【宅建過去問】(平成12年問22)建築基準法(単体規定)
次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 住宅は、敷地の周囲の状況によってやむを得ない場合を除き、その1以上の居室の開口部が日照を受けることができるものでなければならない。
- 高さ25mの建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効に避雷設備を設けなければならない。
- 高さ25mの建築物には、安全上支障がない場合を除き、非常用の昇降機を設けなければならない。
- 延べ面積が2,000㎡の準耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ500㎡以内としなければならない。
正解:2
1 誤り
「住宅は、…その1以上の居室の開口部が日照を受けることができるものでなければならない」という規定は平成10年の法改正で削除されており、現在このような規定はない。
現在適用されている規定は、以下のものである。
住宅の居室には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあっては1/7以上としなければならない(建築基準法28条1項)。
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居室の開口部(建築基準法[02]2(2))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R03s-17-3 | 換気設備を設けていない居室には、換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して10分の1以上としなければならない。 | × |
2 | H26-17-1 | 住宅の地上階における居住のための居室には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して7分の1以上としなければならない。 | ◯ |
3 | H24-18-3 | 住宅の居室には、原則として、換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、25分の1以上としなければならない。 | × |
4 | H12-22-1 | 住宅は、敷地の周囲の状況によってやむを得ない場合を除き、その1以上の居室の開口部が日照を受けることができるものでなければならない。 | × |
2 正しい
高さ20mを越える建築物には、原則として避雷設備を設けなければならない(建築基準法33条1項)。
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避雷設備(建築基準法[02]2(4))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R06-17-1 | 高さ25mの建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効に避雷設備を設けなければならない。 | ◯ |
2 | R02s-17-3 | 高さ25mの建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効に避雷設備を設けなければならない。 | ◯ |
3 | H26-17-3 | 高さ15mの建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効に避雷設備を設けなければならない。 | × |
4 | H22-18-3 | 3階建て、延べ面積600㎡、高さ10mの建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。 | × |
5 | H12-22-2 | 高さ25mの建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効に避雷設備を設けなければならない。 | ◯ |
3 誤り
高さ31mを越える建築物には、原則として非常用昇降機を設ける必要がある(建築基準法34条2項)。
高さ25mの建築物には、設置する必要がない。
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非常用の昇降機(建築基準法[02]2(4))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R02-17-4 | 高さ30mの建築物には、非常用の昇降機を設けなければならない。 | × |
2 | H28-18-2 | 高さ30mの建築物には、原則として非常用の昇降機を設けなければならない。 | × |
3 | H25-17-エ | 高さが20mを超える建築物には原則として非常用の昇降機を設けなければならない。 | × |
4 | H15-20-3 | 防火地域内において、地階を除く階数が5(高さ25m)、延べ面積が800m2で共同住宅の用途に供する鉄筋コンクリート造の建築物には、安全上支障がない場合を除き、非常用の昇降機を設けなければならない。 | × |
5 | H12-22-3 | 高さ25mの建築物には、安全上支障がない場合を除き、非常用の昇降機を設けなければならない。 | × |
6 | H11-22-4 | 準防火地域内において、地階を除く階数が3(高さ12m)、延べ面積が1200㎡で事務所の用途に供する建築物を建築しようとする場合、この建築物には、非常用の昇降機を設けなければならない。 | × |
4 誤り
延べ面積が1,000㎡を超える建築物は、防火壁又は防火床で区画し、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない(建築基準法26条)。
しかし、建築物が耐火建築物・準耐火建築物の場合は例外であり、防火壁又は防火床で区画する必要はない。
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防火壁等(建築基準法[02]2(1))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R02-17-3 | 延べ面積が1,000㎡を超える準耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない。 | × |
2 | H28-18-4 | 延べ面積が1,000㎡を超える耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない。 | × |
3 | H19-21-4 | 防火地域又は準防火地域において、延べ面積が1,000㎡を超える耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床で有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない。 | × |
4 | H15-20-1 | 当該建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画しなければならない。 | × |
5 | H12-22-4 | 延べ面積が2,000㎡の準耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ500㎡以内としなければならない。 | × |
6 | H11-22-3 | 準防火地域内において、地階を除く階数が3(高さ12m)、延べ面積が1200㎡で事務所の用途に供する建築物を建築しようとする場合、この建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画しなければならない。 | × |
7 | H09-25-3 | 延べ面積1,000㎡を超える準耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計を1,000㎡以内としなければならない。 | × |
H3-23-1の件はありがとうございました。
さて新たに質問なのですが、、、本問の1が何故×になるのか私には明確には理解できかねます。
「居室の開口部が日照を受けるものでなければならない」と「採光のための開口部を設けなければならない」は同義ですよね?ならば、この選択肢1は開口部の面積について触れてないから×になるという認識で宜しいでしょうか?
独学勉強者様
いつも御質問ありがとうございます。
「日照」と「採光」は、同義ではありません。
「日照」は、直射日光が当たることをいいます。
一方、「採光」は、自然光によって明るさが得られることの意味です。直射日光でなく、間接的な日光でも構いません。
例えば、北側に窓がある場合、「日照」を得ることはできませんが、「採光」を確保することは可能です。