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- Aの債権者Cが、AのBに対する賃料債権を差し押さえた場合、Bは、その差し押さえ前に取得していたAに対する債権と、差し押さえにかかる賃料債務とを、その弁済期の先後にかかわらず、相殺適状になった段階で相殺し、Cに対抗することができる。
- 甲建物の抵当権者Dが、物上代位権を行使してAのBに対する賃料債権を差し押さえた場合、Bは、Dの抵当権設定登記の後に取得したAに対する債権と、差し押さえにかかる賃料債務とを、相殺適状になった段階で相殺し、Dに対抗することができる。
- 甲建物の抵当権者Eが、物上代位権を行使してAのBに対する賃料債権を差し押さえた場合、その後に賃貸借契約が終了し、目的物が明け渡されたとしても、Bは、差し押さえにかかる賃料債務につき、敷金の充当による当然消滅を、Eに対抗することはできない。
- AがBに対する賃料債権をFに適法に譲渡し、その旨をBに通知したときは、通知時点以前にBがAに対する債権を有しており相殺適状になっていたとしても、Bは、通知後はその債権と譲渡にかかる賃料債務を相殺することはできない。
正解:1
1 正しい
差押えを受けた債権の第三債務者は、その後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができません。しかし、差押え前に取得した債権によって相殺することは可能です(民法511条1項)。
本肢のBがAに対して有する債権は、Cによる差押えよりも前に取得したものです。したがって、Bからの相殺が可能です。
両者が相殺適状に達していれば、弁済期の先後は、問われません。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 30-09-2 | [Aは、平成30年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。]同年11月1日にAの売買代金債権がAの債権者Cにより差し押さえられても、Bは、同年11月2日から12月1日までの間にAに対する別の債権を取得した場合には、同年12月1日に売買代金債務と当該債権を対当額で相殺することができる。 | × |
2 | 23-06-1 | 差押前に取得した債権を自働債権とする場合、受働債権との弁済期の先後を問わず、相殺が可能。 | ◯ |
3 | 23-06-2 | 抵当権者が物上代位により賃料債権を差押した後でも、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の後に取得した債権を自働債権として相殺の主張ができる。 | × |
4 | 16-08-4 | 差押前に取得した債権を自働債権とした相殺が可能。 | ◯ |
5 | 15-05-3 | 抵当権者が物上代位により賃料債権を差押した後は、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の前に取得した債権を自働債権として相殺の主張ができない。 | × |
6 | 07-08-4 | 差押後に取得した債権を自働債権とした相殺は不可。 | ◯ |
2 誤り
本肢のようなケースに関し、判例は、
・抵当権者の抵当権設定登記
・賃借人の自働債権取得
の先後によって、対抗の可否を決定しています。
抵当権者の抵当権設定登記より後に、賃借人が自働債権を取得した場合、賃借人は、抵当権者に相殺を対抗することができないと判断するのです(最判平13.03.13)。
本肢のBがAに対する債権を取得したのは、「Dの抵当権設定登記の後」です。したがって、Bは、相殺をDに対抗することができません。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 30-09-2 | [Aは、平成30年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。]同年11月1日にAの売買代金債権がAの債権者Cにより差し押さえられても、Bは、同年11月2日から12月1日までの間にAに対する別の債権を取得した場合には、同年12月1日に売買代金債務と当該債権を対当額で相殺することができる。 | × |
2 | 23-06-1 | 差押前に取得した債権を自働債権とする場合、受働債権との弁済期の先後を問わず、相殺が可能。 | ◯ |
3 | 23-06-2 | 抵当権者が物上代位により賃料債権を差押した後でも、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の後に取得した債権を自働債権として相殺の主張ができる。 | × |
4 | 16-08-4 | 差押前に取得した債権を自働債権とした相殺が可能。 | ◯ |
5 | 15-05-3 | 抵当権者が物上代位により賃料債権を差押した後は、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の前に取得した債権を自働債権として相殺の主張ができない。 | × |
6 | 07-08-4 | 差押後に取得した債権を自働債権とした相殺は不可。 | ◯ |
3 誤り
敷金は、建物明渡義務を履行するまでの賃貸人の賃借人に対する全ての債権を担保するものです。そして、賃貸人は、賃貸借の終了後、明渡完了するまでに生じた被担保債権を控除してなお残額がある場合に、その残額につき返還義務を負担するに過ぎません(民法622条の2第1項)。
したがって、抵当権者が物上代位権を行使して、賃料債権を差し押さえたとしても、権利を行使できるのは、敷金が残存している範囲に限られます(最判平14.03.28)。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | 23-06-3 | 抵当権者が物上代位により賃料債権を差し押さえた後、賃貸借契約終了した場合、未払いの賃料債権は敷金の限度で当然消滅するわけではない。 | × |
2 | 20-10-4 | 抵当権者が賃料債権につき物上代位権を行使し差し押さえた場合でも、未払い賃料債権は敷金の充当により消滅する。 | ◯ |
3 | 15-05-4 | 抵当権者が物上代位権を行使し賃料債権を差し押さえた場合、賃料債権につき敷金が充当される限度において物上代位権を行使できない。 | ◯ |
4 | 06-10-2 | 借主の債権者が敷金返還請求権を差し押さえたときは、貸主は、その範囲で、借主の未払賃料の弁済を敷金から受けることができなくなる。 | × |
4 誤り
債務者は、譲受人が対抗要件を備えた時(対抗要件具備時)までに譲渡人に対する債権を取得していれば、その債権による相殺をもって譲受人に対抗することができます(民法469条1項)。
本肢では、「通知時点以前にBがAに対する債権を有しており相殺適状になっていた」わけです。つまり、対抗要件具備時までに、譲渡人に対する債権を取得しています。したがって、Bは、Aに対する債権を自働債権として、AのBに対する賃料債権と相殺することができます。
※令和2年以降の改正民法では、債務者が債権譲渡について異議をとどめないで承諾した場合でも結論は同じです。
■参照項目&類似過去問
内容を見る[共通の設定]
AがBに対して債権を有しており、Aがこの債権をCに譲渡した。
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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譲受人からの通知 | |||
1 | H28-05-4 | Aに対し弁済期が到来した貸金債権を有していたBは、Aから債権譲渡の通知を受けるまでに、相殺の意思表示をしていなかった。その後、Bは、Cから支払請求を受けた際に、Aに対する貸金債権との相殺の意思表示をしたとしても、Cに対抗することはできない。 | × |
2 | H23-05-3 | BがAに対して期限が到来した貸金債権を有していても、AがBに対して確定日付のある譲渡通知をした場合には、BはCに譲渡された代金債権の請求に対して貸金債権による相殺を主張することができない。 | × |
3 | H23-06-4 | AがBに対する債権をCに適法に譲渡し、その旨をBに通知したときは、通知時点以前にBがAに対する債権を有しており相殺適状になっていたとしても、Bは、通知後はその債権と譲渡にかかる債務を相殺することはできない。 | × |
4 | H05-05-2 | BがAから債権譲渡の通知を受け、かつ、Cから支払いの請求を受けた場合においても、Bがその債権譲渡の通知を受けた時点においてAに対して既に弁済期の到来した債権を有しているときは、Bは、Cに対し相殺をもって対抗することができる。 | ◯ |
債務者の承諾 | |||
1 | H12-06-4 | Bが、既にAに弁済していたのに、AのCに対する譲渡を異議を留めないで承諾した場合、Bは、弁済したことをCにもAにも主張することができない。 | × |
2 | H09-05-2 | Bは、譲渡の当時Aに対し相殺適状にある反対債権を有するのに、異議を留めないで譲渡を承諾したときであっても、善意のCに対しこれをもって相殺をすることができる。 | ◯ |
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