【宅建過去問】(平成06年問01)土地に関する知識

次の記述のうち、宅地を選定するに当たって最も適当なものは、どれか。

  1. なだらかな丘稜地
  2. 扇状地
  3. 干拓地
  4. 旧河道

正解:1

1 最も適当である

丘陵とは、地表面は比較的平坦であり、よく締まった砂礫・硬粘土からなり、地下水位は比較的深い地盤である。水はけがよく地盤が安定しているため、自然災害に対し安全であり、また、宅地に適している。

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丘陵(免除科目[03]3)
年-問-肢内容正誤
原則
1H24-49-3丘陵地帯で地下水位が深く、砂質土で形成された地盤では、地震の際に液状化する可能性が高い。×
2H18-50-2丘陵・段丘とは、地表面は比較的平坦であり、よく締まった砂礫・硬粘土からなり、地下水位は比較的深い地盤である。
3H14-49-4丘陵地帯で地下水位が深く、固結した砂質土で形成された地盤の場合、地震時は液状化する可能性が高い。×
4H06-01-1なだらかな丘陵地は、扇状地・干拓地・旧河道よりも、宅地として適切である。
例外
1R05-49-4大都市の近郊の丘陵地では、丘を削り谷部に盛土し造成宅地が造られたが、盛土造成に際しては、地下水位を下げるため排水施設を設け、締め固める等の必要がある。
2R03s-49-4平地に乏しい都市の周辺では、住宅地が丘陵や山麓に広がり、土砂崩壊等の災害を引き起こす例も多い。
3H28-49-4丘陵地や台地の縁辺部の崖崩れについては、山腹で傾斜角が25度を超えると急激に崩壊地が増加する。
4H27-49-4都市周辺の丘陵や山麓に広がった住宅地は、土砂災害が起こる場合があり、注意する必要がある。
5H26-49-4台地や丘陵の縁辺部は、豪雨などによる崖崩れに対しては、安全である。×
6H13-49-4丘陵地を切土と盛土により造成した地盤の場合は、その境目では地盤の強度が異なるため、不同沈下が起こりやすい。
7H09-50-1丘陵地や台地内の小さな谷間は、軟弱地盤であることが多く、これを埋土して造成された宅地では、地盤沈下や排水不良を生じることが多い。
8H09-50-3丘陵地を切り盛りして平坦化した宅地において、切土部と盛土部にまたがる区域では、沈下量の違いにより不同沈下を生じやすい。

2 適当でない

扇状地とは、河川が山地から平地へと下る谷の出口に、河川により運ばれた砂礫が堆積することで形成される平坦地である。地形図上では、同心円状の等高線を描く。
砂礫で構成されていることで分かるように、扇状地は水はけがよく、地下水位が深い。このため、建築物の基礎として十分な支持力を持つ。しかし、谷の出口であるため、土石流などのリスクが高く、この点には注意が必要である。

18-50-3_2 20-49-2
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扇状地(免除科目[03]4(2))
年-問-肢内容正誤
1H30-49-4低地の中で特に災害の危険度の高い所は、扇状地の中の微高地、自然堤防、廃川敷となった旧天井川等であり、比較的危険度の低い所が沿岸部の標高の低いデルタ地域、旧河道等である。×
2H29-49-1扇状地は、山地から河川により運ばれてきた砂礫等が堆積して形成された地盤である。
3H22-49-2谷出口に広がる扇状地は、地盤は堅固でないが、土石流災害に対して安全であることが多い。×
4H20-49-2扇状地は山地から平野部の出口で、勾配が急に緩やかになる所に見られ、等高線が同心円状になるのが特徴的である。
5H18-50-3扇状地とは、山地から河川により運ばれてきた砂礫等が堆積し、平坦地になった地盤である。
6H12-49-3谷出口に広がる扇状地は、土砂・礫が堆積してできたものであるため、地盤は堅固でないが、土石流災害に対しては安全であることが多い。×
7H08-01-1扇状地については、大縮尺の地形図や空中写真によって、土石流や洪水流の危険度をある程度判別できることが多い。
8H06-01-2扇状地は、なだらかな丘陵地より宅地として不適切である。
9H04-01-1扇状地は、砂礫層からなるので、構造物の基礎について十分な支持力を得にくい。×

3 適当でない

干拓とは、農地造成のため、湖や海を堤防などで締め切った上で排水し、湖底や海底を陸地にすることである。このようにしてできた土地を干拓地という。
成り立ちから分かるように、干拓地の地盤は軟弱で、また標高が海面以下であることも多い。宅地とするには、極めて不適切である。

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埋立地・干拓地(免除科目[03]5(2))
年-問-肢内容正誤
1R04-49-3埋立地は、平均海面に対し4~5mの比高があり護岸が強固であれば、住宅地としても利用が可能である。
2R02s-49-3埋立地は、一般に海面に対して数mの比高を持ち、干拓地に比べ自然災害に対して危険度が高い。×
3R01-49-4旧河道や低湿地、海浜の埋立地では、地震による地盤の液状化対策が必要である。
4H29-49-4埋立地は、一般に海面に対して比高を持ち、干拓地に比べ、水害に対して危険である。×
5H23-49-4埋立地は一般に海面に対して数mの比高を持ち、干拓地より災害に対して危険である。×
6H06-01-3干拓地は、なだらかな丘陵地より宅地として不適切である。

4 適当でない

19-49-4洪水などをきっかけに、蛇行していた川の流れが直線上にショートカットされ、その直線上の流れが以後の本流となることがある。この場合、もともと川が流れていたところを旧河道と呼ぶ。もともとは川であったのだから、粘土質であるなど地盤は軟弱である。地盤は軟弱で支持力が弱いため、宅地とするには不適切である。また、旧河道が取り残されて、湖となったものを、その形状から三日月湖と呼んでいる。

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旧河道(免除科目[03]4(4))
年-問-肢内容正誤
1R01-49-4旧河道や低湿地、海浜の埋立地では、地震による地盤の液状化対策が必要である。
2H30-49-3大都市の大部分は低地に立地しているが、この数千年の間に形成され、かつては湿地や旧河道であった地域が多く、地震災害に対して脆弱で、また洪水、高潮、津波等の災害の危険度も高い。
3H30-49-4低地の中で特に災害の危険度の高い所は、扇状地の中の微高地、自然堤防、廃川敷となった旧天井川等であり、比較的危険度の低い所が沿岸部の標高の低いデルタ地域、旧河道等である。×
4H27-49-1我が国の低地は、ここ数千年の間に形成され、湿地や旧河道であった若い軟弱な地盤の地域がほとんどである。
5H26-49-1旧河道は、地震や洪水などによる災害を受ける危険度が高い所である。
6H19-49-4旧河道は、沖積平野の蛇行帯に分布する軟弱な地盤であり、建物の不同沈下が発生しやすい。
7H16-50-1旧河道は軟弱で水はけの悪い土が堆積していることが多く、宅地として選定する場合は注意を要する。
8H14-49-1旧河道でそれを埋める堆積物の上部が厚い粘土質からなるときは、軟弱地盤である可能性が高い。
9H08-01-4旧河道は、それを埋める堆積物の上部が厚い粘土質からなるとき、軟弱地盤となって地盤の支持力が小さく、宅地には不適当であることが多い。
10H07-01-4旧河道は、地盤が軟弱、低湿で、地震や洪水による被害を受けることが多い。
11H06-01-4旧河道は、なだらかな丘陵地より宅地として不適切である。
12H03-01-3旧河道は軟弱地盤となっている所が多いが、自然堤防は、砂質や砂礫質の土からなり、比較的宅地に適している。

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