Aには死亡した夫Bとの間に子Cがおり、Dには離婚した前妻Eとの間に子F及び子Gがいる。Fの親権はEが有し、Gの親権はDが有している。AとDが婚姻した後にDが死亡した場合における法定相続分として、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- Aが2分の1、Fが4分の1、Gが4分の1
- Aが2分の1、Cが6分の1、Fが6分の1、Gが6分の1
- Aが2分の1、Gが2分の1
- Aが2分の1、Cが4分の1、Gが4分の1
正解:1
設定の確認
法定相続人の決定
被相続人Dの配偶者であるAは、法定相続人です(民法890条)。
また、Dの子であるFとGも法定相続人です(同法887条1項)。問題文に「Fの親権はEが有し、Gの親権はDが有している。」とあります。しかし、親権というのは、子の利益のために、監護・教育を行い、子の財産を管理する権限という意味です。相続とは関係がありません。Dが親権を有しているかどうか、とは無関係に、FとGは、Dの子として、いずれも同様に扱います。
以上より、Dの法定相続人は、A・F・Gの3人です。これだけで、正解は肢1に決まります。
※Cは、法定相続人ではありません。Cは、Aの子です。被相続人Dとの血縁はなく、また、養子縁組に関する情報もありません。したがって、Cは、Dの子ではなく、法定相続人にはなりません。
※「離婚した元配偶者(本問のE)が相続する。」というヒッカケ・パターンもあります。しかし、相続開始時に配偶者でなければ、法定相続人にはなりません。
法定相続分の決定
確認のため、そして、今後の本試験対策として、法定相続分についても押さえておきましょう。
被相続人の配偶者と子(直系卑属)が法定相続人となる場合、法定相続分は、配偶者が1/2、子が全体で1/2です(民法900条1号)。ここで、Aの法定相続分は1/2と決まります。
子全体の法定相続分をFとGで人数割りします(同条4号本文)。F、Gの法定相続分は、それぞれ1/4です。
法定相続分まで検討しても、正解が肢1であることが確認されただけでした。