民法[31]請負契約

建物の新築やリフォームを依頼する場合に使われるのが請負契約です。頼まれて仕事する側を請負人、頼む側を注文者と呼びます。請負人は仕事を完成する義務を負い、注文者は報酬を支払う義務を負います。
両者の義務の関係は、請負人の仕事完成義務が先履行で、その後に注文者の報酬支払義務が発生します。2つの義務の間に、同時履行の関係はありません。

1.請負契約とは

当事者の一方(請負人)がある仕事を完成することを約束し、
相手方(注文者)が仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束する

■諾成契約⇒[23]4(1)

2.注文者の権利・義務

(1).報酬支払義務
①物の引渡しがある場合


■同時履行の抗弁権⇒[24]2(2)②
★過去の出題例★

民法[24]2(2)②
同時履行の抗弁権:請負契約に関する目的物引渡債務と報酬請求権

民法[31]2(1)①も同内容)
 年-問-肢内容正誤
115-09-2目的物の引渡しを要する請負契約における目的物引渡債務と報酬支払債務とは、同時履行の関係に立つ。
206-08-1注文者の報酬支払義務と請負人の住宅引渡義務は、同時履行の関係に立つ。
②物の引渡しがない場合

(2).注文者による契約の解除

・いつでも解除可能
・損害賠償が必要
★過去の出題例★

民法[31]2(2)
注文者による契約の解除
 年-問-肢内容正誤
107-10-4注文者Aは、請負人Bが建物の建築を完了していない間にBに代えてDに請け負わせ当該建物を完成させることとする場合、損害を賠償してBとの請負契約を解除することができる。
202-08-4請負契約において請負人が仕事を完成しない間は、請負人は、損害を賠償して契約を解除することができる。×

3.請負人の瑕疵担保責任

(1).内容
①注文者ができること


★過去の出題例★

民法[31]3(1)①
請負人の担保責任(瑕疵修補請求・損害賠償請求)
 年-問-肢内容正誤
129-07-1請負契約が請負人の責めに帰すべき事由によって中途で終了し、請負人が施工済みの部分に相当する報酬に限ってその支払を請求することができる場合、注文者が請負人に請求できるのは、注文者が残工事の施工に要した費用のうち、請負人の未施工部分に相当する請負代金額を超える額に限られる。
224-05-1瑕疵が重要でなく、修補に過分の費用を要する場合、注文者は瑕疵の修補を請求できない。
318-06-1瑕疵の修補が可能な場合、損害賠償を請求する前に、瑕疵修補を請求しなければならない。×
407-10-3注文主が建物を譲渡した場合、譲受人が瑕疵修補・損害賠償の請求ができる。×
501-08-1完成した目的物に瑕疵があり、請負人が修補義務を負う場合において、その修補が可能なものであっても、注文者は、瑕疵の修補に代えて、直ちに損害賠償の請求をすることができる。
601-08-2完成した目的物に契約をした目的を達することができない重大な瑕疵があるときは、注文者は、瑕疵の修補又は損害賠償の請求をすることはできないが、契約を解除することができる。×
建替費用相当額の損害賠償
124-05-2建物を建て替えざるを得ない場合、建替費用相当額の損害賠償請求が可能。
224-05-3解除ができない場合、建替費用相当額の損害賠償請求は不可。×
318-06-2建物を建て替えざるを得ない場合、建替費用相当額の損害賠償請求が可能。
民法[31]3(1)①
請負人の担保責任:解除

 年-問-肢内容正誤
126-06-4建物の瑕疵のため請負契約の目的が達成できない場合、注文者は契約を解除できる。×
218-06-3請負の目的物である建物に瑕疵があり、瑕疵の修補に要する費用が契約代金を超える場合には、請負契約を解除できる。×
306-08-2請負の目的物である建物に瑕疵があり、契約目的が達成できないときは、引渡し1年以内であれば、解除できる。×
401-08-4建物その他土地の工作物に、契約目的を達することができない重大な瑕疵があるときは、注文者は、契約を解除できる。×
②建替費用相当額の損害賠償

建物に重大な瑕疵があるために、建て替えざるを得ない場合
→建替費用相当額の損害賠償請求◯
★過去の出題例★

[31]3(1)②
請負人の担保責任:建替費用相当額の損害賠償
 年-問-肢内容正誤
124-05-2建物を建て替えざるを得ない場合、建替費用相当額の損害賠償請求が可能。
224-05-3解除ができない場合、建替費用相当額の損害賠償請求は不可。×
318-06-2建物を建て替えざるを得ない場合、建替費用相当額の損害賠償請求が可能。
③損害賠償請求と同時履行の抗弁権(⇒[24]2(1)②
★過去の出題例★
民法[24]2(1)②
同時履行の抗弁権:注文者の損害賠償請求権と請負人の報酬請求権

民法[31]3(1)③も同内容)
 年-問-肢内容正誤
129-07-3請負契約の目的物に瑕疵がある場合、注文者は、請負人から瑕疵の修補に代わる損害の賠償を受けていなくとも、特別の事情がない限り、報酬全額を支払わなければならない。×
211-08-3建物の建築請負契約の請負人が、瑕疵修補義務に代わる損害賠償義務について、その履行の提供をしない場合、注文者は、当該請負契約に係る報酬の支払いを拒むことができる。
(2).担保責任を追及できる期間


★過去の出題例★

民法[31]3(2)
請負人の担保責任:担保責任を追及できる期間
 年-問-肢内容正誤
124-05-4建物建築請負の瑕疵担保責任の追及は、引渡しから1年以内にしなければならない。×
207-10-1建物建築請負の瑕疵担保責任の追及は、引渡しから2年以内にしなければならない。×
306-08-3建物建築請負の瑕疵担保責任の追及は、引渡しから原則5年間であり、特約で10年まで伸長できる。
401-08-3完成した目的物が建物その他土地の工作物である場合において、その物が引き渡しを受けてから3年目に瑕疵により損傷したときは、注文者は、その時から2年以内に修補又は損害賠償の請求をすることができる。×
(3).担保責任を負わない旨の特約
①原則

有効

②例外

知っているのに告げなかった事実
→免責×
★過去の出題例★

民法[31]3(3)
担保責任を負わない旨の特約

 年-問-肢内容正誤
129-07-4請負人が瑕疵担保責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることはできない。
218-06-4請負の目的物である建物につき瑕疵担保責任を負わない旨の特約をすれば、瑕疵担保責任は一切追及できなくなる。×
306-08-4瑕疵担保責任を負わない旨の特約をした場合でも、請負人が瑕疵を知っていて注文者に告げなかった場合には、免責されない。

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