【宅建過去問】(平成16年問40)8つの規制

宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)に関する次の規定のうち、宅地建物取引業者Aが自ら完成前の物件の売主となり、宅地建物取引業者Bに売却する場合に適用されるものはどれか。

  1. 法第35条に基づく書面の交付
  2. 法第38条に基づく損害賠償額の予定等の制限
  3. 法第39条に基づく手付の額の制限等
  4. 法第41条に基づく手付金等の保全措置

正解:1

1 正しい

35条書面(重要事項説明書)を交付する義務は、宅建業者間の取引であっても免除されるものではない。業者間取引において省略できるのは、35条書面(重要事項説明書)の「説明」のみである(宅建業法35条1項、6項)。

■参照項目&類似過去問
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35条書面(相手方が宅建業者である場合)(宅建業法[11]1(4))
年-問-肢内容正誤
1R05-42-ウ宅地の売買について売主となる宅地建物取引業者は、買主が宅地建物取引業者である場合、重要事項説明書を交付しなければならないが、説明を省略することはできる。
2R04-35-2宅地建物取引業者Aが所有する甲建物を法人Bに売却するに当たり、Bが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、AはBに対し、宅地建物取引士をして、法第35条の規定に基づく書面を交付し説明をさせなければならない。×
3R03s-35-4宅地建物取引業者は、買主が宅地建物取引業者であっても、重要事項説明書を交付しなければならない。
4R02s-38-ウ宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。
5R02-44-3宅地建物取引業者が、自らを委託者とする宅地又は建物に係る信託の受益権の売主となる場合、取引の相手方が宅地建物取引業者であっても、重要事項説明書を交付して説明をしなければならない。
6H30-35-2宅地建物取引業者間における建物の売買においては、その対象となる建物が未完成である場合は、重要事項説明書を交付した上で、宅地建物取引士をして説明させなければならない。×
7H30-39-1宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物を借りようとする者が宅地建物取引業者であるときは、貸借の契約が成立するまでの間に重要事項を記載した書面を交付しなければならないが、その内容を宅地建物取引士に説明させる必要はない。
8H25-29-3区分所有建物の売買において、売主及び買主が宅地建物取引業者である場合、当該売主が当該買主に対し、法35条の規定に基づき交付する書面には、当該一棟の建物に係る計画的な維持修繕のための修繕積立金積立総額及び売買の対象となる専有部分に係る修繕積立金額を記載すれば、滞納があることについては記載をしなくてもよい。
×
9H25-30-1宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買について売主となる場合、買主が宅地建物取引業者であっても、重要事項説明は行わなければならないが、35条書面の交付は省略してよい。
×
10H19-40-2宅地建物取引業者Aが売主Bと買主Cの間の建物の売買について媒介を行う。Bが宅地建物取引業者でその承諾がある場合、Aは、Bに対し、35条書面及び37条書面のいずれの交付も省略することができる。
×
11H19-40-3宅地建物取引業者Aが売主Bと買主Cの間の建物の売買について媒介を行う。Cが宅地建物取引業者でその承諾がある場合、Aは、Cに対し、35条書面の交付を省略することができるが、37条書面の交付を省略することはできない。
×
12H18-35-1宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地の売買をする場合において、買主が宅地建物取引業者であるため、重要事項を記載した書面を交付しなかった。×
13H16-40-1宅地建物取引業者Aが自ら完成前の物件の売主となり、宅地建物取引業者Bに売却する場合、法第35条に基づく書面の交付に関する規定が適用される。
14H06-44-3宅地建物取引業者Aが自ら売主となって造成工事完了前の宅地を買主Bに分譲する契約を令和X年10月1日締結した。Aが同年9月25日宅地建物取引業法第35条の規定により交付すべき書面を交付した際、当該書面に、造成工事完了時の当該宅地の形状・構造を記載したが、当該宅地に接する道路の構造・幅員を記載しなかった場合において、Bが宅地建物取引業者であるとき、宅地建物取引業法の規定に違反しない。×
15H05-44-1相手方が宅地建物取引業者であったので、重要事項を記載した書面を交付しなかった。
×
16H04-42-1宅地建物取引業者が行う宅地及び建物の売買の媒介において、買主が宅地建物取引業者である場合、35条書面の交付は省略することができるが、37条書面の交付は省略することができない。
×
17H01-44-3宅地建物取引業者相互間の宅地の売買において、売主は、買主に対して、宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項を記載した書面を交付しなかった。
×

2 誤り

損害賠償額の予定等の制限(宅建業法38条)は、宅建業者間の取引には適用されない8つの規制の一種である(宅建業法78条2項)。

■参照項目&類似過去問
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業者間取引と損害賠償額の予定(宅建業法[17]3)

[共通の設定]
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者である買主Cとの間で宅地又は建物の売買契約を締結した。
年-問-肢内容正誤
1H30-29-2【建物(代金2,000万円)】
A及びCがともに宅地建物取引業者である場合において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除があったときの損害賠償の額を600万円とする特約を定めた。
2H27-39-3AとCとの間で締結した建築工事完了前の建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を代金の額の30%と定めることができる。
3H24-38-ア【分譲マンション(代金3,000万円)】
A社は、Cとの当該売買契約の締結に際して、当事者の債務不履行を理由とする契約解除に伴う損害賠償の予定額を1,000万円とする特約を定めることができない。
×
4H23-39-1A社は、買主C社との間で宅地(代金3,000万円)の売買契約を締結したが、C社は支払期日までに代金を支払うことができなかった。A社は、C社の債務不履行を理由とする契約解除を行い、契約書の違約金の定めに基づき、C社から1,000万円の違約金を受け取った。
5H17-43-1【マンション(代金3,000万円)】
Aは、Cとの売買契約の締結に際して、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を1,200万円とする特約を定めた。この特約は無効である。
×
6H17-43-3【マンション(代金3,000万円)】
Aは、Cとの売買契約の締結に際して、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額の定めをしなかった場合、実際に生じた損害額1,000万円を立証により請求することができる。
7H16-40-2宅地建物取引業者Aが自ら完成前の物件の売主となり、宅地建物取引業者Cに売却する場合、法第38条に基づく損害賠償額の予定等の制限に関する規定が適用される。
×
8H08-48-3宅地建物取引業者でないAが、A所有のマンションを宅地建物取引業者Bの媒介により宅地建物取引業者Cに売却し、その後Cが宅地建物取引業者Dに転売する。AC間及びCD間のそれぞれの売買契約において、「違約金の額を代金の額の3割とする」旨の特約をしても、その特約は、それぞれ代金の額の2割を超える部分については無効である。
×
9H02-40-3【マンション(代金4,000万円)】
Aは、Cと、売買契約において損害賠償額の予定の定めをしなかったが、Cが債務を履行しなかったので、3,000万円を損害賠償金として受領した。
×

3 誤り

手付の額の制限等(宅建業法39条。は、宅建業者間の取引には適用されない8つの規制の一種である(宅建業法78条2項)。

■参照項目&類似過去問
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業者間取引と手付の額の制限(宅建業法[18]4)

[共通の設定]
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者である買主Cとの間で宅地又は建物の売買契約を締結した。

年-問-肢内容正誤
1R02-42-3Aが宅地建物取引業者Cとの間で造成工事の完了後に締結する宅地(代金3,000万円)の売買契約においては、Aは、法第41条の2に定める手付金等の保全措置を講じないで、当該宅地の引渡し前に手付金800万円を受領することができる。
2H26-33-1【建築工事完了前の建物(代金5,000万円)】
Aは、保全措置を講じずに、Cから手付金として1,000万円を受領した。
3H20-41-4Aは、Cとの間で建築工事が完了した建物を1億円で販売する契約を締結し、法第41条の2に規定する手付金等の保全措置を講じずに、当該建物の引渡し前に2,500万円を手付金として受領することができる。
4H18-38-1AはCと売買契約を締結し、代金の額の10分の3の金額を手付として受領した。
5H16-40-3宅地建物取引業者Aが自ら完成前の物件の売主となり、宅地建物取引業者Cに売却する場合、法第39条に基づく手付の額の制限等に関する規定が適用される。
×
6H13-42-1AがCから受け取る手付金の額が売買代金の2割を超える場合には、その手付金について宅地建物取引業法第41条又は第41条の2の規定による手付金等の保全措置を講じなければならない。
×
7H07-42-4【造成工事完了前の宅地(代金1億円)】
Aは、Cから手付金3,000万円を受け取るときは、宅地建物取引業法第41条の規定に基づく手付金等の保全のための措置を講ずる必要はない。
8H01-48-2【宅地(代金6,000万円)】
宅地建物取引業者である買主Cが本件物件を掘出し物と考えて、契約の拘束力を高めるため、自ら手付金を3,000万円とする申し出を行った場合、Aがこの手付金を受領しても、宅地建物取引業法違反とはならない。

4 誤り

手付金等の保全措置(宅建業法41条。は、宅建業者間の取引には適用されない8つの規制の一種である(宅建業法78条2項)。

■参照項目&類似過去問
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業者間取引と手付金等の保全措置(宅建業法[19]6)

[共通の設定]
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者である買主Cとの間で宅地又は建物の売買契約を締結した。

年-問-肢内容正誤
1R02-42-3Aが宅地建物取引業者Cとの間で造成工事の完了後に締結する宅地(代金3,000万円)の売買契約においては、Aは、法第41条の2に定める手付金等の保全措置を講じないで、当該宅地の引渡し前に手付金800万円を受領することができる。
2H26-33-1【建築工事完了前の建物(代金5,000万円)】
Aは、保全措置を講じずに、宅地建物取引業者であるCから手付金として1,000万円を受領した。
3H25-40-3Aは、宅地建物取引業者である買主Cとの間で建築工事完了前の建物を5,000万円で売却する契約を締結した場合、保全措置を講じずに、当該建物の引渡前に500万円を手付金として受領することができる。
4H20-41-4Aは、Cとの間で建築工事が完了した建物を1億円で販売する契約を締結し、法第41条の2に規定する手付金等の保全措置を講じずに、当該建物の引渡し前に2,500万円を手付金として受領することができる。
5H16-40-4宅地建物取引業者Aが自ら完成前の物件の売主となり、宅地建物取引業者Bに売却する場合、法第41条に基づく手付金等の保全措置に関する規定が適用される。×
6H13-42-1AがCから受け取る手付金の額が売買代金の2割を超える場合には、その手付金について宅地建物取引業法第41条又は第41条の2の規定による手付金等の保全措置を講じなければならない。×
7H07-42-4【造成工事完了前の宅地(代金1億円)】
Aは、Cから手付金3,000万円を受け取るときは、宅地建物取引業法第41条の規定に基づく手付金等の保全のための措置を講ずる必要はない。
8H06-44-4宅地建物取引業者Aが自ら売主となって造成工事完了前の宅地を買主Bに分譲する契約(価額5,000万円、手付金1,000万円)を令和X年10月1日締結した。Aが同年10月1日手付金を受領する際、手付金等の保全措置を講じなかった場合において、Bが宅地建物取引業者であるとき、宅地建物取引業法の規定に違反しない。
9H01-42-4【マンション(代金1億2,000万円、手付金1,500万円、中間金4,500万円、残代金6,000万円)】
Cが宅地建物取引業者である場合、物件の建築工事完了前に契約を締結し、その引渡し及び登記の移転を中間金の支払いと同時に行うときは、Aは、手付金を受け取る前に、手付金等の保全措置を講じなければならない。
×

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