【宅建過去問】(令和02年12月問30)保証協会

宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 本店と3つの支店を有する宅地建物取引業者が保証協会に加入しようとする場合、当該保証協会に、110万円の弁済業務保証金分担金を納付しなければならない。
  2. 保証協会の社員又は社員であった者が、当該保証協会から、弁済業務保証金の還付額に相当する還付充当金を当該保証協会に納付すべき旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。
  3. 保証協会に加入している宅地建物取引業者は、保証を手厚くするため、更に別の保証協会に加入することができる。
  4. 保証協会の社員(甲県知事免許)と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行しようとするときは、弁済を受けることができる額について甲県知事の認証を受ける必要がある。

正解:2

1 誤り

弁済業務保証金分担金は、主たる事務所につき60万円、従たる事務所1か所につき30万円です(宅建業法64条の9第1項、令7条)。
本肢の宅建業者は、「本店と3つの支店を有する」というのですから、必要な弁済業務保証金分担金の金額は、150万円です。「110万円」では足りません。

■参照項目&類似過去問
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弁済業務保証金分担金の納付(金額)(宅建業法[07]2(1))
年-問-肢内容正誤
1R02s-30-1本店と3つの支店を有する宅地建物取引業者が保証協会に加入しようとする場合、当該保証協会に、110万円の弁済業務保証金分担金を納付しなければならない。×
2H30-44-3保証協会の社員である宅地建物取引業者Aは、保証協会の社員の地位を失った場合において、保証協会に弁済業務保証金分担金として150万円の納付をしていたときは、全ての事務所で営業を継続するためには、1週間以内に主たる事務所の最寄りの供託所に営業保証金として1,500万円を供託しなければならない。×
3H27-42-3宅地建物取引業者Aは営業保証金を供託しており、宅地建物取引業者Bは保証協会の社員である。AとBが、それぞれ主たる事務所の他に3か所の従たる事務所を有している場合、Aは営業保証金として2,500万円の供託を、Bは弁済業務保証金分担金として150万円の納付をしなければならない。
4H24-33-3宅地建物取引業者が本店のほかに5つの支店を設置して宅地建物取引業を営もうとする場合、供託すべき営業保証金の合計額は210万円である。
×
5H09-35-1保証協会に加入している宅地建物取引業者(甲県知事免許)は、甲県内に新たに支店を2ヵ所設置した場合、その日から2週間以内に弁済業務保証金分担金120万円を保証協会に納付しなければならない。
×
6H08-44-1宅地建物取引業者(事務所数1)は、保証協会に加入するため弁済業務保証金分担金を納付する場合、国債証券、地方債証券その他一定の有価証券をもってこれに充てることができ、国債証券を充てるときは、その額面金額は60万円である。
×
7H08-44-2宅地建物取引業者Aが保証協会に加入した後、新たに支店を1ヵ所設置した場合、Aは、その日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金30万円を供託所に供託しなければならない。
×
8H06-46-2本店と3ヶ所の支店を有する宅地建物取引業者A(甲県知事免許、昨年12月1日営業開始)が、本年4月1日宅地建物取引業保証協会に加入し、弁済業務保証金分担金を納付したが、その後同年7月1日、Bから、同年3月1日のAとの不動産取引により債権が生じたとして、弁済業務保証金の還付請求があった。Aの納付した弁済業務保証金分担金は150万円であるが、Bが保証協会から弁済を受けることができる額は、最高2,500万円である。
9H02-50-1120万円の弁済業務保証金分担金を納付して保証協会の社員となった者が、新たに一事務所を設置したときは、その日から2週間以内に、60万円の弁済業務保証金分担金を当該保証協会に納付しなければならない。
×
10H01-45-1宅地建物取引業保証協会に加入しようとする宅地建物取引業者が同保証協会に納付すべき弁済業務保証金分担金の額は、主たる事務所につき60万円、その他の事務所につき事務所ごとに30万円の割合による金額の合計額である。

2 正しい

弁済業務保証金が還付された場合、保証協会は社員に対し、還付充当金保証協会に納付するように通知します(図の⑨。宅建業法64条の10第1項)。それに応じて、社員は、2週間以内に、保証協会に金銭で還付充当金を納付しなければなりません(同⑩。同条2項)。

弁済業務保証金の還付手続

■参照項目&類似過去問
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還付充当金(納付方法)(宅建業法[07]3(3))
年-問-肢内容正誤
1R02s-30-2保証協会の社員又は社員であった者が、当該保証協会から、弁済業務保証金の還付額に相当する還付充当金を当該保証協会に納付すべき旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。
2R02-36-3保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金をその主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。
×
3H28-31-3保証協会から還付充当金の納付の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
×
4H26-39-3保証協会は、還付充当金を保証協会に納付すべきことを通知しなければならない。
5H25-39-3保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金をその主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。
×
6H20-44-2保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。×
7H11-44-3保証協会は、弁済業務保証金の還付があった場合は、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、その還付額に相当する額の還付充当金を法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所に納付すべきことを通知しなければならない。
×
8H03-48-3弁済業務保証金の還付がなされた場合において、保証協会からその通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に当該還付額の60/1,000に相当する額の還付充当金を保証協会に納付しなければならない。×
9H01-45-3宅地建物取引業保証協会より還付充当金を納付すべき通知を受けた社員又は社員であった者は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。
還付充当金(納付期間)(宅建業法[07]3(3))
年-問-肢内容正誤
1R03-31-3
保証協会の社員である宅地建物取引業者は、当該宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者の有するその取引により生じた債権に関し弁済業務保証金の還付がなされたときは、その日から2週間以内に還付充当金を保証協会に納付しなければならない。
×
2R02s-30-2
保証協会の社員又は社員であった者が、当該保証協会から、弁済業務保証金の還付額に相当する還付充当金を当該保証協会に納付すべき旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。
3H29-39-エ
保証協会の社員である宅地建物取引業者Aの取引に関して弁済業務保証金の還付があったときは、Aは、保証協会から当該還付額に相当する額の還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた日から2週間以内に、還付充当金を保証協会に納付しなければならない。
4H28-31-3
保証協会から還付充当金の納付の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
×
5H22-43-3保証協会から還付充当金を納付すべきことの通知を受けた社員は、その通知を受けた日から1月以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。
×
6H18-44-3保証協会から還付充当金の納付の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。
7H17-45-4宅地建物取引業者Aが、保証協会から弁済業務保証金の還付に係る還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた日から2週間以内に、通知された額の還付充当金を保証協会に納付しない場合、保証協会は納付をすべき旨の催告をしなければならず、催告が到達した日から1月以内にAが納付しない場合は、Aは社員としての地位を失う。×
8H14-33-4Aは、宅地の売買契約の解除に伴い、売主である宅地建物取引業者B(国土交通大臣免許)に対して手付金の返還請求権を有し、媒介業者C(甲県知事免許)に対しては媒介報酬の返還請求権を有する。しかし、B、Cいずれも請求に応じない。Bは営業保証金を供託所に供託しており、Cは宅地建物取引業保証協会に加入していた。Aの権利実行により、還付がなされた場合は、Bは国土交通大臣から通知を受けてから、Cは甲県知事から通知を受けてから、それぞれ2週間以内に不足額を供託しなければならない。×
9H13-40-1保証協会の社員である宅地建物取引業者Aについて弁済業務保証金が還付された場合で、Aが、その還付された分に充当されるべき金額を、保証協会の通知を受けた日から2週間以内に保証協会に納付しないときは、保証協会の社員としての地位を失う。
10H12-45-2宅地建物取引業者は、保証協会から弁済業務保証金の還付に係る還付充当金を納付すべき旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から2週間以内に、通知された額の還付充当金を保証協会に納付しなければならない。
11H08-44-3保証協会の社員である宅地建物取引業者Aは、保証協会から還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた場合、その日から2週間以内に、当該還付充当金を納付しなければ社員の地位を失う。
12H06-46-4本店と3ヶ所の支店を有する宅地建物取引業者A(甲県知事免許、昨年12月1日営業開始)が、本年4月1日宅地建物取引業保証協会に加入し、弁済業務保証金分担金を納付したが、その後同年7月1日、Bから、同年3月1日のAとの不動産取引により債権が生じたとして、弁済業務保証金の還付請求があった。Aは、Bが還付を受け、当該還付額相当額の還付充当金を納付すべきことを保証協会から通知されたときは、2週間以内にこれを納付することを要し、その納付をしないときは、Aの免許は、効力を失う。
×
13H05-47-4甲保証協会が社員A(国土交通大臣免許)の取引に関し弁済業務保証金の還付を行った場合、Aは、甲保証協会の社員たる地位を失うとともに、その還付充当金の納付をしなければならない。
×
14H03-48-3弁済業務保証金の還付がなされた場合において、保証協会からその通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に当該還付額の60/1,000に相当する額の還付充当金を保証協会に納付しなければならない。
×
15H01-45-3宅地建物取引業保証協会より還付充当金を納付すべき通知を受けた社員又は社員であった者は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。

3 誤り

宅建業者が加入することができる協会は一つに限られます。一つの保証協会の社員になった場合、更に別の他の保証協会の社員となることはできません(宅建業法64条の4第1項)。

■参照項目&類似過去問
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社員の加入(宅建業法[07]1(3)①②)
年-問-肢内容正誤
1R02s-30-3
保証協会に加入している宅地建物取引業者は、保証を手厚くするため、更に別の保証協会に加入することができる。
×
2H28-31-1
保証協会に加入することは宅地建物取引業者の任意であり、一の保証協会の社員となった後に、宅地建物取引業に関し取引をした者の保護を目的として、重ねて他の保証協会の社員となることができる。
×
3H19-44-1保証協会に加入することは宅地建物取引業者の任意であるが、一の保証協会の社員となった後に、重ねて他の保証協会の社員となることはできない。
4H15-35-3一の宅地建物取引業保証協会の社員である宅地建物取引業者は、自らが取引の相手方に対し損害を与えたときに備え、相手方の損害を確実に補填できるよう、他の宅地建物取引業保証協会に加入した。
×
5H14-43-3一の保証協会の社員が、同時に他の保証協会の社員となっても差し支えない。
×
6H12-45-1宅地建物取引業者は、宅地建物取引業を行うに当たり保証協会へ加入することが義務付けられているが、一の保証協会の社員となった後に、重ねて他の保証協会の社員となることはできない。
×
7H05-47-1甲保証協会の社員(国土交通大臣免許)Aは、甲保証協会の社員となることによって営業保証金の供託義務を免除されるが、弁済業務保証金の還付可能額を増額するため、さらに乙保証協会の社員になることもできる。
×

4 誤り

弁済業務保証金から還付を受ける権利を有する者がその権利を実行しようとするときは、弁済を受けることができる額について保証協会の認証を受ける必要があります(肢2の図の②③。宅建業法64条の8第2項)。その後、供託所に対して保証協会が供託した弁済業務保証金からの還付を請求するわけです(図の④⑤)。
本肢は、免許権者である「甲県知事の認証」とする点が誤りです。

■参照項目&類似過去問
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弁済業務保証金の還付手続(宅建業法[07]3(2))
年-問-肢内容正誤
1R05-44-3保証協会は、宅地建物取引業者の相手方から、社員である宅地建物取引業者の取り扱った宅地建物取引業に係る取引に関する損害の還付請求を受けたときは、直ちに弁済業務保証金から返還しなければならない。×
2R04-39-1保証協会は、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する者から認証申出書の提出があり、認証に係る事務を処理する場合には、各月ごとに、認証申出書に記載された取引が成立した時期の順序に従ってしなければならない。×
3R02s-30-4保証協会の社員(甲県知事免許)と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行しようとするときは、弁済を受けることができる額について甲県知事の認証を受ける必要がある。×
4R02-36-2保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、当該保証協会の認証を受けるとともに、当該保証協会に対し還付請求をしなければならない。×
5H24-43-4保証協会の社員との宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、弁済を受ける権利を実行しようとする場合、弁済を受けることができる額について保証協会の認証を受けなければならない。
6H22-43-2保証協会の社員である宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、当該保証協会の認証を受けるとともに、当該保証協会に対し、還付請求をしなければならない。
×
7H15-42-2保証協会に加入している宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、保証協会の認証を受けるとともに、必ず保証協会に対し還付請求をしなければならない。×
8H14-33-1Aは、宅地の売買契約の解除に伴い、売主である宅地建物取引業者B(国土交通大臣免許)に対して手付金の返還請求権を有し、媒介業者C(甲県知事免許)に対しては媒介報酬の返還請求権を有する。しかし、B、Cいずれも請求に応じない。Bは営業保証金を供託所に供託しており、Cは宅地建物取引業保証協会に加入していた。Aは、その権利を実行するため、Bに関しては営業保証金の還付を、Cに関しては弁済業務保証金の還付を、同時に供託所に申し立てることができる。
9H14-33-3Aは、宅地の売買契約の解除に伴い、売主である宅地建物取引業者B(国土交通大臣免許)に対して手付金の返還請求権を有し、媒介業者C(甲県知事免許)に対しては媒介報酬の返還請求権を有する。しかし、B、Cいずれも請求に応じない。Bは営業保証金を供託所に供託しており、Cは宅地建物取引業保証協会に加入していた。Aは、弁済業務保証金についてCに関する権利を実行する場合は、宅地建物取引業保証協会の認証を受けなければならない。
10H11-44-2弁済業務保証金の還付を受けようとする者は、保証協会の認証を受けなければならず、認証申出書の提出に当たっては、弁済を受ける権利を有することを証する確定判決の正本を必ず添付しなければならない。×
11H10-38-2保証協会の社員と取引した者が複数ある場合で、これらの者からそれぞれ保証協会に対し認証の申出があったとき、保証協会は、これらの者の有する債権の発生の時期の順序に従って認証に係る事務を処理しなければならない。×
12H09-35-4保証協会の供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する者が、その還付請求をしようとする場合は、当該保証協会の認証を受けた後、法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所に請求しなければならない。
13
H06-46-3本店と3ヶ所の支店を有する宅地建物取引業者A(甲県知事免許、昨年12月1日営業開始)が、本年4月1日宅地建物取引業保証協会に加入し、弁済業務保証金分担金を納付したが、その後同年7月1日、Bから、同年3月1日のAとの不動産取引により債権が生じたとして、弁済業務保証金の還付請求があった。Bが還付を受けるには、その額について、甲県知事の認証を受けなければならない。
×

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