【宅建過去問】(平成11年問50)建物に関する知識
建築物に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 鉄筋コンクリート造の柱については、主筋は4本以上とし、主筋と帯筋は緊結しなければならない。
- 枠組壁工法は、主に柱の耐力によって地震などの外力に抵抗する方式であるため耐震性が高い。
- 自然換気設備を設ける場合においては、給気口をできるだけ低くし、排気口をできるだけ高くするのがよい。
- 杭基礎は、建築物自体の重量が大きく、浅い地盤の地耐力では建築物が支えられない場合に用いられる。
正解:2
1 正しい
鉄筋コンクリート造の柱については、主筋は4本以上とすること、主筋は帯筋と緊結することなどが必要である(建築基準法施行令77条1号・2号)。
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 16-49-1 | 鉄筋コンクリート造の建築物においては、原則として、鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、コンクリートから抜け出ないように定着しなければならない。 | ◯ |
2 | 16-49-3 | 原則として、鉄筋コンクリート造の柱については、主筋は4本以上とし、主筋と帯筋は緊結しなければならない。 | ◯ |
3 | 11-50-1 | 鉄筋コンクリート造の柱については、主筋は4本以上とし、主筋と帯筋は緊結しなければならない。 | ◯ |
4 | 09-49-4 | 鉄筋コンクリート造における柱の帯筋やはりのあばら筋は、地震力に対するせん断補強のほか、内部のコンクリートを拘束したり、柱主筋の座屈を防止する効果がある。 | ◯ |
2 誤り
枠組壁工法とは、木材で組まれた枠組みに構造用合板や石膏ボード等を釘打ちしたパネルを壁や床として、構造体を形成する工法である。
本肢は、「柱の耐力によって地震などの外力に抵抗する」という点が誤り。
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 23-50-4 | 壁式構造は、柱とはりではなく、壁板により構成する構造である。 | ◯ |
2 | 11-50-2 | 枠組壁工法は、主に柱の耐力によって地震などの外力に抵抗する方式であるため耐震性が高い。 | × |
3 | 10-48-1 | 枠組壁工法は、木材で組まれた枠組みに構造用合板等を釘打ちした壁及び床により構造体が形成される。 | ◯ |
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R03s-50-1 | 組積式構造は、耐震性は劣るものの、熱、音などを遮断する性能が優れている。 | ◯ |
2 | R03s-50-2 | 組積式構造を耐震的な構造にするためには、大きな開口部を造ることを避け、壁厚を大きくする必要がある。 | ◯ |
3 | R03s-50-3 | 補強コンクリートブロック造は、壁式構造の一種であり、コンクリートブロック造を鉄筋コンクリートで耐震的に補強改良したものである。 | ◯ |
4 | H28-50-4 | ブロック造を耐震的な構造にするためには、鉄筋コンクリートの布基礎及び臥梁により壁体の底部と頂部を固めることが必要である。 | ◯ |
5 | H11-50-2 | 枠組壁工法は、主に柱の耐力によって地震などの外力に抵抗する方式であるため耐震性が高い。 | × |
6 | H10-48-4 | 木造建築物を鉄筋コンクリート造の布基礎とすれば、耐震性を向上させることができる。 | ◯ |
7 | H08-22-3 | 木造建築物の耐震性を向上させるには、軸組に筋かいを入れるほか、合板を打ち付ける方法がある。 | ◯ |
8 | H08-22-4 | 木造建築物において、地震力の大きさは、見付面積の大きさより屋根の重さに大きく影響を受ける。 | ◯ |
3 正しい
自然換気方式とは、給気口と排気口の気圧差を利用して、自然に屋内の空気を入れ換える方式のことである。空気は暖かくなるほど上へ、冷たくなるほど下へ向かう。したがって、給気口をできるだけ低く、排気口をできるだけ高くしたときに、気圧差が最大となり、最も効率的に換気できる。建築基準法施行令では、給気口を、居室の天井の高さの1/2以下の高さの位置に設け、排気口は給気口より高い位置に設置するものとされている(建築基準法施行令129条の2の6第1項)。
4 正しい
杭基礎とは、地盤に深く杭を打ち込み、その杭によって構造物を支える基礎をいう。
杭基礎は、建築物の自重が大きい場合や浅い地盤の地耐力では建築物が支えられない場合などに利用される。
※一方、直接基礎とは、地盤自体で構造物を支える方式である。建築物の自重が小さいとか浅い地盤が良好である場合に利用される。
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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(1).建築物の構造 | |||
1 | R02s-50-1 | 基礎は、硬質の支持地盤に設置するとともに、上部構造とも堅固に緊結する必要がある。 | ◯ |
2 | R02-50-1 | 建物の構成は、大きく基礎構造と上部構造からなっており、基礎構造は地業と基礎盤から構成されている。 | ◯ |
3 | R02-50-4 | 上部構造は、重力、風力、地震力等の荷重に耐える役目を負う主要構造と、屋根、壁、床等の仕上げ部分等から構成されている。 | ◯ |
4 | 27-50-4 | 建物は、上部構造と基礎構造からなり、基礎構造は上部構造を支持する役目を負うものである。 | ◯ |
(2).直接基礎・杭基礎 | |||
1 | R02-50-2 | 基礎の種類には、基礎の底面が建物を支持する地盤に直接接する直接基礎と、建物を支持する地盤が深い場合に使用する杭基礎(杭地業)がある。 | ◯ |
2 | 27-50-2 | 基礎の種類には、直接基礎、杭基礎等がある。 | ◯ |
3 | 11-50-4 | 杭基礎は、建築物自体の重量が大きく、浅い地盤の地耐力では建築物が支えられない場合に用いられる。 | ◯ |
(3).直接基礎 | |||
1 | R02-50-3 | 直接基礎の種類には、形状により、柱の下に設ける独立基礎、壁体等の下に設けるべた基礎、建物の底部全体に設ける布基礎(連続基礎)等がある。 | × |
2 | 10-48-4 | 木造建築物を鉄筋コンクリート造の布基礎とすれば、耐震性を向上させることができる。 | ◯ |
(4).杭基礎 | |||
1 | 27-50-3 | 杭基礎には、木杭、既製コンクリート杭、鋼杭等がある。 | ◯ |
2 | 19-50-1 | 防火地域内に建築する仮設建築物の基礎に木ぐいを用いる場合、その木ぐいは、平家建ての木造の建築物に使用する場合を除き、常水面下にあるようにしなければならない。 | ◯ |
(5).異なる基礎の併用 | |||
1 | 20-50-3 | 建築物に異なる構造方法による基礎を併用した場合は、構造計算によって構造耐力上安全であることを確かめなければならない。 | ◯ |
2 | 07-21-2 | 建築物には、常に異なる構造方法による基礎を併用してはならない。 | × |
その他 | |||
1 | 18-49-3 | 2階建ての木造建築物の土台は、例外なく、基礎に緊結しなければならない。 | × |
2 | 16-50-3 | 建物の基礎の支持力は、粘土地盤よりも砂礫地盤の方が発揮されやすい。 | ◯ |
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