民法[05]無権代理・表見代理

代理人を名乗る人に代理権がない場合、無権代理という問題になります。
本人は、無権代理を追認したり、逆に追認を拒絶することができます。また、相手方には、催告権・取消権などの権限が与えられます。
無権代理ではあっても、本人に帰責性があり、相手方が善意無過失だった場合には、表見代理が成立し、代理行為が有効となります。

1.無権代理とは

2.本人の権限

(1).追認権・追認拒絶権

(2).追認・拒絶する相手


★過去の出題例★

無権代理:本人の権限(民法[05]2)
 年-問-肢内容正誤
126-02-ア無権代理行為を本人が追認する場合、契約の効力は、追認をした時から将来に向かって生ずる。×
224-04-1無権代理行為を本人が追認した場合、売買契約は有効となる。
317-03-ウ無権代理行為を本人が追認した場合、売買契約は有効となる。
414-02-4[Aが、Bの代理人としてCとの間で、B所有の土地の売買契約を締結する。]AがBに無断でCと売買契約をしたが、Bがそれを知らないでDに売却して移転登記をした後でも、BがAの行為を追認すれば、DはCに所有権取得を対抗できなくなる。×
511-07-1本人は無権代理行為を相手方に対して追認することができる。
609-01-1無権代理行為を本人または相手方が追認した場合、売買契約は有効となる。×
706-04-3本人の追認により契約は有効となるが、その追認は相手方に対して直接行うことを要し、無権代理人に対して行ったときは、相手方がその事実を知ったとしても、契約の効力を生じない。×
804-03-1相手方が善意無過失であれば、無権代理行為は有効。×
904-03-4無権代理行為は無効であるが、本人が追認すれば、新たな契約がなされたとみなされる。×

3.相手方の権限


★過去の出題例★

民法[05]3(1)
無権代理:相手方の催告権

 年-問-肢内容正誤
116-02-2相手方は本人に対して追認するか否か催告でき、本人が確答しない場合、追認とみなされ契約は有効となる。×
211-07-2相手方が本人に催告するには、代金を用意しておく必要がある。×
309-01-3無権代理人が本人に追認するかどうか催告し、本人が確答しない場合、本人は追認拒絶したものとみなされる。×
民法[05]3(2)
無権代理:相手方の取消権

 年-問-肢内容正誤
118-02-3本人が無権代理行為を追認しない間は、相手方は契約を取消可能。ただし、相手方が悪意のときには取消不能。
209-01-2無権代理人は、本人の追認のない間は、契約を取り消すことができる。×
305-02-1本人が追認するまでの間、相手方は、無権代理について悪意であっても、契約を取り消すことができる。×
405-02-3相手方は、無権代理について善意無過失であれば、本人が追認しても、契約を取り消すことができる。×
504-03-2無権代理行為は有効であるが、本人が取り消すことができる。×
604-03-3善意無過失の相手方は、本人が追認するまでは、契約を取り消すことができる。
702-05-4BがAに代理権を与えていなかった場合は、相手方Cは、そのことについて善意であり、かつ、Bの追認がないとき、当該売買契約を取り消すことができる。
民法[05]3(3)
無権代理人の責任追及

 年-問-肢内容正誤
118-02-4本人が無権代理行為を追認しない場合、無権代理人は相手方の選択に従い、契約履行または損害賠償責任を負う。ただし、相手方が契約時に悪意の場合は責任を負わない。
211-07-4表見代理に該当する場合でも、相手方は無権代理を主張し、無権代理人に対し損害賠償請求できる場合がある。
309-01-4本人が追認を拒絶した場合、無権代理人が自ら契約を履行する責任を負うことがある。
405-02-2本人が追認しないときは、相手方は、無権代理につき善意であれば過失の有無に関係なく、無権代理人に履行を請求できる。×
502-05-1本人BがAに代理権を与えていなかった場合は、相手方Cは、そのことについて善意無過失であり、かつ、Bの追認がないとき、Aに対して契約の履行の請求又は損害賠償の請求をすることができる。

4.無権代理と相続

(1).無権代理人が本人を単独相続した場合

無権代理は相続によって当然に有効となり、無権代理人は本人の地位で追認拒絶をすることはできない

(2).本人が無権代理人を単独相続した場合

無権代理は相続によって当然に有効となるわけではなく、本人が追認を拒絶しても信義則に反しない

★過去の出題例★

無権代理と相続(民法[05]4)
 年-問-肢内容正誤
無権代理人が本人を単独相続した場合
130-10-1無権代理人が本人に無断で本人の不動産を売却した後に、単独で本人を相続した場合、本人が自ら当該不動産を売却したのと同様な法律上の効果が生じる。
224-04-2本人が死亡し無権代理人が単独で相続した場合、無権代理人は追認拒絶が可能。×
320-03-3本人が死亡し無権代理人が単独で相続した場合、無権代理行為は当然有効となる。
405-02-4本人が死亡し無権代理人が単独で相続した場合、無権代理行為は当然有効となる。
本人が無権代理人を単独相続した場合
124-04-3無権代理人が死亡し本人が単独で相続した場合、本人は追認拒絶が可能。
220-03-4無権代理人が死亡し本人が単独で相続した場合、無権代理行為は当然有効となる。×
316-02-4無権代理人が死亡し本人が単独で相続した場合、本人は追認拒絶が可能。相手方は善意無過失であれば、本人に対し損害賠償請求が可能。
無権代理人が本人を共同相続した場合
124-04-4本人が死亡し無権代理人が共同で相続した場合、他の相続人が追認しない限り、無権代理人の相続分についても当然有効にはならない。
216-02-3本人が死亡し無権代理人が共同相続した場合、無権代理人の相続分については当然有効となる。×

5.表見代理

(1).具体例

(2).考え方

有効な代理と扱う

(3).種類
  1. 権限外の行為の表見代理
  2. 代理権消滅後の表見代理
  3. 代理権授与の表示による表見代理
★過去の出題例★
表見代理(民法[05]5)
 年-問-肢内容正誤
代理権授与の表示による表見代理
118-02-1本人Bが相手方Cに対し、Aは甲土地の売却に関する代理人であると表示していた場合、Aに甲土地を売り渡す具体的な代理権はないことをCが過失により知らなかったときは、売買契約は有効となる。×
権限外の行為の表見代理
126-02-イ不動産を担保に金員を借り入れる代理権を与えられた代理人が、本人の名において不動産を売却した場合、相手方において本人自身の行為であると信じたことについて正当な理由があるときは、表見代理の規定を類推適用できる。
218-02-2抵当権設定の代理権を与えられた代理人が、売買契約を締結した場合、代理人に代理権があると相手方が信ずべき正当な理由があるときは、売買契約は有効となる。
316-02-1夫婦の一方による法律行為が、日常家事の範囲にないと相手方が考えていた場合でも、表見代理が成立する。×
414-02-2抵当権設定の代理権しか与えられていない代理人が、その土地を売却した場合、相手方が代理権があると信じることに正当な事由があるときでも、売買契約は成立しない。×
511-07-3家賃徴収の代理をさせていた代理人が、売買契約を締結した場合、相手方が代理人に代理権があると信じ、そう信じることについて正当な理由があるときは、売主に所有権移転登記を請求できる。
608-02-2抵当権設定の代理権を与えられ、土地の登記済証・実印・印鑑証明書の交付を受けていた代理人が、売買契約を締結した場合、代理人に代理権があると相手方が過失なく信じたときは、相手方は本人に対して土地の引渡しを求めることができる。
706-04-2抵当権設定の代理権しか与えられていない代理人が、売買契約を締結した場合、本人は、相手方が善意無過失であっても、売買契約を取り消すことができる。×
代理権消滅後の表見代理
117-03-イ代理権消滅後でも、相手方がそのことにつき善意無過失であれば、契約は有効となる。
208-02-4代理人が、自らの破産手続き開始後に契約締結した場合、相手方が破産手続につき悪意であっても、契約は有効となる。×
306-04-4破産により代理権が消滅しても、相手方が善意無過失であれば、契約は有効である。

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民法[05]無権代理・表見代理” に対して1件のコメントがあります。

  1. T510 より:

    『ステップ2 一問一答式問題集』のうち、「権利関係」の無権代理に関することについて
    P8の3の(1)催告権の問1ですが、前提条件がなければ、問題が成立しないのでは?
    ある程度は推定できますが、問題としては不正確なのでは?

    1. 家坂 圭一 より:

      T510様

      お問い合わせありがとうございます。
      「05 無権代理・表見代理」という表題の下にある「共通の設定」(A所有の甲土地につき、Aから売却に関する代理権を与えられていないBが、Aの代理人として、Cとの間で売買契約を締結した。)に従って回答してください。

      1. T510 より:

        共通の設定は、直下の2だけではなく、3ないし5にも関係するということですね。
        よくわかりました。

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