【宅建過去問】(令和07年問50)建物に関する知識

建物の構造と材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 鋼材の素材の鋼は、鉄や炭素などの成分を含んでおり、炭素量が多いものほど軟質で強度が小さい。
  2. 鋼材は、熱に弱く、さびやすいので、耐火や防錆の処理を施す必要がある。
  3. 鋼材は、強度が高く、粘りがあり、比較的小さな断面部材で荷重に耐えることができる。
  4. 鋼材の素材の鋼の密度は、木材やコンクリートに比べて大きい。

正解:1

1 最も不適当

とは、炭素含有量が2%以下の鉄をいいます。
炭素含有量によって、鋼の性質は変わっていきます。炭素含有量が多くなればなるほど、鋼は硬く、引張強度が強くなるのです。しかし、硬くなればなるほど、伸びや靭性(粘り強さ)が失われます。そして、加工がしにくくなります。
この選択肢は、「炭素量が多いものほど軟質で強度が小さい」の部分が事実と正反対です。

 炭素含有量硬さ
引張強度
伸び
靭性
用途
~約2%鉄筋・鉄骨
鋳鉄約2~7%マンホール
鉄の性質(炭素含有量)(免除科目[04]4(5)

※出題は「鋼」に関するものですが、それにとどまるものではありません。鋼より炭素含有量が高く、その数値が約2~7%の鉄を鋳鉄といいます。鋳鉄は硬いのですが、反面もろく、また加工の方法が限定されるため、鉄筋や鉄骨の材料にはなりません。

■参照項目&類似過去問
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鉄の性質(免除科目[04]4(5))
年-問-肢内容正誤
1R07-50-1鋼材の素材の鋼は、鉄や炭素などの成分を含んでおり、炭素量が多いものほど軟質で強度が小さい。×
2R07-50-4鋼材の素材の鋼の密度は、木材やコンクリートに比べて大きい。
3H29-50-2鉄筋は、炭素含有量が多いほど、引張強度が増大する傾向がある。
4H15-50-4鉄は、炭素含有量が多いほど、引張強さ及び硬さが増大し、伸びが減少するため、鉄骨造には、一般に炭素含有量が少ない鋼が用いられる。
5H12-50-2鋳鉄は、曲げ、引張り等の強度が低いため、建築物の材料としては一切使用してはならない。×

2 適当

■鋼材(鉄)の耐火性

鋼材の用途の一つとして鉄骨があります。鉄骨の耐火性については、鉄骨造の特徴として勉強しました。

長所短所
自重が軽い
靭性(粘り強さ)が大きい
大空間建築や高層建築に適する
耐火性が低い
(耐火構造にするためには、
耐火材料による被覆が必要)
鉄骨造の特徴(免除科目[04]3(2)
■鋼材(鉄)の性質

鉄は錆やすい素材です。したがって、防錆処理を行う必要があります。
この処理が不十分だと、例えば、鉄筋コンクリート造の場合、鉄筋の腐食により、コンクリートがひび割れ、そのひびから侵入した二酸化炭素や水が鉄筋の腐食を進行させ⋯という劣化のスパイラルが進行してしまいます。

鉄筋コンクリートの劣化(免除科目[04]4(4)③
■参照項目&類似過去問
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鉄骨造(免除科目[04]3)
年-問-肢内容正誤
1R03-50-1鉄骨構造は、主要構造の構造形式にトラス、ラーメン、アーチ等が用いられ、高層建築の骨組に適している。
2R03-50-2鉄骨構造の床は既製気泡コンクリート板、プレキャストコンクリート板等でつくられる。
3R03-50-3鉄骨構造は、耐火被覆や鋼材の加工性の問題があり、現在は住宅、店舗等の建物には用いられていない。×
4R03-50-4鉄骨構造は、工場、体育館、倉庫等の単層で大空間の建物に利用されている。
5R02s-50-3鉄骨造は、不燃構造であり、靭性が大きいことから、鋼材の防錆処理を行う必要はない。×
6H30-50-3鉄骨構造は、不燃構造であり、耐火材料による耐火被覆がなくても耐火構造にすることができる。×
7H28-50-1鉄骨造は、自重が大きく、靱性が小さいことから、大空間の建築や高層建築にはあまり使用されない。×
8H24-50-4鉄骨構造は、不燃構造であるが、火熱に遭うと耐力が減少するので、耐火構造にするためには、耐火材料で被覆する必要がある。
9H21-50-1鉄骨構造の特徴は、自重が重く、耐火被覆しなくても耐火構造にすることができる。×
10H14-50-4鉄骨造では、必ず溶接によって接合しなければならない。×
11H09-49-3鉄骨造は、自重が重く、靭性(粘り強さ)が大きいことから大空間を有する建築や高層建築の骨組に適しており、かつ、火熱による耐力の低下が比較的小さいので、鋼材を不燃材料等で被覆しなくても耐火構造とすることができる。×

鉄筋コンクリート造の特徴(免除科目[04]4(2))
年-問-肢内容正誤
1R07-50-2鋼材は、熱に弱く、さびやすいので、耐火や防錆の処理を施す必要がある。
2R05-50-1鉄筋コンクリート構造は、地震や風の力を受けても、躯体の変形は比較的小さく、耐火性にも富んでいる。
3R05-50-2鉄筋コンクリート構造は、躯体の断面が大きく、材料の質量が大きいので、建物の自重が大きくなる。
4R05-50-4鉄筋コンクリート構造は、コンクリートが固まって所定の強度が得られるまでに日数がかかり、現場での施工も多いので、工事期間が長くなる。
5R02s-50-4近年、コンクリートと鉄筋の強度が向上しており、鉄筋コンクリート造の超高層共同住宅建物もみられる。
6H30-50-4鉄筋コンクリート構造は、耐久性を高めるためには、中性化の防止やコンクリートのひび割れ防止の注意が必要である。
7H29-50-4鉄筋コンクリート構造は、耐火性、耐久性があり、耐震性、耐風性にも優れた構造である。
8H28-50-2鉄筋コンクリート造においては、骨組の形式はラーメン式の構造が一般に用いられる。
9H26-50-1鉄筋コンクリート構造におけるコンクリートのひび割れは、鉄筋の腐食に関係する。
10H24-50-1鉄筋コンクリート構造の中性化は、構造体の耐久性や寿命に影響しない。×
11H21-50-2鉄筋コンクリート構造は、耐火、耐久性が大きく骨組形態を自由にできる。
12H16-49-2鉄筋コンクリート造の建築物においては、構造耐力上主要な部分に係る型わく及び支柱は、コンクリートが自重及び工事の施工中の荷重によって著しい変形又はひび割れその他の損傷を受けない強度になるまでは、取り外してはならない。

3 適当

(肢2の表参照。)
鋼材は、強度が高く、粘り強さ(靭性)が大きい素材です。そのため、小断面の部材でも、大きな荷重に耐えることができます。

鉄骨造(免除科目[04]3(1)
■参照項目&類似過去問
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鉄骨造(免除科目[04]3)
年-問-肢内容正誤
1R03-50-1鉄骨構造は、主要構造の構造形式にトラス、ラーメン、アーチ等が用いられ、高層建築の骨組に適している。
2R03-50-2鉄骨構造の床は既製気泡コンクリート板、プレキャストコンクリート板等でつくられる。
3R03-50-3鉄骨構造は、耐火被覆や鋼材の加工性の問題があり、現在は住宅、店舗等の建物には用いられていない。×
4R03-50-4鉄骨構造は、工場、体育館、倉庫等の単層で大空間の建物に利用されている。
5R02s-50-3鉄骨造は、不燃構造であり、靭性が大きいことから、鋼材の防錆処理を行う必要はない。×
6H30-50-3鉄骨構造は、不燃構造であり、耐火材料による耐火被覆がなくても耐火構造にすることができる。×
7H28-50-1鉄骨造は、自重が大きく、靱性が小さいことから、大空間の建築や高層建築にはあまり使用されない。×
8H24-50-4鉄骨構造は、不燃構造であるが、火熱に遭うと耐力が減少するので、耐火構造にするためには、耐火材料で被覆する必要がある。
9H21-50-1鉄骨構造の特徴は、自重が重く、耐火被覆しなくても耐火構造にすることができる。×
10H14-50-4鉄骨造では、必ず溶接によって接合しなければならない。×
11H09-49-3鉄骨造は、自重が重く、靭性(粘り強さ)が大きいことから大空間を有する建築や高層建築の骨組に適しており、かつ、火熱による耐力の低下が比較的小さいので、鋼材を不燃材料等で被覆しなくても耐火構造とすることができる。×

4 適当

密度とは、単位体積当たりの質量をいいます。
体積1cm3当たりのグラム数を測ってみましょう(数字を覚える必要はナシ)。

約7.85g/cm³
コンクリート約2.3g/cm³
木材約0.3~1.0g/cm³

密度が大きい順から並べると、鋼→コンクリート→木材となります。これは日常感覚にも一致しているのではないでしょうか。

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鉄の性質(免除科目[04]4(5))
年-問-肢内容正誤
1R07-50-1鋼材の素材の鋼は、鉄や炭素などの成分を含んでおり、炭素量が多いものほど軟質で強度が小さい。×
2R07-50-4鋼材の素材の鋼の密度は、木材やコンクリートに比べて大きい。
3H29-50-2鉄筋は、炭素含有量が多いほど、引張強度が増大する傾向がある。
4H15-50-4鉄は、炭素含有量が多いほど、引張強さ及び硬さが増大し、伸びが減少するため、鉄骨造には、一般に炭素含有量が少ない鋼が用いられる。
5H12-50-2鋳鉄は、曲げ、引張り等の強度が低いため、建築物の材料としては一切使用してはならない。×


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