【宅建過去問】(平成30年問39)重要事項説明書(35条書面)


宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合における宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、特に断りのない限り、当該建物を借りようとする者は宅地建物取引業者ではないものとする。

  1. 当該建物を借りようとする者が宅地建物取引業者であるときは、貸借の契約が成立するまでの間に重要事項を記載した書面を交付しなければならないが、その内容を宅地建物取引士に説明させる必要はない。
  2. 当該建物が既存の住宅であるときは、法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要を説明しなければならない。
  3. 台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況について説明しなければならない。
  4. 宅地建物取引士は、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、相手方の承諾があれば宅地建物取引士証の提示を省略することができる。

正解:4

設定の確認

1 正しい

宅建業者は、相手方が宅建業者である場合でも、重要事項説明書(35条書面)を「交付」する義務を負います(宅建業法35条1項)。しかし、重要事項説明書の「説明」は、省略することができます(同条6項)。

相手方が宅建業者である場合

☆「相手方が宅建業者である場合の重要事項説明」というテーマは、問33肢2でも出題されています。

★必要知識(講義編)

相手方が宅建業者である場合(宅建業法[11]1(4))

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相手方が宅建業者である場合(宅建業法[11]1(4))
 年-問-肢内容正誤
130-35-2宅地建物取引業者間における建物の売買においては、その対象となる建物が未完成である場合は、重要事項説明書を交付した上で、宅地建物取引士をして説明させなければならない。×
230-39-1宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物を借りようとする者が宅地建物取引業者であるときは、貸借の契約が成立するまでの間に重要事項を記載した書面を交付しなければならないが、その内容を宅地建物取引士に説明させる必要はない。
325-29-3業者間取引では、35条書面に修繕積立金の滞納について記載しなくてもよい。×
425-30-1業者間取引でも重要事項説明は行わなければならないが、35条書面の交付は省略してよい。×
519-40-2業者間取引で、売主の承諾がある場合、35条書面・37条書面の交付を省略できる。×
619-40-3業者間取引で、買主の承諾がある場合、35条書面の交付は省略可能、37条書面の交付は省略不可。×
718-35-1買主が宅建業者である場合、35条書面を交付しなくても、宅建業法に違反しない。×
816-40-135条書面の交付義務は、業者間取引にも適用される。
906-44-3業者間取引では、35条書面に造成工事完了時の宅地の形状・構造を記載すれば、宅地に接する道路の構造・幅員を記載しなくてもよい。×
1005-44-1業者間取引では、35条書面を交付しなくても、宅建業法に違反しない。×
1104-42-1業者間取引では、35条書面の交付は省略できるが、37条書面の交付は省略できない。×
1201-44-3業者間取引では、35条書面の交付を省略しても、宅建業法に違反しない。×

2 正しい

建物状況調査を実施しているかどうか、そして、実施している場合には調査結果の概要は、既存住宅の売買又は貸借における重要事項とされています(宅建業法35条1項6号の2イ)。
☆「説明事項(建物状況調査の結果の概要)」というテーマは、問27肢3でも出題されています。

★必要知識(講義編)

説明事項(建物状況調査の結果の概要)(宅建業法[11]2(2)⑫)

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説明事項(建物状況調査の結果の概要)(宅建業法[11]2(2)⑫)
 年-問-肢内容正誤
130-27-3宅地建物取引業者Aは、Bが所有し、居住している甲住宅の売却の媒介を、また、宅地建物取引業者Cは、Dから既存住宅の購入の媒介を依頼され、それぞれ媒介契約を締結した。CがDとの間で媒介契約を締結する2年前に、甲住宅は既に建物状況調査を受けていた。この場合において、A及びCは、本件契約が成立するまでの間に、Dに対し、建物状況調査を実施している旨及びその結果の概要について説明しなければならない。
×
230-39-2宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が既存の住宅であるときは、法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要を説明しなければならない。

3 正しい

「台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況」は、建物の貸借における重要事項です(宅建業法35条1項14号、規則16条の4の3第7号)。

★必要知識(講義編)

貸借の説明事項(台所・浴室・便所など設備の整備状況)(宅建業法[11]2(5)①)

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貸借の説明事項(台所・浴室・便所など設備の整備状況)(宅建業法[11]2(5)①)
 年-問-肢内容正誤
130-39-3宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況について重要事項として説明しなければならない。
218-33-3建物貸借の場合、説明義務あり。
316-38-2事業用建物貸借の場合も、居住用建物同様に、説明義務あり。
411-41-2区分建物の貸借の場合、説明義務あり。

4 誤り

貸借契約に関しては、重要事項説明の際にテレビ会議等のITを活用することが認められています(宅建業法35条1項、解釈・運用の考え方)。

この場合でも、宅建士証の提示を省略することはできません。宅建士は、宅建士証を提示し、相手方が、宅建士証を画面上で視認できたことを確認したうえで重要事項説明を始める必要があります(同条4項、解釈・運用の考え方)。

IT活用による重要事項説明

★必要知識(講義編)

重要事項説明の方法(説明)(宅建業法[11]1(3)⑤)
宅建士証の提示(重要事項説明時)(宅建業法[11]1(3)⑤)

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重要事項説明の方法(説明)(宅建業法[11]1(3)⑤)
 年-問-肢内容正誤
130-39-4宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、宅地建物取引士は、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、相手方の承諾があれば宅地建物取引士証の提示を省略することができる。×
227-29-4重要事項の説明を行う宅建士は専任の宅建士でなくてもよいが、書面に記名押印する宅建士は専任の宅建士でなければならない。×
326-35-3宅建士証の有効期間が満了している場合、35条書面に記名押印できるが、取引の相手方に対し説明はできない。×
426-36-1宅建士ではないが宅建業者の最高責任者である代表取締役は、重要事項説明をする者として問題ない。×
526-36-2物件の契約条件についてチラシに詳しく書いた場合、重要事項説明を省略することができ、重要事項説明書は、入居後、郵便受けに入れる方法で交付すればよい。×
626-36-3物件担当の宅建士が急用で対応できなくなった場合、重要事項説明書にある宅建士欄を訂正の上、別の宅建士が記名押印をし、宅建士証を提示した上で、重要事項説明をすることができる。
723-33-1宅建士でない宅建業者の代表者が重要事項説明を行っても宅建業法に違反しない。×
823-33-2有効期間満了後の宅建士証を提示して重要事項説明を行っても宅建業法に違反しない。×
919-40-135条書面・37条書面のいずれの交付に際しても、宅建士の記名押印と内容説明が必要である。×
1016-34-4有効期間内に宅建士証を更新しなかった宅建士が、重要事項説明をした場合、宅建業者は、業務停止処分を受けることがある。
1113-43-135条書面の説明を行うのは、専任の宅建士でなければならない。×
1212-31-135条書面の説明を行うのは、必ずしも成年者である専任の宅建士である必要はない。
1311-34-2買主が物件を熟知してる場合、重要事項説明書を交付すれば、説明を省略できる。×
1410-39-1複数の宅建業者が媒介した場合、いずれかの業者の宅建士が重要事項説明すればよい。
1504-42-335条書面・37条書面のいずれの交付に際しても、交付前に、宅建士をして内容説明をさせなければならない。×
宅建士証の提示(重要事項説明時)(宅建業法[05]6(3)宅建業法[11]1(3)⑤)
 年-問-肢内容正誤
130-39-4
宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、宅地建物取引士は、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、相手方の承諾があれば宅地建物取引士証の提示を省略することができる。×
229-37-1
宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、物件の買受けの申込みの前であっても宅地建物取引士証を提示しなければならないが、このときに提示した場合、後日、法第35条に規定する重要事項の説明をする際は、宅地建物取引士証を提示しなくてもよい。×
329-37-4
宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならないが、法第35条に規定する重要事項の説明をする際は、宅地建物取引士証の提示が義務付けられているため、宅地建物取引士証の提示をもって、従業者証明書の提示に代えることができる。×
428-30-2
宅建士は、重要事項の説明をする際に、相手方から求められない場合は、宅建士証を提示しなくてもよい。
×
526-36-3物件担当の宅建士が急用で対応できなくなった場合、重要事項説明書にある宅建士欄を訂正の上、別の宅建士が記名押印をし、宅建士証を提示した上で、重要事項説明をすれば、宅建業法に違反しない。
625-30-2重要事項説明時、請求がなくても宅建士証を提示する必要があり、提示しないと20万円以下の罰金に処せられる。×
723-28-3重要事項説明時、請求があった場合のみ宅建士証を提示すればよい。×
822-30-3宅建士証を亡失し再交付申請中の者は、再交付申請書の写しを提示すればよい。×
918-36-2請求がなくても提示が必要。
1017-39-2請求がなかったので提示せず。×
1114-31-4重要事項説明時に宅建士証を提示していれば、その後は請求があっても提示する必要はない。×
1213-31-4宅建士証を滅失した場合、再交付を受けるまで重要事項説明はできない。
1313-32-1重要事項説明時、要求がなければ、提示しなくてもよい。×
1410-39-3胸に着用する方法で提示可能。
1505-37-2初対面時に宅建士証を提示していれば、重要事項説明時に提示する必要はない。×
1604-48-2重要事項の説明をするときは、相手方の請求がなくても宅建士証を提示しなければならない。

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【宅建過去問】(平成30年問39)重要事項説明書(35条書面)” に対して1件のコメントがあります。

  1. ドクターX より:

    肢2→インスペクション
    肢4→ITによる重説

    この論点は今年初めて出題ですか??

    肢4は引っ掛けるつもりで、相手承諾があれば提示省略とか書いてるのですか??

    1. 家坂 圭一 より:

      インスペクション(建物状況調査)は今年4月1日施行、IT活用による重要事項説明は昨年10月1日施行の法改正によって、導入されたものです。
      もちろん、いずれも初めての出題です。

      今年の法改正ですので、当然初めての出題です。
      宅建業法の改正相次ぐ

    2. 家坂 圭一 より:

      「相手方の承諾があれば宅建士証の提示を省略することができる」というヒッカケ自体は初めて使われたパターンです。
      しかし、「相手方の請求がない場合でも提示が必要」という知識があれば、対応できたでしょうす。

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