■講義編■民法[11]用益物権
まずは、物権の分類についてまとめましょう。物権は占有権と本権に分かれ、本権は所有権と制限物権に分かれます。制限物権は、さらに用益物権と担保物権に分類されます。
この項目での勉強の中心は、用益物権です。用益物権というのは、ある物を使用・収益するための権利という意味です。具体的には、地上権、永小作権、地役権がこのグループに属します。
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Contents
1.物権の分類
2.地上権・永小作権
(1).意味
(2).特徴
①賃借権との違い
②抵当権の対象(目的物)
不動産(土地・建物)
地上権・永小作権
3.地役権
(1).地役権とは
①意味
設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利
②仕組み
(2).【比較】公道に至るための他の土地の通行権
(3).設定・第三者への対抗
①設定
設定行為(契約)
②対抗要件
登記
(4).付従性
要役地の所有権とともに移転
×要役地から切り離して譲渡
(5).時効取得
①要件
継続的に行使され、かつ、外形上認識できる
②継続性
要役地所有者が通路を開設したこと
要役地所有者が通路を開設した場合 | 承役地所有者が通路を開設した場合 |
時効取得◯ | 時効取得× |
地役権(民法[11]3)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
地役権とは | |||
1 | R02s-09-2 | 地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、承役地を要役地の便益に供する権利を有する。 | ◯ |
付従性 | |||
1 | 14-04-2 | (Aは、自己所有の甲土地の一部につき、通行目的で、隣地乙土地の便益に供する通行地役権設定契約を、乙土地所有者Bと締結した。)この通行地役権の設定登記を行った後、Bが、乙土地をDに譲渡し、乙土地の所有権移転登記を経由した場合、Dは、この通行地役権が自己に移転したことをAに対して主張できる。 | ◯ |
2 | 14-04-3 | (上と同じケース)Bは、この通行地役権を、乙土地と分離して、単独で第三者に売却することができる。 | × |
時効取得 | |||
1 | R02s-09-1 | 地役権は、継続的に行使されるもの、又は外形上認識することができるものに限り、時効取得することができる。 | × |
2 | 25-03-4 | 承役地の所有者が通路を開設し、要役地の所有者がその通路を利用し続けると、時効によって通行地役権を取得することがある。 | × |
3 | 22-03-4 | 継続的に行使され、外形上認識できる地役権は時効取得が可能。 | ◯ |
4 | 14-04-4 | 継続的に行使され、外形上認識できる地役権であっても時効取得は不可能。 | × |
対抗要件 | |||
1 | R02s-09-4 | 要役地の所有権とともに地役権を取得した者が、所有権の取得を承役地の所有者に対抗し得るときは、地役権の取得についても承役地の所有者に対抗することができる。 | ◯ |
2 | 14-04-1 | Aは、自己所有の甲土地の一部につき、通行目的で、隣地乙土地の便益に供する通行地役権設定契約を、乙土地所有者Bと締結した。この通行地役権の設定登記をしないまま、Aが、甲土地をCに譲渡し、所有権移転登記を経由した場合、Cは、通路として継続的に使用されていることが客観的に明らかであり、かつ、通行地役権があることを知っていたときでも、Bに対して、常にこの通行地役権を否定することができる。 | × |
その他の知識 | |||
1 | R02s-09-3 | 設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人もその義務を負担する。 | ◯ |
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