【宅建過去問】(平成21年問41)報酬
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が売主B(消費税課税事業者)からB所有の土地付建物の媒介の依頼を受け、買主Cとの間で売買契約を成立させた場合、AがBから受領できる報酬の上限額は、次のうちどれか。なお、土地付建物の代金は6,600万円(うち、土地代金は4,400万円)で、消費税額及び地方消費税額を含むものとする。
- 1,980,000円
- 2,046,000円
- 2,178,000円
- 2,240,400円
正解:3
土地付建物の本体価格
報酬計算の基礎となる「物件の価額」とは、消費税抜きの本体価格を意味します。しかし、問題文で与えられた土地付建物の代金6,600万円は税込金額になっています。まずは、本体価格を求めなければなりません。
ここで、土地代金にはそもそも消費税が課税されないことを思い出しましょう。すなわち、土地代金4,400万円は、それ自体が本体価格です。これを代金全体6,600万円から引き算すると、
6,600万-4,400万=2,200万円
これが、建物の税込価格であることが分かります。
つまり、建物に関しては、本体価格2,000万円、消費200万円です。
以上より、土地付建物の本体価格は、
4,400万+2,000万=6,400万円
と求められます。
税込価格 | 本体価格 | 消費税額 | |
土地 | 4,400 | 4,400 | 0 |
建物 | 2,200 | 2,000 | 200 |
合計 | 6,600 | 6,400 | 200 |
媒介における報酬の限度額
400万円超の物件の場合、売買の媒介における報酬の限度額は、
物件の価額×3%+6万円
で求めることができます。
本問のケースでは、
6,400万×3%+6万=198万円
です。
課税業者の場合、これに消費税分が上乗せされますから、報酬の限度額は、
198万×1.1=217.8万円
となります。
すなわち、報酬の上限額は、2,178,000円です。
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物件の価額×3%+6万円
で求めることができます。
本問のケースでは、
6,400万×3%+6万=198万円
です。
課税業者の場合、これに消費税分が上乗せされますから、報酬の限度額は、
198万×1.1=217.8万円
となります。
この計算だと土地の代金にも消費税が課される
計算になると思いますが。
コシ様
ご質問ありがとうございます。
宅建業者の報酬を計算するに当たっては、2つの場面で消費税について考える必要があります。
1.課税標準を求める場面
土地の売買代金が消費税の課税対象ではないのは、コシさんのお考えの通りです。
一方、建物の売買代金には、消費税が課税されます。
本問のように「土地付建物」について考える場合、この両者を区別した上で、「消費税抜きの本体価格」を求める必要があります。
上の解説では、「土地付建物の本体価格」のところで、この計算をしています。
2.消費税込みの報酬を求める場面
本問の宅建業者Aは、消費税課税事業者です。
したがって、速算式で計算した報酬に加えて、消費税を受領することができます。
そのため、速算式で求めた198万円に、消費税10%を加算しています。
これは、「宅建業者のサービス」に対する消費税であり、「土地の代金が非課税」であることとは別問題です。
3.ご質問への回答
いいえ、違います。
「1.課税標準を求める場面」で、「土地代金にはそもそも消費税が課税されないこと」を前提にしています。
また、「2.消費税込みの報酬を求める場面」では、報酬に対して消費税を加算しています。
土地の代金に消費税を課すような計算はしていません。
4.復習する項目
報酬については、[Step.1]基本習得編の
宅建業法[21]報酬
で詳しく解説しています。
この問題は、売買に関するものですから、
2.売買の場合
を見てください。
「1.課税標準を求める場面」については、(1).計算のベース=売買代金(本体価格)で、
「2.消費税込みの報酬を求める場面」については、(5).報酬にかかる消費税で、
それぞれ説明しています。
この機会に[Step.1]の講義を見直し、計算の手順をマスターしておきましょう。