【宅建過去問】(平成25年問10)相続
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- Aが死亡した場合の法定相続分は、Bが2分の1、Cが5分の1、Eが5分の1、Fが10分の1である。
- Aが生前、A所有の全財産のうち甲土地についてCに相続させる旨の遺言をしていた場合には、特段の事情がない限り、遺産分割の方法が指定されたものとして、Cは甲土地の所有権を取得するのが原則である。
- Aが生前、A所有の全財産についてDに相続させる旨の遺言をしていた場合には、特段の事情がない限り、Eは代襲相続により、Aの全財産について相続するのが原則である。
- Aが生前、A所有の全財産のうち甲土地についてFに遺贈する旨の意思表示をしていたとしても、Fは相続人であるので、当該遺贈は無効である。
正解:2
はじめに
頭の中で考えるのでは、複雑過ぎて破綻してしまいます。必ず図を描いて整理しましょう。
■参照項目&類似過去問
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相続の計算問題(民法[31]2&3)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R03-09-1 | Aには死亡した夫Bとの間に子Cがおり、Dには離婚した前妻Eとの間に子F及び子Gがいる。Fの親権はEが有し、Gの親権はDが有している。AとDが婚姻した後にDが死亡した場合における法定相続分は、Aが2分の1、Fが4分の1、Gが4分の1である。 | ◯ |
2 | R02s-08-ア | 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。 | × |
3 | R02s-08-イ | 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、B及びCがそれぞれ3,000万円、Dが6,000万円である。 | ◯ |
4 | R02s-08-ウ | 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。 | ◯ |
5 | R02s-08-エ | 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、E及びFがそれぞれ3,000万円、Gが6,000万円である。 | × |
6 | 29-06-1 | (Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった。)①BがAの配偶者でCがAの子である場合と②BとCがいずれもAの子である場合とでは、Bの法定相続分は①の方が大きい。 | × |
7 | 29-09-全 | 計算問題 | |
8 | 26-10-全 | 計算問題 | |
9 | 25-10-全 | 計算問題 | |
10 | 24-10-1 | 計算問題 | |
11 | 24-10-3 | 計算問題 | |
12 | 16-12-全 | 計算問題 | |
13 | 13-11-全 | 計算問題 | |
14 | 08-10-全 | 計算問題 | |
15 | 02-11-1 | (Aが死亡し、相続人として、妻Bと子C・D・Eがいる。)Cが相続を放棄した場合、DとEの相続分は増えるが、Bの相続分については変わらない。 | ◯ |
16 | 01-11-全 | 計算問題 |
1 誤り
法定相続分の計算では、ひとまずDも生きているかのように扱います。つまり、代襲相続の処理は、後回し。これが計算問題のコツです。
1 | 被相続人には、配偶者と子(3人)がいますから、これらの者が法定相続人です(民法887条1項、890条)。その相続分は、それぞれ、配偶者が1/2、子の分が3人が合わせて1/2です(同法900条1号)。 |
2 | 子の相続分を、3人の子は、それぞれ均等に相続します(民法900条4号)。つまり、それぞれ1/6ずつです。 |
3 | ただし、子のうち、Dは、被相続人Aに先立って死亡していますから、その相続分(1/6)については、Dの嫡出子であるEが代襲相続します(民法901条1項本文)。 |
以上より、各相続人の相続分は、Bが1/2、C・E・Fがそれぞれ1/6です。
2 正しい
特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」という遺言は、「その遺産をその相続人に単独で相続させる」という遺産分割方法の指定とされます。したがって、何らの行為も必要なしに、その遺産は、被相続人の死亡時、直ちに相続により承継されます(最判平03.04.19。民法908条、964条、985条)。
本肢でいえば、A死亡の瞬間に、Cは甲土地の所有権を取得する、という意味です。
3 誤り
「相続させる」旨の遺言は、推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、特段の事情のない限り、その効力を生じません(最判平23.02.22)。
本肢では、相続開始(Aの死亡時)以前に、Dが死亡しています。したがって、「相続させる」旨の遺言は効力を生じません。Eは、Aの全財産を相続することはできないことになります。
4 誤り
相続人に対して特定遺贈することも可能であり、その遺贈は有効です。
※民法903条1項は、「共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け」た者があることを前提にしています。
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家坂 様
解答ありがとうございました。
被相続者が誰であるかに着目する必要性を改めて感じました。
ありがとうございました。
いつもお世話になります。
選択肢1ですが、900条4号の後半が適用されないのでしょうか?
よろしくお願い申し上げます。
Matsui様
講師の家坂です。
いつも質問ありがとうございます。
民法900条4号の後半というのは、正確には、「ただし書き」の部分ですね。
つまり、
「ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。」
という部分です。
このただし書きは、「兄弟姉妹の相続分」とあることで分かりますように、被相続人の兄弟姉妹が相続するケースに関する規定です。
具体的には、平成26年の問10のようなシチュエーションで適用されます。
https://e-takken.tv/26-10/
それに対し、本問で相続人となるのは、被相続人の配偶者と子です。
被相続人の兄弟姉妹は、相続人になっていません。
(そもそも登場しません。)
したがって、本問においては、民法900条4号ただし書きを考慮する必要はありません。
たしかに、これら条文と判例文に
「遺留分権利者が遺留分減殺請求権を」 + 「行使した場合は」 又は 「行使しない場合は」 の文を付け足すと、辻つまが合いますね。
納得しました。ありがとうございまた。
グレート・ザ・にゃんこ様
御質問ありがとうございます。
被相続人がした遺贈が遺留分を侵害する場合であっても、その遺贈が当然に無効とされるわけではありません(昭和25年判決の意味)。
ただし、遺留分権利者は、自らの遺留分を保全する範囲で、その贈与・遺贈の効力を消滅させることができます(遺留分減殺請求)。
逆にいえば、遺留分を侵害するような贈与・遺贈であっても、遺留分権利者が遺留分減殺請求権を行使しないのであれば、有効なままになります。
以上のような関係ですので、民法964条と昭和25年判決は矛盾していません。したがって、「どちらが正しい」という関係ではありません。
いつも拝見させていただいております。大変役立っています。ありがとうございます。
質問がございます。
肢3の解説で
「遺言者は、自らの財産の全部又は一部を遺贈することができるが、遺留分に関する規定に反することはできない(民法964条)」
と有り、
対して、平成2年の肢2の解説で
「被相続人が相続人の一部の者に遺贈し、それが他の相続人の遺留分を侵害する場合であっても、その遺贈が当然に無効とされるわけではない(最判昭25.04.28)。」
と有ります。どちらが正しいのでしょうか。お手数ですがご回答よろしくお願いします。
田中様
家坂です。
質問ありがとうございます。
「図を書いている時間はありますか?」
との御質問ですね。
本問のように登場人物が多い問題では、
「図を描かない限り、解答できない」
というのが、私の考え方です。
もちろん、「図を描かずに解答できる」方は、時間短縮になっていいと思います。上記はあくまでも、「私には無理です」という意味です。
試験の時にこのような図を書いている時間はありますか?