土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 自然堤防の後背湿地側の縁は、砂が緩く堆積していて、地下水位も浅いため、地震時に液状化被害が生じやすい地盤である。
- 谷底低地に軟弱層が厚く堆積している所では、地震動が凝縮されて、震動が小さくなる。
- 1923年の関東地震の際には、東京の谷底低地で多くの水道管や建物が被害を受けた。
- 大都市の近郊の丘陵地では、丘を削り谷部に盛土し造成宅地が造られたが、盛土造成に際しては、地下水位を下げるため排水施設を設け、締め固める等の必要がある。
正解:2
1 適当
自然堤防とは、蛇行する川のカーブの外側に砂や小礫が堆積し、周囲よりも高くなった土地(微高地)をいいます。そして、この自然堤防を乗り越えた水が長期間とどまる場所が後背湿地です。したがって、自然堤防の後背湿地側の縁は、砂が緩く堆積していて、地下水位も浅い場所であることが分かります。
液状化現象とは、大きな地震の揺れにより、地盤が液体状となることをいいます。この現象により、家・電柱が沈んだり、下水管が浮き上がったりします。液状化現象が発生しやすいのは、粒径のそろった砂地盤で、地下水位の高い(=地表から浅い)地域です。本肢のように、砂と水が揃った土地は、液状化現象のリスクが高い場所ということになります。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R05-49-1 | 自然堤防の後背湿地側の縁は、砂が緩く堆積していて、地下水位も浅いため、地震時に液状化被害が生じやすい地盤である。 | ◯ |
2 | H30-49-4 | 低地の中で特に災害の危険度の高い所は、扇状地の中の微高地、自然堤防、廃川敷となった旧天井川等であり、比較的危険度の低い所が沿岸部の標高の低いデルタ地域、旧河道等である。 | × |
3 | H19-49-2 | 後背湿地は、自然堤防や砂丘の背後に形成される軟弱な地盤であり、水田に利用されることが多く、宅地としての利用は少ない。 | ◯ |
4 | H18-50-4 | 自然堤防とは、河川からの砂や小礫の供給が少ない場所に形成され、細かい粘性土や泥炭などが堆積した地盤である。 | × |
5 | H14-49-3 | 河川近傍の低平地で盛土を施した古い家屋が周辺に多いのは、洪水常習地帯である可能性が高い。 | ◯ |
6 | H12-49-4 | 自然堤防の背後に広がる低平地は、軟弱な地盤であることが多く、盛土の沈下が問題になりやすい。 | ◯ |
7 | H08-01-3 | 自然堤防は、主に砂や小礫からなり、排水性がよく地盤の支持力もあるため、宅地として良好な土地であることが多い。 | ◯ |
8 | H07-01-3 | 自然堤防に囲まれた低地は、地盤が安定していることが多い。 | × |
9 | H03-01-3 | 旧河道は軟弱地盤となっている所が多いが、自然堤防は、砂質や砂礫質の土からなり、比較的宅地に適している。 | ◯ |
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R05-49-1 | 自然堤防の後背湿地側の縁は、砂が緩く堆積していて、地下水位も浅いため、地震時に液状化被害が生じやすい地盤である。 | ◯ |
2 | R02-49-3 | 地盤の液状化については、宅地の地盤条件について調べるとともに、過去の地形についても古地図などで確認することが必要である。 | ◯ |
3 | R01-49-2 | 台地を刻む谷や台地上の池沼を埋め立てた所では、地盤の液状化が発生し得る。 | ◯ |
4 | R01-49-4 | 旧河道や低湿地、海浜の埋立地では、地震による地盤の液状化対策が必要である。 | ◯ |
5 | H27-49-3 | 台地上の池沼を埋め立てた地盤は、液状化に対して安全である。 | × |
6 | H26-49-2 | 地盤の液状化は、地盤の条件と地震の揺れ方により、発生することがある。 | ◯ |
7 | H25-49-4 | 低地は、国土面積の約25%であり、洪水や地震による液状化などの災害危険度は低い。 | × |
8 | H24-49-2 | 台地や段丘上の浅い谷に見られる小さな池沼を埋め立てた所では、地震の際に液状化が生じる可能性がある。 | ◯ |
9 | H24-49-3 | 丘陵地帯で地下水位が深く、砂質土で形成された地盤では、地震の際に液状化する可能性が高い。 | × |
10 | H19-49-3 | 三角州は、河川の河口付近に見られる軟弱な地盤であり、地震時の液状化現象の発生に注意が必要である。 | ◯ |
11 | H14-49-4 | 丘陵地帯で地下水位が深く、固結した砂質土で形成された地盤の場合、地震時は液状化する可能性が高い。 | × |
12 | H03-01-1 | 液状化現象は、比較的粒径のそろった砂地盤で、地下水位の高い、地表から浅い地域で発生しやすい。 | ◯ |
2 最も不適当
谷底平野とは、河川中流部に生じる地形で、上流部から運ばれた土砂の堆積で構成された幅広い平坦な土地をいいます。そして、谷底平野から河岸段丘を除いた低地の部分が谷底低地です。
このような成り立ちですから、谷底低地には、軟弱層が厚く堆積しています。そのため、地震の揺れが増幅され、震動が大きくなったり、液状化現象が発生するリスクがあります。
「地震動が凝縮されて、震動が小さくなる」では、結論が全く逆です。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R05-49-2 | 谷底低地に軟弱層が厚く堆積している所では、地震動が凝縮されて、震動が小さくなる。 | × |
2 | R05-49-3 | 1923年の関東地震の際には、東京の谷底低地で多くの水道管や建物が被害を受けた。 | ◯ |
3 | H19-49-1 | 谷底平野は、周辺が山に囲まれ、小川や水路が多く、ローム、砂礫等が堆積した良質な地盤であり、宅地に適している。 | × |
3 適当
関東地震(いわゆる関東大震災)では、東京の谷底低地で液状化現象が発生し、多くの水道管や建物が被害を受けました。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R05-49-2 | 谷底低地に軟弱層が厚く堆積している所では、地震動が凝縮されて、震動が小さくなる。 | × |
2 | R05-49-3 | 1923年の関東地震の際には、東京の谷底低地で多くの水道管や建物が被害を受けた。 | ◯ |
3 | H19-49-1 | 谷底平野は、周辺が山に囲まれ、小川や水路が多く、ローム、砂礫等が堆積した良質な地盤であり、宅地に適している。 | × |
4 適当
都市の平地面積が乏しければ、住宅地は、平地だけでは足りなくなり、丘陵や山麓へと広がっていきます。
丘陵は、一般的には、宅地に適した土地です。地表面が平坦で、よく締まった砂礫・硬粘土から構成されていますし、地下水位が深く液状化のリスクも低いためです。
しかし、丘を削り谷部に盛土した造成宅地であれば、話は別です。この土地には、崖崩れや土砂災害などのリスクがあるからです。そのため、造成にあたっては、地下水位を下げるため排水施設を設け、締め固める等の必要があります。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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原則 | |||
1 | H24-49-3 | 丘陵地帯で地下水位が深く、砂質土で形成された地盤では、地震の際に液状化する可能性が高い。 | × |
2 | H18-50-2 | 丘陵・段丘とは、地表面は比較的平坦であり、よく締まった砂礫・硬粘土からなり、地下水位は比較的深い地盤である。 | ◯ |
3 | H14-49-4 | 丘陵地帯で地下水位が深く、固結した砂質土で形成された地盤の場合、地震時は液状化する可能性が高い。 | × |
4 | H06-01-1 | なだらかな丘陵地は、扇状地・干拓地・旧河道よりも、宅地として適切である。 | ◯ |
例外 | |||
1 | R05-49-4 | 大都市の近郊の丘陵地では、丘を削り谷部に盛土し造成宅地が造られたが、盛土造成に際しては、地下水位を下げるため排水施設を設け、締め固める等の必要がある。 | ◯ |
2 | R03s-49-4 | 平地に乏しい都市の周辺では、住宅地が丘陵や山麓に広がり、土砂崩壊等の災害を引き起こす例も多い。 | ◯ |
3 | H28-49-4 | 丘陵地や台地の縁辺部の崖崩れについては、山腹で傾斜角が25度を超えると急激に崩壊地が増加する。 | ◯ |
4 | H27-49-4 | 都市周辺の丘陵や山麓に広がった住宅地は、土砂災害が起こる場合があり、注意する必要がある。 | ◯ |
5 | H26-49-4 | 台地や丘陵の縁辺部は、豪雨などによる崖崩れに対しては、安全である。 | × |
6 | H13-49-4 | 丘陵地を切土と盛土により造成した地盤の場合は、その境目では地盤の強度が異なるため、不同沈下が起こりやすい。 | ◯ |
7 | H09-50-1 | 丘陵地や台地内の小さな谷間は、軟弱地盤であることが多く、これを埋土して造成された宅地では、地盤沈下や排水不良を生じることが多い。 | ◯ |
8 | H09-50-3 | 丘陵地を切り盛りして平坦化した宅地において、切土部と盛土部にまたがる区域では、沈下量の違いにより不同沈下を生じやすい。 | ◯ |
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R05-49-4 | 大都市の近郊の丘陵地では、丘を削り谷部に盛土し造成宅地が造られたが、盛土造成に際しては、地下水位を下げるため排水施設を設け、締め固める等の必要がある。 | ◯ |
2 | H17-50-1 | 盛土をする場合には、地表水の浸透により、地盤にゆるみ、沈下又は崩壊が生じないように締め固める。 | ◯ |
3 | H17-50-2 | 切土又は盛土したがけ面の擁壁は、鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造又は練積み造とする。 | ◯ |
4 | H17-50-4 | 造成して平坦にした宅地では、一般に盛土部分に比べて切土部分で地盤沈下量が大きくなる。 | × |
5 | H16-50-2 | 切土斜面は、掘削後時間とともに安定化が進むので、切土掘削直後の斜面安定が確認できれば以後は安心である。 | × |
6 | H14-49-3 | 河川近傍の低平地で盛土を施した古い家屋が周辺に多いのは、洪水常習地帯である可能性が高い。 | ◯ |
7 | H13-49-4 | 丘陵地を切土と盛土により造成した地盤の場合は、その境目では地盤の強度が異なるため、不同沈下が起こりやすい。 | ◯ |
8 | H12-49-4 | 自然堤防の背後に広がる低平地は、軟弱な地盤であることが多く、盛土の沈下が問題になりやすい。 | ◯ |
9 | H10-50-2 | 自然斜面は、地層分布、土質等が複雑かつ不均一で地盤の強さが場所により異なることが多いので、特にのり高の大きい切土を行う際は、のり面の安定性の検討をする必要がある。 | ◯ |
10 | H09-50-2 | 宅地周りの既存の擁壁の上に、ブロックを積み増し、盛土して造成することにより、宅地面積を広げつつ、安全な宅地として利用できることが多い。 | × |
11 | H09-50-3 | 丘陵地を切り盛りして平坦化した宅地において、切土部と盛土部にまたがる区域では、沈下量の違いにより不同沈下を生じやすい。 | ◯ |
12 | H09-50-4 | 宅地の安定に排水処理は重要であり、擁壁の水抜き穴、盛土のり面の小段の排水溝等による排水処理の行われていない宅地は、不適当であることが多い。 | ◯ |
13 | H05-01-1 | 地山を切土して宅地を造成する場合、風化による強度の低下と流水による浸蝕のおそれがあるので、擁壁で覆うか、又は速やかに植生等をして、そのがけ面を保護しなければならない。 | ◯ |
14 | H05-01-2 | 著しく傾斜している谷に盛土して宅地を造成する場合、盛土前の地盤と盛土が接する面がすべり面となって崩壊するおそれがあるので、原地盤に繁茂している樹木を残したまま盛土を行って、その安定を図らなければならない。 | × |
15 | H05-01-3 | 高含水性の粘性土等が堆積している軟弱地盤は、盛土や建物の荷重によって大きな沈下を生じたり、側方に滑動したりすることがあるので、開発事業に当たっては、十分注意しなければならない。 | ◯ |
16 | H04-01-2 | 地すべり地は、安定していても、盛土をすると、バランスをくずし、再びすべることがある。 | ◯ |
17 | H04-01-3 | 軟弱地盤は、盛土をすると、隣接する既設構造物に影響を及ぼすことがある。 | ◯ |
18 | H04-01-4 | 崖錐堆積物におおわれた地域は、一般的に、切土をすると、崩壊や地すべりを起こしやすい。 | ◯ |
19 | H03-01-2 | 切土したがけ面に湧水がみられる場合には、一般にその湧水地点から下の部分の方が、それより上の部分よりも、がけくずれを起こしやすいので、特に注意が必要である。 | × |
20 | H03-01-4 | 建物や構造物の不等沈下は、一般に切土部よりも盛土部で起こりやすい。 | ◯ |
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