【宅建過去問】(令和06年問44)契約書面(37条書面)

宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。

  1. Aは、建築工事完了前の建物の売買契約を媒介したときに、37条書面に記載する当該建物を特定するために必要な表示について、宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明において使用した図書を交付することによって行った。
  2. Aは、貸主Bと借主Cとの間で締結された建物の賃貸借契約を媒介したときに、借賃の額、支払時期及び支払方法について定められていたが、BとCの承諾を得たので、37条書面に記載しなかった。
  3. Aは、宅地建物取引業者Dと宅地建物取引業者Eとの間で締結された宅地の売買契約を媒介したときに、37条書面に当該宅地の引渡しの時期を記載しなかった。
  4. Aが建物の売買契約を買主として締結した場合に、売主Fに承諾を得たので、37条書面をFに交付しなかった。

正解:1

1 違反しない

37条書面の必要的記載事項には、「宅地建物を特定するために必要な表示」が含まれます(宅建業法37条1項2号、2項1号)。建築工事完了前の建物については、登記事項説明書など公的な記録がありません。そこで、重要事項の説明の時に使用した図書を交付することによって、この表示を行います(解釈・運用の考え方)。

37条書面(契約書面)の必要的記載事項

■参照項目&類似過去問
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37条書面の必要的記載事項(②宅地又は建物を特定するために必要な表示)(宅建業法[12]2(1)②)
年-問-肢内容正誤
1R06-44-1宅地建物取引業者は、建築工事完了前の建物の売買契約を媒介したときに、37条書面に記載する当該建物を特定するために必要な表示について、宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明において使用した図書を交付することによって行った。
2R01-36-ア宅地建物取引業者は、その媒介により建築工事完了前の建物の売買契約を成立させ、当該建物を特定するために必要な表示について37条書面で交付する際、法第35条の規定に基づく重要事項の説明において使用した図書の交付により行った。
3H24-31-3宅地建物取引業者は、建築工事完了前の建物の売買を媒介し、当該売買契約を成立させた。この際、37条書面に記載する当該建物を特定するために必要な表示については、法第35条の規定に基づく重要事項の説明において使用した図書があったため、当該図書の交付により行った。
4H21-36-3甲建物の売買の媒介を行う宅地建物取引業者は、37条書面に甲建物の所在、代金の額及び引渡しの時期は記載したが、移転登記の申請の時期は記載しなかった。×

2 違反する

借賃の額・支払時期・方法」は、37条書面の必要的記載事項です(肢1の表の③。宅建業法37条2項2号)。
貸主Bと借主Cの承諾を得たからといって、宅建業法上の義務を無視することは許されません。

■参照項目&類似過去問
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37条書面の必要的記載事項(③借賃の額・支払時期・支払方法)(宅建業法[12]2(1)③)
年-問-肢内容正誤
1R06-44-2
宅地建物取引業者Aは、貸主Bと借主Cとの間で締結された建物の賃貸借契約を媒介したときに、借賃の額、支払時期及び支払方法について定められていたが、BとCの承諾を得たので、37条書面に記載しなかった。×
2R03s-40-4
宅地建物取引業者Aは、自ら貸主として、Bと事業用建物の定期賃貸借契約を締結した。この場合において、借賃の支払方法についての定めがあるときは、Aはその内容を37条書面に記載しなければならず、Bに対して当該書面を交付しなければならない。
×
3R02-33-1
宅地建物取引業者が媒介により建物の貸借の契約を成立させたときは、37条書面に借賃の額並びにその支払の時期及び方法を記載しなければならず、また、当該書面を契約の各当事者に交付しなければならない。
4R01-36-イ
宅地建物取引業者Aが自ら貸主として宅地の定期賃貸借契約を締結した場合において、借賃の支払方法についての定めがあるときは、Aは、その内容を37条書面に記載しなければならず、借主が宅地建物取引業者であっても、当該書面を交付しなければならない。×
5H28-30-1
宅地建物取引業者は、建物の貸借の媒介における重要事項の説明において、借賃の額並びにその支払の時期及び方法について説明するとともに、37条書面に記載しなければならない。
×
6H28-39-3
宅地建物取引業者が媒介により区分所有建物の貸借の契約を成立させた。借賃の支払方法が定められていても、貸主及び借主の承諾を得たときは、37条書面に記載しなくてよい。
×
7H27-38-ウ
宅地建物取引業者Aが自ら貸主として宅地の定期賃貸借契約を締結した場合において、借賃の支払方法についての定めがあるときは、Aは、その内容を37条書面に記載しなければならず、借主が宅地建物取引業者であっても、当該書面を交付しなければならない。×
8H25-35-ウ宅地建物取引業者が媒介により建物の貸借の契約を成立させた場合、借賃の額並びにその支払の時期及び方法を、37条書面に記載しなければならない。
9H12-34-1宅地建物取引業者が、その媒介により宅地の貸借の契約を成立させた場合、37条書面において、借賃の額並びにその支払の時期及び方法を必ず記載しなければならない。
10H07-48-2マンションの貸主から媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者は、貸主が借賃の支払方法を定めていなかったので、宅地建物取引業法第37条の規定に基づく書面において借賃の支払方法を記載しなかった。
×

3 違反する

37条書面の作成・交付に関する規制は、相手方が宅建業者である場合でも、それ以外の取引と同様に適用されます。

交付先が宅建業者である場合

そして、「引渡しの時期」は、売買・貸借双方の契約における37条書面の必要的記載事項です(肢1の表の④。宅建業法37条2項1号、1項4号)。
したがって、37条書面に引渡しの時期を記載しないことは、宅建業法に違反します。

☆「37条書面の必要的記載事項(④引渡しの時期)」というテーマは、問42肢2でも出題されています。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
37条書面(相手方が宅建業者である場合)(宅建業法[12]1(4))
年-問-肢内容正誤
1R06-44-3宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業者Bと宅地建物取引業者Cとの間で締結された宅地の売買契約を媒介したときに、37条書面に当該宅地の引渡しの時期を記載しなかった。×
2R05-43-1宅地建物取引業者Aが媒介により宅地の売買契約を成立させた場合、Aは、買主が宅地建物取引業者であるときは、37条書面に移転登記の申請時期を記載しなくてもよい。×
3R04-35-4宅地建物取引業者Aが所有する甲宅地を法人Bに売却する契約を締結したとき、Bが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、AはBに対し、法第37条の規定に基づく書面を交付しなければならない。
4R03-41-ウ宅地建物取引業者が売主を代理して建物を売却する場合、買主が宅地建物取引業者であるときは、37条書面を交付しなくてもよい。×
5R02s-35-イ宅地建物取引業者が、その媒介により建物の賃貸借契約を成立させた場合においては、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても、37条書面には、引渡しの時期及び賃借権設定登記の申請の時期を記載しなければならない。×
6R02s-35-エ宅地建物取引業者が、その媒介により事業用宅地の定期賃貸借契約を公正証書によって成立させた場合においては、公正証書とは別に37条書面を作成し交付するに当たり、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても、宅地建物取引士をして37条書面に記名させなければならない。
7R02-33-3
宅地建物取引業者が自ら売主として宅地建物取引業者である買主と建物の売買契約を締結した場合、37条書面に宅地建物取引士をして記名させる必要はない。×
8R02-37-ウ宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合、買主が宅地建物取引業者であっても、37条書面を遅滞なく交付しなければならない。
9R02-37-エ
宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合、買主が宅地建物取引業者であるときは、当該宅地の引渡しの時期及び移転登記の申請の時期を37条書面に記載しなくてもよい。×
10R01-36-イ
宅地建物取引業者Aが自ら貸主として宅地の定期賃貸借契約を締結した場合において、借賃の支払方法についての定めがあるときは、Aは、その内容を37条書面に記載しなければならず、借主が宅地建物取引業者であっても、当該書面を交付しなければならない。×
11H30-27-4
宅地建物取引業者Aは、Bが所有し、居住している甲住宅の売却の媒介を、また、宅地建物取引業者Cは、Dから既存住宅の購入の媒介を依頼され、それぞれ媒介契約を締結した。A及びCは、Dが宅地建物取引業者である場合であっても、法第37条に基づき交付すべき書面において、甲住宅の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項があるときにその記載を省略することはできない。
12H30-28-イ
宅地建物取引業者が、買主として、宅地建物取引業者との間で宅地の売買契約を締結した場合、法第37条の規定により交付すべき書面を交付しなくてよい。×
13H30-29-1
Aは、Bとの間で、Aが所有する建物を代金2,000万円で売却する売買契約を締結した。A及びBがともに宅地建物取引業者である場合において、Aは、本件契約の成立後、法第37条の規定により交付すべき書面を作成し、記名は宅地建物取引士ではない者が行い、これをBに交付した。×
14H29-38-4
宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地の売買契約において、当該宅地が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関する特約を定めたが、買主が宅地建物取引業者であり、当該責任に関する特約を自由に定めることができるため、37条書面にその内容を記載しなかった。×
15H28-42-1
宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業者Bと宅地建物取引業者Cの間で締結される宅地の売買契約の媒介においては、37条書面に引渡しの時期を記載しなくてもよい。×
16H28-42-3
宅地建物取引業者Aは、自ら売主として、宅地建物取引業者Bの媒介により、宅地建物取引業者Cと宅地の売買契約を締結した。Bが宅地建物取引士をして37条書面に記名させている場合、Aは宅地建物取引士をして当該書面に記名させる必要はない。×
17H27-38-イ宅地建物取引業者Aが媒介により中古戸建住宅の売買契約を締結させた場合、Aは、引渡しの時期又は移転登記の申請の時期のいずれかを37条書面に記載しなければならず、売主及び買主が宅地建物取引業者であっても、当該書面を交付しなければならない。×
18H27-38-ウ宅地建物取引業者Aが自ら貸主として宅地の定期賃貸借契約を締結した場合において、借賃の支払方法についての定めがあるときは、Aは、その内容を37条書面に記載しなければならず、借主が宅地建物取引業者であっても、当該書面を交付しなければならない。×
19H27-38-エ宅地建物取引業者Aが自ら買主として宅地の売買契約を締結した場合において、当該宅地に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは、Aは、その内容を37条書面に記載しなければならず、売主が宅地建物取引業者であっても、当該書面を交付しなければならない。
20H26-40-ウ宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合は、買主が宅地建物取引業者であっても、37条書面に当該宅地の引渡しの時期を記載しなければならない。
21H25-31-エ宅地建物取引業者は、建物の売買に関し、自ら売主として契約を締結した場合に、その相手方が宅地建物取引業者であれば、37条書面を交付する必要はない。×
22H25-36-4宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者間での宅地の売買の媒介に際し、当該売買契約の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関する特約はあったが、宅地建物取引業者間の取引であったため、当該特約の内容について37条書面への記載を省略した。×
23H22-37-3宅地建物取引業者Aが、売主Bと買主Cとの間の宅地の売買について媒介を行う。B及びCが宅地建物取引業者である場合には、37条書面において、引渡しの時期の記載を省略することができる。×
24H21-36-2宅地建物取引業者Aが、甲建物の売買の媒介を行うに当たり、甲建物の買主が宅地建物取引業者であったため、Aは売買契約の成立後における買主への37条書面の交付を省略した。×
25H19-40-2宅地建物取引業者Aが売主Bと買主Cの間の建物の売買について媒介を行う。Bが宅地建物取引業者でその承諾がある場合、Aは、Bに対し、35条書面及び37条書面のいずれの交付も省略することができる。×
26H19-40-3宅地建物取引業者Aが売主Bと買主Cの間の建物の売買について媒介を行う。Cが宅地建物取引業者でその承諾がある場合、Aは、Cに対し、35条書面の交付を省略することができるが、37条書面の交付を省略することはできない。×
27H18-36-3宅地建物取引業者は、自ら売主として締結した建物の売買契約の相手方が宅地建物取引業者であっても、法第37条の規定に基づき交付すべき書面に宅地建物取引士をして記名させなければならない。
28H12-31-2宅地建物取引業者が、自ら売主として建物を販売した場合に、その相手方が宅地建物取引業者であれば、宅地建物取引業法第37条の規定に基づき交付すべき書面には、宅地建物取引士をして記名させる必要はない。×
29H04-42-1宅地建物取引業者が行う宅地及び建物の売買の媒介において、買主が宅地建物取引業者である場合、35条書面の交付は省略することができるが、37条書面の交付は省略することができない。×
30H01-44-2宅地建物取引業者相互間の宅地の売買において、売主は、宅地建物取引業法第37条第1項に規定する契約成立時に交付すべき書面の記載事項のうち、移転登記の申請の時期を省略した。×
37条書面の必要的記載事項(④引渡しの時期)(宅建業法[12]2(1)④)
年-問-肢内容正誤
1R06-42-2
宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買の契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、宅地又は建物の引渡しの時期について故意に不実のことを告げた場合であっても、契約が成立したときに宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面に当該事項を正確に記載すればよい。×
2R06-44-3
宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業者Bと宅地建物取引業者Cとの間で締結された宅地の売買契約を媒介したときに、37条書面に当該宅地の引渡しの時期を記載しなかった。×
3R03s-26-1
宅地建物取引業者は、その媒介により建物の売買の契約を成立させた場合において、当該建物の引渡しの時期又は移転登記の申請の時期のいずれかを37条書面に記載し、当該契約の各当事者に交付しなければならない。
×
4R02s-35-イ
宅地建物取引業者が、その媒介により建物の賃貸借契約を成立させた場合においては、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても、37条書面には、引渡しの時期及び賃借権設定登記の申請の時期を記載しなければならない。×
5R02-33-2
宅地建物取引業者が媒介により宅地の貸借の契約を成立させた場合において、当該宅地の引渡しの時期について重要事項説明書に記載して説明を行ったときは、その内容を37条書面に記載する必要はない。×
6R02-37-エ
宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合、買主が宅地建物取引業者であるときは、当該宅地の引渡しの時期及び移転登記の申請の時期を37条書面に記載しなくてもよい。
×
7H30-34-ウ
宅地建物取引業者が媒介により既存建物の貸借の契約を成立させた場合、建物の引渡しの時期について、37条書面に必ず記載しなければならない。
8H29-40-1
宅地建物取引業者は、中古マンションの売買の媒介において、当該マンションの代金の支払の時期及び引渡しの時期について、重要事項説明書に記載して説明を行ったので、37条書面には記載しなかった。×
9H28-42-1
宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業者Bと宅地建物取引業者Cの間で締結される宅地の売買契約の媒介においては、37条書面に引渡しの時期を記載しなくてもよい。
×
10H27-38-イ宅地建物取引業者Aが媒介により中古戸建住宅の売買契約を締結させた場合、Aは、引渡しの時期又は移転登記の申請の時期のいずれかを37条書面に記載しなければならず、売主及び買主が宅地建物取引業者であっても、当該書面を交付しなければならない。
×
11H26-40-ウ宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合は、買主が宅地建物取引業者であっても、37条書面に当該宅地の引渡しの時期を記載しなければならない。
12H25-35-イ宅地建物取引業者が媒介により建物の貸借の契約を成立させた場合、建物の引渡しの時期を、37条書面に記載しなければならない。
13H24-31-4宅地建物取引業者は、居住用建物の貸借を媒介し、当該賃貸借契約を成立させた。この際、当該建物の引渡しの時期に関する定めがあったが、法第35条の規定に基づく重要事項の説明において、既に借主へ伝達していたことから、37条書面にはその内容を記載しなかった。
×
14H22-37-3宅地建物取引業者Aが、売主Bと買主Cとの間の宅地の売買について媒介を行う。B及びCが宅地建物取引業者である場合には、37条書面において、引渡しの時期の記載を省略することができる。
×
15H21-36-3甲建物の売買の媒介を行う宅地建物取引業者は、37条書面に甲建物の所在、代金の額及び引渡しの時期は記載したが、移転登記の申請の時期は記載しなかった。
×
16H18-41-4宅地建物取引業者は、自ら売主として工事完了前の土地付建物の売買契約を締結するとき、契約書の記載事項のうち、当該物件の引渡時期が確定しないので、その記載を省略した。
×
17H13-39-3宅地建物取引業者が、宅地又は建物の売買の媒介に際して、宅地及び建物の引渡しの時期については、特に定めをしなかったため、重要事項説明書にはその旨記載し内容を説明したが、契約書面には記載しなかった。
×
18H10-43-2宅地建物取引業者Aが、宅地の所有者Bから定期借地権の設定を受けてその宅地に建物を建築し、Bの承諾を得て定期借地権付きで建物をCに売却する契約を締結した。Aは、当該契約を締結する時に建物の完成時期が確定していない場合でCの了解を得たとき、37条書面に建物の引渡しの時期を記載する必要はない。
×
19H02-49-1宅地建物取引業者が自ら売主として37条書面を交付する場合に、売買の対象が工事完了前の物件で、完成の時期が未定であったので、引渡しの時期について、これを定めず、買主の承諾を得て、その記載をしなかった。
×

4 違反する

37条書面は、契約の当事者双方に交付する必要があります(宅建業法37条1項)。
もちろん、宅地の買主であるAが自分自身には37条書面を交付しなくても構いません(自分が作成したのですから、保管しているでしょうが)。しかし、相手方である売主Fに対しては、37条書面を交付する義務を負います。
売主Fの承諾を得たからといって、宅建業法上の義務を無視することは許されません。

■参照項目&類似過去問
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37条書面の交付相手(自ら売主・買主となるケース)(宅建業法[12]1(2)②)
年-問-肢内容正誤
自ら売主
1R04-35-4宅地建物取引業者Aが所有する甲宅地を法人Bに売却する契約を締結したとき、Bが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、AはBに対し、法第37条の規定に基づく書面を交付しなければならない。
2R04-44-1宅地建物取引業者Aは、自ら売主として宅地建物取引業者ではないBとの間で宅地の売買契約を締結した。この際、当該買主の代理として宅地建物取引業者Cが関与していたことから、37条書面をBに加え、Cにも交付した。
3R03-37-4宅地建物取引業者は、自ら売主となる土地付建物の売買契約及び自ら貸主となる土地付建物の賃貸借契約のいずれにおいても、37条書面を作成し、その取引の相手方に交付しなければならない。×
4R03-41-ア宅地建物取引業者Aが自ら売主として建物を売却する場合、宅地建物取引業者Bに当該売却の媒介を依頼したときは、Bは宅地建物取引士をして37条書面に記名させなければならず、Aも宅地建物取引士をして37条書面に記名させなければならない。
5R02-33-3宅地建物取引業者が自ら売主として宅地建物取引業者である買主と建物の売買契約を締結した場合、37条書面に宅地建物取引士をして記名させる必要はない。×
6R02-37-ウ宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合、買主が宅地建物取引業者であっても、37条書面を遅滞なく交付しなければならない。
7R02-37-エ宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合、買主が宅地建物取引業者であるときは、当該宅地の引渡しの時期及び移転登記の申請の時期を37条書面に記載しなくてもよい。×
8H30-29-1Aは、Bとの間で、Aが所有する建物を代金2,000万円で売却する売買契約を締結した。A及びBがともに宅地建物取引業者である場合において、Aは、本件契約の成立後、法第37条の規定により交付すべき書面を作成し、記名は宅地建物取引士ではない者が行い、これをBに交付した。×
9H28-41-2宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地の売買契約を締結したときは、相手方に対して、遅滞なく、法第37条の規定による書面を交付するとともに、その内容について宅地建物取引士をして説明させなければならない。×
10H28-42-3宅地建物取引業者Aは、自ら売主として、宅地建物取引業者Bの媒介により、宅地建物取引業者Cと宅地の売買契約を締結した。Bが宅地建物取引士をして37条書面に記名させている場合、Aは宅地建物取引士をして当該書面に記名させる必要はない。×
11H26-42-ア宅地建物取引業者Aが売主として宅地建物取引業者Bの媒介により、土地付建物の売買契約を締結した場合、Bが37条書面を作成し、その宅地建物取引士をして当該書面に記名させれば、Aは、宅地建物取引士による37条書面への記名を省略することができる。×
12H24-31-1宅地建物取引業者A社は、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主との間で宅地の売買契約を締結した。この際、当該買主の代理として宅地建物取引業者B社が関与していたことから、37条書面を買主に加えてB社へも交付した。
自ら買主
1R06-44-4宅地建物取引業者Aが建物の売買契約を買主として締結した場合に、売主Bに承諾を得たので、37条書面をBに交付しなかった。×
2R05-28-エ宅地建物取引業者Aは、Bとの間でBが所有する戸建住宅を買い取る売買契約を締結し、法第37条の規定に基づく書面をBに交付したが、Aの宅地建物取引士に、当該書面に記名のみさせ、押印させることを省略した。
3R03s-40-3宅地建物取引業者Aは、自ら買主として、Bと宅地の売買契約を締結した。この場合、Bに対して37条書面を交付する必要はない。×
4H30-28-イ宅地建物取引業者が、買主として、宅地建物取引業者との間で宅地の売買契約を締結した場合、法第37条の規定により交付すべき書面を交付しなくてよい。×
5H29-40-4宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業者ではない売主Bから中古住宅を購入する契約を締結したが、Bが売主であるためBに37条書面を交付しなかった。
×
6H27-38-エ宅地建物取引業者Aが自ら買主として宅地の売買契約を締結した場合において、当該宅地に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは、Aは、その内容を37条書面に記載しなければならず、売主が宅地建物取引業者であっても、当該書面を交付しなければならない。
37条書面(交付の省略?)(宅建業法[12]1(3)④)
年-問-肢内容正誤
1R06-35-4宅地建物取引業者が媒介業者として関与する宅地の売買契約において、37条書面の電磁的方法による提供を行う場合であっても、提供後速やかに37条書面を交付しなければならない。×
2R06-44-4宅地建物取引業者Aが建物の売買契約を買主として締結した場合に、売主Bに承諾を得たので、37条書面をBに交付しなかった。×
3H21-36-4宅地建物取引業者が、甲建物の売買の媒介を行うに当たって、あらかじめ売主からの承諾を得ていたため、売買契約の成立後における売主への37条書面の交付を省略した。
×
4H19-40-2宅地建物取引業者Aが売主Bと買主Cの間の建物の売買について媒介を行う。Bが宅地建物取引業者でその承諾がある場合、Aは、Bに対し、35条書面及び37条書面のいずれの交付も省略することができる。
×
5H19-40-3宅地建物取引業者Aが売主Bと買主Cの間の建物の売買について媒介を行う。Cが宅地建物取引業者でその承諾がある場合、Aは、Cに対し、35条書面の交付を省略することができるが、37条書面の交付を省略することはできない。
×
6H17-39-1売主A、買主Bの間の宅地の売買について媒介した宅地建物取引業者Cは、宅地建物取引士をして重要事項説明を行わせたが、AとBの同意があったため、契約書面を交付しなかった。
×
7H04-42-4買主が宅地建物取引業者でない場合、35条書面の交付及び37条書面の交付は、ともに、事務所以外の場所で行ってもよいが、当事者の承諾があっても省略することはできない。

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