特例容積率適用地区

新聞記事から

1月7日の新聞に、神宮球場・秩父宮ラグビー場の建替資金調達のために空中権売却案という記事が掲載されていました。

■資金調達に「空中権」が浮上 秩父宮、神宮球場の建て替えで(中日スポーツ)

■神宮球場などの建て替え資金調達に「空中権」売却案(日刊スポーツ)

宅建の知識でいうと

「空中権」という言葉は都市計画法や建築基準法に出てきませんが、「容積率の移転」という風に考えれば、思い出す地域地区があるのではないでしょうか。
そうです、
特例容積率適用地区です。

講義編では

以上について、当社の教材をお使いのかたは、都市計画法[02]「土地利用の規制」の3(3)「特例容積率適用地区」で確認してください。

特例容積率適用地区とは

まずは、特例容積率適用地区の定義を見てみましょう。都市計画法9条16項です。

特例容積率適用地区は、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域又は工業地域内の適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域において、建築基準法第50条第1項から第9項までの規定による建築物の容積率の限度からみて未利用となつている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るため定める地区とする。

ポイントは、「第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域又は工業地域内」というところと「建築物の容積率の限度からみて未利用となっている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るため定める地区」の部分です。
図で描くと、こういうイメージです。この図で見ると、「空中権」という言葉がよく分かりますね。空中部分の余った容積率に関する権利を「空中権」と呼んでいるわけです。

設定できる用途地域についても、表でまとめておきましょう(クリックで拡大)。

過去の出題は

平成12年の法改正で新設された制度なのですが、残念ながら(?)これまでに出題の例はありません。
複雑な問題を作るようなところでもないので、「どういう地区か?」「設定できる(できない)用途地域はどこか?」を押さえておけば足りるでしょう。

代表例は

特例容積率適用地区の制度を使った代表例は、東京駅の復元工事です。
これは戦災によって破壊され二階建として使っていた東京駅を創業当時の三階建に復元するという大工事でした(2012年10月完成)。

[復元工事前]二階建だった頃

[復元工事後]三階建になったが空中にはまだ容積率の余裕がある。

このエリアについて都市計画で指定された容積率は1,300%です(建築基準法上の上限値!)。
東京駅は三階建にするわけですから、少なくとも1,000%の容積率が余っています。
この余剰分(空中権)を近隣の他のビルで使えるようにしたわけです。
空中権の売却により500億円の工事費用をまかなうことができたといいます。
これを実現したのが「大手町・丸の内・有楽町地区特例容積率適用地区」という制度です。

 

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特例容積率適用地区” に対して2件のコメントがあります。

  1. ミッキー より:

    34点でした。可能性0ですかー

    1. 家坂 圭一 より:

      平成30年の本試験での得点ですよね。
      (この記事との関連がよく分かりませんが。。。)

      平成30年の合格基準点は、36 or 37だと思います。
      あくまで予想です。
      「可能性0」と断言することは、誰にもできません。

      ギブアップするようであれば、一日も早く来年に向けた勉強をスタートしましょう。

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