民法[35]遺言

「遺言」とは、遺言者の死亡時に効力を発生する意思表示のことです。つまり、自分の死後、誰にどれだけの財産を譲るか、本人が決めておくのです。
遺言をするには、一定のルールに従う必要があります。自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言、それぞれどのようなもので、どう違っているのか、比較しながら整理しましょう。

1.遺言とは

(1).意味

遺言者の死亡時に効力を発生する意思表示

(2).遺贈

遺言による財産の無償譲与

(3).遺言能力

15歳以上であること
★過去の出題例★

民法[35]1(3)
遺言能力
 年-問-肢内容正誤
122-10-315歳に達すれば、有効に遺言可能。
211-01-415歳に達すれば、父母の同意がなくても遺言可能。
304-13-115歳に達すれば、法定代理人の同意がなくても遺言可能。
(4).死因贈与(⇒[28]2(2))との比較
①死因贈与とは

贈与者の死亡によって効力を生じる贈与契約

②遺贈に関する規定を準用

遺贈に関する規定を準用
→いつでも撤回可能

2.遺言の方式

(1).3種類の遺言
①自筆証書遺言

遺言者が、全文・日付・氏名を自署し、押印する方法で作成される遺言
★過去の出題例★

民法[35]2(1)
自筆証書遺言
 年-問-肢内容正誤
127-10-1自筆証書の内容を遺言者が一部削除する場合、遺言者が変更する箇所に二重線を引いて、その箇所に押印するだけで、一部削除の効力が生ずる 。×
227-10-2自筆証書による遺言をする場合、遺言書の本文の自署名下に押印がなければ、自署と離れた箇所に押印があっても、押印の要件として有効となることはない 。×
322-10-1自筆証書遺言の内容をワープロ印字可能。×
417-12-1自筆証書遺言には証人二人以上の立会いが必要。×
②公正証書遺言

公証人の面前で、証人2人以上の立会いの上で作成される遺言

③秘密証書遺言

遺言者が遺言を記入した書面に署名・押印した上で封印
公証人と証人2人以上の前で、自己の遺言書である旨を申述
公証人が日付等を記載、公証人・遺言者・証人が署名・押印

(2).遺言書の検認

家庭裁判所による
遺言書の存在・現状を確定する作業
→遺言の有効・無効とは無関係
★過去の出題例★

民法[35]2(2)
遺言書の検認
 年-問-肢内容正誤
117-12-2検認を怠ったまま自筆証書遺言が執行された場合、遺言書は無効となる。×
206-13-2遺言は、家庭裁判所の検認手続を経なければ効力を生じない。×
(3).まとめ

(4).共同遺言の禁止

複数の人が同一の証書で遺言×
★過去の出題例★

民法[35]2(4)
共同遺言の禁止
 年-問-肢内容正誤
122-10-4夫婦又は血縁関係がある者は、同一の証書で有効に遺言をすることができる。×

3.遺言の撤回

(1).撤回の自由

いつでも、何度でも、遺言の方式で撤回が可能

(2).撤回とみなされる場合

前の遺言と後の遺言が抵触
遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触
★過去の出題例★

民法[35]3
遺言の撤回
 年-問-肢内容正誤
117-12-3前の遺言と後の遺言が抵触する場合、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
212-10-3相続させる旨の遺言をした土地を第三者に売却した場合、遺言は取り消されたものとみなす。
306-13-4Bに遺贈すると遺言した後で、Cに遺贈すると遺言した場合、Bは土地所有権を取得しない。
403-10-3書面による死因贈与の対象とした土地を、第三者に遺贈することができる。
503-10-4書面による死因贈与を、後に遺言によって取り消すことはできない。×

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