【宅建過去問】(令和06年問47)景品表示法

宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 新築分譲住宅の予告広告(価格が確定していないため、直ちに取引することができない物件について、取引開始時期をあらかじめ告知する広告)を新聞折込チラシを用いて行った場合は、本広告を新聞折込チラシ以外の媒体を用いて行ってはならない。
  2. 土地取引において、当該土地上に廃屋が存在するとき、実際の土地を見れば廃屋が存在することは明らかであるため、廃屋が存在する旨を明示する必要はない。
  3. 交通の利便性について、電車、バス等の交通機関の所要時間を表示する場合は、朝の通勤ラッシュ時の所要時間ではなく、平常時の所要時間を明示しなければならない。
  4. 居住の用に供されたことはないが建築後1年以上経過した一戸建て住宅について、新築である旨を表示することはできない。

正解:4

1 誤り

予告広告とは、「価格等が確定していないため、直ちに取引することができない物件について、その本広告に先立ち、その取引開始時期をあらかじめ告知する広告表示」のことをいいます(公正競争規約4条6項3号)。
予告広告を行う場合、その物件の取引開始前に、次のどちらかの方法により本広告を行う必要があります(同規約9条2項)。
(1)予告広告を行った媒体と同一の媒体
(2)インターネット広告

本肢は、「本広告を新聞折込チラシ以外の媒体を用いて行ってはならない」として、(2)を無視しているので誤りです。

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予告広告(免除科目[02]2(2))
年-問-肢内容正誤
1R06-47-1新築分譲住宅の予告広告(価格が確定していないため、直ちに取引することができない物件について、取引開始時期をあらかじめ告知する広告)を新聞折込チラシを用いて行った場合は、本広告を新聞折込チラシ以外の媒体を用いて行ってはならない。×
2R02s-47-4新築分譲住宅を販売するに当たり、販売価格が確定していないため直ちに取引することができない場合、その取引開始時期をあらかじめ告知する予告広告を行うことはできない。×
3R02-47-3新築分譲住宅を販売するに当たり、予告広告である旨及び契約又は予約の申込みには応じられない旨を明瞭に表示すれば、当該物件が建築確認を受けていなくても広告表示をすることができる。×

2 誤り

土地取引において、土地上に古家、廃屋等が存在するときは、その旨を明示する必要があります(公正競争規約13条、規則7条7号)。
「実際の土地を見れば廃屋が存在することは明らか」だとしても、見に来る時間自体ががムダ!ということもあるでしょう。広告での明示を省略することはできません。

(1)建築条件付土地購入後一定の期間内に建物を建築することを条件として売買される土地
①取引対象が土地である旨、②条件の内容、③条件が成就しなかったときの措置の内容を明示して表示すること。
(2)道路区域・都市計画施設の区域に係る土地その旨を明示すること。
(3)接道義務をみたさない土地「再建築不可」又は「建築不可」と明示すること。
(4)市街化調整区域に所在する土地「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と16ポイント以上の文字で明示すること。
(5)古家・廃屋等が存在するときその旨を明示すること。
(6)路地状部分のみで道路に接する土地路地状部分の割合がおおむね30%以上の土地
→路地状部分を含む旨とその割合又は面積を明示すること。
(7)傾斜地を含む土地①傾斜地の割合が30%以上の土地(マンション・別荘地等を除く。)
②傾斜地を含むことにより、有効利用が著しく阻害される土地(マンションを除く。)
→傾斜地を含む旨及び傾斜地の割合又は面積を明示すること。
(8)高圧電線下にある土地①その旨、②そのおおむねの面積を表示すること。
(9)工事を中断していた場合①建築工事に着手した時期、②中断していた期間を明示すること。
(10)私道の負担がある土地①その旨、②その面積を表示すること。
特定事項の明示義務(免除[02]6
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特定事項の明示義務(古家・廃屋等が存在するとき)(免除科目[02]6(5))
年-問-肢内容正誤
1R06-47-2土地取引において、当該土地上に廃屋が存在するとき、実際の土地を見れば廃屋が存在することは明らかであるため、廃屋が存在する旨を明示する必要はない。×
2H30-47-2土地上に古家が存在する場合に、当該古家が、住宅として使用することが可能な状態と認められる場合であっても、古家がある旨を表示すれば、売地と表示して販売しても不当表示に問われることはない。
3H17-47-1土地上に廃屋が存在する自己所有の土地を販売する場合、売買契約が成立した後に、売主である宅地建物取引業者自らが費用を負担して撤去する予定のときは、広告においては、廃屋が存在している旨を表示しなくてもよい。×
4H02-34-2朽廃した建物が存在する土地について、新聞折込ビラに「売地」とのみ表示し、朽廃した建物の存在を表示しなくても、不当表示となるおそれはない。×

3 誤り

交通の利便性について、電車、バス等の交通機関の所要時間を表示する場合は、「朝の通勤ラッシュ時の所要時間」を明示する必要があります。これを明示すれば、「平常時の所要時間」を併記することも可能です(公正競争規約15条3号、規則9条4号ウ)。
本肢は、原則と例外が逆になっています。

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交通の利便性(免除科目[02]7(2))
年-問-肢内容正誤
1R06-47-3交通の利便性について、電車、バス等の交通機関の所要時間を表示する場合は、朝の通勤ラッシュ時の所要時間ではなく、平常時の所要時間を明示しなければならない。×
2H28-47-4近くに新駅の設置が予定されている分譲住宅の販売広告を行うに当たり、当該鉄道事業者が新駅設置及びその予定時期を公表している場合、広告の中に新駅設置の予定時期を明示して表示してもよい。
3H23-47-4分譲住宅の販売広告において、当該物件周辺の地元住民が鉄道会社に駅の新設を要請している事実が報道されていれば、広告中に地元住民が要請している新設予定時期を明示して、新駅として表示することができる。×
4H20-47-1最寄りの駅から特定の勤務地までの電車による通勤時間を表示する場合は、朝の通勤ラッシュ時に電車に乗車している時間の合計を表示し、乗換えを要することや乗換えに要する時間を表示する必要はない。×
5H14-47-2現在の最寄駅よりも近くに新駅の設置が予定されている分譲住宅の販売広告を行うに当たり、当該鉄道事業者が新駅設置及びその予定時期を公表している場合、広告の中に新駅設置の予定時期を明示して、新駅を表示してもよい。
6H12-47-1不動産の販売広告において販売する物件の最寄駅の表示を行う場合で、新設予定駅の方が現に利用できる最寄駅より近いときは、鉄道会社が駅の新設を公表したものであれば、現に利用できる駅に代えて新設予定駅を表示することができる。×
7H07-32-2不動産の販売広告において最寄駅を記載する場合、鉄道会社が新設予定の駅について、開設時期を明らかにして公表していたとしても、開業後でなければ新設予定駅を最寄駅として表示することはできない。×
8H01-33-4鉄道会社(JR東日本)が来年9月末に開業予定である旨を公表した新設駅について、新聞折込ビラで「新設予定駅(JR東日本発表来年9月末開業予定)徒歩5分」と表示しても、不当表示となるおそれはない。

4 正しい

新築」と表示できるのは、建築工事完了後1年未満であって、かつ、居住の用に供されたことがないものに限られます(公正競争規約18条1項1号)。
本肢の住宅は「建築後1年以上経過」しているのですから、「新築」と表示することができません。

特定用語の使用基準

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特定用語の使用基準(新築)(免除科目[02]3(1)①)
年-問-肢内容正誤
1R06-47-4居住の用に供されたことはないが建築後1年以上経過した一戸建て住宅について、新築である旨を表示することはできない。
2R01-47-4分譲住宅について、住宅の購入者から買い取って再度販売する場合、当該住宅が建築後1年未満で居住の用に供されたことがないものであるときは、広告に「新築」と表示しても、不当表示に問われることはない。
3H25-47-4完成後8か月しか経過していない分譲住宅については、入居の有無にかかわらず新築分譲住宅と表示してもよい。×
4H19-47-2マンションの広告を行う場合、当該マンションが建築後2年経過していたとしても、居住の用に供されたことがなければ「新築分譲マンション」と表示することができる。×
5H13-47-1建物の売買の媒介を依頼されたところ、当該建物は工事完成後10カ月が経過しているものの未使用であったので、当該物件を新築物件として販売広告してもよい。
6H08-31-4建築後1年経過している建物を販売する際、未使用であれば、新聞折込ビラで「新築」と表示しても、不当表示となるおそれはない。×
7H05-31-1未使用の建物について、新聞折込ビラで「新築」と表示する場合、建築後1年6ヵ月のものであれば、不当表示となるおそれはない。×
8H01-33-3建築後1年3ヵ月で未使用の建物について、新聞折込ビラで「新築」と表示しても、不当表示となるおそれはない。×


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