民法[18]連帯債務

AがB・C・Dの3人に300万円を貸した場合、B・C・Dがそれぞれ100万円ずつ返済義務を負うのが原則です(分割債務)。
しかし、「連帯して返済する。」という特約をした場合には、話が違います。Aが合計300万円の返済を受けるまで、B・C・Dとも債務を負い続けるのです。
例えは、Bが100万円を返済したとしましょう。この場合でも、残り200万の返済について、C・Dだけでなく、Bも返済の義務を負います。このような債務を連帯債務と呼びます。

1.連帯債務とは

(1).債務者が単独のケース

AがBに300万円を貸し付けた。

(2).債務者が複数のケース(分割債務)

AがB・C・Dの3人に300万円を貸し付けた。

(3).連帯債務のケース

AがB・C・Dの3人に300万円を貸し付けた。
B・C・Dは、この債務を連帯して負担するという特約をした。

★過去の出題例★

民法[18]1
連帯債務とは

 年-問-肢内容正誤
123-10-2借入金債務のある債務者が養子縁組をした場合、その養子は、債務者と連帯して返済の責任を負う。×
213-04-2連帯債務者の一人は、債権者から全額請求されても、負担部分だけ支払えばよい。×

2.外部関係(債権者と連帯債務者の関係)

(1).履行請求の方法

債権者に任せられている
★過去の出題例★

民法[18]2(1)
連帯債務:履行請求の方法
 年-問-肢内容正誤
116-06-1債権者は、連帯債務者に対し、それぞれ負担部分の範囲でしか請求できない。×
213-04-1債権者は、連帯債務者の一人に全額請求した場合、他の連帯債務者には全く請求することができない。×
308-04-1債権者は、連帯債務者のそれぞれに対して、同時に、代金全額の支払いを請求できる。
(2).法律行為の無効等

連帯債務
=各自が独立の債務を負う
→一人の債務者に無効・取消原因があっても、他の債務者には影響しない。
★過去の出題例★

民法[18]2(2)
連帯債務:法律行為の無効等

 年-問-肢内容正誤
120-06-4AからBとCとが負担部分2分の1として連帯して1,000万円を借り入れる場合、AB間の契約が無効であった場合にはCが、AC間の契約が無効であった場合にはBが、それぞれ1,000万円の債務を負う。
201-10-2売買契約を締結する際、連帯債務者の一人Aに錯誤があって、Aと債権者Cとの間の売買契約が無効であったとしても、他の連帯債務者BとCとの間の売買契約は、無効とはならない。

3.内部関係(連帯債務者同士の関係)

(1).負担部分

連帯債務者の内部で決めた最終的な負担割合

(2).求償

連帯債務者の1人が弁済をした場合に、それを精算すること

★過去の出題例★

民法[18]3(2)
連帯債務者間の求償権
 年-問-肢内容正誤
129-08-4(A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている。)CがDに対して100万円を弁済した場合は、Cの負担部分の範囲内であるから、Cは、A及びBに対して求償することはできない。
×
216-06-3連帯債務者の一人が、債務全額を弁済した場合、他の連帯債務者に対し、その負担部分につき求償できる。
313-04-3連帯債務者の一人が、債務全額を弁済した場合、他の債務者に対し、その負担部分と支払日以降の法定利息を求償できる。

4.連帯債務者の一人に生じた事由

(1).絶対効・相対効

(2).全体について絶対効が生じる場合
①履行の請求
Bにだけ請求した場合でも CやDにも請求したことになる
②弁済(代物弁済・供託・相殺)

③混同

債権者=債務者となること

④更改

債務の要素を変更する契約をすること

★過去の出題例★

民法[18]4
全体について絶対効が生じる場合
 年-問-肢内容正誤
履行の請求
129-08-1(A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている。)DがAに対して履行の請求をした場合、B及びCがそのことを知らなければ、B及びCについては、その効力が生じない。
×
220-06-2連帯債務者の一人に履行を請求すれば、他の連帯債務者にも効力を生ずる。
308-04-2連帯債務者の一人に履行を請求すれば、その効力は他の連帯債務者にも及ぶ。
403-06-3連帯債務者の一人に履行を請求して、その消滅時効を中断すれば、他の連帯債務者の時効も中断される。
502-07-4BとCが連帯債務を負う場合、債権者AのBに対する履行の請求は、Cに対しても効力を生じる。
601-10-1債権者が連帯債務者の一人に対して代金支払いの請求をしても、代金債権の消滅時効は、他の連帯債務者については中断されない。×
相殺
129-08-2(A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている。)Aが、Dに対する債務と、Dに対して有する200万円の債権を対当額で相殺する旨の意思表示をDにした場合、B及びCのDに対する連帯債務も200万円が消滅する。
213-04-4(C所有の土地をA・Bが共同購入し、連帯債務を負っている。)Cから請求を受けたBは、Aが、Cに対して有する債権をもって相殺しない以上、Aの負担部分についても、Bからこれをもって相殺することはできない。×
混同
101-10-4債権者が死亡し、連帯債務者の1人がその相続人としてその代金債権を承継しても、他の連帯債務者の代金支払債務は、消滅しない。×
(3).負担部分について絶対効が生じるケース
①免除

②時効完成


★過去の出題例★

民法[18]4(3)
負担部分について絶対効が生じる場合

 年-問-肢内容正誤
免除
120-06-1連帯債務者の一人が免除を受ければ、その負担部分につき、他の連帯債務者も債務を免れる。
216-06-2連帯債務者の一人が免除を受ければ、その負担部分につき、他の連帯債務者も債務を免れる。
308-04-3連帯債務者の一人に債務全額の免除をした場合でも、その債務者の負担部分を除いた金額について、他の連帯債務者に請求することはできる。
時効完成
129-08-3(A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている。)Bのために時効が完成した場合、A及びCのDに対する連帯債務も時効によって全部消滅する。×
220-06-3連帯債務者の一人につき時効が完成すれば、その負担部分につき、他の連帯債務者も債務を免れる。
303-06-1連帯債務者の一人につき時効が完成すれば、その負担部分につき、他の連帯債務者も債務を免れる。
(4).相対効が生じる場合
①原則は相対効

絶対効以外のケース=相対効

②[例]債務の承認


★過去の出題例★

民法[18]4(4)
連帯債務:相対的効力の原則
 年-問-肢内容正誤
116-06-4連帯債務者の一人が債務を承認して時効が中断しても、他の連帯債務者の時効の進行には影響しない。
208-04-4連帯債務者の一人に解除の意思表示をした場合、その効力は他の連帯債務者にも及ぶ。×
303-06-2連帯債務者の一人に期限を猶予したときは、他の連帯債務者も期限を猶予される。×
403-06-4連帯債務者の一人が債務を承認して時効が中断しても、他の連帯債務者の債務については中断されない。
501-10-3連帯債務者の一人Aが債権者Cに対して債務を承認すると、Cの代金債権の消滅時効は、他の連帯債務者Bについても中断される。×
(5).まとめ

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【動画講義を御覧になる方法】
【必須資料】『一問一答式問題』(権利関係)
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