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【宅建過去問】(平成18年問09)委任契約

民法上の委任契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. 委任契約は、委任者又は受任者のいずれからも、いつでもその解除をすることができる。ただし、相手方に不利な時期に委任契約の解除をしたときは、相手方に対して損害賠償責任を負う場合がある。
  2. 委任者が破産手続開始決定を受けた場合、委任契約は終了する。
  3. 委任契約が委任者の死亡により終了した場合、受任者は、委任者の相続人から終了についての承諾を得るときまで、委任事務を処理する義務を負う。
  4. 委任契約の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、相手方に対抗することができず、そのときまで当事者は委任契約上の義務を負う。

正解:3

1 正しい

委任契約は、各当事者がいつでもその解除をすることができる(民法651条1項)。ただし、以下のケースについては、やむを得ない場合を除き、相手方の損害を賠償しなければならない(同条2項)。

  1. 相手方に不利な時期に解除したとき
  2. 委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき
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解除(民法[29]3(1))
年-問-肢内容正誤
1R04-09-ア委任によって代理権を授与された者は、報酬を受ける約束をしている場合であっても、いつでも委任契約を解除して代理権を消滅させて、代理人を辞することができる。
2H18-09-1委任契約は、委任者又は受任者のいずれからも、いつでもその解除をすることができる。ただし、相手方に不利な時期に委任契約の解除をしたときは、相手方に対して損害賠償責任を負う場合がある。
3H14-10-4委任はいつでも解除することができるから、有償の合意があり、売買契約成立寸前に委任者が理由なく解除して受任者に不利益を与えたときでも、受任者は委任者に対して損害賠償を請求することはできない。×
4H09-09-2Aは、その所有する土地について、第三者の立入り防止等の土地の管理を、当該管理を業としていないBに対して委託した。Bが無償で本件管理を受託している場合は、Bだけでなく、Aも、いつでも本件管理委託契約を解除することができる。
5H02-08-3無償の委任契約においては、各当事者は、いつでも契約を解除することができるが、その解除が相手方のために不利な時期であった場合、その損害を賠償しなければならない。

2 正しい

委任者が破産手続開始の決定を受けた場合、委任契約は終了する(民法653条2号)。

※委任契約の終了事由は以下の表の通りである。

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委任契約:終了(民法[29]3(2))
年-問-肢内容正誤
1R03-03-アAがBとの間でB所有建物の清掃に関する準委任契約を締結していた場合、Aの相続人は、Bとの間で特段の合意をしなくても、当該準委任契約に基づく清掃業務を行う義務を負う。×
2R02-05-4AとBとの間で締結された委任契約において、委任者Aが受任者Bに対して報酬を支払うこととされていた。Bが死亡した場合、Bの相続人は、急迫の事情の有無にかかわらず、受任者の地位を承継して委任事務を処理しなければならない。
×
318-09-2委任者が破産手続開始決定を受けた場合、委任契約は終了する。
418-09-3委任契約が委任者の死亡により終了した場合、受任者は、委任者の相続人から終了についての承諾を得るときまで、委任事務を処理する義務を負う。×
518-09-4委任契約の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、相手方に対抗することができず、そのときまで当事者は委任契約上の義務を負う。
613-06-1委任契約において、委任者又は受任者が死亡した場合、委任契約は終了する。
709-09-4有償の準委任契約は、受託者の死亡によって終了し、受託者の相続人はその地位を相続しない。
807-09-3委任者が死亡したとき、委託契約は終了するが、急迫の事情がある場合においては、受任者は、その管理業務を行う必要がある。

3 誤り

委任者が死亡した場合、委任契約は当然に終了する(民法653条1号)。委任者の相続人から承諾を得る必要はない。

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委任契約:終了(民法[29]3(2))
年-問-肢内容正誤
1R03-03-アAがBとの間でB所有建物の清掃に関する準委任契約を締結していた場合、Aの相続人は、Bとの間で特段の合意をしなくても、当該準委任契約に基づく清掃業務を行う義務を負う。×
2R02-05-4AとBとの間で締結された委任契約において、委任者Aが受任者Bに対して報酬を支払うこととされていた。Bが死亡した場合、Bの相続人は、急迫の事情の有無にかかわらず、受任者の地位を承継して委任事務を処理しなければならない。
×
318-09-2委任者が破産手続開始決定を受けた場合、委任契約は終了する。
418-09-3委任契約が委任者の死亡により終了した場合、受任者は、委任者の相続人から終了についての承諾を得るときまで、委任事務を処理する義務を負う。×
518-09-4委任契約の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、相手方に対抗することができず、そのときまで当事者は委任契約上の義務を負う。
613-06-1委任契約において、委任者又は受任者が死亡した場合、委任契約は終了する。
709-09-4有償の準委任契約は、受託者の死亡によって終了し、受託者の相続人はその地位を相続しない。
807-09-3委任者が死亡したとき、委託契約は終了するが、急迫の事情がある場合においては、受任者は、その管理業務を行う必要がある。

4 正しい

委任の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、相手方に対抗することができない(民法655条)。これらの事情がない場合、相手方に対して委任契約上の義務が存在することになる。

■参照項目&類似過去問
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委任契約:終了(民法[29]3(2))
年-問-肢内容正誤
1R03-03-アAがBとの間でB所有建物の清掃に関する準委任契約を締結していた場合、Aの相続人は、Bとの間で特段の合意をしなくても、当該準委任契約に基づく清掃業務を行う義務を負う。×
2R02-05-4AとBとの間で締結された委任契約において、委任者Aが受任者Bに対して報酬を支払うこととされていた。Bが死亡した場合、Bの相続人は、急迫の事情の有無にかかわらず、受任者の地位を承継して委任事務を処理しなければならない。
×
318-09-2委任者が破産手続開始決定を受けた場合、委任契約は終了する。
418-09-3委任契約が委任者の死亡により終了した場合、受任者は、委任者の相続人から終了についての承諾を得るときまで、委任事務を処理する義務を負う。×
518-09-4委任契約の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、相手方に対抗することができず、そのときまで当事者は委任契約上の義務を負う。
613-06-1委任契約において、委任者又は受任者が死亡した場合、委任契約は終了する。
709-09-4有償の準委任契約は、受託者の死亡によって終了し、受託者の相続人はその地位を相続しない。
807-09-3委任者が死亡したとき、委託契約は終了するが、急迫の事情がある場合においては、受任者は、その管理業務を行う必要がある。

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