【宅建過去問】(平成10年問45)媒介契約
宅地建物取引業者Aが、Bの所有する宅地の売却の依頼を受け、Bと媒介契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 媒介契約が専任媒介契約以外の一般媒介契約である場合、Aは、媒介契約を締結したときにBに対し交付すべき書面に、当該宅地の指定流通機構への登録に関する事項を記載する必要はない。
- 媒介契約が専任媒介契約(専属専任媒介契約を除く。)である場合、Aは、契約の相手方を探索するため、契約締結の日から5日(休業日を除く。)以内に、当該宅地につき所定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。
- 媒介契約が専任媒介契約である場合で、指定流通機構への登録後当該宅地の売買の契約が成立したとき、Aは、遅滞なく、登録番号、宅地の取引価格及び売買の契約の成立した年月日を当該指定流通機構に通知しなければならない。
- 媒介契約が専属専任媒介契約である場合で、当該契約に「Aは、Bに対し業務の処理状況を10日ごとに報告しなければならない」旨の特約を定めたとき、その特約は有効である。
正解:3
1 誤り
専任媒介の場合と違って、一般媒介の場合には、物件に関し指定流通機構に登録する義務はない(宅建業法34条の2第5項参照)。
しかし、そのことと、媒介契約書の記載事項とは別問題である。
媒介契約書の記載事項として「指定流通機構への登録に関する事項」が挙げられており(同条1項5号)、このルールは一般媒介を含む媒介契約全体に適用される。
したがって、一般媒介の場合にも、媒介契約書には指定流通機構への登録に関して記載する必要がある。登録しないのであれば、「指定流通機構への登録=無」と記載しなければならない。
■参照項目&類似過去問
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媒介契約書の記載事項(指定流通機構への登録に関する事項)(宅建業法[10]3(1)⑤)
[共通の設定]
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地又は建物の売却に係る媒介を依頼された。
[共通の設定]
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地又は建物の売却に係る媒介を依頼された。
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | H20-35-ア | Aが、Bとの間に一般媒介契約(専任媒介契約でない媒介契約)を締結したときは、当該宅地に関する所定の事項を必ずしも指定流通機構へ登録しなくてもよいため、当該媒介契約の内容を記載した書面に、指定流通機構への登録に関する事項を記載する必要はない。 | × |
2 | H10-45-1 | 媒介契約が専任媒介契約以外の一般媒介契約である場合、Aは、媒介契約を締結したときにBに対し交付すべき書面に、当該宅地の指定流通機構への登録に関する事項を記載する必要はない。 | × |
2 誤り
専任媒介契約の場合には、媒介契約の日から休業日数を除き7日以内(専属専任媒介契約の場合は5日以内)に、物件に関する所定事項について、指定流通機構に登録しなければならない(宅建業法34条の2第5項)。
本肢は、「専任媒介契約(専属専任以外)で5日以内」とする点が誤り。
■参照項目&類似過去問
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指定流通機構への登録(登録期限)(宅建業法[10]4(3))
[共通の設定]
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地又は建物の売却に係る媒介を依頼された。
[共通の設定]
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地又は建物の売却に係る媒介を依頼された。
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
専任媒介契約 | |||
1 | R05-40-3 | AとBの間で専任媒介契約(専属専任媒介契約ではないものとする。)を締結した場合、Aは、当該中古住宅について法で規定されている事項を、契約締結の日から休業日数を含め7日以内に指定流通機構へ登録する義務がある。 | × |
2 | R03s-33-イ | AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、Bの要望により当該宅地を指定流通機構に登録しない旨の特約をしているときを除き、Aは、当該専任媒介契約締結日から7日以内(休業日数を含まない。)に、指定流通機構に当該宅地の所在等を登録しなければならない。 | × |
3 | R02s-28-ア | AがBとの間で専任媒介契約(専属専任媒介契約ではないものとする。)を締結した場合、Bの要望により当該宅地を指定流通機構に登録しない旨の特約をしているときを除き、Aは、当該契約締結日から7日以内(Aの休業日を含まない。)に、当該宅地の所在等を指定流通機構に登録しなければならない。 | × |
4 | R01-31-ア | Aが、Bと専任媒介契約(専属専任媒介契約ではないものとする。)を締結した。Aは、専任媒介契約の締結の日から7日以内に所定の事項を指定流通機構に登録しなければならないが、その期間の計算については、休業日数を算入しなければならない。 | × |
5 | H29-43-ウ | Aは、当該専任媒介契約の締結の日から7日(ただし、Aの休業日は含まない。)以内に所定の事項を指定流通機構に登録しなければならず、また、法第50条の6に規定する登録を証する書面を遅滞なくBに提示しなければならない。 | × |
6 | H15-43-3 | Aは契約の相手方を探索するため、当該宅地に関する所定の事項を媒介契約締結日から7日(休業日を含む。)以内に指定流通機構に登録する必要がある。 | × |
7 | H13-38-2 | AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合、Aは契約の相手方を探すため、当該物件につき必要な事項を、媒介契約締結の日から休業日数を除き7日以内(専属専任媒介契約の場合は5日以内)に指定流通機構に登録しなければならない。 | ◯ |
8 | H10-45-2 | 媒介契約が専任媒介契約(専属専任媒介契約を除く。)である場合、Aは、契約の相手方を探索するため、契約締結の日から5日(休業日を除く。)以内に、当該宅地につき所定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。 | × |
専属専任媒介契約 | |||
1 | H30-33-2 | Aは、Bとの間で専属専任媒介契約を締結した場合、当該媒介契約締結日から7日以内(休業日を含まない。)に、指定流通機構に甲住宅の所在等を登録しなければならない。 | × |
2 | H28-41-4 | Aは、宅地建物取引業者でないBから宅地の売却についての依頼を受け、専属専任媒介契約を締結したときは、当該宅地について法で規定されている事項を、契約締結の日から休業日数を含め5日以内に指定流通機構へ登録する義務がある。 | × |
3 | H19-39-3 | Aは、Bとの間に専属専任媒介契約を締結したときは、当該契約の締結の日から5日以内(休業日を除く。)に、所定の事項を当該宅地の所在地を含む地域を対象として登録業務を現に行っている指定流通機構に登録しなければならない。 | ◯ |
4 | H13-38-2 | AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合、Aは契約の相手方を探すため、当該物件につき必要な事項を、媒介契約締結の日から休業日数を除き7日以内(専属専任媒介契約の場合は5日以内)に指定流通機構に登録しなければならない。 | ◯ |
5 | H11-39-2 | AB間の媒介契約が専属専任媒介契約である場合、Aは、契約締結の日から3日(休業日を除く。)以内に、契約の相手方を探索するため、当該宅地について指定流通機構に登録しなければならない。 | × |
6 | H07-40-4 | 宅地建物取引業者は、専属専任媒介契約を締結したときは、売買又は交換の媒介の依頼の目的である宅地又は建物を、国土交通大臣が指定する者に当該契約の締結の日から7日以内(休業日を除く。)に登録しなければならない。 | × |
3 正しい
専任媒介契約に基づき売買契約が成立したときは、宅建業者は以下の事項を指定流通機構に通知しなければならない(宅建業法34条の2第7項、同法規則15条の11)。
- 登録番号
- 取引価格
- 契約成立年月日
■参照項目&類似過去問
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指定流通機構への登録(契約成立時の通知)(宅建業法[10]4(3)④)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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[共通の設定] 宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地又は建物の売却に係る媒介を依頼された。 |
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1 | R06-32-1 | AがBと専任媒介契約を締結した場合、Aは当該中古住宅の売買契約が成立しても、当該中古住宅の引渡しが完了していなければ、売買契約が成立した旨を指定流通機構に通知する必要はない。 | × |
2 | H28-27-2 | AがBと専任媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買契約が成立しても、当該宅地の引渡しが完了していなければ、売買契約が成立した旨を指定流通機構に通知する必要はない。 | × |
3 | H25-28-ア | A社が、Bとの間に専任媒介契約を締結し、甲宅地の売買契約を成立させたときは、A社は、遅滞なく、登録番号、取引価格、売買契約の成立した年月日、売主及び買主の氏名を指定流通機構に通知しなければならない。 | × |
4 | H24-29-1 | A社がBと専任媒介契約を締結した場合、当該土地付建物の売買契約が成立したときは、A社は、遅滞なく、登録番号、取引価格及び売買契約の成立した年月日を指定流通機構に通知しなければならない。 | ◯ |
5 | H23-31-4 | A社は、Bとの間で専任媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買契約が成立したとしても、その旨を指定流通機構に通知する必要はない。 | × |
6 | H21-32-4 | AがBとの間で専任媒介契約を締結した。Aは、指定流通機構に登録した甲宅地について売買契約が成立し、かつ、甲宅地の引渡しが完了したときは、遅滞なく、その旨を当該指定流通機構に通知しなければならない。 | × |
7 | H20-35-ウ | Aが、Bとの間に専任媒介契約を締結し、売買契約を成立させたときは、Aは、遅滞なく、当該宅地の所在、取引価格、売買契約の成立した年月日を指定流通機構に通知しなければならない。 | × |
8 | H16-45-1 | A社は、宅地の売買の専任媒介契約を締結し、指定流通機構に登録を行った物件について売買契約が成立した場合は、遅滞なくその旨を指定流通機構に通知しなければならず、当該通知を怠ったときは指示処分を受けることがある。 | ◯ |
9 | H15-43-1 | Aが、Bと専任媒介契約を締結した。Aは、媒介により、売買契約を成立させたが、Bから媒介報酬を受領するまでは、指定流通機構への当該契約成立の通知をしなくてもよい。 | × |
10 | H10-45-3 | 媒介契約が専任媒介契約である場合で、指定流通機構への登録後当該宅地の売買の契約が成立したとき、Aは、遅滞なく、登録番号、宅地の取引価格及び売買の契約の成立した年月日を当該指定流通機構に通知しなければならない。 | ◯ |
4 誤り
専属専任媒介契約においては、依頼者に対し、業務の処理状況を「1週間に1回以上」の頻度で報告しなければならない(専任媒介契約では「2週間に1回以上」。宅建業法34条の2第9項)。
本肢は「10日ごとに報告」というのであるが、これは1週間を超えてしまうので、特約は無効である(同条10項)。
■参照項目&類似過去問
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業務処理状況の報告(宅建業法[10]4(4))
[共通の設定]
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地又は建物の売却に係る媒介を依頼された。
[共通の設定]
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地又は建物の売却に係る媒介を依頼された。
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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媒介契約が「専任媒介契約(専属専任媒介契約を除く)」であるケース | |||
1 | R06-32-3 | Aに対して当該中古住宅について買受けの申込みがなかった場合でも、AはBに対して、当該契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上報告しなければならないが、その報告は必ずしも書面で行う必要はない。 | ◯ |
2 | R03s-33-ア | AがBとの間で専属専任媒介契約ではない専任媒介契約を締結した場合、AはBに対して、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を1週間に1回以上報告しなければならない。 | × |
3 | R02s-28-イ | AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、AはBに対して、当該契約に係る業務の処理状況を1週間に1回以上報告しなければならない。 | × |
4 | R01-31-ウ | Bが宅地建物取引業者である場合、Aは、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況の報告をする必要はない。 | × |
5 | H29-43-ア | Aは、2週間に1回以上当該専任媒介契約に係る業務の処理状況をBに報告しなければならないが、これに加え、当該中古マンションについて購入の申込みがあったときは、遅滞なく、その旨をBに報告しなければならない。 | ◯ |
6 | H27-30-エ | Aは、Bと専任媒介契約を締結した。Aは、当該契約に係る業務の処理状況の報告日を毎週金曜日とする旨の特約をした。 | ◯ |
7 | H21-32-3 | Aが、Bと専任媒介契約を締結した。AがBに対して、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を14日(ただし、Aの休業日は含まない。)に1回報告するという特約は有効である。 | × |
8 | H16-39-4 | 媒介契約の締結にあたって、業務処理状況を5日に1回報告するという特約は無効である。 | × |
9 | H14-34-4 | 宅地建物取引業者が依頼者に対して業務の処理状況を20日に1回以上報告することを定めた専任媒介契約が締結された場合であっても、依頼者の同意が得られているのであるから、当該特約は無効とはならない。 | × |
10 | H12-37-4 | Aが、Bと専任媒介契約を締結した。Aは、Bに対し、当該契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上(専属専任媒介契約にあっては、1週間に1回以上)報告しなければならない。 | ◯ |
11 | H03-44-3 | 当該媒介契約が専任媒介契約である場合において、AB間の合意により、当該媒介契約に係る業務の処理状況をAは10日ごとにBに報告する旨の特約をしたときは、その特約は、有効である。 | ◯ |
12 | H01-46-1 | この媒介契約がBの申し出により更新される場合、AB間の合意があれば、当該契約に係る業務の処理状況の報告日を毎月15日とする旨の特約をすることができる。 | × |
媒介契約が「専属専任媒介契約」であるケース | |||
1 | R04-42-1 | Aが、Bと専属専任媒介契約を締結した。AはBに対して、契約の相手方を探索するために行った措置など本件媒介契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上報告しなければならない。 | × |
2 | R02-29-エ | Aは、Bとの間で専属専任媒介契約を締結したときは、Bに対し、当該契約に係る業務の処理状況を1週間に1回以上報告しなければならない。 | ◯ |
3 | H24-29-2 | A社がBと専属専任媒介契約を締結した場合、A社は、Bに当該媒介業務の処理状況の報告を電子メールで行うことはできない。 | × |
4 | H17-36-イ | AB間で専属専任媒介契約を締結した場合、AはBに対し、当該契約の業務の処理状況を2週間に1回以上報告しなければならない。 | × |
5 | H12-37-4 | Aは、Bに対し、当該契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上(専属専任媒介契約にあっては、1週間に1回以上)報告しなければならない。 | ◯ |
6 | H10-45-4 | 媒介契約が専属専任媒介契約である場合で、当該契約に「Aは、Bに対し業務の処理状況を10日ごとに報告しなければならない」旨の特約を定めたとき、その特約は有効である。 | × |
媒介契約が「一般媒介契約」であるケース | |||
1 | R03-38-イ | Aが、Bと一般媒介契約を締結した。当該物件に係る買受けの申込みはなかったが、AはBに対し本件契約に係る業務の処理状況の報告を口頭により14日に1回以上の頻度で行った。 | ◯ |