することができますとあります。私としましては、都市計画区域=施工区域と理解しております

      「都市計画区域=施工区域と理解」が混乱のキッカケだと思います。
      この二つは、別物です。

      平成24年問21で問われているのは、「施行区域」の話です。
      解説に書いた通り、「施行区域」とは、「土地区画整理事業について都市計画に定められた施行区域」のことをいいます。「都市計画区域」とは、別物です。

      ※「都市計画に定められた」というのですから、「都市計画区域内」であるのは、もちろんです。しかし、両者は=(イコール)ではありません。

      「施行区域」についてヒッカケとして使われるののは、公的施行民間施行の区別です。
      この表の「施行できるエリア」の列を使って整理しておきましょう。

      以上について、講座では、
      ■土地区画整理法[01]土地区画整理法のシステム
      2.施行者による分類
      https://e-takken.tv/ks01/
      「土地区画整理事業を施行できるエリア」として解説しています。
      確認しておきましょう。

      この論点からは、過去に4回の出題があります。
      無視できるテーマではないので、「★過去の出題例★」も使って、しっかり整理しておきましょう。

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