【宅建過去問】(令和01年問06)遺産分割
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- 被相続人は、遺言によって遺産分割を禁止することはできず、共同相続人は、遺産分割協議によって遺産の全部又は一部の分割をすることができる。
- 共同相続人は、既に成立している遺産分割協議につき、その全部又は一部を全員の合意により解除した上、改めて遺産分割協議を成立させることができる。
- 遺産に属する預貯金債権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割され、共同相続人は、その持分に応じて、単独で預貯金債権に関する権利を行使することができる。
- 遺産の分割は、共同相続人の遺産分割協議が成立した時から効力を生ずるが、第三者の権利を害することはできない。
正解:2
遺産分割とは
共同相続人間で、相続分に応じて、具体的な財産を分配することを遺産分割といいます。例えば、ある土地を共同相続人間で共有するのか、それとも特定の相続人の単独所有にするのか、などが遺産分割によって決まります。
遺産分割の方法には、以下の3つがあります(数字は、優先順位です)。
1 誤り
指定分割に関する選択肢です。
被相続人は、遺言により、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁止することができます(民法908条)。この場合、その期間を経過するまで、共同相続人は、遺産の分割をすることができません。
■参照項目&類似過去問
内容を見る
遺産分割(民法[31]5)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
(1)①共同相続の効力 | |||
1 | R05-01-2 | 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属し、各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。 | ◯ |
2 | H11-03-1 | 相続開始時に相続人が数人あるとき、遺産としての不動産は、相続人全員の共有に属する。 | ◯ |
3 | H07-11-3 | 共同相続人の一人は、他の共同相続人の同意を得なければ、自己の相続分を譲渡できない。 | × |
(1)②遺産分割の対象 | |||
1 | R05-01-1 | 遺産である不動産から、相続開始から遺産分割までの間に生じた賃料債権は、遺産である不動産が遺産分割によって複数の相続人のうちの一人に帰属することとなった場合、当該不動産が帰属することになった相続人が相続開始時にさかのぼって取得する。 | × |
2 | R05-01-4 | 遺産である不動産が遺産分割によって複数の相続人のうちの一人に帰属することとなった場合、当該不動産から遺産分割後に生じた賃料債権は、遺産分割によって当該不動産が帰属した相続人が取得する。 | ◯ |
3 | R01-06-3 | 遺産に属する預貯金債権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割され、共同相続人は、その持分に応じて、単独で預貯金債権に関する権利を行使することができる。 | × |
4 | H29-06-3 | (Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった。)遺産分割協議が成立するまでの間に遺産である不動産から賃料債権が生じていて、BとCがその相続分に応じて当該賃料債権を分割単独債権として確定的に取得している場合、遺産分割協議で当該不動産をBが取得することになっても、Cが既に取得した賃料債権につき清算する必要はない。 | ◯ |
5 | H15-12-3 | 相続財産である金銭債権(預金返還請求権ではない。)は、遺産分割協議が成立するまでは、相続人の共有に属し、相続人全員の同意がなければ、その債務者に弁済請求できない。 | × |
6 | H15-12-4 | 共同相続人の一人が相続開始時に金銭を相続財産として保管している場合、他の相続人は、遺産分割協議の成立前でも、自己の相続分に相当する金銭を支払うよう請求できる。 | × |
(2)①指定分割 | |||
1 | R01-06-1 | 被相続人は、遺言によって遺産分割を禁止することはできず、共同相続人は、遺産分割協議によって遺産の全部又は一部の分割をすることができる。 | × |
2 | H11-03-2 | 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定めることができ、また相続開始の時から5年を超えない期間内で遺産の分割を禁ずることもできる。 | ◯ |
3 | H18-12-3 | 被相続人Aが、相続人BCのうちのBに特定遺産を相続させる旨の遺言をして死亡し、特定遺産以外の相続財産についての遺産分割協議の成立前にBがCの同意なく特定遺産を第三者に売却した場合、CはBD間の売買契約を無権代理行為に準じて取り消すことができる。 | × |
(2)②協議分割 | |||
1 | R01-06-2 | 共同相続人は、既に成立している遺産分割協議につき、その全部又は一部を全員の合意により解除した上、改めて遺産分割協議を成立させることができる。 | ◯ |
2 | H29-06-2 | (Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった。)Aの死亡後、いずれもAの子であるBとCとの間の遺産分割協議が成立しないうちにBが死亡したときは、Bに配偶者Dと子Eがいる場合であっても、Aの遺産分割についてはEが代襲相続人として分割協議を行う。 | × |
3 | H18-12-4 | B及びCの協議により甲土地をBが取得する旨の遺産分割協議を有効に成立させた場合、後にB及びCの合意があっても、甲土地をCが取得する旨の遺産分割協議を成立させることはできない。 | × |
4 | H07-11-4 | 遺産分割協議の結論は、相続人の多数決によって決する。 | × |
(2)③家庭裁判所による分割 | |||
1 | H11-03-3 | 遺産の分割について共同相続人間に協議が調わないとき、各共同相続人は、その分割を、相続開始地の地方裁判所に請求することができる。 | × |
(3)効果 | |||
1 | R05-01-3 | 遺産分割の効力は、相続開始の時にさかのぼって生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。 | ◯ |
2 | R01-06-4 | 遺産の分割は、共同相続人の遺産分割協議が成立した時から効力を生ずるが、第三者の権利を害することはできない。 | × |
3 | H11-03-4 | 遺産分割の効力は、第三者の権利を害しない範囲で、相続開始の時にさかのぼって生ずる。 | ◯ |
(4)債務の相続 | |||
1 | H23-10-3 | 共同相続人のうち、被相続人の唯一の資産を相続するものは、被相続人の債務のすべてを相続する。 | × |
2 | H19-12-3 | 相続人が単純承認した場合、被相続人の債務も、相続人が相続分に応じて承継する。 | ◯ |
2 正しい
協議分割に関する選択肢です。
いったん遺産分割協議が成立した後でも、共同相続人全員の同意により、それを解除することができます。その後に改めて遺産分割協議を成立させることも可能です(最判平02.09.27)。
■参照項目&類似過去問
内容を見る
遺産分割(民法[31]5)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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(1)①共同相続の効力 | |||
1 | R05-01-2 | 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属し、各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。 | ◯ |
2 | H11-03-1 | 相続開始時に相続人が数人あるとき、遺産としての不動産は、相続人全員の共有に属する。 | ◯ |
3 | H07-11-3 | 共同相続人の一人は、他の共同相続人の同意を得なければ、自己の相続分を譲渡できない。 | × |
(1)②遺産分割の対象 | |||
1 | R05-01-1 | 遺産である不動産から、相続開始から遺産分割までの間に生じた賃料債権は、遺産である不動産が遺産分割によって複数の相続人のうちの一人に帰属することとなった場合、当該不動産が帰属することになった相続人が相続開始時にさかのぼって取得する。 | × |
2 | R05-01-4 | 遺産である不動産が遺産分割によって複数の相続人のうちの一人に帰属することとなった場合、当該不動産から遺産分割後に生じた賃料債権は、遺産分割によって当該不動産が帰属した相続人が取得する。 | ◯ |
3 | R01-06-3 | 遺産に属する預貯金債権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割され、共同相続人は、その持分に応じて、単独で預貯金債権に関する権利を行使することができる。 | × |
4 | H29-06-3 | (Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった。)遺産分割協議が成立するまでの間に遺産である不動産から賃料債権が生じていて、BとCがその相続分に応じて当該賃料債権を分割単独債権として確定的に取得している場合、遺産分割協議で当該不動産をBが取得することになっても、Cが既に取得した賃料債権につき清算する必要はない。 | ◯ |
5 | H15-12-3 | 相続財産である金銭債権(預金返還請求権ではない。)は、遺産分割協議が成立するまでは、相続人の共有に属し、相続人全員の同意がなければ、その債務者に弁済請求できない。 | × |
6 | H15-12-4 | 共同相続人の一人が相続開始時に金銭を相続財産として保管している場合、他の相続人は、遺産分割協議の成立前でも、自己の相続分に相当する金銭を支払うよう請求できる。 | × |
(2)①指定分割 | |||
1 | R01-06-1 | 被相続人は、遺言によって遺産分割を禁止することはできず、共同相続人は、遺産分割協議によって遺産の全部又は一部の分割をすることができる。 | × |
2 | H11-03-2 | 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定めることができ、また相続開始の時から5年を超えない期間内で遺産の分割を禁ずることもできる。 | ◯ |
3 | H18-12-3 | 被相続人Aが、相続人BCのうちのBに特定遺産を相続させる旨の遺言をして死亡し、特定遺産以外の相続財産についての遺産分割協議の成立前にBがCの同意なく特定遺産を第三者に売却した場合、CはBD間の売買契約を無権代理行為に準じて取り消すことができる。 | × |
(2)②協議分割 | |||
1 | R01-06-2 | 共同相続人は、既に成立している遺産分割協議につき、その全部又は一部を全員の合意により解除した上、改めて遺産分割協議を成立させることができる。 | ◯ |
2 | H29-06-2 | (Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった。)Aの死亡後、いずれもAの子であるBとCとの間の遺産分割協議が成立しないうちにBが死亡したときは、Bに配偶者Dと子Eがいる場合であっても、Aの遺産分割についてはEが代襲相続人として分割協議を行う。 | × |
3 | H18-12-4 | B及びCの協議により甲土地をBが取得する旨の遺産分割協議を有効に成立させた場合、後にB及びCの合意があっても、甲土地をCが取得する旨の遺産分割協議を成立させることはできない。 | × |
4 | H07-11-4 | 遺産分割協議の結論は、相続人の多数決によって決する。 | × |
(2)③家庭裁判所による分割 | |||
1 | H11-03-3 | 遺産の分割について共同相続人間に協議が調わないとき、各共同相続人は、その分割を、相続開始地の地方裁判所に請求することができる。 | × |
(3)効果 | |||
1 | R05-01-3 | 遺産分割の効力は、相続開始の時にさかのぼって生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。 | ◯ |
2 | R01-06-4 | 遺産の分割は、共同相続人の遺産分割協議が成立した時から効力を生ずるが、第三者の権利を害することはできない。 | × |
3 | H11-03-4 | 遺産分割の効力は、第三者の権利を害しない範囲で、相続開始の時にさかのぼって生ずる。 | ◯ |
(4)債務の相続 | |||
1 | H23-10-3 | 共同相続人のうち、被相続人の唯一の資産を相続するものは、被相続人の債務のすべてを相続する。 | × |
2 | H19-12-3 | 相続人が単純承認した場合、被相続人の債務も、相続人が相続分に応じて承継する。 | ◯ |
3 誤り
預貯金債権は、遺産分割の対象です(最大決平28.12.19)。相続開始と同時に当然に分割されるわけではありません。したがって、共同相続人が単独で預貯金債権に関する権利を行使することはできません。
※預貯金債権以外の金銭債権など可分債権については、相続開始と同時に法律上当然に分割され、各相続人が相続分にしたがって承継します(最判昭29.04.08)。
■参照項目&類似過去問
内容を見る
遺産分割(民法[31]5)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
(1)①共同相続の効力 | |||
1 | R05-01-2 | 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属し、各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。 | ◯ |
2 | H11-03-1 | 相続開始時に相続人が数人あるとき、遺産としての不動産は、相続人全員の共有に属する。 | ◯ |
3 | H07-11-3 | 共同相続人の一人は、他の共同相続人の同意を得なければ、自己の相続分を譲渡できない。 | × |
(1)②遺産分割の対象 | |||
1 | R05-01-1 | 遺産である不動産から、相続開始から遺産分割までの間に生じた賃料債権は、遺産である不動産が遺産分割によって複数の相続人のうちの一人に帰属することとなった場合、当該不動産が帰属することになった相続人が相続開始時にさかのぼって取得する。 | × |
2 | R05-01-4 | 遺産である不動産が遺産分割によって複数の相続人のうちの一人に帰属することとなった場合、当該不動産から遺産分割後に生じた賃料債権は、遺産分割によって当該不動産が帰属した相続人が取得する。 | ◯ |
3 | R01-06-3 | 遺産に属する預貯金債権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割され、共同相続人は、その持分に応じて、単独で預貯金債権に関する権利を行使することができる。 | × |
4 | H29-06-3 | (Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった。)遺産分割協議が成立するまでの間に遺産である不動産から賃料債権が生じていて、BとCがその相続分に応じて当該賃料債権を分割単独債権として確定的に取得している場合、遺産分割協議で当該不動産をBが取得することになっても、Cが既に取得した賃料債権につき清算する必要はない。 | ◯ |
5 | H15-12-3 | 相続財産である金銭債権(預金返還請求権ではない。)は、遺産分割協議が成立するまでは、相続人の共有に属し、相続人全員の同意がなければ、その債務者に弁済請求できない。 | × |
6 | H15-12-4 | 共同相続人の一人が相続開始時に金銭を相続財産として保管している場合、他の相続人は、遺産分割協議の成立前でも、自己の相続分に相当する金銭を支払うよう請求できる。 | × |
(2)①指定分割 | |||
1 | R01-06-1 | 被相続人は、遺言によって遺産分割を禁止することはできず、共同相続人は、遺産分割協議によって遺産の全部又は一部の分割をすることができる。 | × |
2 | H11-03-2 | 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定めることができ、また相続開始の時から5年を超えない期間内で遺産の分割を禁ずることもできる。 | ◯ |
3 | H18-12-3 | 被相続人Aが、相続人BCのうちのBに特定遺産を相続させる旨の遺言をして死亡し、特定遺産以外の相続財産についての遺産分割協議の成立前にBがCの同意なく特定遺産を第三者に売却した場合、CはBD間の売買契約を無権代理行為に準じて取り消すことができる。 | × |
(2)②協議分割 | |||
1 | R01-06-2 | 共同相続人は、既に成立している遺産分割協議につき、その全部又は一部を全員の合意により解除した上、改めて遺産分割協議を成立させることができる。 | ◯ |
2 | H29-06-2 | (Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった。)Aの死亡後、いずれもAの子であるBとCとの間の遺産分割協議が成立しないうちにBが死亡したときは、Bに配偶者Dと子Eがいる場合であっても、Aの遺産分割についてはEが代襲相続人として分割協議を行う。 | × |
3 | H18-12-4 | B及びCの協議により甲土地をBが取得する旨の遺産分割協議を有効に成立させた場合、後にB及びCの合意があっても、甲土地をCが取得する旨の遺産分割協議を成立させることはできない。 | × |
4 | H07-11-4 | 遺産分割協議の結論は、相続人の多数決によって決する。 | × |
(2)③家庭裁判所による分割 | |||
1 | H11-03-3 | 遺産の分割について共同相続人間に協議が調わないとき、各共同相続人は、その分割を、相続開始地の地方裁判所に請求することができる。 | × |
(3)効果 | |||
1 | R05-01-3 | 遺産分割の効力は、相続開始の時にさかのぼって生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。 | ◯ |
2 | R01-06-4 | 遺産の分割は、共同相続人の遺産分割協議が成立した時から効力を生ずるが、第三者の権利を害することはできない。 | × |
3 | H11-03-4 | 遺産分割の効力は、第三者の権利を害しない範囲で、相続開始の時にさかのぼって生ずる。 | ◯ |
(4)債務の相続 | |||
1 | H23-10-3 | 共同相続人のうち、被相続人の唯一の資産を相続するものは、被相続人の債務のすべてを相続する。 | × |
2 | H19-12-3 | 相続人が単純承認した場合、被相続人の債務も、相続人が相続分に応じて承継する。 | ◯ |
4 誤り
遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生じます(民法909条本文)。ただし、第三者の権利を害することはできません(同条ただし書き)。
本肢は、「遺産分割協議が成立した時から」とする点が誤りです。
■参照項目&類似過去問
内容を見る
遺産分割(民法[31]5)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
(1)①共同相続の効力 | |||
1 | R05-01-2 | 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属し、各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。 | ◯ |
2 | H11-03-1 | 相続開始時に相続人が数人あるとき、遺産としての不動産は、相続人全員の共有に属する。 | ◯ |
3 | H07-11-3 | 共同相続人の一人は、他の共同相続人の同意を得なければ、自己の相続分を譲渡できない。 | × |
(1)②遺産分割の対象 | |||
1 | R05-01-1 | 遺産である不動産から、相続開始から遺産分割までの間に生じた賃料債権は、遺産である不動産が遺産分割によって複数の相続人のうちの一人に帰属することとなった場合、当該不動産が帰属することになった相続人が相続開始時にさかのぼって取得する。 | × |
2 | R05-01-4 | 遺産である不動産が遺産分割によって複数の相続人のうちの一人に帰属することとなった場合、当該不動産から遺産分割後に生じた賃料債権は、遺産分割によって当該不動産が帰属した相続人が取得する。 | ◯ |
3 | R01-06-3 | 遺産に属する預貯金債権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割され、共同相続人は、その持分に応じて、単独で預貯金債権に関する権利を行使することができる。 | × |
4 | H29-06-3 | (Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった。)遺産分割協議が成立するまでの間に遺産である不動産から賃料債権が生じていて、BとCがその相続分に応じて当該賃料債権を分割単独債権として確定的に取得している場合、遺産分割協議で当該不動産をBが取得することになっても、Cが既に取得した賃料債権につき清算する必要はない。 | ◯ |
5 | H15-12-3 | 相続財産である金銭債権(預金返還請求権ではない。)は、遺産分割協議が成立するまでは、相続人の共有に属し、相続人全員の同意がなければ、その債務者に弁済請求できない。 | × |
6 | H15-12-4 | 共同相続人の一人が相続開始時に金銭を相続財産として保管している場合、他の相続人は、遺産分割協議の成立前でも、自己の相続分に相当する金銭を支払うよう請求できる。 | × |
(2)①指定分割 | |||
1 | R01-06-1 | 被相続人は、遺言によって遺産分割を禁止することはできず、共同相続人は、遺産分割協議によって遺産の全部又は一部の分割をすることができる。 | × |
2 | H11-03-2 | 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定めることができ、また相続開始の時から5年を超えない期間内で遺産の分割を禁ずることもできる。 | ◯ |
3 | H18-12-3 | 被相続人Aが、相続人BCのうちのBに特定遺産を相続させる旨の遺言をして死亡し、特定遺産以外の相続財産についての遺産分割協議の成立前にBがCの同意なく特定遺産を第三者に売却した場合、CはBD間の売買契約を無権代理行為に準じて取り消すことができる。 | × |
(2)②協議分割 | |||
1 | R01-06-2 | 共同相続人は、既に成立している遺産分割協議につき、その全部又は一部を全員の合意により解除した上、改めて遺産分割協議を成立させることができる。 | ◯ |
2 | H29-06-2 | (Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった。)Aの死亡後、いずれもAの子であるBとCとの間の遺産分割協議が成立しないうちにBが死亡したときは、Bに配偶者Dと子Eがいる場合であっても、Aの遺産分割についてはEが代襲相続人として分割協議を行う。 | × |
3 | H18-12-4 | B及びCの協議により甲土地をBが取得する旨の遺産分割協議を有効に成立させた場合、後にB及びCの合意があっても、甲土地をCが取得する旨の遺産分割協議を成立させることはできない。 | × |
4 | H07-11-4 | 遺産分割協議の結論は、相続人の多数決によって決する。 | × |
(2)③家庭裁判所による分割 | |||
1 | H11-03-3 | 遺産の分割について共同相続人間に協議が調わないとき、各共同相続人は、その分割を、相続開始地の地方裁判所に請求することができる。 | × |
(3)効果 | |||
1 | R05-01-3 | 遺産分割の効力は、相続開始の時にさかのぼって生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。 | ◯ |
2 | R01-06-4 | 遺産の分割は、共同相続人の遺産分割協議が成立した時から効力を生ずるが、第三者の権利を害することはできない。 | × |
3 | H11-03-4 | 遺産分割の効力は、第三者の権利を害しない範囲で、相続開始の時にさかのぼって生ずる。 | ◯ |
(4)債務の相続 | |||
1 | H23-10-3 | 共同相続人のうち、被相続人の唯一の資産を相続するものは、被相続人の債務のすべてを相続する。 | × |
2 | H19-12-3 | 相続人が単純承認した場合、被相続人の債務も、相続人が相続分に応じて承継する。 | ◯ |
いつもありがとうございます。
家坂先生の解説は他のサイトにはない一歩踏み込んだ解説で、点と点がつながり知識が厚くなっていくのを感じます、サイトも作り込まれていてたいへん勉強になり感謝申し上げます。
肢4について質問があります。
「ただし、第三者の権利を害することはできません(同条但書)」
とあるため、その後こちらは登記で決着をつけるということでしょうか。
問題文の状態の第三者は「遺産分割後」の第三者という認識でよろしいでしょうか?
また、仮に協議がまだ成立していなかったら「遺産分割前」の第三者(無権利者からの譲受人)という状態になり、Bさんは登記なくして対抗できるという認識で合っているでしょうか?
シンプルな問題なのですが、解説の図を見ていたら物権変動の遺産分割「前」「後」の第三者のあたりの知識が入り込んできてしまいよく分からなくなってしまいました。
よろしくお願いいたします。
ぴっち様
いつも当サイトをご利用いただきありがとうございます。
以下、ご質問にお答えします。
民法909条について必要な知識
この条文については、本問の他には、平成11年問03肢4で問われたのみです。
その際の問題文を挙げておきます。
この2つの出題例から見ると、この条文については、
の2点を知っていれば十分と思われます。
もう少し詳しく
概論はここまでです。
以下では、ぴっちさんのご質問に具体的にお答えしましょう。
遺産分割「前」の第三者と遺産分割「後」の第三者
いいえ、違います。
ここでいう「第三者」は、「相続開始後、遺産分割前に出現した第三者」を指します。
つまり、肢4の図は、左から右に向かって時系列も示したつもりです。
一方、第三者が「遺産分割『後』」に出現したのであれば、話はもっと単純です。
肢4の設定を少し変えて、
・B・C間の遺産分割協議の後に、Cが自分の共有持分をEに譲渡した
としましょう。
この場合、Cの共有持分については、
という矛盾する二本の矢印が生えています。
つまり、典型的な二重譲渡の関係です。
BとEとの優劣は、「先に登記したほうが勝ち」というルールで決定されます。
無権利者からの譲受け?
(BもCも無権利者ではありません。)
【共通点】遺産分割「前」の第三者と遺産分割「後」の第三者
DがBに対して権利を主張するためには登記が必要、という点については、
いずれも結論的には同じです。
もう一つの論点
「無権利者からの譲受け」や「登記なくして対抗できる」という言葉が出てくるのは、
「法定相続分を超える譲渡」のケースと混乱しているからではないでしょうか?
これについては、以下のところで詳しく講義しています。この機会にしっかり見直しておきましょう。
■民法[07]物権変動と対抗問題
2.対抗問題が生じているか?
(4).相続
この図を使って、説明しています。
家坂先生
先生のご指摘通り、「法定相続分を超える譲渡」と混同していました!><
この勘違いに気が付くことができ、そしてずっともやもやしていたことがすっきり解決できました。
とても分かりやすく、詳細な解説をありがとうございました!
民法909条については必要な知識だけを頭に入れておき、
混同していた部分についてはこの機会にしっかり見直して知識をしっかり整理しておきたいと思います。
ありがとうございました!
とんでもないです。
疑問が解消できて何よりでした。
「法定相続分を超える譲渡」は、過去に5回も出ている重要論点。しかし、令和3年12月試験(問06肢4)で出たばかりなので、今年は、お休みだと思います。