■講義編■民法[12]抵当権
銀行との間で住宅ローンを組む場合、「その住宅自体を担保にする」ことが一般的です。担保の手段として一般的に利用されるのが抵当権。もしローンの返済が滞った場合、銀行が、住宅を競売し、その代金からローンを返済してもらう、というシステムです。
抵当権とはどのようなシステムか、どのような性質を持っているか。出題項目も多く、勉強に時間がかかるテーマですが、頑張って得点源にしましょう。
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Contents
1.担保の必要性
(1).OUTLINE
(2).物的担保
(3).人的担保
2.抵当権とは
(1).仕組み
①抵当権の構造
②非占有担保
目的物は、抵当権設定者が占有
③物上保証人
(2).抵当権の成立
(3).第三者への対抗要件
登記
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 29-10-4 | 抵当権は不動産に関する物権であり、登記を備えなければ第三者に対抗することができない。 | ◯ |
2 | 28-14-2 | 登記することができる権利には、抵当権及び賃借権が含まれる。 | ◯ |
3 | 26-04-2 | 抵当権を設定した旨を第三者に対抗する場合には登記が必要であるが、根抵当権を設定した旨を第三者に対抗する場合には、登記に加えて、債務者Cの異議を留めない承諾が必要である。 | × |
4 | 22-05-1 | 抵当権設定者AとBとの抵当権設定契約が、AとCとの抵当権設定契約より先であっても、Cを抵当権者とする抵当権設定登記の方がBを抵当権者とする抵当権設定登記より先であるときには、Cを抵当権者とする抵当権が第1順位となる。 | ◯ |
3.抵当権の性質
(1).付従性
①成立における付従性
被担保債権が存在しない→抵当権も成立しない
②消滅における付従性
被担保債権が消滅した→抵当権も消滅する
(2).随伴性
被担保債権を譲渡した→抵当権も移転する
(3).不可分性
債権全部の弁済を受けるまで、目的物の全体について抵当権を行使できる
(4).物上代位性
①意味
目的物の売却・賃貸・滅失・損傷により債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、抵当権を行使できる
払渡しの前に差押えが必要
②具体例
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 28-04-2 | [Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定]甲土地上の建物が火災によって焼失してしまったが、当該建物に火災保険が付されていた場合、Bは、甲土地の抵当権に基づき、この火災保険契約に基づく損害保険金を請求することができる。 | × |
2 | 24-07-3 | 火災保険に基づく損害保険金請求権は、物上代位の対象となる。 | ◯ |
3 | 22-05-2 | 火災保険に基づく損害保険金請求権は、物上代位の対象となる。 | ◯ |
4 | 21-05-1 | 火災保険に基づく損害保険金請求権は、抵当権・先取特権による物上代位の対象となる。 | ◯ |
5 | 17-05-3 | 火災保険に基づく損害保険金請求権は、物上代位の対象となる。 | ◯ |
6 | 07-06-3 | 第三者の不法行為により建物が焼失したので抵当権設定者がその損害賠償金を受領した場合、抵当権者は、損害賠償金に対して物上代位をすることができる。 | × |
③賃料に対する物上代位
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R03s-10-1 | Aは、Bからの借入金の担保として、A所有の甲建物に抵当権を設定し、その登記を行った。本件抵当権設定登記後にAC間の賃貸借契約が締結され、AのBに対する借入金の返済が債務不履行となった場合、Bは抵当権に基づき、AがCに対して有している賃料債権を差し押さえることができる。 | ◯ |
2 | 25-05-1 | 賃料債権に対して物上代位をしようとする場合には、被担保債権の弁済期が到来している必要はない。 | × |
3 | 24-07-1 | 抵当権設定登記後に、賃料債権につき一般債権者が差押えした場合、抵当権者は物上代位できない。 | × |
4 | 24-07-2 | 抵当権実行中でも、抵当権が消滅するまでは、賃料債権に物上代位が可能。 | ◯ |
5 | 24-07-4 | Aの抵当権設定登記があるB所有の建物について、CがBと賃貸借契約を締結した上でDに転貸していた場合、Aは、CのDに対する転貸賃料債権に当然に物上代位することはできない。 | ◯ |
6 | 20-04-1 | 抵当権実行を申し立てた抵当権者は、賃料への物上代位と賃貸借契約の解除が可能。 | × |
7 | 17-05-2 | 抵当権者は、賃料債権に物上代位することができる。 | ◯ |
8 | 15-05-1 | (抵当建物を抵当権設定者が賃貸しているケース)抵当権設定登記後に、賃料債権が第三者に譲渡され対抗要件を備えた場合、賃借人が当該第三者に弁済する前であっても、抵当権設定者は、物上代位権を行使して当該賃料債権を差し押さえることはできない。 | × |
9 | 15-05-2 | (抵当建物を抵当権設定者が賃貸しているケース)抵当権設定登記後に、賃料債権につき一般債権者が差押えした場合、差押命令が賃借人に送達された後は、抵当権者は物上代位できない。 | × |
10 | 11-04-1 | 抵当権者は、抵当権に基づく差押えの前であっても、賃料債権の差押えが可能。 | ◯ |
11 | 01-07-2 | 抵当権の効力は、被担保債権に不履行があった場合、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。 | ◯ |
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 23-06-3 | 抵当権者が物上代位により賃料債権を差し押さえた後、賃貸借契約終了した場合、未払いの賃料債権は敷金の限度で当然消滅するわけではない。 | × |
2 | 20-10-4 | 抵当権者が賃料債権につき物上代位権を行使し差し押さえた場合でも、未払い賃料債権は敷金の充当により消滅する。 | ◯ |
3 | 15-05-4 | 抵当権者が物上代位権を行使し賃料債権を差し押さえた場合、賃料債権につき敷金が充当される限度において物上代位権を行使できない。 | ◯ |
4 | 06-10-2 | 借主の債権者が敷金返還請求権を差し押さえたときは、貸主は、その範囲で、借主の未払賃料の弁済を敷金から受けることができなくなる。 | × |
(5).妨害排除請求権
抵当権は非占有型担保だが、競売進行妨害・競売価格下落のリスクがある場合、抵当権者は妨害排除請求権を行使可能
①抵当権設定者が抵当不動産の価値を毀損した場合
②抵当不動産が不法占有された場合
③抵当不動産が第三者に賃貸された場合
[共通の設定]
Aは、Bに対する貸付金債権の担保のために、Bの所有する甲土地又は甲建物に抵当権を設定し、登記をした。
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | H25-05-3 | 対象不動産について第三者が不法に占有している場合、抵当権は、抵当権設定者から抵当権者に対して占有を移転させるものではないので、事情にかかわらず抵当権者が当該占有者に対して妨害排除請求をすることはできない。 | × |
2 | H22-07-4 | 抵当権者は、抵当不動産の所有者に対し当該不動産を適切に維持又は保存することを求める請求権を保全するため、その所有者の妨害排除請求権を代位行使して、当該不動産の不法占有者に対しその不動産を直接自己に明け渡すよう請求できる場合がある。 | ◯ |
3 | H14-06-1 | Bが甲土地上に乙建物を築造した場合、Aは、Bに対し、乙建物の築造行為は、甲土地に対するAの抵当権を侵害する行為であるとして、乙建物の収去を求めることができる。 | × |
4 | H07-06-1 | Bが通常の利用方法を逸脱して、甲建物の毀損行為を行う場合、Bの債務の弁済期が到来していないときでも、Aは、抵当権に基づく妨害排除請求をすることができる。 | ◯ |
4.抵当権の対象・範囲
(1).抵当権の対象(目的)
不動産(土地・建物)
地上権・永小作権(⇒[12]2(2)②)
(2).抵当権の効力が及ぶ範囲
①付加一体物
抵当不動産に付加して一体となっている物
②従物
③果実
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 27-06-1 | 賃借地上の建物が抵当権の目的となっているときは、一定の場合を除き、敷地の賃借権にも抵当権の効力が及ぶ。 | ◯ |
2 | 25-05-2 | 抵当権の対象不動産が借地上の建物であった場合、借地権についても抵当権の効力が及ぶ。 | ◯ |
3 | 19-07-4 | ガソリンスタンド用店舗建物に抵当権を設定した場合、抵当権設定当時に存在していた従物(地下タンクなど)にも、抵当権の効力が及ぶ。 | ◯ |
4 | 01-07-3 | 抵当権の効力は、抵当権設定当時の抵当不動産の従物にも及ぶ。 | ◯ |
(3).被担保債権の範囲
①範囲の制限
②制限の目的
他の債権者の保護
(後順位抵当権者など)
③【例外】他の債権者がいない場合
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 29-10-1 | 抵当権では、設定行為に別段の定めがない限り、被担保債権の利息は担保されない。 | × |
2 | 15-06-4 | 普通抵当権でも、根抵当権でも、遅延損害金は最後の2年分の利息の範囲内。 | × |
3 | 13-07-3 | 債務不履行による遅延損害金については、一定の場合を除き、利息その他の定期金と通算し、最大限、最後の2年分しか、本件登記にかかる抵当権の優先弁済権を主張することができない。 | ◯ |
4 | 07-06-2 | 抵当権の登記に債務の利息に関する定めがあり、他に後順位抵当権者その他の利害関係者がいない場合でも、抵当権者は、抵当権設定者に対し、満期のきた最後の2年分を超える利息については抵当権を行うことはできない。 | × |
5 | 02-10-3 | 抵当権者は、抵当権の実行により、元本と最後の2年分の利息について、他の債権者に優先して弁済を受けることができる。 | ◯ |
5.抵当権の順位
(1).順位とは
(2).順位上昇の原則
一番抵当権者に全額弁済
→一番抵当権は消滅(付従性)(⇒3(1)②)
→順位が繰り上がる
★過去の出題例★
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 18-05-2 | 債務者兼抵当権設定者Aが抵当権によって担保されている借入金全額を一番抵当権者Bに返済しても、第一順位の抵当権を抹消する前であれば、二番抵当権者Cの同意の有無にかかわらず、AはBから新たに金銭を借り入れて、第一順位の抵当権を設定することができる。 | × |
2 | 02-10-4 | 抵当権者の抵当権が消滅した場合、後順位の抵当権者の順位が繰り上がる。 | ◯ |
(3).順位の変更
①可否
各抵当権者の合意で可能
②利害関係者との調整
利害関係者の承諾が必要
③効力発生要件
登記
★過去の出題例★
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 28-04-3 | 一番抵当権者と二番抵当権者が抵当権の順位を変更することに合意すれば、抵当権設定者の同意がなくても、抵当権の順位を変更することができる。 | ◯ |
2 | 25-05-4 | 抵当権を登記した後は、抵当権の順位を変更できない。 | × |
3 | 20-04-3 | 設定時に後順位となった抵当権者が、先順位の抵当権者に優先して弁済を受ける方法はない。 | × |
4 | 13-07-4 | 抵当権者間の合意で抵当権の順位を変更できるが、登記をしなければ効力を生じない。 | ◯ |
6.抵当権の処分
(1).転抵当
抵当権を他の債権の担保とすること
(2).その他の処分
- 抵当権の譲渡
- 抵当権の放棄
- 抵当権の順位の譲渡
- 抵当権の順位の放棄
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R05-10 | 計算問題 | |
2 | R01-10 | 計算問題 | |
3 | H27-07 | 計算問題 | |
4 | H18-05-1 | 計算問題 | |
5 | H26-04-4 | 普通抵当権では抵当権の順位を譲渡できるが、元本の確定前の根抵当権では根抵当権の順位を譲渡できない。 | ◯ |
6 | H10-05-3 | 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とすることができる。 | ◯ |
7.第三取得者の保護
(1).第三取得者とは
抵当権設定者から抵当不動産を譲り受けた者
(2).代価弁済
(3).抵当権消滅請求
①構造
②抵当権消滅請求権者
×主たる債務者
×保証人
★過去の出題例★
[共通の設定]
Bは、B所有の甲土地にAから借り入れた金員の担保として抵当権が設定され、その旨の登記がなされた。その後、Bは、第三者であるCに甲土地を売却した。
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
代価弁済 | |||
1 | R04-04-1 | Bから甲土地を買い受けたCが、Aの請求に応じてその代価を弁済したときは、本件抵当権はCのために消滅する。 | ◯ |
2 | H27-06-3 | 抵当不動産を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を抵当権者に弁済したときは、抵当権はその第三者のために消滅する 。 | ◯ |
抵当権消滅請求 | |||
1 | R04-04-4 | X所有の甲土地にBのAに対する債務を担保するためにAの抵当権が設定され、その旨の登記がなされた。BがXから甲土地を買い受けた場合、Bは抵当不動産の第三取得者として、本件抵当権について、Aに対して抵当権消滅請求をすることができる。 | × |
2 | H28-04-4 | Aの抵当権設定後、Bが第三者であるCに甲土地を売却した場合、CはAに対して、民法第383条所定の書面を送付して抵当権の消滅を請求することができる。 | ◯ |
3 | H27-06-2 | 抵当不動産の被担保債権の主債務者は、抵当権消滅請求をすることはできないが、その債務について連帯保証をした者は、抵当権消滅請求をすることができる。 | × |
4 | H21-06-1 | 抵当権の被担保債権につき保証人となっている者は、抵当不動産を買い受けて第三取得者になれば、抵当権消滅請求をすることができる。 | × |
5 | H21-06-2 | 抵当不動産の第三取得者は、当該抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生した後でも、売却の許可の決定が確定するまでは、抵当権消滅請求をすることができる。 | × |
6 | H21-06-3 | 抵当不動産の第三取得者が抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に民法383条所定の書面を送付すれば足り、その送付書面につき事前に裁判所の許可を受ける必要はない。 | ◯ |
7 | H21-06-4 | 抵当不動産の第三取得者から抵当権消滅請求にかかる民法383条所定の書面の送付を受けた抵当権者が、同書面の送付を受けた後2か月以内に、承諾できない旨を確定日付のある書面にて第三取得者に通知すれば、同請求に基づく抵当権消滅の効果は生じない。 | × |
8 | H21-10-4 | Aを売主、Bを買主として甲土地の売買契約を締結した。A所有の甲土地に売買契約の内容に適合しない抵当権の登記があり、Bが当該土地の抵当権消滅請求をした場合には、Bは当該請求の手続が終わるまで、Aに対して売買代金の支払を拒むことができる。 | ◯ |
9 | H02-06-2 | Aは、BからBの所有地を2,000万円で買い受けたが、当該土地には、CのDに対する1,000万円の債権を担保するため、Cの抵当権が設定され、その登記もされていた。Aは、売買契約の内容に適合しない抵当権が存在する場合は、その消滅を請求することができ、その手続きが終わるまで、Bに対し、代金の支払いを拒むことができる。 | ◯ |
8.賃借人の保護
(1).抵当権登記の前に賃借人が対抗要件を備えていたケース
(2).抵当権登記の後に賃借人が出現したケース
①対抗問題
②抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力
- 賃借権の登記
- 賃借権登記の前に登記した抵当権者の同意
- 同意の登記
③抵当建物使用者の引渡しの猶予
買受人の買受けから6か月間
※土地に抵当権が設定された場合、引渡しの猶予はない。
★過去の出題例★
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
抵当権登記の前に賃借人が対抗要件を備えていたケース | |||
[共通の設定] Aは、Bからの借入金の担保として、A所有の甲建物に抵当権を設定し、その登記を行った。 |
|||
1 | R03s-10-2 | Cが本件抵当権設定登記より前に賃貸借契約に基づき甲建物の引渡しを受けていたとしても、AC間の賃貸借契約の期間を定めていない場合には、Cの賃借権は甲建物の競売による買受人に対抗することができない。 | × |
2 | R03s-10-4 | Cが本件抵当権設定登記より前に賃貸借契約に基づき甲建物の引渡しを受けていたとしても、Cは、甲建物の競売による買受人に対し、買受人の買受けの時から1年を経過した時点で甲建物を買受人に引き渡さなければならない。 | × |
抵当権登記の後に賃借人が出現したケース | |||
1 | R04-04-2 | Aに対抗することができない賃貸借により乙土地を競売手続の開始前から使用するCは、乙土地の競売における買受人Dの買受けの時から6か月を経過するまでは、乙土地をDに引き渡すことを要しない。 | × |
2 | R03s-10-3 | Aは、Bからの借入金の担保として、A所有の甲建物に抵当権を設定し、その登記を行った。本件抵当権設定登記後にAC間で賃貸借契約を締結し、その後抵当権に基づく競売手続による買受けがなされた場合、買受けから賃貸借契約の期間満了までの期間が1年であったときは、Cは甲建物の競売における買受人に対し、期間満了までは甲建物を引き渡す必要はない。 | × |
3 | H22-05-3 | (AはBから2,000万円を借り入れて土地とその上の建物を購入し、Bを抵当権者として当該土地及び建物に2,000万円を被担保債権とする抵当権を設定し、登記した。)Bの抵当権設定登記後にAがDに対して当該建物を賃貸し、当該建物をDが使用している状態で抵当権が実行され当該建物が競売された場合、Dは競落人に対して直ちに当該建物を明け渡す必要はない。 | ◯ |
4 | H20-04-2 | (Aは、Bから借り入れた2,000万円の担保として抵当権が設定されている甲建物を所有しており、抵当権設定の後に、甲建物を賃借人Cに対して賃貸した。Cは甲建物に住んでいるが、賃借権の登記はされていない。)抵当権が実行されて、Dが甲建物の新たな所有者となった場合であっても、Cは民法602条に規定されている短期賃貸借期間の限度で、Dに対して甲建物を賃借する権利があると主張することができる。 | × |
5 | H18-05-4 | 第一抵当権の設定後、第二抵当権の設定前に、期間2年の土地賃貸借契約を締結した借主は、第一抵当権者の同意の有無によらず、第一抵当権者に対しても賃借権を対抗できる。 | × |
6 | H17-06-4 | 抵当権設定後に、期間2年の建物賃貸借契約を締結し、建物を引き渡した場合、賃貸借を抵当権者に対抗できる。 | × |
9.法定地上権
(1).状況
①土地が他人の所有になったケース
②建物が他人の所有になったケース
(2).要件
①抵当権設定当時、土地の上に建物が存在していたこと
(a)更地に抵当権を設定後、建物が建築された場合
(b)抵当権者が建物の建築を承認していた場合
(c)更地に一番抵当権を設定後、二番抵当権設定時には建物が存在した場合
②抵当権設定当時、土地と建物が同一所有者に属していたこと
(a)所有権の登記がなかった場合
(b)抵当権設定後に建物を譲渡した場合
(c)一番抵当権設定時には所有者が別々だったが、二番抵当権設定時には同一人物であった場合
③土地又は建物の一方又は双方に抵当権が設定されたこと
土地・建物の双方に抵当権が設定された場合
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 30-06-1 | [Aが所有する甲土地上にBが乙建物を建築して所有権を登記していたところ、AがBから乙建物を買い取り、その後、Aが甲土地にCのために抵当権を設定し登記した。]Aが乙建物の登記をA名義に移転する前に甲土地に抵当権を設定登記していた場合、甲土地の抵当権が実行されたとしても、乙建物のために法定地上権は成立しない。 | × |
2 | 30-06-2 | [Aが所有する甲土地上にBが乙建物を建築して所有権を登記していたところ、AがBから乙建物を買い取り、その後、Aが甲土地にCのために抵当権を設定し登記した。]Aが乙建物を取り壊して更地にしてから甲土地に抵当権を設定登記し、その後にAが甲土地上に丙建物を建築していた場合、甲土地の抵当権が実行されたとしても、丙建物のために法定地上権は成立しない。 | ◯ |
3 | 30-06-3 | [Aが所有する甲土地上にBが乙建物を建築して所有権を登記していたところ、AがBから乙建物を買い取り、その後、Aが甲土地にCのために抵当権を設定し登記した。]Aが甲土地に抵当権を設定登記するのと同時に乙建物にもCのために共同抵当権を設定登記した後、乙建物を取り壊して丙建物を建築し、丙建物にCのために抵当権を設定しないまま甲土地の抵当権が実行された場合、丙建物のために法定地上権は成立しない。 | ◯ |
4 | 30-06-4 | [Aが所有する甲土地上にBが乙建物を建築して所有権を登記していたところ、AがBから乙建物を買い取り、その後、Aが甲土地にCのために抵当権を設定し登記した。]Aが甲土地に抵当権を設定登記した後、乙建物をDに譲渡した場合、甲土地の抵当権が実行されると、乙建物のために法定地上権が成立する。 | ◯ |
5 | 28-04-1 | [Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定]Aが甲土地に抵当権を設定した当時、甲土地上にA所有の建物があり、当該建物をAがCに売却した後、Bの抵当権が実行されてDが甲土地を競落した場合、DはCに対して、甲土地の明渡しを求めることはできない。 | ◯ |
6 | 21-07-1 | 土地及びその地上建物の所有者が同一である状態で、土地に1番抵当権が設定され、その実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。 | ◯ |
7 | 21-07-2 | 更地である土地の抵当権者が抵当権設定後に地上建物が建築されることを承認した場合であっても、土地の抵当権設定時に土地と所有者を同じくする地上建物が存在していない以上、地上建物について法定地上権は成立しない。 | ◯ |
8 | 21-07-3 | 土地に1番抵当権が設定された当時、土地と地上建物の所有者が異なっていたとしても、2番抵当権設定時に土地と地上建物の所有者が同一人となれば、土地の抵当権の実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。 | × |
9 | 21-07-4 | 土地の所有者が、当該土地の借地人から抵当権が設定されていない地上建物を購入した後、建物の所有権移転登記をする前に土地に抵当権を設定した場合、当該抵当権の実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。 | ◯ |
10 | 18-05-3 | 更地に一番抵当権設定後、二番抵当権設定前に土地上に建物が建築され、二番抵当権者が抵当権を実行した場合には、建物について法定地上権が成立する。 | × |
11 | 14-06-2 | 更地にAが抵当権を設定した後、建物が築造され、その後、Cが土地・建物の双方に抵当権を設定した場合、Aが抵当権を実行すると、建物につき法定地上権が成立する。 | × |
12 | 14-06-3 | 更地に一番抵当権設定後、二番抵当権設定前に土地上に建物が建築され、二番抵当権者が抵当権を実行した場合には、建物について法定地上権が成立する。 | × |
13 | 10-05-1 | (Aは、Bから借金をし、Bの債権を担保するためにA所有の土地及びその上の建物に抵当権を設定した。)Bの抵当権の実行により、Cが建物、Dが土地を競落した場合、Dは、Cに対して土地の明渡しを請求することはできない。 | ◯ |
10.抵当地の上の建物の一括競売
(1).状況
(2).一括競売
[共通の設定]
Aは、Bに対する貸付金債権の担保のために、当該貸付金債権額にほぼ見合う評価額を有するB所有の更地である甲土地に抵当権を設定し、その旨の登記をした。その後、Bはこの土地上に乙建物を築造し、自己所有とした。
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R04-04-3 | 本件抵当権設定登記後に、甲土地上に乙建物が築造された場合、Aが本件抵当権の実行として競売を申し立てるときには、甲土地とともに乙建物の競売も申し立てなければならない。 | × |
2 | H27-06-4 | 土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除き、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。 | ◯ |
3 | H14-06-4 | 抵当権者は、建物に抵当権を設定していなくても、土地とともに土地上の建物を競売することができるが、優先弁済権は土地の代金についてのみ行使できる。 | ◯ |
4 | H04-06-2 | Aは、抵当権を実行して、甲土地及び乙建物をともに競売し、建物の売却代金からも優先して弁済を受けることができる。 | × |
5 | H01-07-4 | 土地に抵当権を設定した後、抵当権設定者がその抵当地に建物を築造した場合、抵当権者は、建物を土地とともに競売して、建物の競売代金からも優先弁済を受けることができる。 | × |
11.抵当権の消滅時効
(1).条文
債務者・抵当権設定者に対しては、
被担保債権と同時でなければ、
時効消滅しない
(2).具体例
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 17-04-2 | 被担保債権と無関係に、抵当権は設定から10年で時効消滅する。 | × |
2 | 07-06-4 | 抵当権の消滅時効期間は20年で、被担保債権が消滅しても抵当権は消滅しない。 | × |
[Step.2]一問一答式実戦応用編講座
実戦応用編では、選択肢単位に分解・整理した過去問を実際に解き、その後に、(1)基本知識の確認、(2)正誤を見極める方法、の講義を視聴します。この繰返しにより、「本試験でどんなヒッカケが出るのか?」「どうやってヒッカケを乗り越えるのか?」という実戦対応能力を身につけます。
解説動画を視聴する方法 | 受講料 | |
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1 | eラーニング講座[Step.2]実戦応用編を受講 | 1,980円~ |
2 | YouTubeメンバーシップ(「スリー・ステップ オールインワン」レベル)に登録 | 3,590円/月 |
学習資料 | 『一問一答式過去問集』 | 無料ダウンロード |
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