7月
31
2003

【宅建過去問】(平成15年問09)同時履行の抗弁

【過去問本試験解説】発売中

同時履行の関係に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. 動産売買契約における目的物引渡債務と代金支払債務とは、同時履行の関係に立つ。
  2. 目的物の引渡しを要する請負契約における目的物引渡債務と報酬支払債務とは、同時履行の関係に立つ。
  3. 貸金債務の弁済と当該債務の担保のために経由された抵当権設定登記の抹消登記手続とは、同時履行の関係に立つ。
  4. 売買契約が詐欺を理由として有効に取り消された場合における当事者双方の原状回復義務は、同時履行の関係に立つ。

正解:3

【1】 ◯ 正しい

動産売買契約は双務契約であり、目的物引渡債務と代金支払債務は、同時履行の関係に立つ(民法533条)。

■類似過去問(同時履行の抗弁:基本形)
  • 平成15年問09肢1(動産売買契約における目的物引渡債務と代金支払債務とは、同時履行の関係に立つ:◯)
  • 平成11年問08肢1(宅地の売買契約における買主が、弁済期の到来後も、代金支払債務の履行の提供をしない場合、売主は、宅地の引渡しと登記を拒むことができる:◯)
  • 平成08年問09肢2(売主が、履行期に所有権移転登記はしたが、引渡しをしない場合、買主は、少なくとも残金の半額を支払わなければならない×)

【2】 ◯ 正しい

目的物の引渡しを要する請負契約は双務契約であり、目的物引渡債務と報酬支払債務は、同時履行の関係に立つ(大判大05.11.27)。

※請負人の仕事完成義務は、先に履行しなければならない。

■類似過去問(同時履行の抗弁:請負契約)
  • 平成15年問09肢2(目的物の引渡しを要する請負契約における目的物引渡債務と報酬支払債務とは、同時履行の関係に立つ:◯)
  • 平成11年問08肢3(建物の建築請負契約の請負人が、瑕疵修補義務に代わる損害賠償義務について、その履行の提供をしない場合、注文者は、当該請負契約に係る報酬の支払いを拒むことができる:◯)
  • 平成06年問08肢1(注文者の報酬支払義務と請負人の住宅引渡義務は、同時履行の関係に立つ:◯)

【3】 X 誤り

貸金債務を弁済して始めて、抵当権の抹消登記を要求することができる。
したがって、両債務は同時履行の関係に立たない(大判明37.10.14)。

■類似過去問(同時履行の抗弁:債務弁済と抵当権抹消登記)
  • 平成15年問09肢3(貸金債務の弁済と抵当権設定登記の抹消登記手続とは、同時履行の関係に立つ:◯)
  • 平成11年問08肢4(金銭の消費貸借契約の貸主が、抵当権設定登記について抹消登記手続の履行を提供しない場合、借主は、借金の弁済を拒むことができる:×)

【4】 ◯ 正しい

売買契約が詐欺を理由として有効に取り消された場合における当事者双方の原状回復義務は、双務契約から発生した債務ではないが、公平の観点から、同時履行の関係に立つとされている(民法533条。最判昭47.09.07)。

■類似過去問(同時履行の抗弁:契約の解除・取消し)
  • 平成21年問08肢3(債務不履行による解除の場合、債務不履行をした側の原状回復義務が先履行となり、同時履行の抗弁権を主張できない:×)
  • 平成15年問09肢4(売買契約が詐欺を理由として有効に取り消された場合における当事者双方の原状回復義務は、同時履行の関係に立つ:◯)
  • 平成14年問01肢2(詐欺による取消しがなされたときには、登記の抹消と代金の返還は同時履行の関係になる:◯)
  • 平成11年問08肢2(解除の際、一方当事者が原状回復義務の履行を提供しないとき、相手方は原状回復義務の履行を拒むことができる:◯)
  • 平成04年問08肢4(第三者の詐欺を理由に買主が契約を取り消した場合、登記の抹消手続を終えなければ、代金返還を請求することができない:×)

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Written by 家坂 圭一 in: 平成15年過去問,民法 |

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