【宅建過去問】(令和03年12月問49)土地に関する知識
土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 沿岸地域における地震時の津波を免れるためには、巨大な防波堤が必要であるが、それには限度があり、完全に津波の襲来を防ぐことはできない。
- 一般に凝灰岩、頁岩、花崗岩(風化してマサ土化したもの)は、崩壊しにくい。
- 低地は、大部分が水田や宅地として利用され、大都市の大部分もここに立地している。
- 平地に乏しい都市の周辺では、住宅地が丘陵や山麓に広がり、土砂崩壊等の災害を引き起こす例も多い。
正解:2
1 適当
津波による被害を軽減するためには、防波堤や防潮堤が必要です。しかし、どれだけ巨大な防波堤や防潮堤を用意しても、それにより津波被害のリスクをゼロにすることはできません。
完全な設備は存在せず、あくまでも避難時間を稼ぐための方法に過ぎないことを常に意識する必要があります。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R03s-49-1 | 沿岸地域における地震時の津波を免れるためには、巨大な防波堤が必要であるが、それには限度があり、完全に津波の襲来を防ぐことはできない。 | ◯ |
2 | H30-49-3 | 大都市の大部分は低地に立地しているが、この数千年の間に形成され、かつては湿地や旧河道であった地域が多く、地震災害に対して脆弱で、また洪水、高潮、津波等の災害の危険度も高い。 | ◯ |
3 | H27-49-2 | 臨海部の低地は、洪水、高潮、地震による津波などの災害が多く、住宅地として利用するには、十分な防災対策と注意が必要である。 | ◯ |
4 | H26-49-3 | 沿岸地域は、津波や高潮などの被害を受けやすく、宅地の標高や避難経路を把握しておくことが必要である。 | ◯ |
5 | H23-49-3 | 低地は一般に津波や地震などに対して弱く、防災的見地からは住宅地として好ましくない。 | ◯ |
2 最も不適当
凝灰岩や頁岩は、初出題。知らなくても問題はありません。しかし、マサ土(まさ土)は、繰り返し出題されているので、押さえておきましょう。
漢字で真砂土と書くことで分かるように、マサ土は、花崗岩が風化してできた砂質土です。真砂土には、①隙間が多く水が容易に浸透する、②雨に流されやすい、といった特徴があります。この特徴により、まさ土地帯では、土砂災害や土石流災害の危険があります。
本肢は、「崩壊しにくい」とする点が、事実と正反対です。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R03s-49-2 | 一般に凝灰岩、頁岩、花崗岩(風化してマサ土化したもの)は、崩壊しにくい。 | × |
2 | H28-49-2 | 花崗岩が風化してできた、まさ土地帯においては、近年発生した土石流災害によりその危険性が再認識された。 | ◯ |
3 | H24-49-3 | 丘陵地帯で地下水位が深く、砂質土で形成された地盤では、地震の際に液状化する可能性が高い。 | × |
4 | H14-49-4 | 丘陵地帯で地下水位が深く、固結した砂質土で形成された地盤の場合、地震時は液状化する可能性が高い。 | × |
5 | H13-49-3 | まさ、しらす、山砂、段丘砂礫などの主として砂質土からなるのり面は、地表水による浸食には比較的強いため、簡易な排水施設の設置により安定を図ることが可能である。 | × |
3 適当
低地とは、周囲と比べて低い土地や海抜の低い土地のことをいいます。
低地には、地盤が軟弱であり、洪水・高潮・地震・津波などの災害リスクがあります。
しかし、平坦な土地であり、川や海を利用しやすいなど、使いやすさがあるのも事実です。そこで、低地の大部分は、水田や宅地として利用されています。また、東京・名古屋・大阪など、大都市の大部分が低地に立地しています。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R04-49-2 | 低地は、一般に洪水や地震などに対して強く、防災的見地から住宅地として好ましい。 | × |
2 | R03s-49-3 | 低地は、大部分が水田や宅地として利用され、大都市の大部分もここに立地している。 | ◯ |
3 | R02s-49-2 | 低地は、一般に洪水や地震などに対して弱く、防災的見地からは住宅地として好ましくない。 | ◯ |
4 | R02s-49-4 | 台地は、一般に地盤が安定しており、低地に比べ自然災害に対して安全度が高い。 | ◯ |
5 | H30-49-3 | 大都市の大部分は低地に立地しているが、この数千年の間に形成され、かつては湿地や旧河道であった地域が多く、地震災害に対して脆弱で、また洪水、高潮、津波等の災害の危険度も高い。 | ◯ |
6 | H27-49-1 | 我が国の低地は、ここ数千年の間に形成され、湿地や旧河道であった若い軟弱な地盤の地域がほとんどである。 | ◯ |
7 | H27-49-2 | 臨海部の低地は、洪水、高潮、地震による津波などの災害が多く、住宅地として利用するには、十分な防災対策と注意が必要である。 | ◯ |
8 | H26-49-3 | 沿岸地域は、津波や高潮などの被害を受けやすく、宅地の標高や避難経路を把握しておくことが必要である。 | ◯ |
9 | H25-49-4 | 低地は、国土面積の約25%であり、洪水や地震による液状化などの災害危険度は低い。 | × |
10 | H23-49-3 | 低地は一般に津波や地震などに対して弱く、防災的見地からは住宅地として好ましくない。 | ◯ |
11 | H21-49-3 | 低地は、大部分が水田として利用され、地震災害に対して安全である。 | × |
12 | H21-49-4 | 臨海部の低地は、水利、海陸の交通に恵まれているが、住宅地として利用するためには十分な防災対策が必要である。 | ◯ |
13 | H07-01-3 | 自然堤防に囲まれた低地は、地盤が安定していることが多い。 | × |
14 | H01-01-1 | 地表がほとんど平坦で、近くの河、湖、海などの水面との高低差がきわめて小さく、古い集落や街道がないような地形は、軟弱地盤であることが多い。 | ◯ |
4 適当
都市の平地面積が乏しければ、住宅地は、平地だけでは足りなくなり、丘陵や山麓へと広がっていきます。
丘陵は、一般的には、宅地に適した土地です。地表面が平坦で、よく締まった砂礫・硬粘土から構成されていますし、地下水位が深く液状化のリスクも低いためです。しかし、丘陵の縁辺部においては、崖崩れや土砂災害などのリスクがあります。
また、山麓は、そもそも、土砂災害のリスクが高い場所です。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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原則 | |||
1 | H24-49-3 | 丘陵地帯で地下水位が深く、砂質土で形成された地盤では、地震の際に液状化する可能性が高い。 | × |
2 | H18-50-2 | 丘陵・段丘とは、地表面は比較的平坦であり、よく締まった砂礫・硬粘土からなり、地下水位は比較的深い地盤である。 | ◯ |
3 | H14-49-4 | 丘陵地帯で地下水位が深く、固結した砂質土で形成された地盤の場合、地震時は液状化する可能性が高い。 | × |
4 | H06-01-1 | なだらかな丘陵地は、扇状地・干拓地・旧河道よりも、宅地として適切である。 | ◯ |
例外 | |||
1 | R05-49-4 | 大都市の近郊の丘陵地では、丘を削り谷部に盛土し造成宅地が造られたが、盛土造成に際しては、地下水位を下げるため排水施設を設け、締め固める等の必要がある。 | ◯ |
2 | R03s-49-4 | 平地に乏しい都市の周辺では、住宅地が丘陵や山麓に広がり、土砂崩壊等の災害を引き起こす例も多い。 | ◯ |
3 | H28-49-4 | 丘陵地や台地の縁辺部の崖崩れについては、山腹で傾斜角が25度を超えると急激に崩壊地が増加する。 | ◯ |
4 | H27-49-4 | 都市周辺の丘陵や山麓に広がった住宅地は、土砂災害が起こる場合があり、注意する必要がある。 | ◯ |
5 | H26-49-4 | 台地や丘陵の縁辺部は、豪雨などによる崖崩れに対しては、安全である。 | × |
6 | H13-49-4 | 丘陵地を切土と盛土により造成した地盤の場合は、その境目では地盤の強度が異なるため、不同沈下が起こりやすい。 | ◯ |
7 | H09-50-1 | 丘陵地や台地内の小さな谷間は、軟弱地盤であることが多く、これを埋土して造成された宅地では、地盤沈下や排水不良を生じることが多い。 | ◯ |
8 | H09-50-3 | 丘陵地を切り盛りして平坦化した宅地において、切土部と盛土部にまたがる区域では、沈下量の違いにより不同沈下を生じやすい。 | ◯ |
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R03s-49-4 | 平地に乏しい都市の周辺では、住宅地が丘陵や山麓に広がり、土砂崩壊等の災害を引き起こす例も多い。 | ◯ |
2 | R03-49-2 | 活動度の高い火山の火山麓では、火山活動に伴う災害にも留意する必要がある。 | ◯ |
3 | H30-49-1 | 山麓の地形の中で、地すべりによってできた地形は一見なだらかで、水はけもよく、住宅地として好適のように見えるが、末端の急斜面部等は斜面崩壊の危険度が高い。 | ◯ |
4 | H28-49-3 | 山麓や火山麓の地形の中で、土石流や土砂崩壊による堆積でできた地形は危険性が低く、住宅地として好適である。 | × |
5 | H27-49-4 | 都市周辺の丘陵や山麓に広がった住宅地は、土砂災害が起こる場合があり、注意する必要がある。 | ◯ |
6 | H23-49-2 | 山麓部の利用に当たっては、背後の地形、地質、地盤について十分吟味する必要がある。 | ◯ |
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R03s-49-4 | 平地に乏しい都市の周辺では、住宅地が丘陵や山麓に広がり、土砂崩壊等の災害を引き起こす例も多い。 | ◯ |
2 | R03-49-3 | 林相は良好でも、破砕帯や崖錐等の上の杉の植林地は、豪雨に際して崩壊することがある。 | ◯ |
3 | H30-49-1 | 山麓の地形の中で、地すべりによってできた地形は一見なだらかで、水はけもよく、住宅地として好適のように見えるが、末端の急斜面部等は斜面崩壊の危険度が高い。 | ◯ |
4 | H28-49-1 | 豪雨による深層崩壊は、山体岩盤の深い所に亀裂が生じ、巨大な岩塊が滑落し、山間の集落などに甚大な被害を及ぼす。 | ◯ |
5 | H28-49-4 | 丘陵地や台地の縁辺部の崖崩れについては、山腹で傾斜角が25度を超えると急激に崩壊地が増加する。 | ◯ |
6 | H22-49-3 | 土石流は、流域内で豪雨に伴う斜面崩壊の危険性の大きい場所に起こりやすい。 | ◯ |
7 | H13-49-2 | 土石流は、急勾配の渓流に多量の不安定な砂礫の堆積がある所や、流域内で、豪雨に伴う斜面崩壊の危険性の大きい場合に起こりやすい。 | ◯ |
8 | H12-49-2 | 樹木が生育する斜面地では、その根が土層と堅く結合しても、根より深い位置の斜面崩壊に対しては、樹木による安定効果を期待することはできない。 | ◯ |
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