【宅建過去問】(令和02年10月問36)保証協会
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- 保証協会の社員との宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、当該社員が納付した弁済業務保証金分担金の額に相当する額の範囲内で弁済を受ける権利を有する。
- 保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、当該保証協会の認証を受けるとともに、当該保証協会に対し還付請求をしなければならない。
- 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金をその主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。
- 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
正解:4
還付の手続
最初に還付手続きの流れを図でまとめておきましょう。以下の解説では、①~⑪の番号で引用します。
1 誤り
保証協会の社員である宅建業者と取引した場合、弁済業務保証金から弁済を受けることができる限度額は、「当該社員が社員でないとしたならばその者が供託すべき営業保証金の額に相当する額の範囲内」です(宅建業法64条の8第1項)。
本肢は、「弁済業務保証金分担金の額に相当する額の範囲内」とする点が誤っています。
※本店と支店2か所を有する宅建業者を例にして考えてみましょう。この宅建業者は、120万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しています。しかし、弁済の限度額は、この120万円にとどまりません。この宅建業者が保証協会の社員でなければ2,000万円の営業保証金を供託していたはずです。したがって、弁済の限度額は、2,000万円ということになります。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R04-41-エ | 保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、当該社員が納付した弁済業務保証金の額に相当する額の範囲内において弁済を受ける権利を有する。 | × |
2 | R02-36-1 | 保証協会の社員との宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、当該社員が納付した弁済業務保証金分担金の額に相当する額の範囲内で弁済を受ける権利を有する。 | × |
3 | H28-31-4 | 150万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付して当該保証協会の社員となった者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、2,500万円を限度として、当該保証協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。 | ◯ |
4 | H27-42-4 | 宅地建物取引業者Aは営業保証金を供託しており、宅地建物取引業者Bは保証協会の社員である。宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、Aに関する債権にあってはAが供託した営業保証金についてその額を上限として弁済を受ける権利を有し、Bに関する債権にあってはBが納付した弁済業務保証金分担金についてその額を上限として弁済を受ける権利を有する。 | × |
5 | H24-43-3 | 保証協会の社員との宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、当該社員が納付した弁済業務保証金分担金の額に相当する額の範囲内で、弁済を受ける権利を有する。 | × |
6 | H20-44-1 | 300万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付して当該保証協会の社員となった者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、6,000万円を限度として、当該保証協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。 | × |
7 | H06-46-2 | 本店と3ヶ所の支店を有する宅地建物取引業者A(甲県知事免許、昨年12月1日営業開始)が、本年4月1日宅地建物取引業保証協会に加入し、弁済業務保証金分担金を納付したが、その後同年7月1日、Bから、同年3月1日のAとの不動産取引により債権が生じたとして、弁済業務保証金の還付請求があった。Aの納付した弁済業務保証金分担金は150万円であるが、Bが保証協会から弁済を受けることができる額は、最高2,500万円である。 | ◯ |
8 | H04-47-2/3/4 | 本店+4支店を有し、保証協会会員である宅建業者が、3,500万円の損害を与えた場合、弁済の限度は3,000万円である。 | ◯ |
9 | H02-50-2 | 390万円の分担金を納付して保証協会の社員となった者との宅地建物の取引に関し債権を有する者は、5,500万円を限度として、当該保証協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。 | × |
10 | H01-45-2 | 宅地建物取引業保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、当該社員が宅地建物取引業保証協会に弁済業務保証金分担金として納付している額の範囲内で還付を受ける権利を有する。 | × |
2 誤り
弁済業務保証金から還付を受ける権利を有する者がその権利を実行しようとするときは、弁済を受けることができる額について保証協会の認証を受ける必要があります(肢2の図の②③。宅建業法64条の8第2項)。その後、供託所に対して保証協会が供託した弁済業務保証金からの還付を請求するわけです(図の④⑤)。
還付請求をする相手は、保証協会ではありません。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R05-44-3 | 保証協会は、宅地建物取引業者の相手方から、社員である宅地建物取引業者の取り扱った宅地建物取引業に係る取引に関する損害の還付請求を受けたときは、直ちに弁済業務保証金から返還しなければならない。 | × |
2 | R04-39-1 | 保証協会は、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する者から認証申出書の提出があり、認証に係る事務を処理する場合には、各月ごとに、認証申出書に記載された取引が成立した時期の順序に従ってしなければならない。 | × |
3 | R02s-30-4 | 保証協会の社員(甲県知事免許)と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行しようとするときは、弁済を受けることができる額について甲県知事の認証を受ける必要がある。 | × |
4 | R02-36-2 | 保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、当該保証協会の認証を受けるとともに、当該保証協会に対し還付請求をしなければならない。 | × |
5 | H24-43-4 | 保証協会の社員との宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、弁済を受ける権利を実行しようとする場合、弁済を受けることができる額について保証協会の認証を受けなければならない。 | ◯ |
6 | H22-43-2 | 保証協会の社員である宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、当該保証協会の認証を受けるとともに、当該保証協会に対し、還付請求をしなければならない。 | × |
7 | H15-42-2 | 保証協会に加入している宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、保証協会の認証を受けるとともに、必ず保証協会に対し還付請求をしなければならない。 | × |
8 | H14-33-1 | Aは、宅地の売買契約の解除に伴い、売主である宅地建物取引業者B(国土交通大臣免許)に対して手付金の返還請求権を有し、媒介業者C(甲県知事免許)に対しては媒介報酬の返還請求権を有する。しかし、B、Cいずれも請求に応じない。Bは営業保証金を供託所に供託しており、Cは宅地建物取引業保証協会に加入していた。Aは、その権利を実行するため、Bに関しては営業保証金の還付を、Cに関しては弁済業務保証金の還付を、同時に供託所に申し立てることができる。 | ◯ |
9 | H14-33-3 | Aは、宅地の売買契約の解除に伴い、売主である宅地建物取引業者B(国土交通大臣免許)に対して手付金の返還請求権を有し、媒介業者C(甲県知事免許)に対しては媒介報酬の返還請求権を有する。しかし、B、Cいずれも請求に応じない。Bは営業保証金を供託所に供託しており、Cは宅地建物取引業保証協会に加入していた。Aは、弁済業務保証金についてCに関する権利を実行する場合は、宅地建物取引業保証協会の認証を受けなければならない。 | ◯ |
10 | H11-44-2 | 弁済業務保証金の還付を受けようとする者は、保証協会の認証を受けなければならず、認証申出書の提出に当たっては、弁済を受ける権利を有することを証する確定判決の正本を必ず添付しなければならない。 | × |
11 | H10-38-2 | 保証協会の社員と取引した者が複数ある場合で、これらの者からそれぞれ保証協会に対し認証の申出があったとき、保証協会は、これらの者の有する債権の発生の時期の順序に従って認証に係る事務を処理しなければならない。 | × |
12 | H09-35-4 | 保証協会の供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する者が、その還付請求をしようとする場合は、当該保証協会の認証を受けた後、法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所に請求しなければならない。 | ◯ |
13 | H06-46-3 | 本店と3ヶ所の支店を有する宅地建物取引業者A(甲県知事免許、昨年12月1日営業開始)が、本年4月1日宅地建物取引業保証協会に加入し、弁済業務保証金分担金を納付したが、その後同年7月1日、Bから、同年3月1日のAとの不動産取引により債権が生じたとして、弁済業務保証金の還付請求があった。Bが還付を受けるには、その額について、甲県知事の認証を受けなければならない。 | × |
3 誤り
弁済業務保証金が還付された場合、保証協会は社員に対し、還付充当金を保証協会に納付するように通知します(図の⑨。宅建業法64条の10第1項)。それに応じて、社員は、2週間以内に、保証協会に金銭で還付充当金を納付しなければなりません(同⑩。同条2項)。
還付充当金を供託所に供託するわけではありません。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R02s-30-2 | 保証協会の社員又は社員であった者が、当該保証協会から、弁済業務保証金の還付額に相当する還付充当金を当該保証協会に納付すべき旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。 | ◯ |
2 | R02-36-3 | 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金をその主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。 | × |
3 | H28-31-3 | 保証協会から還付充当金の納付の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。 | × |
4 | H26-39-3 | 保証協会は、還付充当金を保証協会に納付すべきことを通知しなければならない。 | ◯ |
5 | H25-39-3 | 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金をその主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。 | × |
6 | H20-44-2 | 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。 | × |
7 | H11-44-3 | 保証協会は、弁済業務保証金の還付があった場合は、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、その還付額に相当する額の還付充当金を法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所に納付すべきことを通知しなければならない。 | × |
8 | H03-48-3 | 弁済業務保証金の還付がなされた場合において、保証協会からその通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に当該還付額の60/1,000に相当する額の還付充当金を保証協会に納付しなければならない。 | × |
9 | H01-45-3 | 宅地建物取引業保証協会より還付充当金を納付すべき通知を受けた社員又は社員であった者は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。 | ◯ |
4 正しい
保証協会は、弁済業務保証金の還付(図の⑤)があったときは、国土交通大臣から通知書の送付を受けた日(同⑦)から2週間以内に、還付された弁済業務保証金の額に相当する額の弁済業務保証金を供託する必要があります(同⑧。宅建業法64条の8第3項)。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R02-36-4 | 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。 | ◯ |
2 | H24-43-2 | 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。 | ◯ |
3 | H14-33-4 | Aは、宅地の売買契約の解除に伴い、売主である宅地建物取引業者B(国土交通大臣免許)に対して手付金の返還請求権を有し、媒介業者C(甲県知事免許)に対しては媒介報酬の返還請求権を有する。しかし、B、Cいずれも請求に応じない。Bは営業保証金を供託所に供託しており、Cは宅地建物取引業保証協会に加入していた。Aの権利実行により、還付がなされた場合は、Bは国土交通大臣から通知を受けてから、Cは甲県知事から通知を受けてから、それぞれ2週間以内に不足額を供託しなければならない。 | × |
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4項は、誤りで、「弁済業務保証金の還付があったときは、それにより不足が発生した弁済業務保証金を供託する必要がる」ではないでしょうか。
「4項」というのは、「選択肢の4番」という意味ですよね。
また、「必要がる」は「必要がある」のことだと思います。
だとすると、肢4とKAZUSHIGEさんの文章は同じ意味だと思います。
肢4は以下の内容です。
一方、KAZUSHIGEさんの文章は、以下の内容です。
どちらも、弁済業務保証金の還付(図の⑤)があったときに、保証協会が還付額相当額を供託する(図の⑧)ことを意味します。
いずれも「正しい」記述です。