【宅建過去問】(平成02年問02)債務不履行

債務不履行による損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. 金銭債務の不履行については、債権者は、損害の証明をすることなく、損害賠償の請求をすることができる。
  2. 損害賠償額の予定は、契約と同時にしなければならない。
  3. 損害賠償額の予定は、金銭以外のものをもってすることができる。
  4. 損害賠償額の予定をした場合、債権者は、実際の損害額が予定額より大きいことを証明しても予定額を超えて請求することはできない。

正解:2

1 正しい

金銭債務の不履行に対する損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない(民法419条3項)。

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金銭債務の特則(民法[15]5)
 年-問-肢内容正誤
124-08-2貸主Aと借主Bとの間の利息付金銭消費貸借契約において、利率に関する定めがない場合、Bが債務不履行に陥ったことによりAがBに対して請求することができる遅延損害金は、年3パーセントの利率により算出する。
224-08-4当てにしていた入金がなかったため、借金が返済できなかった場合、債務不履行にはならない。×
302-02-1金銭債務の不履行については、債権者は、損害の証明をすることなく、損害賠償を請求できる。

2 誤り

損害賠償額の予定をする時期は、特に制限されていない。したがって、「契約と同時」にする必要はない。

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損害賠償額の予定(民法[15]3(2))
 年-問-肢内容正誤
126-01-2当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる旨は、民法の条文に規定されている。
216-04-3手付金相当額を損害賠償の予定と定めた場合、損害がその額を超えていても、その額以上に損害賠償請求することはできない。
314-07-1賠償額の予定条項があっても、債務者が履行遅滞について帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。
414-07-3裁判所は、賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗違反となる場合に限り、賠償額の減額をすることができる。×
514-07-4賠償額の予定条項がある場合、債権者は履行遅滞があったことを主張・立証すれば足り、損害の発生や損害額を主張・立証する必要はない。
606-06-4実際の損害額が違約金より少なければ、違約金の減額を求めることができる。×
704-07-4賠償額の予定がない場合、売主から解除する場合の損害賠償額は手付の倍額とされる。×
802-02-2賠償額の予定は、契約と同時にしなければならない。×
902-02-3賠償額の予定は、金銭以外のものですることができる。
1002-02-4賠償額を予定した場合、実際の損害額が予定額より大きいことを証明しても予定額を超えて請求することはできない。

3 正しい

金銭でないものを損害賠償に充てることも可能である(民法421条)。この場合でも、同法420条の規定が準用される。

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損害賠償額の予定(民法[15]3(2))
 年-問-肢内容正誤
126-01-2当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる旨は、民法の条文に規定されている。
216-04-3手付金相当額を損害賠償の予定と定めた場合、損害がその額を超えていても、その額以上に損害賠償請求することはできない。
314-07-1賠償額の予定条項があっても、債務者が履行遅滞について帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。
414-07-3裁判所は、賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗違反となる場合に限り、賠償額の減額をすることができる。×
514-07-4賠償額の予定条項がある場合、債権者は履行遅滞があったことを主張・立証すれば足り、損害の発生や損害額を主張・立証する必要はない。
606-06-4実際の損害額が違約金より少なければ、違約金の減額を求めることができる。×
704-07-4賠償額の予定がない場合、売主から解除する場合の損害賠償額は手付の倍額とされる。×
802-02-2賠償額の予定は、契約と同時にしなければならない。×
902-02-3賠償額の予定は、金銭以外のものですることができる。
1002-02-4賠償額を予定した場合、実際の損害額が予定額より大きいことを証明しても予定額を超えて請求することはできない。

4 正しい

損害賠償額の予定をした場合、債権者は債務不履行があったことを主張・立証すれば足りる。 この場合、損害の有無・多少を問わず、予定の賠償額を受領することができる(大判大11.07.26)。
実際の損害額が予定額より大きいことを証明したとしても、予定額を超えて請求することはできない。

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損害賠償額の予定(民法[15]3(2))
 年-問-肢内容正誤
126-01-2当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる旨は、民法の条文に規定されている。
216-04-3手付金相当額を損害賠償の予定と定めた場合、損害がその額を超えていても、その額以上に損害賠償請求することはできない。
314-07-1賠償額の予定条項があっても、債務者が履行遅滞について帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。
414-07-3裁判所は、賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗違反となる場合に限り、賠償額の減額をすることができる。×
514-07-4賠償額の予定条項がある場合、債権者は履行遅滞があったことを主張・立証すれば足り、損害の発生や損害額を主張・立証する必要はない。
606-06-4実際の損害額が違約金より少なければ、違約金の減額を求めることができる。×
704-07-4賠償額の予定がない場合、売主から解除する場合の損害賠償額は手付の倍額とされる。×
802-02-2賠償額の予定は、契約と同時にしなければならない。×
902-02-3賠償額の予定は、金銭以外のものですることができる。
1002-02-4賠償額を予定した場合、実際の損害額が予定額より大きいことを証明しても予定額を超えて請求することはできない。

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【宅建過去問】(平成02年問02)債務不履行” に対して3件のコメントがあります。

  1. ロヒモト より:

    いつもお世話になっております。
    肢4ですが、民法改正によって、正解が「誤り」になりませんでしょうか?420条の箇所です。

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    1. 家坂 圭一 より:

      ロヒモト様

      いつもご質問ありがとうございます。

      肢4ですが、民法改正によって、正解が「誤り」になりませんでしょうか?


      肢4は、現行法の下でも「正しい」選択肢です。
      出題時と正誤は変わりません。

      今回の改正では、民法420条1項後段の規定が削除されました。
      具体的には、
      「この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。」
      とする条文です。
      この改正は、公序良俗違反を理由とする損害賠償額の増減が認められていた裁判実務に合わせるためのものです。

      しかし、この改正があったからといって、損害賠償額の予定ができなくなるわけではありません。
      また、損害賠償額を予定した場合に、当事者がそれに拘束されるのは当然の話です。
      実際の損害額が予定額より大きいことを証明したとしても、予定額を超えて請求することはできないのが大原則です。

      「公序良俗違反による増減を認める。」
      という例外的な扱いを基礎に、
      「損害賠償額を予定することができない。」
      と解釈し、大原則を変更することはできません。

      0
      1. ロヒモト より:

        家坂先生

        ありがとうございます。
        大変参考になりました。
        公序良俗違反の観点から見るとたしかに当然の内容かもしれないと見直しております。
        引き続き宜しくご指導のほど宜しくお願いいたします!

        0

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