【宅建過去問】(令和06年問14)不動産登記法

不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. 買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から10年を経過したときは、登記権利者は、単独で当該登記の抹消を申請することができる。
  2. 不動産の収用による所有権の移転の登記は、起業者が単独で申請することができる。
  3. 相続人ではない者に対する遺贈による所有権の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
  4. 登記名義人の住所についての変更の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。

正解:3

はじめに

全選択肢に共通するのが「登記を単独で申請できるか。」という論点です。表示に関する登記と権利に関する登記に分けて、原則と例外を確認しておきましょう。
権利に関する登記は、登記義務者と登記権利者が共同で申請するのが原則です(共同申請の原則。不動産登記法60条)。しかし、登記権利者が単独で申請することができる例外がいくつか認められています。

原則例外
表示に関する登記単独申請
権利に関する登記共同申請単独申請
合同申請
申請者:権利に関する登記と表示に関する登記との比較(不動産登記法[03]1(2)②

1 正しい

買戻しとは


不動産の売買契約をする際、その契約と同時に買戻しの特約をすることができます。この特約は、売主Aが買主Bの支払った代金と契約費用をBに返還すれば、売買契約が解除され、その不動産の所有権がAに復帰するというものです(民法579条)。所有権がAに復帰するので、買戻しと呼ぶわけです。
実際の使われ方としては、例えば、地方公共団体Aが所有地をBに売却する際に、「いついつまでに、このような建物を建築すること。建築しない場合は、買い戻す。」という特約を付けることがあります。

買戻しの期間

買戻しの期間を定める場合、10年が限度です(民法580条1項)。また、当初定めた買戻しの期間を後になって伸長することはできません(同条2項)。
買戻しの期間を合意しなかった場合は、5年以内に買戻しをする必要があります(同条3項)。

買戻しの特約に関する登記の抹消

契約から10年を経過すれば、全ての買戻特約は、効力を失っているはずです。その後であれば、この特約に関する登記を抹消しても、登記義務者(売主)の不利にはなりません。そのため、登記権利者(買主)が単独で登記の抹消を申請することができます(不動産登記法69条の2)。

■参照項目&類似過去問
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単独申請(一度だけ出題)(不動産登記法[03]2)
年-問-肢内容正誤
1R06-14-1買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から10年を経過したときは、登記権利者は、単独で当該登記の抹消を申請することができる。
2H19-16-3権利が法人の解散によって消滅する旨の登記がされている場合において、当該権利がその法人の解散によって消滅したときは、登記権利者は、単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。

買戻し(民法[24]なし)
年-問-肢内容正誤
1R06-14-1買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から10年を経過したときは、登記権利者は、単独で当該登記の抹消を申請することができる。
2R03s-04-2売主Aと買主Bとの間で締結した売買契約に関し、売買契約の締結と同時に、Aが目的物を買い戻すことができる旨の特約をする場合、買戻しについての期間の合意をしなければ、買戻しの特約自体が無効となる。
×
3H03-08-1買戻しをするには、買主の支払った代金及び契約費用を返還すればよいが、必要費及び有益費を支払わなければ買戻しをなし得ない旨の特約があれば、その特約に従うことになる。
4H03-08-2買戻しの期間は、10年を超えることができない。
5H03-08-3買戻しの期間は、後日これを伸長することができない。
6H03-08-4買戻しの特約は、売買の登記後においても登記することができ、登記をすれば第三者に対抗することができる。
×
7H02-08-1不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約によって、買主が支払った代金及び契約の費用を返還して、その売買契約を解除することができる。

2 正しい

不動産の収用による所有権の移転の登記は、単独申請の原則の例外であり、起業者が単独で申請することができます(不動産登記法118条1項)。

収用による所有権の移転の登記(不動産登記法[03]2(5)
■参照項目&類似過去問
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収用による所有権移転の登記(不動産登記法[03]2(5))
年-問-肢内容正誤
1R06-14-2不動産の収用による所有権の移転の登記は、起業者が単独で申請することができる。
2H24-14-4不動産の収用による所有権の移転の登記は、起業者が単独で申請することができる。

3 誤り

「相続人である者」に対する遺贈であれば、単独申請の原則の例外であり、その受遺者が単独で申請することができます(不動産登記法63条3項)。
しかし、本肢は、「相続人ではない者」に対する遺贈のケースです。この場合、原則通り、共同申請をすることになります。

相続・合併による権利の移転登記(不動産登記法[03]2(1)

■参照項目&類似過去問

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相続・遺贈・合併による権利の移転登記(不動産登記法[03]2(1))
年-問-肢内容正誤
1R06-14-3相続人ではない者に対する遺贈による所有権の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。×
2R03-14-3法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
3H19-16-4相続人に対する遺贈を登記原因とする所有権の移転の登記は、遺言執行者が指定されているか否かにかかわらず、登記権利者が単独で申請することができる。
4H17-16-2相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
5H14-15-3登記の申請は、登記権利者及び登記義務者が共同してするのが原則であるが、相続による登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
6H10-14-1相続による所有権移転登記を申請する場合には、申請情報と併せて被相続人の所有権の登記の登記識別情報を提供しなければならない。×
7H09-14-3所有権の登記名義人に相続が開始した場合、当該不動産を相続により取得した者は、相続の開始を知った時から1年以内に、所有権の移転の登記の申請をしなければならない。×
8H09-15-4遺産分割協議書に基づく相続を原因とする所有権移転の登記の申請は、共同相続の登記がされていない場合には、することができない。×
9H06-16-1A名義の所有権の登記がある土地をBに売り渡す契約が締結された後、所有権移転の登記がされないうちにAが死亡し、Cが相続をした場合には、C名義への相続による所有権移転の登記がされなくても、B名義への所有権移転の登記をすることができる。

4 正しい

登記名義人の氏名・名称又は住所についての変更・更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができます(不動産登記法64条1項)。

変更の登記・更正の登記(不動産登記法[03]2(2)

※自分の名前や住所が変わったことを申請する場合、共同で申請をする相手方が、そもそも存在しません。そのため、必然的に単独申請になります。

■参照項目&類似過去問
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登記名義人の氏名・名称・住所の変更・更正の登記(不動産登記法[03]2(2))
年-問-肢内容正誤
1R06-14-4登記名義人の住所についての変更の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。
2H30-14-4所有権の登記名義人は、その住所について変更があったときは、当該変更のあった日から1月以内に、変更の登記を申請しなければならない。×
3H17-16-3登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。
4H09-14-2所有権の登記名義人が住所を移転した場合、所有権の登記名義人は、住所を移転した時から1ヵ月以内に、登記名義人の表示の変更の登記の申請をしなければならない。×
5H05-15-2氏名の変更による登記名義人の表示の変更の登記の申請は、登記名義人が単独ですることができる。


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