【宅建過去問】(平成24年問10)相続
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- Bが死亡した場合の法定相続分は、Aが2分の1、Eが4分の1、Fが4分の1である。
- Bが死亡した場合、甲建物につき法定相続分を有するFは、甲建物を1人で占有しているAに対して、当然に甲建物の明渡しを請求することができる。
- Aが死亡した場合の法定相続分は、Bが4分の3、Fが4分の1である。
- Bが死亡した後、Aがすべての財産を第三者Gに遺贈する旨の遺言を残して死亡した場合、FはGに対して遺留分を主張することができない。
正解:4
設定の確認
1 誤り
Bが死亡した場合に法定相続人となるのは、Bの子であるAとDです(民法887条1項)。ただし、Dは相続開始前に死亡しているので、Dの相続分はDの子であるFが代襲相続します(同条2項)。この場合の法定相続分は、AとFがそれぞれ2分の1ずつです(同法900条1号・4号、901条1項)。
※E(被相続人Bの子Dの配偶者)は、そもそも法定相続人ではありません。そこに目を付ければ、計算をしなくてもこの選択肢が誤りだと判断できます。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R03-09-1 | Aには死亡した夫Bとの間に子Cがおり、Dには離婚した前妻Eとの間に子F及び子Gがいる。Fの親権はEが有し、Gの親権はDが有している。AとDが婚姻した後にDが死亡した場合における法定相続分は、Aが2分の1、Fが4分の1、Gが4分の1である。 | ◯ |
2 | R02s-08-ア | 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。 | × |
3 | R02s-08-イ | 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、B及びCがそれぞれ3,000万円、Dが6,000万円である。 | ◯ |
4 | R02s-08-ウ | 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。 | ◯ |
5 | R02s-08-エ | 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、E及びFがそれぞれ3,000万円、Gが6,000万円である。 | × |
6 | 29-06-1 | (Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった。)①BがAの配偶者でCがAの子である場合と②BとCがいずれもAの子である場合とでは、Bの法定相続分は①の方が大きい。 | × |
7 | 29-09-全 | 計算問題 | |
8 | 26-10-全 | 計算問題 | |
9 | 25-10-全 | 計算問題 | |
10 | 24-10-1 | 計算問題 | |
11 | 24-10-3 | 計算問題 | |
12 | 16-12-全 | 計算問題 | |
13 | 13-11-全 | 計算問題 | |
14 | 08-10-全 | 計算問題 | |
15 | 02-11-1 | (Aが死亡し、相続人として、妻Bと子C・D・Eがいる。)Cが相続を放棄した場合、DとEの相続分は増えるが、Bの相続分については変わらない。 | ◯ |
16 | 01-11-全 | 計算問題 |
2 誤り
AとFとは、甲建物の共同相続人です。Aは共有者の1人ですから、建物全体を占有する権利を持っています(民法249条)。
その占有を不法占拠ということはできません。
だとすれば、FがAに対して、この建物の明渡しを請求するのは、共有物の利用・改良行為ということになります。つまり、
持分価格の過半数を有していない限り、明渡しを請求することはできません。
ここで、AとFの持分は、それぞれ2分の1ずつです(肢1参照)。したがって、FがAに対して、甲建物の明渡しを請求することはできません。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 30-10-4 | 共同相続に基づく共有物の持分価格が過半数を超える相続人は、協議なくして単独で共有物を占有する他の相続人に対して、その共有物の明渡しを請求することはできない。 | × |
2 | 29-03-1 | 共有者は、他の共有者との協議に基づかないで当然に共有物を排他的に占有する権原を有するものではない。 | ◯ |
3 | 29-03-2 | AとBが共有する建物につき、AB間で協議することなくAがCと使用貸借契約を締結した場合、Bは当然にはCに対して当該建物の明渡しを請求することはできない。 | ◯ |
4 | 29-03-3 | DとEが共有する建物につき、DE間で協議することなくDがFと使用貸借契約を締結した場合、Fは、使用貸借契約を承認しなかったEに対して当該建物全体を排他的に占有する権原を主張することができる。 | × |
5 | 24-10-2 | 共同相続人の一人が相続財産である建物全部を占有する場合、他の相続人は明渡請求ができる。 | × |
6 | 23-03-4 | 他の共有者との協議に基づかないで、自己の持分に基づいて1人で現に共有物全部を占有する共有者に対し、他の共有者はその持分によらず単独で自己に対する共有物の明渡しを請求することができる。 | × |
7 | 19-04-1 | 共有者の一人から占有使用を承認された者は、承認した者の持分の限度で占有使用できる。 | ◯ |
8 | 13-01-2 | 共有者の一人が共有物全体を使用している場合、他の共有者はその明渡しを請求できる。 | × |
9 | 09-02-3 | 共有者は、その持分割合に応じて、共有物全体を使用する権利を有する。 | ◯ |
3 誤り
Aが死亡した場合に法定相続人となるのは、Aの直系尊属である父Bだけです(民法889条1項1号)。したがって、全ての財産をBが相続します。
※B(被相続人Aの父)が存在する以上、Aの兄弟であるDは、そもそも法定相続人になることができません。だとすれば、Fが代襲相続することもないわけです。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R03-09-1 | Aには死亡した夫Bとの間に子Cがおり、Dには離婚した前妻Eとの間に子F及び子Gがいる。Fの親権はEが有し、Gの親権はDが有している。AとDが婚姻した後にDが死亡した場合における法定相続分は、Aが2分の1、Fが4分の1、Gが4分の1である。 | ◯ |
2 | R02s-08-ア | 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。 | × |
3 | R02s-08-イ | 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、B及びCがそれぞれ3,000万円、Dが6,000万円である。 | ◯ |
4 | R02s-08-ウ | 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。 | ◯ |
5 | R02s-08-エ | 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、E及びFがそれぞれ3,000万円、Gが6,000万円である。 | × |
6 | 29-06-1 | (Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった。)①BがAの配偶者でCがAの子である場合と②BとCがいずれもAの子である場合とでは、Bの法定相続分は①の方が大きい。 | × |
7 | 29-09-全 | 計算問題 | |
8 | 26-10-全 | 計算問題 | |
9 | 25-10-全 | 計算問題 | |
10 | 24-10-1 | 計算問題 | |
11 | 24-10-3 | 計算問題 | |
12 | 16-12-全 | 計算問題 | |
13 | 13-11-全 | 計算問題 | |
14 | 08-10-全 | 計算問題 | |
15 | 02-11-1 | (Aが死亡し、相続人として、妻Bと子C・D・Eがいる。)Cが相続を放棄した場合、DとEの相続分は増えるが、Bの相続分については変わらない。 | ◯ |
16 | 01-11-全 | 計算問題 |
4 正しい
遺留分を主張することができるのは、被相続人の配偶者・子・直系尊属に限られます(民法1042条1項)。兄弟姉妹は、法定相続人ですが、遺留分権利者ではないのです。
したがって、被相続人Aの兄DやDの代襲相続人であるFが遺留分を主張することはできません。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 24-10-4 | 甥姪は遺留分を主張できない。 | ◯ |
2 | 18-12-2 | 配偶者・子は遺留分主張可能。兄弟姉妹は不可。 | ◯ |
3 | 17-12-4 | 配偶者に全財産を相続させる遺言がある場合、子は遺留分権利者とならない。 | × |
4 | 09-10-1 | 配偶者・兄弟姉妹が遺留分を主張できる。 | × |
5 | 04-13-2 | 遺産の全部を相続人の一人に贈与する旨の遺言があっても、被相続人の兄弟姉妹は、遺留分の保全に必要な限度で、遺留分侵害額の支払を請求することができる。 | × |
6 | 02-11-3 | Aが死亡し、相続人として、妻Bと嫡出子C・D・Eがいる場合、Eの遺留分は、被相続人Aの財産の1/12の額である。 | ◯ |
Bが死亡した後、Aがすべての財産を遺贈って問題おかしくないですか?
Bが死亡したら、Fの遺留分ありますよね?
よってBが死亡した後Aがすべての財産を遺贈しようとするなら遺留分の
主張、できませんか?それともこういう問題でしょうか。
Bが死亡した後、Aが自分の財産を遺贈する旨の遺言
柴崎様
ご質問ありがとうございます。
この点に勘違いがあります。
肢4で問われているのは、Aが死亡した際の相続です。
その時点でBは既に死亡しており、B死亡時の相続がどうだったかは、この選択肢に関係がありません。
Aが死亡した時点で、
というのです。
したがって、Aの法定相続人は、兄であるDのみです。
しかし、Dは、Aより先に死亡しています。そこで、Dの子Fが代襲相続することになります。
遺留分を主張することができるのは、「兄弟姉妹以外の法定相続人」です。
Aの兄Dが遺留分を主張することができない以上、その代襲相続者であるFも、遺留分を主張することはできません。
他のかたのご質問もこの点に関わるものです。
それぞれの質問と解答をお読みいただくと、より確実に理解できると思います。
4の回答ですが、AとDは、Bの子供です、したがって当然法定相続人です、Bが死亡した場合は、AにもDにも相続権があると思います(遺留分も含め)したがって、Dの代襲相続人のFは、相続権を持っていると思います、この問題ではBが死亡したのだから、いくらBが遺書に何が書かれていようとも、A、Fは遺留分はあると思いますが、いかがでしょうか?
Aが死亡したなら、兄弟の子に、遺留分がないのは、分かります。
詳しく解説お願いします。
杉村様
講師の家坂です。
御質問ありがとうございます。
この問題は、日本語としての出来がよくないようで、質問が多いですね。
肢4ですが、ここで問われているのは、
「Aが…死亡した場合」
の相続についてです。Bが死亡した場合の相続関係に関する出題ではありません。
問題文にある「Bが死亡した後」という表現は、AとBの死亡の順序を表すものに過ぎないのです。
したがって、結論は、杉村さんの質問のうち、
>Aが死亡したなら、兄弟の子に、遺留分がないのは、分かります。
に従うことになります。
被相続人Aの兄であるDが遺留分を主張できない以上、Dの子であるFも遺留分を主張することはできません。
いつもお世話になっております。
肢の解説で※Dは、そもそも法定相続人ではない。となっていますが、
それは、直系尊属である親がいる場合ではないでしょうか。
両親が既に死亡している場合は、兄弟が法定相続人になると思いますが如何ですか?
早起き様
いつも御利用いただき、ありがとうございます。
さて、御質問にお答えします。
「※Dは、そもそも法定相続人ではない。」という解説は肢3のものですので、この質問は、肢3に関するものということでよろしいでしょうか。
肢3では、被相続人Aの父であるBが生存しています。
(肢1・2・4と違って、「Bが死亡した」という記述がありません。Bは、生きています!)
父(直系尊属)であるBが生存している以上、相続人となるのはBです。そして、直系尊属が相続する以上、兄弟姉妹は、相続人となりません。
これが、「※Dは、そもそも法定相続人ではない。」という記述の理由です。
以下、御質問の文章に即してまとめます。
>それは、直系尊属である親がいる場合ではないでしょうか。
↑
本肢では、直系尊属である親(父であるB)が生存しています。
したがって、Bのみが相続人となります。
>両親が既に死亡している場合は、兄弟が法定相続人になると思いますが如何ですか?
↑
両親がともに死亡している場合については、その通りです。
しかし、本肢では、両親の一方(父であるB)が生存しています。
この場合、Bのみが法定相続人となり、兄弟姉妹の法定相続を考える必要はありません。