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- 特定物売買における売主の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、売主の債務不履行により契約が解除された場合には、原状回復義務である既払代金の返還義務についても保証する責任がある。
- 主たる債務の目的が保証契約の締結後に加重されたときは、保証人の負担も加重され、主たる債務者が時効の利益を放棄すれば、その効力は連帯保証人に及ぶ。
- 委託を受けた保証人が主たる債務の弁済期前に債務の弁済をしたが、主たる債務者が当該保証人からの求償に対して、当該弁済日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
- 委託を受けた保証人は、履行の請求を受けた場合だけでなく、履行の請求を受けずに自発的に債務の消滅行為をする場合であっても、あらかじめ主たる債務者に通知をしなければ、同人に対する求償が制限されることがある。
正解:2
1 正しい
保証人が責任を負う範囲は、主たる債務と、それに関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものです(民法447条1項)。
その中には、売買契約の解除に伴う原状回復義務も含まれます(最大判昭40.06.30)。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R02-07-1 | 特定物売買における売主の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、売主の債務不履行により契約が解除された場合には、原状回復義務である既払代金の返還義務についても保証する責任がある。 | ◯ |
2 | R02-07-2 | 主たる債務の目的が保証契約の締結後に加重されたときは、保証人の負担も加重され、主たる債務者が時効の利益を放棄すれば、その効力は連帯保証人に及ぶ。 | × |
3 | 06-09-3 | 保証人・債権者間の保証契約締結後、債務者・債権者間の合意で債務が増額された場合、保証人は、その増額部分についても、保証債務を負う。 | × |
2 誤り
■主たる債務の加重
(肢1参照。)
保証人が責任を負う範囲は、保証契約締結当時の主たる債務と、それに関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものです(民法447条1項)。
その後に主たる債務が加重されたとしても、保証人の負担は加重されません(同法448条2項)。
■時効の利益の放棄
保証人は、「権利の消滅について正当な利益を有する者」の典型例です(民法145条)。したがって、保証人は、主たる債務に関し、消滅時効を援用することができます。
問題は、主たる債務者が時効の利益を放棄していることです。主たる債務者は、時効完成後であっても、債務を弁済するという意思を表示しています。この場合でも、保証人が時効を援用することは可能です。時効を援用するかどうかは、それぞれの人について相対的に判断するからです。つまり、主たる債務者が時効の利益を放棄した効力は、保証人に及びません。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R02-07-1 | 特定物売買における売主の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、売主の債務不履行により契約が解除された場合には、原状回復義務である既払代金の返還義務についても保証する責任がある。 | ◯ |
2 | R02-07-2 | 主たる債務の目的が保証契約の締結後に加重されたときは、保証人の負担も加重され、主たる債務者が時効の利益を放棄すれば、その効力は連帯保証人に及ぶ。 | × |
3 | 06-09-3 | 保証人・債権者間の保証契約締結後、債務者・債権者間の合意で債務が増額された場合、保証人は、その増額部分についても、保証債務を負う。 | × |
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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時効の効力 | |||
1 | H29-02-1 | Aの所有する甲土地をBが時効取得した場合、Bが甲土地の所有権を取得するのは、取得時効の完成時である。 | × |
時効の援用 | |||
1 | R02s-05-1 | 消滅時効の援用権者である「当事者」とは、権利の消滅について正当な利益を有する者であり、債務者のほか、保証人、物上保証人、第三取得者も含まれる。 | ◯ |
2 | H30-04-1 | 消滅時効完成後に主たる債務者が時効の利益を放棄した場合であっても、保証人は時効を援用することができる。 | ◯ |
3 | H30-04-2 | 後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。 | × |
4 | H30-04-3 | 詐害行為の受益者は、債権者から詐害行為取消権を行使されている場合、当該債権者の有する被保全債権について、消滅時効を援用することができる。 | ◯ |
5 | H18-01-3 | 時効は、一定時間の経過という客観的事実によって発生するので、消滅時効の援用が権利の濫用となることはない。 | × |
6 | H12-02-1 | 物上保証人は、主たる債務者の消滅時効を援用できる。 | ◯ |
7 | H09-04-3 | 物上保証人は、債権の消滅時効を援用して債権者に抵当権の抹消を求めることができる。 | ◯ |
時効の利益の放棄 | |||
1 | R02-07-2 | 主たる債務の目的が保証契約の締結後に加重されたときは、保証人の負担も加重され、主たる債務者が時効の利益を放棄すれば、その効力は連帯保証人に及ぶ。 | × |
2 | H30-04-1 | 消滅時効完成後に主たる債務者が時効の利益を放棄した場合であっても、保証人は時効を援用することができる。 | ◯ |
3 | H21-03-2 | 賃借人が、賃貸人との建物賃貸借契約締結時に、賃料債権につき消滅時効の利益はあらかじめ放棄する旨約定したとしても、その約定に法的効力は認められない。 | ◯ |
3 正しい
①委託を受けた保証人が主たる債務の弁済期前に債務の弁済をしました。②この場合、保証人は、主債務者に対して、その当時利益を受けた限度で求償権を有します(民法459条の2第1項前段)。
「弁済期前」なのですから、そもそも主たる債務者にも、保証人にも弁済の義務はありません。実際、主たる債務者は、③債権者に対し、相殺可能な債権を持っていて、相殺によって主たる債務を消滅させようと考えていました。この場合、保証人による弁済は、余計なお世話ということになります。
この場合、保証人の求償権は制限され、④債権者に対して、相殺によって消滅するはずだった債務の履行を請求することになります(同項後段)。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R02-07-3 | 委託を受けた保証人が主たる債務の弁済期前に債務の弁済をしたが、主たる債務者が当該保証人からの求償に対して、当該弁済日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。 | ◯ |
2 | R02-07-4 | 委託を受けた保証人は、履行の請求を受けた場合だけでなく、履行の請求を受けずに自発的に債務の消滅行為をする場合であっても、あらかじめ主たる債務者に通知をしなければ、同人に対する求償が制限されることがある。 | ◯ |
[共通の設定] BがAに対して負う1,000万円の債務について、Dが連帯保証人となっている。 |
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3 | H18-07-1 | Dが、Aに対して債権全額につき保証債務を履行した場合、その全額につきBに対する求償権を取得する。 | ◯ |
4 | H16-06-3 | Dが1,000万円を弁済した場合にも、Dは500万円についてのみBに対して求償することができる。 | × |
4 正しい
委託を受けた保証人は、①主たる債務者に通知をした上で、②債権者に対して債務の消滅行為を行う必要があります。この場合、③保証人は、主たる債務者に対して、支出した財産の額を求償することができます(民法459条)。
①の通知を怠った場合、保証人の求償権は制限されます。具体的にいうと、債権者に対抗することができた事由を保証人に対抗することができます(同法463条1項前段)。④主たる債務者が債権者に対し相殺可能な債権を持っていた場合、保証人は、⑤債権者に対して、相殺によって消滅するはずだった債務の履行を請求することになります(同項後段)。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R02-07-3 | 委託を受けた保証人が主たる債務の弁済期前に債務の弁済をしたが、主たる債務者が当該保証人からの求償に対して、当該弁済日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。 | ◯ |
2 | R02-07-4 | 委託を受けた保証人は、履行の請求を受けた場合だけでなく、履行の請求を受けずに自発的に債務の消滅行為をする場合であっても、あらかじめ主たる債務者に通知をしなければ、同人に対する求償が制限されることがある。 | ◯ |
[共通の設定] BがAに対して負う1,000万円の債務について、Dが連帯保証人となっている。 |
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3 | H18-07-1 | Dが、Aに対して債権全額につき保証債務を履行した場合、その全額につきBに対する求償権を取得する。 | ◯ |
4 | H16-06-3 | Dが1,000万円を弁済した場合にも、Dは500万円についてのみBに対して求償することができる。 | × |