【宅建過去問】(平成02年問14)区分所有法

建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「区分所有法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 区分所有法第3条に規定する団体(管理組合)は、区分所有者が2人以上であるとき、所定の手続きを経て法人となることができるが、その際監事を置かなければならない。
  2. 規約は、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議でのみ設定することができ、最初に建物の専有部分の全部を所有する分譲業者は、規約を設定することはできない。
  3. 区分所有法は、建物の区分所有者相互間の関係について規定しており、区分所有者から専有部分を賃借している者等の占有者の権利及び義務については、規定していない。
  4. 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議で決められるが、この区分所有者の定数は、規約の定めによっても減じることはできない。

正解:1

1 正しい

管理組合は、区分所有者が2人以上であるとき、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議など所定の手続を経て法人(管理組合法人)となることができる(区分所有法47条1項)。この法人には、理事と監事を置かなければならない(同法49条、50条)。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
管理組合・管理組合法人(区分所有法[02]1)
年-問-肢内容正誤
1R04-13-4管理組合(法第3条に規定する区分所有者の団体をいう。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによって法人となる。
2R03s-13-4管理組合法人を設立する場合は、理事を置かなければならず、理事が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、管理組合法人の事務は、理事の過半数で決する。
3H26-13-1区分所有者の団体は、区分所有建物が存在すれば、区分所有者を構成員として当然に成立する団体であるが、管理組合法人になることができるものは、区分所有者の数が30人以上のものに限られる。×
4H11-15-2区分所有者は、建物並びにその敷地及び付属施設の管理を行うための団体である管理組合を構成することができるが、管理組合の構成員となるか否かは各区分所有者の意思にゆだねられる。×
5H02-14-1区分所有法第3条に規定する団体(管理組合)は、区分所有者が2人以上であるとき、所定の手続きを経て法人となることができるが、その際監事を置かなければならない。

2 誤り

最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、建物の共用部分を定める規約を設定することができる(区分所有法32条)。

※もちろん、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による決議で規約を設定することも可能である(区分所有法31条1項前段)。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
公正証書による規約の設定(区分所有法[03]2)
年-問-肢内容正誤
1R03s-13-2最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、共用部分(数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分)の規約を設定することができる。×
2H21-13-4他の区分所有者から区分所有権を譲り受け、建物の専有部分の全部を所有することとなった者は、公正証書による規約の設定を行うことができる。×
3H19-15-2最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、建物の共用部分を定める規約を設定することができる。
4H13-15-1最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、共用部分の全部について持分割合を定める規約を設定することができる。×
5H02-14-2規約は、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議でのみ設定することができ、最初に建物の専有部分の全部を所有する分譲業者は、規約を設定することはできない。×
規約の設定・変更・廃止(区分所有法[03]1)
年-問-肢内容正誤
1R05-13-4一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者が8人である場合、3人が反対したときは変更することができない。
2H30-13-1規約の設定、変更又は廃止を行う場合は、区分所有者の過半数による集会の決議によってなされなければならない。×
3H13-15-2一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定、変更、又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者全員の承諾を得なければならない。×
4H07-14-4規約の変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす場合で、その区分所有者の承諾を得られないときは、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による決議を行うことにより、規約の変更ができる。×
5H06-14-3建物の管理に要する経費の負担については、規約で定めることができ、規約の設定は、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議によってなされる。
6H02-14-2規約は、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議でのみ設定することができ、最初に建物の専有部分の全部を所有する分譲業者は、規約を設定することはできない。×

3 誤り

占有者にも、集会における意見陳述権などの権利が認められている(区分所有法44条1項)。一方、占有者は、建物・敷地・附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う(区分所有法46条2項)。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
占有者の意見陳述権(区分所有法[04]3(1)③)
年-問-肢内容正誤
1R03s-13-1区分所有者以外の者であって区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して議決権を行使することはできないが、意見を述べることはできる。
2R01-13-2区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して議決権を行使することができる。×
3H25-13-1区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して議決権を行使することができる。×
4H08-14-2区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べ、自己の議決権を行使することができる。×
5H05-14-2区分所有者から専有部分を賃借している者は、集会の会議の目的である事項について利害関係を有するときは、集会に出席することができるが、議決権を行使することはできない。
6H02-14-3区分所有法は、建物の区分所有者相互間の関係について規定しており、区分所有者から専有部分を賃借している者等の占有者の権利及び義務については、規定していない。×
規約・集会決議の効力(区分所有法[04]4)
年-問-肢内容正誤
1R02s-13-3規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しては、その効力を生じない。×
2H30-13-4占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
3H22-13-2規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しては、その効力を生じない。×
4H10-13-3占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
5H05-14-1区分所有者から専有部分を賃借している者は、建物の使用方法について、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
6H02-14-3区分所有法は、建物の区分所有者相互間の関係について規定しており、区分所有者から専有部分を賃借している者等の占有者の権利及び義務については、規定していない。×

4 誤り

共用部分の重大な変更を行うためには、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議が必要である(区分所有法17条1項)。 ただし、「区分所有者の定数」については、規約で過半数まで減ずることができる(同項ただし書き)。

※「議決権」を減ずることはできない点に注意。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
共用部分の変更行為(区分所有法[01]3(5))
年-問-肢内容正誤
重大変更
1R03-13-2形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更については、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決するものであるが、規約でこの区分所有者の定数を過半数まで減ずることができる。
2R02-13-1共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決するが、この区分所有者の定数は、規約で2分の1以上の多数まで減ずることができる。
×
3H24-13-2共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決するが、規約でこの区分所有者の定数及び議決権を各過半数まで減ずることができる。×
4H12-13-3共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、集会の決議の方法で決することが必要で、規約によっても、それ以外の方法による旨定めることはできない。
5H07-14-1共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)を行うためには、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、議決権については規約で過半数まで減ずることができる。×
6H02-14-4共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決められるが、この区分所有者の定数は、規約の定めによっても減じることはできない。×
軽微変更
1H10-13-2形状又は効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更については、規約に別段の定めがない場合は、区分所有者及び議決権の各過半数による集会の決議で決することができる。
特別の影響を受ける所有者の承諾
1H08-14-3共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべき場合は、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。

>>年度目次に戻る

【無料公開講座】スリー・ステップ学習法

宅建学習のプロセスを3段階に分け、着実なステップアップを目指す『スリー・ステップ学習法』。この講座の特長を実際に理解・体験していただくための「無料公開講座」です。
  • [Step.1]基本習得編で宅建合格に必要な基礎知識を学ぶ。
  • [Step.2]一問一答編で「一問一答式」の本試験過去問で基礎知識を確認し、○×を見分ける解法テクニックを身に付ける。
  • [Step.3]過去演習編で「四択問題」の解決法を学ぶ。

この3段階で、着実に合格レベルに進むことができます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です