民法[11]共有

ある土地をA・B・Cの3人で所有する、というように、1つの物を複数の人が共同して所有することを共有といいます。A・B・Cは、それぞれ、持分(所有権の割合)に応じて、その土地を使用することができます。
では、共有物の変更、利用・改良行為、保存行為を行う場合、それぞれが単独で判断できるのでしょうか。共有物を分割する場合には、どのような手続が必要になるのでしょうか。

1.共有とは

1つの物を複数の人が共同して所有すること
各共有者(A、B、C)は、持分に応じて共有物全体を使用することができる

2.持分

(1).持分の処分

各共有者が自由に処分できる
×他の共有者の同意
★過去の出題例★

民法[11]2(1)
持分の処分

 年-問-肢内容正誤
115-04-1共有者の一人は、他の共有者の同意を得なければ、共有持分権を売却できない。×
213-01-1共有者の一人が、他の共有者に無断で、共有する建物を自己の所有として売却した場合、その売買契約は有効であるが、他の共有者の持分については、他人の権利の売買となる。
309-02-1共有者の一人は、他の共有者の同意を得なければ、自己の持分を他に譲渡できない。×
(2).持分の放棄

他の共有者に帰属

(3).共有者の死亡


★過去の出題例★

民法[11]2(2)(3)
持分の放棄・共有者の死亡
 年-問-肢内容正誤
129-03-4GとHが共有する建物につき、Gがその持分を放棄した場合は、その持分はHに帰属する。
219-04-4共有者の一人が持分を放棄した場合、その持分は、国庫に帰属する。×
318-04-4共有者の一人が死亡し、相続人の不存在が確定した場合、その持分は特別縁故者に対する財産分与の対象となり、その財産分与がなされない場合は、他の共有者に帰属する。
415-04-3共有者の一人が持分を放棄した場合、その持分は、他の共有者に帰属する。
509-02-2共有者の一人が持分を放棄した場合、その持分は、他の共有者に帰属する。
604-12-3共有者の一人が相続人なくして死亡し、特別縁故者に対する財産分与もなされない場合、その持分は、他の共有者に帰属する。

3.共有物の利用関係

(1).共有物の使用

各共有者は、持分の割合に応じて、共有物全体を使用可能
★過去の出題例★

民法[11]3(1)
共有物の使用
 年-問-肢内容正誤
129-03-1共有者は、他の共有者との協議に基づかないで当然に共有物を排他的に占有する権原を有するものではない。
229-03-2AとBが共有する建物につき、AB間で協議することなくAがCと使用貸借契約を締結した場合、Bは当然にはCに対して当該建物の明渡しを請求することはできない。
329-03-3DとEが共有する建物につき、DE間で協議することなくDがFと使用貸借契約を締結した場合、Fは、使用貸借契約を承認しなかったEに対して当該建物全体を排他的に占有する権原を主張することができる。
×
424-10-2共同相続人の一人が相続財産である建物全部を占有する場合、他の相続人は明渡請求ができる。×
523-03-4共有者の一人が共有物全部を占有する場合、他の共有者は単独で明渡請求ができる。×
619-04-1共有者の一人から占有使用を承認された者は、承認した者の持分の限度で占有使用できる。
713-01-2共有者の一人が共有物全体を使用している場合、他の共有者はその明渡しを請求できる。×
809-02-3共有者は、その持分割合に応じて、共有物全体を使用する権利を有する。
(2).共有物の変更

他の共有者の同意が必要=全員一致
★過去の出題例★

民法[11]3(2)
共有物の変更
 年-問-肢内容正誤
115-04-2
共有者の一人は、他の共有者の同意を得なければ、建物に物理的損傷及び改変などの変更を加えることはできない。
206-03-2
別荘の改築は、共有者全員の合意で行うことを要し、共有者の一人が単独で行うことはできない。
303-05-1
共有物である建物の増築は、各共有者の持分価格の過半数の同意があれば、することができる。×
(3).共有物の管理
①利用・改良行為

持分価格の過半数で決定

②保存行為

各共有者が単独で可能

(4).まとめ

(5).具体例
①不法占拠者の排除


★過去の出題例★

民法[11]3(5)①
不法占拠者の排除
 年-問-肢内容正誤
128-10-1
相続人が、相続した建物を不法占拠する者に対し明渡しを求めたとしても、単純承認をしたものとはみなされない。
223-03-3共有物の不法占有者に対する明渡請求は、各共有者が単独で可能。
318-04-1共有物の不法占有者に対する明渡請求は、各共有者が単独で可能。
413-01-3共有物の不法占有者に対する明渡請求は、共有者の過半数の同意が必要。×
506-03-3共有物の不法占有者に対する明渡請求は、各共有者が単独で可能。
604-12-2共有物の不法占有者に対する明渡請求は、各共有者が単独で可能。
民法[11]3(5)①
共有物に対する不法行為から生ずる損害賠償請求権
 年-問-肢内容正誤
118-04-2共有物全体が不法に占有されている場合、共有者の一人は単独で、損害全額の賠償を請求できる。×
206-03-3共有物全体が不法に占有されている場合、共有者の一人は単独で、明渡請求を行うことができるが、損害全額の賠償を請求することはできない。
②賃貸借契約の解除


契約の解除
=利用・改良行為
→過半数で決定◯
★過去の出題例★

民法[11]3(5)②
共有物を目的とする賃貸借契約の解除
 年-問-肢内容正誤
119-04-2共有物に関する賃貸借契約の解除は、共有者の持分の過半数で決定できる。
203-05-2共有物に関する賃貸借契約の解除は、共有者(持分1/3)が単独ですることができる。×

4.共有物の分割

(1).分割の可否
①原則

各共有者が、いつでも分割請求◯

②不分割の特約

5年を超えない期間
更新も可能(5年を超えない期間)
★過去の出題例★

民法[11]4(1)
分割の可否
 年-問-肢内容正誤
123-03-1各共有者はいつでも分割請求可能。5年を超えない期間で不分割契約も可能。
219-04-35年を超えない期間で不分割契約が可能。
315-04-4各共有者はいつでも分割請求可能。5年を超えない期間で不分割契約も可能。
409-02-4持分が過半数に満たない共有者も分割請求が可能。
506-03-4各共有者はいつでも分割請求可能。協議が調わなければ、裁判所に請求可能。
604-12-4各共有者はいつでも分割請求可能。
703-05-3不分割特約の期間は5年を超えることができず、また、更新することができない。×
(2).分割の方法
①協議による分割
②裁判による分割

(a).現物分割

(b).競売

(c).全面的価額賠償

★過去の出題例★

民法[11]4(2)②
裁判による共有物の分割
 年-問-肢内容正誤
123-03-2分割により価値が著しく減少する場合、裁判所は競売を命じることができる。
218-04-3共有物の分割にあたり、全面的価額賠償も認められる。
313-01-4共有物の分割にあたり、全面的価額賠償は許されない。×
406-03-4共有者間で共有物分割に関する協議がととのわないときは、裁判所に請求できる。

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