【宅建過去問】(令和02年12月問50)建物に関する知識

建築物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 基礎は、硬質の支持地盤に設置するとともに、上部構造とも堅固に緊結する必要がある。
  2. 木造建物を耐震、耐風的な構造にするためには、できるだけ建物の形態を単純にすることが適切である。
  3. 鉄骨造は、不燃構造であり、靭性が大きいことから、鋼材の防錆処理を行う必要はない。
  4. 近年、コンクリートと鉄筋の強度が向上しており、鉄筋コンクリート造の超高層共同住宅建物もみられる。

正解:3

1 適当

建物は、基礎構造(基礎)と上部構造から構成され、基礎が上部構造を支えています。基礎と上部構造は、地震などを受けても離れないよう、固く結びつけておく必要があります。

また、基礎は、建物と地盤を結びつける役割も果たしています。この役割を果たすためには、基礎が硬質の支持地盤に設置しなければなりません。

■参照項目&類似過去問
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建築物の基礎(免除科目[04]6)
年-問-肢内容正誤
(1).建築物の構造
1R02s-50-1基礎は、硬質の支持地盤に設置するとともに、上部構造とも堅固に緊結する必要がある。
2R02-50-1建物の構成は、大きく基礎構造と上部構造からなっており、基礎構造は地業と基礎盤から構成されている。
3R02-50-4上部構造は、重力、風力、地震力等の荷重に耐える役目を負う主要構造と、屋根、壁、床等の仕上げ部分等から構成されている。
4H27-50-4建物は、上部構造と基礎構造からなり、基礎構造は上部構造を支持する役目を負うものである。
(2).直接基礎・杭基礎
1R02-50-2基礎の種類には、基礎の底面が建物を支持する地盤に直接接する直接基礎と、建物を支持する地盤が深い場合に使用する杭基礎(杭地業)がある。
2H27-50-2基礎の種類には、直接基礎、杭基礎等がある。
3H11-50-4杭基礎は、建築物自体の重量が大きく、浅い地盤の地耐力では建築物が支えられない場合に用いられる。
(3).直接基礎
1R02-50-3直接基礎の種類には、形状により、柱の下に設ける独立基礎、壁体等の下に設けるべた基礎、建物の底部全体に設ける布基礎(連続基礎)等がある。×
2H10-48-4木造建築物を鉄筋コンクリート造の布基礎とすれば、耐震性を向上させることができる。
(4).杭基礎
1H27-50-3杭基礎には、木杭、既製コンクリート杭、鋼杭等がある。
2H19-50-1防火地域内に建築する仮設建築物の基礎に木ぐいを用いる場合、その木ぐいは、平家建ての木造の建築物に使用する場合を除き、常水面下にあるようにしなければならない。
(5).異なる基礎の併用
1H20-50-3建築物に異なる構造方法による基礎を併用した場合は、構造計算によって構造耐力上安全であることを確かめなければならない。
2H07-21-2建築物には、常に異なる構造方法による基礎を併用してはならない。×
その他
1H18-49-32階建ての木造建築物の土台は、例外なく、基礎に緊結しなければならない×
2H16-50-3建物の基礎の支持力は、粘土地盤よりも砂礫地盤の方が発揮されやすい。

2 適当

建物の形態を複雑にした場合、地震や風の影響が建物の特定部分に集中するリスクが生じます。この点から考えると、形態が単純なほうが適切です。

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木造建築物(免除科目[04]2)
年-問-肢内容正誤
1R02s-50-2木造建物を耐震、耐風的な構造にするためには、できるだけ建物の形態を単純にすることが適切である。
2H18-49-1木造建築物において、木造の外壁のうち、鉄網モルタル塗その他軸組が腐りやすい構造である部分の下地には、防水紙その他これに類するものを使用しなければならない。
3H18-49-32階建ての木造建築物の土台は、例外なく、基礎に緊結しなければならない。×
4H18-49-4木造建築物において、はり、けたその他の横架材の中央部附近の下側に耐力上支障のある欠込みをする場合は、その部分を補強しなければならない。×
5H14-50-1木造の建築物に、鉄筋の筋かいを使用してはならない。×
6H12-50-3木造建築物の継手及び仕口は、外部に露出しているため意匠の面を最も重視しなければならない。×
7H12-50-4木造建築物の柱は、張り間方向及びけた行方向それぞれについて小径を独立に算出したうえで、どちらか大きな方の値の正方形としなければならない。×
8H10-48-2木造建築物の設計においては、クリープ(一定過重のもとで時間の経過とともに歪みが増大する現象)を考慮する必要がある。
9H10-48-4木造建築物を鉄筋コンクリート造の布基礎とすれば、耐震性を向上させることができる。
10H09-49-1木造2階建の建築物で、隅柱を通し柱としない場合、柱とけた等との接合部を金物で補強することにより、通し柱と同等以上の耐力をもつようにすることができる。
11H09-49-2平面形状が長方形の木造建築物の壁は、多くの場合張り間方向とけた行方向とで風圧力を受ける面積が異なるので、それぞれ所定の計算方式により算出して耐力壁の長さを決める必要がある。
12H08-22-2木造建築物の構造設計用の荷重として、地震力より風圧力の方が大きく設定される場合がある。
13H08-22-3木造建築物の耐震性を向上させるには、軸組に筋かいを入れるほか、合板を打ち付ける方法がある。
14H08-22-4木造建築物において、地震力の大きさは、見付面積の大きさより屋根の重さに大きく影響を受ける。
15H02-01-4
延べ面積5,000㎡の建築物は、主要構造部のうち床を木造としてよい。

3 最も不適当

鉄骨造には、不燃構造であり、靭性が大きいという特徴があります。

鉄骨造の特徴

しかし、このことと防錆処理の間には、関係がありません。鉄は錆やすい素材ですから、防錆処理を行う必要があります。

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鉄骨造(免除科目[04]3)
年-問-肢内容正誤
1R03-50-1鉄骨構造は、主要構造の構造形式にトラス、ラーメン、アーチ等が用いられ、高層建築の骨組に適している。
2R03-50-2鉄骨構造の床は既製気泡コンクリート板、プレキャストコンクリート板等でつくられる。
3R03-50-3鉄骨構造は、耐火被覆や鋼材の加工性の問題があり、現在は住宅、店舗等の建物には用いられていない。×
4R03-50-4鉄骨構造は、工場、体育館、倉庫等の単層で大空間の建物に利用されている。
5R02s-50-3鉄骨造は、不燃構造であり、靭性が大きいことから、鋼材の防錆処理を行う必要はない。×
6H30-50-3鉄骨構造は、不燃構造であり、耐火材料による耐火被覆がなくても耐火構造にすることができる。×
7H28-50-1鉄骨造は、自重が大きく、靱性が小さいことから、大空間の建築や高層建築にはあまり使用されない。×
8H24-50-4鉄骨構造は、不燃構造であるが、火熱に遭うと耐力が減少するので、耐火構造にするためには、耐火材料で被覆する必要がある。
9H21-50-1鉄骨構造の特徴は、自重が重く、耐火被覆しなくても耐火構造にすることができる。×
10H14-50-4鉄骨造では、必ず溶接によって接合しなければならない。×
11H09-49-3鉄骨造は、自重が重く、靭性(粘り強さ)が大きいことから大空間を有する建築や高層建築の骨組に適しており、かつ、火熱による耐力の低下が比較的小さいので、鋼材を不燃材料等で被覆しなくても耐火構造とすることができる。×

4 適当

従来、超高層共同住宅建物には、鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造が使われてきました。
しかし、住宅である以上、防音性などの点から鉄筋コンクリート造が望ましいことはいうまでもありません。研究・開発が進められ、コンクリートや鉄筋の強度が向上しました。現在では、超高層共同住宅を鉄筋コンクリート造で建築することも可能になっています。

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鉄筋コンクリート造の特徴(免除科目[04]4(2))
年-問-肢内容正誤
1R05-50-1鉄筋コンクリート構造は、地震や風の力を受けても、躯体の変形は比較的小さく、耐火性にも富んでいる。
2R05-50-2鉄筋コンクリート構造は、躯体の断面が大きく、材料の質量が大きいので、建物の自重が大きくなる。
3R05-50-4鉄筋コンクリート構造は、コンクリートが固まって所定の強度が得られるまでに日数がかかり、現場での施工も多いので、工事期間が長くなる。
4R02s-50-4近年、コンクリートと鉄筋の強度が向上しており、鉄筋コンクリート造の超高層共同住宅建物もみられる。
5H30-50-4鉄筋コンクリート構造は、耐久性を高めるためには、中性化の防止やコンクリートのひび割れ防止の注意が必要である。
6H29-50-4鉄筋コンクリート構造は、耐火性、耐久性があり、耐震性、耐風性にも優れた構造である。
7H28-50-2鉄筋コンクリート造においては、骨組の形式はラーメン式の構造が一般に用いられる。
8H26-50-1鉄筋コンクリート構造におけるコンクリートのひび割れは、鉄筋の腐食に関係する。
9H24-50-1鉄筋コンクリート構造の中性化は、構造体の耐久性や寿命に影響しない。×
10H21-50-2鉄筋コンクリート構造は、耐火、耐久性が大きく骨組形態を自由にできる。
11H16-49-2鉄筋コンクリート造の建築物においては、構造耐力上主要な部分に係る型わく及び支柱は、コンクリートが自重及び工事の施工中の荷重によって著しい変形又はひび割れその他の損傷を受けない強度になるまでは、取り外してはならない。

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