【宅建過去問】(平成25年問30)重要事項説明書(35条書面)
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明(以下この問において「重要事項説明」という。)及び同条の規定により交付すべき書面(以下この問において「35条書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買について売主となる場合、買主が宅地建物取引業者であっても、重要事項説明は行わなければならないが、35条書面の交付は省略してよい。
- 宅地建物取引業者が、宅地建物取引士をして取引の相手方に対し重要事項説明をさせる場合、当該宅地建物取引士は、取引の相手方から請求がなくても、宅地建物取引士証を相手方に提示しなければならず、提示しなかったときは、20万円以下の罰金に処せられることがある。
- 宅地建物取引業者は、貸借の媒介の対象となる建物(昭和56年5月31日以前に新築)が、指定確認検査機関、建築士、登録住宅性能評価機関又は地方公共団体による耐震診断を受けたものであっても、その内容を重要事項説明において説明しなくてもよい。
- 宅地建物取引業者は、重要事項説明において、取引の対象となる宅地又は建物が、津波防災地域づくりに関する法律の規定により指定された津波災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。
正解:4
1 誤り
宅建業者は、相手方が宅建業者である場合でも、重要事項説明書(35条書面)を交付する義務を負います(宅建業法35条1項)。また、その記載事項も、相手方が宅建業者以外である場合と全く同じです。ただし、重要事項説明書の「説明」を省略することが許されています(同条6項)。
本肢では、「説明」と「交付」が逆になっています。
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R03s-35-4 | 宅地建物取引業者は、買主が宅地建物取引業者であっても、重要事項説明書を交付しなければならない。 | ◯ |
2 | R02s-38-ウ | 宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。 | ◯ |
3 | R02-44-3 | 自らを委託者とする宅地又は建物に係る信託の受益権の売主となる場合、取引の相手方が宅地建物取引業者であっても、重要事項説明書を交付して説明をしなければならない。 | ◯ |
4 | 30-35-2 | 宅地建物取引業者間における建物の売買においては、その対象となる建物が未完成である場合は、重要事項説明書を交付した上で、宅地建物取引士をして説明させなければならない。 | × |
5 | 30-39-1 | 宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物を借りようとする者が宅地建物取引業者であるときは、貸借の契約が成立するまでの間に重要事項を記載した書面を交付しなければならないが、その内容を宅地建物取引士に説明させる必要はない。 | ◯ |
6 | 25-29-3 | 業者間取引では、35条書面に修繕積立金の滞納について記載しなくてもよい。 | × |
7 | 25-30-1 | 業者間取引でも重要事項説明は行わなければならないが、35条書面の交付は省略してよい。 | × |
8 | 19-40-2 | 業者間取引で、売主の承諾がある場合、35条書面・37条書面の交付を省略できる。 | × |
9 | 19-40-3 | 業者間取引で、買主の承諾がある場合、35条書面の交付は省略可能、37条書面の交付は省略不可。 | × |
10 | 18-35-1 | 買主が宅建業者である場合、35条書面を交付しなくても、宅建業法に違反しない。 | × |
11 | 16-40-1 | 35条書面の交付義務は、業者間取引にも適用される。 | ◯ |
12 | 06-44-3 | 業者間取引では、35条書面に造成工事完了時の宅地の形状・構造を記載すれば、宅地に接する道路の構造・幅員を記載しなくてもよい。 | × |
13 | 05-44-1 | 業者間取引では、35条書面を交付しなくても、宅建業法に違反しない。 | × |
14 | 04-42-1 | 業者間取引では、35条書面の交付は省略できるが、37条書面の交付は省略できない。 | × |
15 | 01-44-3 | 業者間取引では、35条書面の交付を省略しても、宅建業法に違反しない。 | × |
2 誤り
宅建士は、重要事項の説明をするときは、相手方の請求の有無に関わらず、宅建士証を提示しなければなりません(宅建業法35条4項)。
この義務を怠った場合、10万円以下の過料に処されることがあります(同法86条)。
本肢は、「20万円以下の罰金」とする点が誤りです。
※重要事項説明時に加えて、取引の関係者から請求があった場合にも、宅建士証を提示する義務を負います(同法22条の4)。この義務に違反しても、罰則の適用はありません。
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R03s-35-1 | 宅地建物取引士は、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、相手方の承諾があれば宅地建物取引士証の提示を省略することができる。 | × |
2 | R02s-38-ウ | 宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。 | ◯ |
3 | R02-28-3 | 宅地建物取引士は、重要事項の説明をするときは説明の相手方からの請求の有無にかかわらず宅地建物取引士証を提示しなければならず、また、取引の関係者から請求があったときにも宅地建物取引士証を提示しなければならない。 | ◯ |
4 | R02-41-3 | 宅地建物取引士証を亡失した宅地建物取引士は、その再交付を申請していても、宅地建物取引士証の再交付を受けるまでは重要事項の説明を行うことができない。 | ◯ |
5 | R01-40-1 | 宅地建物取引業者の従業者は、取引の関係者の請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならないが、宅地建物取引士は、重要事項の説明をするときは、請求がなくても説明の相手方に対し、宅地建物取引士証を提示しなければならない。 | ◯ |
6 | 30-39-4 | 宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、宅地建物取引士は、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、相手方の承諾があれば宅地建物取引士証の提示を省略することができる。 | × |
7 | 29-37-1 | 宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、物件の買受けの申込みの前であっても宅地建物取引士証を提示しなければならないが、このときに提示した場合、後日、法第35条に規定する重要事項の説明をする際は、宅地建物取引士証を提示しなくてもよい。 | × |
8 | 29-37-4 | 宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならないが、法第35条に規定する重要事項の説明をする際は、宅地建物取引士証の提示が義務付けられているため、宅地建物取引士証の提示をもって、従業者証明書の提示に代えることができる。 | × |
9 | 28-30-2 | 宅建士は、重要事項の説明をする際に、相手方から求められない場合は、宅建士証を提示しなくてもよい。 | × |
10 | 26-36-3 | 物件担当の宅建士が急用で対応できなくなった場合、重要事項説明書にある宅建士欄を訂正の上、別の宅建士が記名押印をし、宅建士証を提示した上で、重要事項説明をすれば、宅建業法に違反しない。 | ◯ |
11 | 25-30-2 | 重要事項説明時、請求がなくても宅建士証を提示する必要があり、提示しないと20万円以下の罰金に処せられる。 | × |
12 | 23-28-3 | 重要事項説明時、請求があった場合のみ宅建士証を提示すればよい。 | × |
13 | 22-30-3 | 宅建士証を亡失し再交付申請中の者は、再交付申請書の写しを提示すればよい。 | × |
14 | 18-36-2 | 請求がなくても提示が必要。 | ◯ |
15 | 17-39-2 | 請求がなかったので提示せず。 | × |
16 | 14-31-4 | 重要事項説明時に宅建士証を提示していれば、その後は請求があっても提示する必要はない。 | × |
17 | 13-31-4 | 宅建士証を滅失した場合、再交付を受けるまで重要事項説明はできない。 | ◯ |
18 | 13-32-1 | 重要事項説明時、要求がなければ、提示しなくてもよい。 | × |
19 | 10-39-3 | 胸に着用する方法で提示可能。 | ◯ |
20 | 05-37-2 | 初対面時に宅建士証を提示していれば、重要事項説明時に提示する必要はない。 | × |
21 | 04-48-2 | 宅地建物取引士は、重要事項の説明をするときは、相手方の請求がなくても宅地建物取引士証を提示しなければならないが、この宅地建物取引士証の表面には、宅地建物取引士の勤務先も記載される。 | × |
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R03-35-ア | 宅地建物取引士(甲県知事登録)が事務禁止処分を受けた場合、宅地建物取引士証を甲県知事に速やかに提出しなければならず、速やかに提出しなかったときは10万円以下の過料に処せられることがある。 | ◯ |
2 | R02s-43-3 | 宅地建物取引士が、事務禁止処分を受け、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に速やかに提出しなかったときは、50万円以下の罰金に処せられることがある。 | × |
3 | 25-30-2 | 宅地建物取引業者が、宅地建物取引士をして取引の相手方に対し重要事項説明をさせる場合、当該宅地建物取引士は、取引の相手方から請求がなくても、宅地建物取引士証を相手方に提示しなければならず、提示しなかったときは、20万円以下の罰金に処せられることがある。 | × |
4 | 25-44-エ | 宅地建物取引士は、事務禁止処分を受けた場合、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に速やかに提出しなければならないが、提出しなかったときは10万円以下の過料に処せられることがある。 | ◯ |
5 | 06-37-1 | 宅地建物取引士は、常時宅地建物取引士証を携帯して、取引の関係者から請求があったとき提示することを要し、これに違反したときは、10万円以下の過料に処せられることがある。 | × |
3 誤り
建物の貸借を媒介する場合、「昭和56年5月31日以前に着工された建物につき、耐震診断を受けたものであるときには、その内容」について、重要事項として説明する必要があります(宅建業法35条1項14号、同法施行規則16条の4の3第5号)。
本肢の建物は、昭和56年5月31日以前に新築されたものです。したがって、重要事項として説明する必要があります。
売買 | 貸借 | ||
宅地 | 建物 | 宅地 | 建物 |
― | ◯ | ― | ◯ |
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R02-44-1 | 昭和55年に新築の工事に着手し完成した建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは、その内容を説明しなければならない。 | ◯ |
2 | 30-35-1 | 宅地建物取引業者間における建物の売買においては、売主は取引の対象となる建物(昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものを除く。)について耐震診断を受けなければならず、また、その診断の結果を重要事項説明書に記載しなければならない。 | × |
3 | 26-34-1 | 建物の売主に耐震診断の記録の有無を照会したが、有無が判別しないときは、自ら耐震診断を実施し、結果を説明する必要がある。 | × |
4 | 25-30-3 | 宅建業者は、貸借の媒介の対象となる建物(昭和56年5月31日以前に新築)が、耐震診断を受けたものであっても、重要事項として説明しなくてもよい。 | × |
5 | 24-30-4 | 昭和55年竣工→耐震診断を行い、説明する義務あり。 | × |
6 | 23-32-2 | 昭和60年着工→説明義務なし。 | ◯ |
7 | 19-35-3 | 平成19年着工→説明義務あり。 | × |
4 正しい
「津波災害警戒区域内にあるときは、その旨」は、全ての取引形態において重要事項とされています(宅建業法35条1項14号、同法施行規則16条の4の3第3号)。
本肢では、「取引の対象となる」としか書かれていませんが、売買と貸借の双方で説明が要求されます。
売買 | 貸借 | ||
宅地 | 建物 | 宅地 | 建物 |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R01-39-4 | 建物の売買又は貸借の媒介を行う場合、当該建物が津波防災地域づくりに関する法律第53条第1項により指定された津波災害警戒区域内にあるときは、その旨を、売買の場合は説明しなければならないが、貸借の場合は説明しなくてよい。 | × |
2 | 26-34-2 | 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が津波防護施設区域に位置しているときはその旨を説明する必要があるが、津波災害警戒区域に位置しているときであってもその旨は説明する必要はない。 | × |
3 | 25-30-4 | 宅建業者は、重要事項説明において、取引の対象となる宅地・建物が、津波災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない | ◯ |
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