【宅建過去問】(平成21年問16)都市計画法
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 市街地開発事業の施行区域内においては、非常災害のために必要な応急措置として行う建築物の建築であっても、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
- 風致地区内における建築物の建築については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。
- 工作物の建設を行おうとする場合は、地区整備計画が定められている地区計画の区域であっても、行為の種類、場所等の届出が必要となることはない。
- 都市計画事業においては、土地収用法における事業の認定の告示をもって、都市計画事業の認可又は承認の告示とみなしている。
正解:2
1 誤り
「市街地開発事業の施行区域内」というのですから、計画段階における制限について問われています。この段階では、建築物の建築が制限されています。建築物を建築する場合、知事等の許可が必要です(都市計画法53条1項本文)。ただし、以下の場合は、例外であり、許可不要とされています(同項但書)。
- 軽易な行為
- 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
- 都市計画事業の施行として行う行為
本肢のケースは、例外の2.に当たるので、知事等の許可は不要です。
※「知事等」とは、「知事(市の区域内にあっては、当該市の長)」のことです(同法26条1項)。つまり、市・町・村のうち、市のエリアではその市の長、町村エリアでは知事、を指します。
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 29-16-ア | 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、一定の場合を除き、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。 | ◯ |
2 | 25-15-1 | 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者であっても、当該建築行為が都市計画事業の施行として行う行為である場合には都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可は不要である。 | ◯ |
3 | 21-16-1 | 市街地開発事業の施行区域内においては、非常災害のために必要な応急措置として行う建築物の建築であっても、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。 | × |
4 | 20-18-1 | 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、行為の種類、場所及び設計又は施行方法を都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)に届け出なければならない。 | × |
5 | 12-18-1 | 都市計画施設の区域内において建築物の建築を行おうとする者は、一定の場合を除き、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。 | ◯ |
6 | 12-18-2 | 市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築を行おうとする者は、一定の場合を除き、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。 | ◯ |
7 | 09-17-3 | 都市計画施設の区域内において建築物の新築をしようとする者は、原則として都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならないが、階数が2以下の木造建築物で、容易に移転し、又は除却することができるものの新築であれば、許可が必要となることはない。 | × |
8 | 07-18-3 | 市街地開発事業の施行区域又は都市計画施設の区域内において建築物の建築をしようとする者は、非常災害のため必要な応急措置として行う行為についても、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。 | × |
9 | 03-19-2 | 都市計画施設の区域内において建築物の建築をしようとする者は、原則として都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。 | ◯ |
10 | 03-19-3 | 都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)は、市街地開発事業の施行区域内において、木造2階建ての建築物を建築しようとする者から許可申請があった場合には、必ず許可しなければならない。 | × |
2 正しい
風致地区内における建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採などの行為については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、必要な規制をすることができます(都市計画法58条1項)。
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 30-16-2 | 風致地区内における建築物の建築については、一定の基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。 | ◯ |
2 | 21-16-2 | 風致地区内における建築物の建築については、地方公共団体の条例で、必要な規制をする。 | ◯ |
3 | 14-18-4 | 風致地区は、市街地の美観を維持するため定める地区である。 | × |
3 誤り
地区整備計画が定められている地区計画の区域内で以下の行為を行おうとする場合、着手する日の30日前までに、市町村長に届け出る必要があります(都市計画法58条の2第1項本文、同法施行令38条の4)。
- 土地の区画形質の変更
- 建築物の建築
- 工作物の建設
本肢では、3.工作物の建設を行おうとしているのですから、届出が必要です。
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 29-16-イ | 地区整備計画が定められている地区計画の区域内において、建築物の建築を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。 | × |
2 | 24-16-4 | 行為完了後30日以内に、市町村長に届出。 | × |
3 | 21-16-3 | 工作物の建設には届出不要。 | × |
4 | 20-18-4 | 市町村長は、地区計画に適合しない行為の届出があった場合には、必要な措置を勧告できる。 | ◯ |
5 | 19-18-3 | 着手後遅滞なく、市町村長に届出。 | × |
6 | 12-18-3 | 知事の許可が必要。 | × |
7 | 09-17-4 | 市町村長の許可が必要。 | × |
8 | 03-19-4 | 知事の許可が必要。 | × |
9 | 01-19-2 | 行為完了後30日以内に、市町村長に届出。 | × |
4 誤り
他人の土地を強制的に取り上げる(収用する)場合には、土地収用法に基づく事業の認定を受ける必要があります。しかし、都市計画事業については、都市計画事業の認可を受ければ、土地収用法の事業認定が不要になります。具体的にいうと、都市計画事業の認可又は承認の告示を土地収用法における事業の認定の告示とみなすわけです(都市計画法70条1項)。
本肢は、「都市計画事業」と「土地収用法の規定による事業」が逆になっています。
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 21-16-4 | 都市計画事業については、土地収用法の事業認定の告示を、都市計画事業の認可・承認の告示とみなす。 | × |
2 | 18-18-3 | 都市計画事業については、土地収用法の事業認定の告示を、都市計画事業の認可・承認の告示とみなす。 | × |
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