【宅建過去問】(平成01年問08)請負契約
請負契約における請負人の担保責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 完成した目的物に契約の内容に適合しない欠陥がある場合において、その修補が可能なものであっても、注文者は、目的物の修補に代えて、直ちに損害賠償の請求をすることができる。
- 完成した目的物に契約をした目的を達することができない重大な欠陥があるときは、注文者は、目的物の修補又は損害賠償の請求をすることはできないが、契約を解除することができる。
- 完成した目的物が建物その他土地の工作物である場合において、その物が引き渡しを受けてから3年目に契約の内容に適合しない欠陥により損傷したときは、注文者は、その時から2年以内にその旨を請負人に通知しなければ、請負人の担保責任を追及することができない。
- 完成した目的物が建物その他土地の工作物である場合において、その物に契約をした目的を達することができない重大な欠陥があるときであっても、注文者は、契約の解除をすることができない。
正解:1
請負人の担保責任
請負契約の請負人の担保責任については、売買契約の売主の担保責任に関する規定が準用されます(民法559条)。
したがって、注文者は、以下の方法で、請負人の担保責任を追及することができます(同法562条、563条、564条、415条、541条、542条)。
※令和2年以前の民法とは大きく変わっています。古い知識は、捨ててしまいましょう。
1 正しい
仕事の目的物に契約不適合がある場合、注文者は、目的物の修補(追完請求の一種)を請求することができます(表の3。民法559条、562条1項)。また、損害賠償請求を行うことも可能です(表の1。同法559条、564条、415条)。
どちらを選ぶかは、注文者に委ねられています。目的物の修補に代えて、直ちに損害賠償の請求をすることも可能です。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 29-07-1 | 請負契約が請負人の責めに帰すべき事由によって中途で終了し、請負人が施工済みの部分に相当する報酬に限ってその支払を請求することができる場合、注文者が請負人に請求できるのは、注文者が残工事の施工に要した費用のうち、請負人の未施工部分に相当する請負代金額を超える額に限られる。 | ◯ |
2 | 18-06-1 | 請負契約の目的物たる建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合、目的物の修補が可能であれば、AはBに対して損害賠償請求を行う前に、目的物の修補を請求しなければならない。 | × |
3 | 07-10-3 | 注文者が請負人から完成した建物の引渡しを受けた後、第三者に対して建物を譲渡したときは、その第三者は、その建物の欠陥について、請負人に対し修補又は損害賠償の請求をすることができる。 | × |
4 | 01-08-1 | 完成した目的物に契約の内容に適合しない欠陥がある場合において、その修補が可能なものであっても、注文者は、目的物の修補に代えて、直ちに損害賠償の請求をすることができる。 | ◯ |
5 | 01-08-2 | 完成した目的物に契約をした目的を達することができない重大な欠陥があるときは、注文者は、目的物の修補又は損害賠償の請求をすることはできないが、契約を解除することができる。 | × |
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 18-06-1 | 請負契約の目的物たる建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合、目的物の修補が可能であれば、AはBに対して損害賠償請求を行う前に、目的物の修補を請求しなければならない。 | × |
2 | 07-10-3 | 注文者が請負人から完成した建物の引渡しを受けた後、第三者に対して建物を譲渡したときは、その第三者は、その建物の欠陥について、請負人に対し修補又は損害賠償の請求をすることができる。 | × |
3 | 01-08-1 | 完成した目的物に契約の内容に適合しない欠陥がある場合において、その修補が可能なものであっても、注文者は、目的物の修補に代えて、直ちに損害賠償の請求をすることができる。 | ◯ |
4 | 01-08-2 | 完成した目的物に契約をした目的を達することができない重大な欠陥があるときは、注文者は、目的物の修補又は損害賠償の請求をすることはできないが、契約を解除することができる。 | × |
2 誤り
(「請負人の担保責任」参照。)
仕事の契約不適合がある場合、注文者は、目的物の修補(追完請求の一種。表の3)、損害賠償請求(表の1)。又は契約解除(表の2)のいずれをすることも可能です(民法559条、562条、564条、415条、541条、542条)。
本肢は、「目的物の修補又は損害賠償の請求をすることはできない」とする点が誤りです。
※欠陥の重大性によっては、目的物の修補が履行不能と評価される可能性があります。この場合、注文者は、修補を請求することができません(民法412条の2第1項)。しかし、この場合でも、損害賠償の請求は可能です。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 29-07-1 | 請負契約が請負人の責めに帰すべき事由によって中途で終了し、請負人が施工済みの部分に相当する報酬に限ってその支払を請求することができる場合、注文者が請負人に請求できるのは、注文者が残工事の施工に要した費用のうち、請負人の未施工部分に相当する請負代金額を超える額に限られる。 | ◯ |
2 | 18-06-1 | 請負契約の目的物たる建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合、目的物の修補が可能であれば、AはBに対して損害賠償請求を行う前に、目的物の修補を請求しなければならない。 | × |
3 | 07-10-3 | 注文者が請負人から完成した建物の引渡しを受けた後、第三者に対して建物を譲渡したときは、その第三者は、その建物の欠陥について、請負人に対し修補又は損害賠償の請求をすることができる。 | × |
4 | 01-08-1 | 完成した目的物に契約の内容に適合しない欠陥がある場合において、その修補が可能なものであっても、注文者は、目的物の修補に代えて、直ちに損害賠償の請求をすることができる。 | ◯ |
5 | 01-08-2 | 完成した目的物に契約をした目的を達することができない重大な欠陥があるときは、注文者は、目的物の修補又は損害賠償の請求をすることはできないが、契約を解除することができる。 | × |
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 18-06-1 | 請負契約の目的物たる建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合、目的物の修補が可能であれば、AはBに対して損害賠償請求を行う前に、目的物の修補を請求しなければならない。 | × |
2 | 07-10-3 | 注文者が請負人から完成した建物の引渡しを受けた後、第三者に対して建物を譲渡したときは、その第三者は、その建物の欠陥について、請負人に対し修補又は損害賠償の請求をすることができる。 | × |
3 | 01-08-1 | 完成した目的物に契約の内容に適合しない欠陥がある場合において、その修補が可能なものであっても、注文者は、目的物の修補に代えて、直ちに損害賠償の請求をすることができる。 | ◯ |
4 | 01-08-2 | 完成した目的物に契約をした目的を達することができない重大な欠陥があるときは、注文者は、目的物の修補又は損害賠償の請求をすることはできないが、契約を解除することができる。 | × |
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 26-06-4 | 請負の目的物である建物に種類又は品質に関して契約の内容に適合しない欠陥がある場合、そのために請負契約を締結した目的を達成することができない場合でなければ、注文者は請負人との契約を一方的に解除することはできない。 | × |
2 | 18-06-3 | 請負契約の目的物たる建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合せず、目的物の修補に要する費用が契約代金を超える場合であっても、請負人は原則として請負契約を解除することができない。 | × |
3 | 06-08-2 | 注文者は、住宅の引渡しを受けた場合において、その住宅に契約の内容に適合しない欠陥があり、契約をした目的を達成することができないときであっても、その契約を解除することはできない。 | × |
4 | 01-08-2 | 完成した目的物に契約をした目的を達することができない重大な欠陥があるときは、注文者は、目的物の修補又は損害賠償の請求をすることはできないが、契約を解除することができる。 | × |
5 | 01-08-4 | 完成した目的物が建物その他土地の工作物である場合において、その物に契約をした目的を達することができない重大な欠陥があるときであっても、注文者は、契約の解除をすることができない。 | × |
3 誤り
請負人の担保責任を追及するためには、注文者が不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知する必要があります(民法637条1項)。
本肢は、通知期間について、「損傷の時から2年以内」とする点が誤りです。
※通知により権利を保存しておけば、消滅時効が成立するまでの間、担保責任を追及することができます。
※令和2年改正前の民法と異なり、現在の民法では、建物その他の工作物についても、その他の物と同様に扱います。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R01-08-2 | 請負契約が、事務所の用に供するコンクリート造の建物の建築を目的とする場合で、当該建物が種類又は品質に関して本件契約の内容に適合しないときは、注文者は、当該建物の引渡しを受けた時から1年以内にその旨を請負人に通知しなければ、注文者は、本件契約を解除することができない。 | × |
3 | 07-10-1 | 建物の完成後その引渡しを受けた注文者は、建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合は、引渡しの時から2年以内に限り、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求又は契約の解除をすることができる。 | × |
4 | 06-08-3 | 引渡しを受けた住宅に契約不適合があるとき、注文者は、不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しなければ、担保責任を追及することができない。 | ◯ |
5 | 01-08-3 | 完成した目的物が建物その他土地の工作物である場合において、その物が引き渡しを受けてから3年目に契約の内容に適合しない欠陥により損傷したときは、注文者は、その時から2年以内にその旨を請負人に通知しなければ、請負人の担保責任を追及することができない。 | × |
4 誤り
(「請負人の担保責任」参照。)
仕事の目的物に契約不適合がある場合、注文者は、請負契約を解除することができます(表の2。民法559条、564条、541条、542条)。
※令和2年改正前の民法と異なり、現在の民法では、建物その他の工作物についても、その他の物と同様に扱います。
※令和2年改正前の民法と異なり、「契約をした目的を達することができない」場合でなくても、契約を解除することができます。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 26-06-4 | 請負の目的物である建物に種類又は品質に関して契約の内容に適合しない欠陥がある場合、そのために請負契約を締結した目的を達成することができない場合でなければ、注文者は請負人との契約を一方的に解除することはできない。 | × |
2 | 18-06-3 | 請負契約の目的物たる建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合せず、目的物の修補に要する費用が契約代金を超える場合であっても、請負人は原則として請負契約を解除することができない。 | × |
3 | 06-08-2 | 注文者は、住宅の引渡しを受けた場合において、その住宅に契約の内容に適合しない欠陥があり、契約をした目的を達成することができないときであっても、その契約を解除することはできない。 | × |
4 | 01-08-2 | 完成した目的物に契約をした目的を達することができない重大な欠陥があるときは、注文者は、目的物の修補又は損害賠償の請求をすることはできないが、契約を解除することができる。 | × |
5 | 01-08-4 | 完成した目的物が建物その他土地の工作物である場合において、その物に契約をした目的を達することができない重大な欠陥があるときであっても、注文者は、契約の解除をすることができない。 | × |
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